おばらっちさんの『リスク管理』とトレード手法とは!




証券会社のセミナーや、FX友の会でのセミナーなどの 講演をご覧になった方も多いと思われます『おばらっち氏』に詳しく話を聞く機会があり ました。 勝っているトレーダーはどういう目標で、手法で、資金管理で行なっているのかなど詳細 を伺って来ました。


おばらっちさんのご経歴、トレーダーとしてのご経験を教えていただけますか

大学入学時からレストラン業界でバイトを始め少しは名の知れたフレンチで修業後、軽井沢 に自分のお店を出し4年間続けました。 しかし長野オリンピックの影響で軽井沢の地価が急上昇したのに伴い家賃を2.5倍にすると

不動屋さんから言われたのを機に、これでは経営は続けられないと損切をしました。 (振り返ってみると人生で最初の大きな損切でしたがこの経験があったためかトレードを 始めた当初から損切にあまり抵抗がなかったのは、ある意味同じ感覚かもしれません。)

その後、学生時代の趣味を生かしてソフトウェア開発の会社に就職し今度はエンジニアとして のキャリアをスタートし、取引先などの縁からソフトウェア開発会社の経営を行うに至りま した。

会社の経営が軌道に乗った時点で後進に経営者の座を譲り、独立しフリーランスで開発や コンサルをする中で、2009年にFXに出合いテクニカルを使ったトレードを始めました。 トレードをはじめてから10カ月程で専業として食っていけるくらいに勝てるようになり

周りの方からは早いと言われます。 でも考えてみると10カ月と言ってもトレードを始めたその日から 専業トレーダーのような生活で1日20時間ほどはチャートを見たり勉強をしていたので

兼業でやっておられる方の5・6年分の経験を10カ月でしたというだけで、そういう意味では わりと普通ではないかと思います。 トレードを始めた当初から私が目標としているのはいわゆる『億トレーダー』になるという

ようなことではなく、同年代のサラリーマンの年収+α程度の金額をFXで得るという事で それは、現在も変わっていません。




トレードでは何を重視なさっていますか?

最も重視しているのは『リスク管理』です。 資金管理が重要だとしばしば言われますが、私は資金管理も含めた総合的なリスク管理が重要 だと考えています。

資金管理だけで話すと、たとえば1回のトレードでは資金に対して1%~2%のポジション量で トレードすべきというような金額だけの話になりがちですが、リスク管理があいまいだと ストレスが大きくかかっている時や「負けを取り返したい」といった差し迫った心情の時

仕事でプレッシャーがある時などに資金管理的にはわかっているはずなのに無理なポジション量 でトレードをして一気に大きな資金を失ってしまう
というようなことが起こります。 そうならない様な自己管理が必要で、トレード手法などよりもこのリスク管理さえしっかりして

いれば、勝っているトレーダーになれる可能性はかなり高いと考えています。

また資金管理では先に話したように「一度のトレードの損切を資金の何%以内にする」という話 になりがちですがこれは金額の目安というだけで、実際の資金管理にはお金の出入りを無理

なくしっかりコントロールできることが重要です。 世の中には「資金が100万円しかないのに一度のトレードで10万円負けても平気な人」もいれば 「資金が1000万円あっても一度のトレードで10万円の負けが耐えられない人」もいます。

前者は明らかにリスクを取り過ぎですからこういう人には「資金の何%」という基準を決めて それを守るというやり方が効果があるかもしれません。 しかし、後者の場合、資金管理の基本的な考え方では一度のトレードでの損失は資金の1%以内

であり問題はないと言えますが、現実には損切でのストレスがかかり過ぎ本人にとってのリスク が大きくなっていると言えます。 この場合、実際に資金管理を無理なく行うためには「何%以内」というのではなく自分にとって

耐えられる損失はいくらなのかを知り、それを元にトレードを考える必要があります。 このように資金管理を考える上でも自分にとってのリスクを知りそれを軽減する方法を考える ことが安定したトレードを続けるためには重要だと考えています。




『リスク管理』が重要というお話は分かりましたが、そうは言っても手法はどのようなものをお使いですか?

エンジニアでしたので当初はテクニカルをいくつも組み合わせてルールを作りそれを元にした システムトレードを行なっていました。 (私が言う「システムトレード」はルールに従って行うトレードという意味でEAを使った

自動売買ではありません)
私の周りのプロの方や勝っているトレーダーもみなさんそうですがいろいろと研究していくうち にどんどんシンプルになっていきます。

私の場合、今はロウソク足と移動平均線1本だけを使って いわゆる「プライスアクション」に 着目したトレードを行っています。


方向性が上昇相場なのか下落相場なのかを判断して、大きな資金を持った人達が動かす トレンド方向が定まったと思ったらポジションをとって、その動きが終了する前の早い段階で 決済するトレンドフォロータイプのトレードが中心です。


トレード時間は、早い時は数秒で長くても数十分でトレードを終了します。 トレードをする時間帯は、ロンドン時間の午前とニューヨークの時間の午前が中心ですが動きが あればロンドンの午後も見ることはあります。

トレードの手法上ある程度しっかりした動きが出やすい時間帯であることが理由ですが ニューヨークの午後は経験上負けることが多く苦手なので避けています。 何らかの要因で動きがあるような時は東京時間もトレードを行う事がありますがかなり稀です。

だいたいウィークデーは6~7時間程トレードしているということになりますね。 全体的な勝率は、80%くらいです。 一回に10pips獲るくらいのスキャルピングに近い短期で1日に数回トレードしています。

トレードを開始した当初に理想と考えたのが「一日一回のトレードで10pipsを高い確率で取る」 というもので今は徐々にそこに近づいているという感じですね。 また、ポジションを持っているという事自体がリスクだと考えているので、その時間はなるべく

短くしたいというのもあります。 ポジションを持ってからある一定時間たっても決済するまで動かないような場合は見込み違い だったという事で損益に関わらずポジションを手仕舞うという事もやります。

リスクを取って見込み違いのポジションを持ち続けるよりも、仕切り直して新たなチャンスを 見逃さないようにする方が良いという考え方です。 指標発表時は原則的にはトレードは行いませんが動きによってはトレードを行う事もあります。

最初のころからオーバーシュート時の逆張り狙いのトレード(一旦一気に値が上がって しばらく動きが止まった後にガクンと一気にレートが下がる様なタイミングを狙って売りを 仕掛けてとるという様なトレード)が割と得意なのでそういう形になった場合には躊躇せずに

仕掛けます。 ただし、相場上でのリスクが高い状況ですのでロットを減らしてリスクを自分の許容内に収める ことは必須です。

重要なのはチャートが自分のトレードできる形になったからトレードをするとい う事ですね。 当然動きが無ければトレードは出来ませんが、動いているからトレードをするというわけでは

ないという事です。 仮に、1円の動きがあったとしても、チャート上で自分がトレードできる形にならなければ その動きは自分にとってはなかったのと同じという風に自分に言い聞かせています。 使用するチャートは、一定回数ティックが動くとロウソク足が完成する「ティックチャート」

です。 現在はProRealTimeというチャートの裏ワザでこのチャートを表示しています。 このチャートは動きが無ければローソク足がなかなか確定せず激しく動く時はどんどん

ロウソク足が作られていくので、相場の勢いがすぐにわかり、相場の勢いを重視している 私には使いやすいです。

また、有効だろうなと思える手法を発見したら、最低でも100回(できれば1,000回)は

バックテストを行いその手法の優位性や特徴を確かめることが重要です。

私はバックテストのツールとしてForex Tester2を使っています。 エンジニアという職業上、プログラムを作ってはバグを発見して回収するという仕事を

繰り返し行っています。 それと同じようにトレード手法を過去相場のデータ上で繰り返し試すことが重要です。


PC、スマホを使うなどトレードはどんな環境で行なっていますか?

特殊なチャートを使う関係もあり、基本的にPCで行ないます。 ただ、最近ではスマホのトレードシステムの方が反応が良いと感じることもあるため (気のせいかもしれませんが)チャートはPCで見て売買はスマホ(タブレット)という

事も増えています。 短期という事も有り落ち着かない状況でのトレードはリスク要因が急増するため外で トレードする事はほとんどありません。

外出時に大きなイベントがあるというような状況以外では外ではチャートを見ることも 稀です。




いろんな貴重なお話しが伺えてとても参考になりました。 ただ、システムトレードでEAにトレードを任せっ放しの私ではなく、トレードに どっぷり浸かっているトレーダーさんであればもっといろいろヒアリングができて

更に参考になる貴重なコメントを貰えた、引き出せたかも知れないと思いました。 FX会社等のセミナーでも今後お目にかかると思いますので、更に突っ込んだ質問を 次回はしてみたいと思います。



written by hayakawa
商号 株式会社ゴゴジャン
金融商品取引業の登録番号 関東財務局長(金商)第1960号
加入協会 一般社団法人 日本投資顧問業協会
商号 株式会社ゴゴジャン
金融商品取引業の登録番号
関東財務局長(金商)第1960号
加入協会 一般社団法人
日本投資顧問業協会
金融庁日本投資顧問業協会証券・金融商品あっせん相談センター証券取引等監視委員会

Copyright © 2024 GogoJungle Inc. All Rights Reserved.