〔最終回〕売買履歴は時間も大事!EAの本質を読み解く見方
前回:〔第9回〕EAの資金管理の要!損失を抑える売買履歴の見方
ライター:TACA(林 貴晴)
VB6によるシストレ開発に始まり数百のEAを作成。その経験からテクニカルが力を発揮するのは短期取引のオシレーターと信念を持つ
あなたは、裁量トレードを行う時にエントリー後、画面を注視し続けるタイプでしょうか?私は、ずっと見ているとドキドキして過敏に反応してしますので、S/L・T/Pをセットし時々様子を見るタイプです。
EAにもずっと相場を注視し続けるタイプと時々様子を見るタイプがあります。
MT4のバックテストをいろいろな角度から見てきましたが、今回は時間を探求していきます。
時間履歴から動作を読み解く
売買履歴の時間にご注目下さい。
分単位で表示されています。MT4自体は100万分の1秒まで管理しているのですが、バックテストでは秒は表示されません。疑似ティックを使っているために秒を表示する意味が無いと言う事でしょうか。
発注時間と決済時間を分けて見てください。発注時間はすべて15分単位です。15分に一回しか発注のタイミングを見ていないという事ですね。
S/LやT/Pはばらばらの時間ですが、発注時に設定しFX会社のMT4サーバー側で処理が行われているようです。
発注後すぐに決済された場合、10分以上も何もしてない事になります。EA未稼働時間があるのはもったいないですね。
こちらはひとつの発注から決済(T/P)までを抜き取ったものです。
発注後、modifyを繰り返し決済に至っていますが、modify時間をみると30分単位で動作しています。
modifyのタイミングはEA作者のデザインによるところですが、意図的に30分にしたのか、単に30分足のEAだから30分毎なのかを見極める必要があります。
ティック単位管理は相場を見逃さない!?
三番目の売買履歴です。データーが少ないので確定ではありませんが、エントリー時間が30分単位ですね。
しかし、modifyは5:30が4個あります。この様に同じ時間にmodifyが並んでいるのは、エントリー後ティック単位で管理している証拠となります。
ずっと相場を注視しているタイプですね。EAには感情はありませんのでティック単位で管理するタイプが理想的です。
中長期にポジションを持つEAにとってはティック単位での動作は必要ないかもしれません。
しかし、平均ポジション所持時間が1日未満のEAでは、ティック単位の動作が有利なケースが多いといえるでしょう。もちろんEAの作者が15分の倍数時間はボラティリティが高いとデザインする時や、30分単位の波動論などを根拠にする場合には当てはまらないこともあります。
売買履歴の時間を見ることでEAの動作時間や作動単位を見極めることができます。また、動作時間を把握することで発注のタイミングを予測することができる事は、運用時においても大きなメリットとなるでしょう。そしてEA作者の意図がくみ取れるかもしれませんね。
今回がこのシリーズの最終回になります。
読者の皆様、そして企画して下さったfx-onの皆様に厚く御礼申し上げます。
TACA(林 貴晴)
VB6によるシストレ開発に始まり数百のEAを作成。その経験からテクニカルが力を発揮するのは短期取引のオシレーターと信念を持つ