独自の「グローバルマクロ戦略」に基づいた運用の過程、分析を日本の投資家にお届けいたします。 : 江守哲のリアルトレーディング・ストラテジー | GogoJungle

価格
¥4,500(税込)
毎月自動継続課金
■お支払い方法
masterカードvisaカード口座振替
オーナー
レビュー
米国中心
毎日のメルマガで米国の景気動向をコンパクトにまとめて配信してくれます。米国をポートフォリオの中核に据えていますので、この点はと...
2018/09/23 15:44  法月
トランプ相場にカツ
江守さんの相場観には歓心を持っています。参考にしながらトランプ相場に勝つぞ。
2018/09/07 20:36  tomy
インストールの方法が難しすぎます。
 何度の返信しても、返信が来ません。いつまでたってもインストールができません。もっと簡単にインストールする方法ありませんか?
2018/09/07 17:01  わんぱく
毎日しっかり読んで戦略を考えていく
私は今までメルマガ等のコンテンツを、流し読む程度でしたが、江守哲先生のは、時間の許す限り何度も読み返し、自分なりの戦略を立てて...
2018/08/06 15:37  v36
1ヶ月購読して退会
持論のリスクオフがあられるのはいいのですがトレードでそれを引っ張られるとこの秋のような相場では私は損失を被りました。 チャートに...
2016/11/24 16:20  kou
サンプル1
【4月19日のトレード戦略】原油高でインフレへ
配信日:2018年04月19日 08時26分
おはようございます。
本日もよろしくお願いいたします。

本日はストックボイスTV「東京マーケットワイド」(東京MXTV)に出演します。
http://www.stockvoice.jp/

時間は13:30~13:45です。ぜひご覧ください。
ご覧になれなかった場合には、のちほどYoutubeで検索の上、ご視聴ください。

メルマガは毎朝8時30分前後をめどに配信しています。
8時45分を過ぎても届かない場合には、お手数ですがご連絡ください。

連絡方法は「リアルトレーディング・ストラテジー」のスレッドへの書き込み、または配信元であるゴゴジャン様へお願いいたします。

また、市場動向に関するお問い合わせにつきましても、「リアルトレーディング・ストラテジー」のスレッドへ書き込みいただければと思います。読者のみなさんで情報や考え方を共有しましょう。

新刊「米国株は3倍になる!」が発売されました。
市場分析や投資判断の本質を理解することができます。ぜひご購読ください。

〔EQUITY MARKET〕
【米国株・欧米債券市場の市況解説・分析】
米国株はダウ平均が反落。決算内容が低調だった企業に売りが出た。S&P500とナスダック総合指数は上昇した。この日のダウ平均はプラス圏とマイナス圏を往来し、方向感に乏しい展開が続いた。株価の重石となったのは、ダウ構成銘柄でもあるIBMだった。17日に発表した18年1~3月期決算が4%減益と不振だったことが嫌気されて急落し、7.5%安となった。IBMは従来型のハードウエア中心のビジネスモデルからの転換を図っているが、クラウド事業をはじめとする成長分野はアマゾン・ドット・コムなどとの競争激化で利益率が低迷しているとみられていた。ただし、米主要企業の1~3月期決算は法人税減税による利益押し上げ効果もあり、総じて堅調な業績が相次いでいる。ユナイテッド・コンチネンタルの決算は旅客収入の伸びに支えられて純利益は49%増だった。モルガン・スタンレーの決算は好調なトレーディング業務を背景に37%増益とだったが、株価は小幅高にとどまった。原油高でエネルギー株は堅調で、エクソンモービルが1.3%高、シェブロンが1.9%高だった。トムソン・ロイターによると、主要企業の純利益は前年同期比19.4%増と7年ぶりの伸びが見込まれている。

FRBは12地区の連銀景況報告(ベージュブック)を発表。3月から4月初めの米国景気は「控えめから緩やかな拡大が継続した」と総括した。ただし、トランプ政権による対中輸入制裁関税などの影響が鉄鋼価格などに反映している事例が相次いで報告された。全体的に順調な経済成長が継続し、景気の先行きを楽観する内容で、FRBが目指す緩やかな利上げ路線を後押しするとみられている。ただし、米企業による通商摩擦激化への懸念が強まっており、不透明感が強まれば設備投資などの重石になる可能性がある。景気の総括判断は前回3月の報告を踏襲した。雇用の緩やかな改善が全国的に広がる中、企業が引き続き高技能職を中心に人材確保に苦労していると指摘。賃金は「上昇圧力が続いているものの、総じて伸びは加速していない」と、緩やかな上昇幅にとどまっているとの見方を示した。物価については「全地区で総じて緩やかなペースの伸び」と指摘し、トランプ政権が貿易赤字削減を目的に、鉄鋼やアルミニウムの輸入制限措置を発動したことなどを受けて、「幅広く鉄鋼価格が上昇し、時には急激に値上がりした」との報告もあった。FRBは3月のFOMCで利上げを決定し、今年3回の利上げ見通しを示した。ただし、景気の底堅さとインフレの見通しに自信を深めており、4回に引き上げペースが加速するとの観測もある。今回の報告は4月9日までの情報に基づいて作成され、5月1~2日のFOMCの討議資料になる。

ポンペオ米中央情報局(CIAZ長官が訪朝し、金正恩朝鮮労働党委員長と極秘会談していたことが判明した。6月初旬までに行われる米朝首脳会談に向けたトランプ政権の準備を情報機関が主導する動きが鮮明になった。ポンペオ氏は訪朝前の3月中旬に次期国務長官への指名を受けた。対北朝鮮強硬派とみられてきたが、12日に上院外交委員会で行われた指名承認の公聴会では「北朝鮮の体制転換を主張することはない」と穏健な発言を繰り返した。こうした方針を金委員長にも直接伝達したとみられる。また、ポンペオ氏は公聴会で「米政府は、トランプ氏と北朝鮮の指導者が対話するための条件を適切に設定できると楽観している」とし、首脳会談実現に自信を示した。一方、CIA長官の後任には、ポンペオ氏が気心の知れたハスペル副長官が昇格する予定。ポンペオ氏は国務長官に就任した後、北朝鮮政策で国務省だけでなく、CIAも事実上活用していく可能性がある。トランプ政権の高官が北朝鮮の最高指導者と会談するのは2000年10月の故金正日総書記と当時のオルブライト国務長官以来である。オバマ前政権時代には、クラッパー国家情報長官が14年11月に訪朝し、拘束米国人の解放を実現したが、金委員長には面会できなかった。

日米首脳会談は2日目に入り、安倍首相は米南部フロリダ州パームビーチでトランプ大統領との首脳会談に臨み、通商問題を中心に議論を続行した。安倍首相は会談の冒頭で、「21世紀にふさわしい自由で公正な枠組みをアジア太平洋地域に日米で拡大させていくことが大切だ」とした。会談ではトランプ大統領が環太平洋連携協定(TPP)復帰に言及したことを踏まえ、安倍首相がTPPの重要性を改めて説明。米国が発動した鉄鋼・アルミニウムの輸入制限から日本を外すよう要請するとみられている。トランプ大統領は日米自由貿易協定(FTA)交渉の開始を求める可能性がある。両首脳は17日の会談で、5~6月初旬に想定される米朝首脳会談への対処方針を協議し、トランプ大統領は日本人拉致問題を取り上げることを約束した。さらに両者は、北朝鮮への最大限の圧力を維持することで一致した。トランプ大統領は「シンゾーと私はとても親しい関係を築いている。かつてないほど両国関係は近くなった」とし、会談の冒頭で部屋に急きょ報道陣を招き入れ、蜜月ぶりをアピールした。それでも、トランプ氏は今回、安倍氏をフロリダ州の別荘で歓待し、一緒にゴルフもプレー。北朝鮮に「完全、検証可能、不可逆的」な核・ミサイル廃棄を求める方針で足並みをそろえた。

米商務省は中国製アルミ板が補助金を受けて不当に安価で輸出されていると認定し、相殺関税を課す方針を仮決定した。米国は鉄鋼とアルミに輸入制限を発動済みだが、相次ぐ厳しい対応で米中貿易摩擦が一段と強まる可能性がある。相殺関税の税率は31.20~113.30%で、8月末に正式決定する見通し。米政府機関の国際貿易委員会(ITC)の認定を経て、最終的に制裁関税の適用が確定する。さらに米商務省は、反ダンピング関税についても6月をめどに仮決定を下す予定。米商務省によると、中国製アルミ板の輸入額は17年1~9月で前年同期比52.2%増の6億8700万ドルとなっている。

米国債はイールドスプレッドが縮小。縮小は9日連続。10年ぶりの低水準にあり、FRBが年内利上げを継続するとの市場の見方が反映された動きにある。2年債利回りは2.4314%に上昇し、10年債利回りは2.8746%となり、イールドカーブは0.4432%とフラット化が進んだ。5-30年債スプレッドも0.3283%に縮小している。これまで債券利回りの動きは抑制されてきただけに、徐々に市場の関心が高まる可能性がある。また、ドイツとの利回りスプレッドも縮小しており、米独10年債利回りスプレッドは2.3240%、30年債利回りスプレッドは1.8739%にまで拡大し、1989年以来、約30年ぶりの水準になっている。一方、NY連銀のダドリー総裁は講演で、「FOMC参加者のほとんどが今後数年間の金融政策は若干引き締め気味にする必要があると想定している」としている。ダドリー総裁は米国経済の現状認識について「18年と19年は潜在成長率を上回る拡大が続き、インフレ率が物価目標の2%に向かう力が強まる」と指摘し、「減税と歳出拡大が個人所得と企業収益を拡大する」とした。一方で、「景気に中立的である自然利子率は1%程度と試算していると」とした上で「最終的には政策金利を3%程度まで引き上げる必要がある」とした。一方、FRBの目指す物価安定と雇用最大化には「最近の財政政策と通商政策が不透明要因になる」と警戒を示した。

ユーロ圏金融・債券市場は米国との利回りスプレッドが拡大している。米利上げ観測が広がる一方、ユーロ圏の指標が軟調なことから、欧米中銀の金利見通しが一段と乖離した格好である。3月のユーロ圏消費者物価指数(CPI)改定値は前年比1.3%上昇で、速報値の1.4%上昇から下向き改定された。ドイツ10年債利回りは0.531%に上昇した。一方、3月の英CPI上昇率が1年ぶりの低水準となり、一部で5月の利上げを疑問視する声が聞かれている。ECBによる利上げ観測もやや後退しており、これがスペインやイタリア、ポルトガルなどの南欧の国債利回りの低下につながっている。ポルトガル10年債利回りは3年ぶりの低水準となる1.59%まで低下した。イタリア10年債利回りは1.713%と昨年終盤以来の低水準を記録した。

【米国株のトレード戦略】
ロング戦略に変更はない。ダウは下げたが、S&P500とナスダック指数は上昇しており、徐々に雰囲気はよくなっている。これを反映して、イールドスプレッドも縮小している。これが縮小しないようでは、株価の上昇はない。縮小を嫌気する見方もあるが、それは明らかに誤りである。拡大するようでは、株価が上昇できる状況ではないことを意味する。株高になるときには、縮小が基本であり、今の状況は喜ばしいことである。また、短期金利の上昇は目先のインフレの可能性を示唆しているともいえる。これも今の市場には良い兆候である。あとはダウ平均が25000ドルの節目を超えるのを待つだけである。企業決算も好調である。市場がまだまだ織り込めていない。心理的な不安感が上値を抑えている。北朝鮮情勢が明確になれば、市場は歴史的な株価上昇へと移行するだろう。投資家の大半が現状の世界情勢の裏側を知らないことが、不安心理の拡大につながった面がある。そのため、反発に時間が掛かっている。しかし、5月末までに方向性は見えてくるはずである。

繰り返すが、米国としては、北朝鮮を管理下に入れることが目的である。これにより、トランプ大統領は歴史に名を残したいと考えている。これがトランプ大統領の目指しているゴールである。これにより、中間選挙での勝利、さらに2期目への足場を固めることができれば、最高の結果となる。ポンペオ氏は実は昨年から北朝鮮を訪問している。そこで様々な調査や交渉を続けてきた。すでに相当のところまで話は進んでいる。これは報じられていない情報である。また、安倍首相はこれらの交渉から完全に蚊帳の外であり、きわめて危険な状況にあるという。拉致問題にも米国は関心がなく、北朝鮮の歴史的な動きに入れていないのが実態である。そのため、訪米前に入院中の横田滋氏のもとを訪れ、早紀江さんとも会うなどいろいろ動いてみたが、これも上手くいっていないもようである。一方で北朝鮮はきわめてうまく動いている。それを仕切っている人物は、相当の賢人である。それは誰かをいまは言えないが、知れば驚くだろう。いまの日米関係の現状には結束とは言い難い状況にあるといえる。今は北朝鮮と対話すべきでないと主張してきた日本の懸念をよそに、トランプ政権が電撃的に米朝首脳会談の開催を発表したことはその証左である。米国が3月に発表した鉄鋼などの輸入制限措置では日本が除外されず、トランプ大統領は通商問題をめぐり「米国を出し抜いた」と、安倍政権へのいら立ちとも取れる発言をしている。北朝鮮には過去、核開発の凍結を約束して米国などから援助を引き出しながら、秘密裏に核開発を続けてきた「前科」がある。「過去の失敗を繰り返さない」と強調するトランプ政権には、北朝鮮に足元を見られまいとの思いが強い。ただし、核放棄をめぐる日米の優先順位は必ずしも一致しない。ポンペオ氏は今月の国務長官指名承認の公聴会で、米朝首脳会談の目的を「米国を核兵器のリスクから決別させること」とし、日本や韓国を射程に入れるミサイルの除去に言及しなかった。北朝鮮が今後、核放棄の見返りとして、日韓が頼る米国の「核の傘」排除を求めるという見方もある。米朝協議が進展するにつれ、日米が結束を維持できるかが一層問われることになるが、日本は主導権を握れる可能性はいまのところ低い。相応の資金提供をしないと難しい情勢である。トランプ大統領は考えがすぐに顔に出る。今回の安倍首相との握手で笑顔が全くなかったことや、前回と違い手を添えずに握手をしている。トランプ大統領の心が安倍首相から明らかに離れているのがわかる。

4月から5月は外交イベントが続く。これは彼らにとって最高の材料である。これを利用して市場を動かしてくる可能性が高い。その動きを冷静に見ていくことが肝要である。繰り返すように、4月は買いが入りやすい季節であり、期待感も高い。あとは投資家心理の好転を待つだけである。4月のパフォーマンスは12カ月の中で、上昇率のランキングはダウ平均が1位、S&P500は3位、ナスダック指数は4位である。平均上昇率はそれぞれ1.9%、1.5%、1.4%である。中間選挙の年に限ると、それぞれ0.8%、0.2%、マイナス0.1%とやや軟調なのは気になるが、それでも4月の反発に期待する向きは多いだろう。

さて、今後のテーマはインフレである。これまでも長期的には「インフレ」がキーワードになるとしてきたが、そのような動きになりつつある。市場にも徐々に警戒感が高まってくるだろう。原油相場がこれだけ上昇していれば、いずれ金利は上昇に向かい、強い市場が戻ってくることになる。原油を中心にコモディティ価格が堅調に推移し、これが徐々にCPIに効いてくるだろう。サプライサイドのインフレ押し上げがいずれ顕著になり、主要中銀が目標とする2%インフレに向かって徐々に進んでいくことになろう。こうなると、FRBのブレイナード理事が指摘するように、低金利に慣れ切った市場が金利急騰に対応できるのかは不明である。金利上昇に驚かないように対処しなければならない。株安となれば、本末転倒である。景気拡大期に金利が上昇するのは当然であり、むしろ低金利状態にあることを懸念すべきである。低金利で株価が上昇する時代はすでに終わっている。むしろ、金利停滞は景気のピークアウトを意味する。この点からも、金利が上昇しないことをむしろ懸念すべきである。今後は金利低下=株安の関係になることを頭に入れておくべきであろう。一方、イールドスプレッドは縮小傾向にあるが、これもよい兆候である。縮小しなければ、株価の上昇などおぼつかない。フラット化になり、再びマイナス圏に戻すときが株価のピークである。これを間違えないようにすべきである。その意味でも、株価のピーク感はまだ全くないと言ってよいだろう。

【ダウ平均株価:2018年の想定レンジ】
強気シナリオ24236ドル~28287ドル(18年末27996ドル)/弱気シナリオ20995ドル~25130ドル(18年末22790ドル)

【ダウ平均株価:4月の想定レンジ】
強気シナリオ25195ドル~26351ドル/弱気シナリオ23476ドル~24904ドル

【S&P500:2018年の想定レンジ】
強気シナリオ2614~3107(18年末3076)/弱気シナリオ2255~2734(18年末2419)

【S&P500:4月の想定レンジ】
強気シナリオ2724~2851/弱気シナリオ2529~2691

【ナスダック指数:2018年の想定レンジ】
強気シナリオ6747~8375(18年末8282)/弱気シナリオ5348~7199(18年末5702)

【ナスダック指数:4月の想定レンジ】
強気シナリオ7068~7472/弱気シナリオ6114~6826

【米国債トレード戦略】
2年債ショート、10年債ロングのイールドカーブのフラット化に賭ける戦略を継続する。

【日本株の市況解説・分析】
17日の日経平均は前日比310円高となり、4日続伸だった。2月28日以来、ほぼ1カ月半ぶりに22000円台を回復した。日米首脳会談に対する過度な警戒感が和らぎ、幅広い銘柄が買い戻された。初日の日米首脳会談を終え、険悪な雰囲気が感じられなかったことから、先行きを過度に警戒した投資家からの買い戻しが優勢となったようである。米朝首脳会談の実現に向けた動きが伝わったことや、17日には中国が自動車生産に関する外資出資規制を全廃すると発表するなど、世界的な緊張緩和ムードが広がっていることも、買戻しを誘ったといえる。ただし、日米首脳会談は通商問題が中心議題になるとされる2日目を残しており、上値を買う動きも限られた。市場では、この日の上昇は意外高ととらえられたようだが、相場はどうなるかを読むことは簡単ではない。事実・真実を認識・理解したうえで考えるのが得策である。

【日経平均先物のトレード戦略】
ロング戦略を継続。シカゴ市場ではここ動きだった。ドル円も下げておらず、今日は昨日の反動で上値が多くなる一方、日米首脳会談の内容を背景に動くことになろう。執筆時点では記者会見の情報が入っておらず、判断のしようがないが、大きな期待はしづらいのが実態であろう。まずは会見の内容を精査したいところである。しかし、最終的には米朝首脳会談次第である。しかし、この点については問題ない。これを成功させるのがトランプ大統領の悲願であり、目標でもある。あとは、日本が関与できるかどうかである。日経平均は22000円の大台を超え、さらに22500円を超えると、基調は一気に好転する。日本企業の業績発表と今期の見通し、さらに外部要因が整うことで、いずれは上昇に向かうだろう。海外勢が明確に買い姿勢に転換すれば、その方向への動きはより早まる。

国内政治については、18日に自民党岸田派は都内のホテルで政治資金パーティーを開催した。会長の岸田政調会長は「一丸となって国難に立ち向かい、国を動かしていく。いざという時はやるという思いをしっかりと示さなければいけない」とし、「ポスト安倍」への意欲を鮮明にした。安倍政権の相次ぐ不祥事に関しては「政府には襟を正して信頼回復に努めてもらわなければならない」と強調した。岸田氏はパーティー後に「政策あるいは政治スタンスを明らかにしていくことは大事だ。責任を果たすべき時には責任を果たす」と語ったもよう。しかし、岸田氏は今秋の党総裁選に立候補するかどうか態度を明確にしておらず、パーティーでも言及しなかったようである。支持率の低下で「安倍1強」が揺らぐ安倍政権の行方をにらみながら慎重に判断する意向とみられる。パーティーでは、派閥会長に岸田氏が就任して初めての政策集の骨子を発表した。「国民の多様な声、異なる意見にも耳を傾け、ボトムアップの政治を行う」などと記しているという。安倍政権のトップダウン型政治に対する党内の不満を意識しているとみられ、岸田氏は「トップダウンからボトムアップへ政策の視点を変えていくべきだ」としている。このほか、骨子では、森友、加計両学園などの問題などを踏まえ、「霞が関の見える化の徹底」を提唱し、行政の透明性向上を目指す考えを示している。一昨日に出席した参議院自民党幹事長の吉田博美氏のパーティーでの岸田氏のあいさつを見ていると、いまひとつ重みがない。話し方に落ち着きがない。どっしりとした感じがない。これが安倍首相も同じだが、心もとないというのが本音である。石破氏は人気こそないが、その意味では落ち着き・重みがある。

いずれにしても、安倍首相はかなり苦しい状況に追い込まれていることだけは確かである。それは、日米首脳会談のトランプ大統領の安倍首相への態度でも明らかである。安倍首相は欧米の前に、入院中の横田滋さんを訪問した。拉致問題の解決に向けて、強い意志を示したとされているが、実際には違うことが行われていたようである。その内容はさすがに紹介できないが、いずれにしても、安倍首相は国内外で相当厳しい状況に追い込まれていることだけは確かである。森友・加計問題で、海外でも評価が大きく低下している。これを回復させるのは並大抵のことではないだろう。トランプ大統領はわかりやすい性格であり、今回の会談の際の握手の対応も明らかにこれまでと違う。評価が低下したことを明確に示している。今回の交渉はかなり厳しいものになることを示したといえるだろう。また、小泉元首相も、政権の継続にはかなり厳しい見方をしている。人心が離れつつあることは、政権の継続にはきわめて重い足かせになる。

さて、これまでの押し目買いと戻り売りで、昨日までロングは21750円、21600円、21500円が残っているイメージだった。昨日の上昇で、21500円のロングは22050円で利益確定ができている。これでロングは21750円、21600円となる。これらは、22250円、22450円までの戻り局面で売り切りたいと考える。今回は押し目買いから手仕舞い売りを数回繰り返したが、相応の収益が上がっている。当面の収益としては十分すぎるだろう。まだまだ弱い動きから脱することができていないため、いまは欲張らずに押し目を買う一方で高値まで待たずに売り、利益を確定することを優先したい。今後は21500円、21250円、21000円までの押し目があれば、再度ロングを積み増したい。22500円を超えてしまえば、その流れに乗ってロングを積み増していけばよい。これは流れに乗るだけであり、むしろ簡単である。4月の強気シナリオのレンジは23256円~25002円、弱気シナリオのレンジは21737円~23316円である。強気トレンドに戻すには、少なくとも23250円程度までの戻りが必要となる。これはかなりハードルが高い。昨日の上昇で、ようやく弱気シナリオのレンジ下限である21737円を明確に回復した。今後は23250円を目指す動きになるかを見ていくことになろう。

【日経平均株価:2018年の想定レンジ】
強気シナリオ22089円~27115円(18年末26839円)/弱気シナリオ18745円~23688円(18年末19392円)

【日経平均株価:4月の想定レンジ】
強気シナリオ23256円~25002円/弱気シナリオ21737円~23316円

【TOPIX:2018年の想定レンジ】
強気シナリオ1779~2168(18年末2150)/弱気シナリオ1523~1883(18年末1578)

【TOPIX:4月の想定レンジ】
強気シナリオ1878~2003/弱気シナリオ1721~1840

〔CURRENCY MARKET〕
ドル円は米長期金利の上昇などを背景に円売り・ドル買いが優勢となり、107円台前半で推移した。ポンペオ米中央情報局(CIA)長官が訪朝して金正恩朝鮮労働党委員長と極秘に会談していたとの報が前日に流れるなど、北朝鮮情勢に対する警戒感が一段と後退する中、ドルは堅調に推移した。米長期金利の上昇なども円安・ドル高基調につながった。FRBが発表した12地区の連銀景況報告(ベージュブック)では、3月から4月初めにかけての米国景気について、「控えめから緩やかな拡大が続いた」と総括した。景気回復の足取りが引き続きしっかりしていることが確認された。これを受けて、FRBが着実に利上げを実施するとの観測が広がったこともドル買いを後押した。また、NY連銀のダドリー総裁も講演で、「今後数年間の金融政策は若干引き締め気味である必要がある」と言及したこともドルを支えた可能性が高い。また、米中の貿易戦争や米国などのシリア攻撃を巡る懸念が後退したこともドルを支えたといえるだろう。ドル円のボラティリティは一定の水準で推移しており、きわめて安定している。しかし、これは今後の大きな変動を意味している。一方、米2年債利回りは約10年ぶりの高水準となる2.431%に上昇するなど、インフレを示唆する動きにある。これを受けて、ドイツ2年債とのスプレッドは3%台に拡大し、1989年以来、約30年ぶりの水準となっており、これも対ユーロでのドル買いにつながっている。一方、ポンドは小幅下落。3月の英消費者物価指数(CPI)上昇率が前年比2.5%と、1年ぶりの低水準となり、利上げ観測が後退したことが背景にある。これまで英国では、EU離脱決定に伴うポンド安を背景に輸入物価が高騰し、CPIは昨年11月に3.1%上昇となっていた。今年1月まで3%台で推移していたが、ポンドが上昇してきたことから、CPIの上昇率は徐々に低下している。これまで英中銀は2月に、「金融政策を従来予想よりやや早期に、やや大きく引き締める必要がある」との見解を表明し、3月の金融政策決定会合では、物価高の抑制に向けて「金融政策を引き締めていくことが適切だ」などとし、5月の会合で追加利上げに踏み切る可能性を示唆していた。英中銀の利上げ議論は、CPI上昇率が短期的に3%近傍を維持するとの見通しが前提となっている。しかし、インフレは中銀の予想を上回るペースで減速しており、5月会合の結果が注目されている。一方、カナダドルは下落。原油相場は上昇したが、カナダ中銀が金利を予想通り据え置いたものの、政策トーンが一部の予想ほどタカ派的ではなかったことがネガティブに受け止められた。

【通貨トレード戦略】
ドル円はショートを解消する。下げにくくなっており、いったん解消して、日米首脳会談後の市場の反応を見ることにしたい。会談の結果が好感されれば、ドルが上昇する可能性がある。さらに日本株が上昇すれば、さらにドル高・円安になる可能性がある。米国株も堅調に推移しており、これまでの不透明感が払しょくされつつある。米朝首脳会談が視野に入る中、市場に安心感が戻ってくれば、ドル高基調が強まる可能性がある。特にドル円は割安になっていることもあり、いったん戻すと上昇しやすい面がある。繰り返すように、ドル円の理論値は113円である。その意味でも、107.50円を明確に超えると、108.50円程度までは戻すだろう。さらにこれを超えると110円までの上昇が想定される。しかし、それ以上となると米国が許してくれるかどうか次第である。過度な期待はできない。繰り返すように、「為替は、表面上は金利で動き、大局的には政治で動く」というセオリーがある。これだけは常に忘れないようにしたい。一方で、原油高が鮮明である。これを受けてインフレが強まれば、理論的にはドル安を誘発することになる。金利も上昇するだろうが、一方で実質金利が下がりやすくなる。結果としてドルが上がりづらくなる可能性が高まる。この点には注意が必要である。いずれにしても、まずは4月の弱気シナリオのレンジ下限である108.94円を超えるかを確認したい。これまでの為替相場は政治要因で動いてきた。今後もそのような状況は続くだろう。それでも、ユーロも含めてドルは対主要通貨でかなり下げた。今年はドル安の見方が多かったこともあり、かなり織り込まれている感がある。その意味でも、ドルは今後下げにくくなる可能性は十分にある。

ユーロ円はロングを継続。133円で打たれており、これを超えられずに132.50円を割り込めば、手仕舞い売りとしたい。長期サポートは128円前後であり、これを下回るまではロング有利である。

ユーロドルはロングを継続。まだ上昇基調は続いている。1.2360ドルを割り込むまでは、ロングを維持したい。長期サポートは1.1650ドル前後であり、それまではロング有利である。欧米実質金利差からみたドル円の理論値は、計測期間が短期の場合は1.14ドル、長期の場合で1.21ドルである。ユーロも割高である。

ポンド円はロングを解消する。これで152円を割り込めば、その時点でショートを検討したい。長期ポイントが152円であり、これを基準にしておきたい。

ポンドドルはロングを解消する。長期トレンドは1.3875ドルに位置しており、これを維持しているうちはロングが有利である。1.4150ドルから1.4025ドルまでの押し目で買いを検討したい。

豪ドル円はショートを継続。まだ短期の上昇基調にあるが、83.30円を割り込めば下げが強くなろう。ただし、83.65円を超えると一時的に上昇しやすくなる。その場合にはいったん手仕舞いすることも検討したい。長期レジスタンスは86円前後であり、そこまでは戻り売り有利であるとの見方は変わらない。

豪ドル/米ドルはショートを継続。ただし、徐々に上値を試す動きにある。0.78ドルを超えた場合には手仕舞いし、さらにロングを検討することになるだろう。基本的には長期トレンドの0.78ドルを超えるまでは基本は売り姿勢である。0.7650ドルを割り込むと下げが加速しやすいが、下値を確認したようにも見える。まずは0.78ドルを超えるかを確認したい。

南アランド/円はロングを維持。これで9.02円を超えると上昇が大きくなりそうである。ポジションは8.75円を割り込むまでは維持したい。長期トレンドは8.6円。

【ドル円:2018年の想定レンジ】
強気シナリオ110.55円~126.40円(18年末124.25円)/弱気シナリオ100.60円~114.90円(18年末103.00円)

【ドル円:4月の想定レンジ】
強気シナリオ113.09円~118.65円/弱気シナリオ108.94円~114.07円

【ユーロ円:2018年の想定レンジ】
強気シナリオ132.05円~147.00円(18年末145.90円)/弱気シナリオ119.45円~136.80円(18年末121.55円)

【ユーロ円:4月の想定レンジ】
強気シナリオ133.03円~139.84円/弱気シナリオ128.48円~133.24円

【ユーロドル:2018年の想定レンジ】
強気シナリオ1.1750ドル~1.3125ドル(18年末1.2970ドル)/弱気シナリオ1.1595ドル~1.2175ドル(18年末1.1210ドル)

【ユーロドル:4月の想定レンジ】
強気シナリオ1.1886ドル~1.2301ドル/弱気シナリオ1.1443ドル~1.1865ドル

【ポンド円:2018年の想定レンジ】
強気シナリオ148.85円~166.75円(18年末165.15円)/弱気シナリオ132.40円~154.60円(18年末134.00円)

【ポンド円:4月の想定レンジ】
強気シナリオ151.30円~157.71円/弱気シナリオ145.13円~151.19円

【ポンドドル:2018年の想定レンジ】
強気シナリオ1.3225ドル~1.4710ドル(18年末1.4525ドル)/弱気シナリオ1.2390ドル~1.3665ドル(18年末1.2595ドル)

【ポンドドル:4月の想定レンジ】
強気シナリオ1.3335ドル~1.3794ドル/弱気シナリオ1.2995ドル~1.3443ドル

【豪ドル円:2018年の想定レンジ】
強気シナリオ86.20円~98.30円(18年末97.15円)/弱気シナリオ77.40円~89.90円(18年末81.05円)

【豪ドル円:4月の想定レンジ】
強気シナリオ88.99円~93.52円/弱気シナリオ85.40円~89.79円

【豪ドル/米ドル:2018年の想定レンジ】
強気シナリオ0.7665ドル~0.8765ドル(18年末0.8650ドル)/弱気シナリオ0.7060ドル~0.7930ドル(18年末0.7200ドル)

【豪ドル/米ドル:4月の想定レンジ】
強気シナリオ0.7894ドル~0.8240ドル/弱気シナリオ0.7565ドル~0.7860ドル

〔COMMODITY MARKET〕
【貴金属市場の市況解説・分析】
金相場は上昇。ドルは上昇を維持し、株価はリスク選好意欲で上昇したものの、堅調な地合いにある。安全資産としての需要は根強いといえる。また、原油高でインフレ懸念が高まっていることも金買いを促している可能性がある。市場では米国の対ロシア制裁への懸念が残っていることも材料視されている可能性がある。非鉄相場はアルミとニッケルを主導に上昇し、さらにロシアでの生産量のパラジウムも上昇するなど、メタル市場への関心が高まっている。また、この日は銀相場が急伸。17.2ドル台にまで上げており、暴騰ともいえる状況である。これまでは、リスク回避の動きで金/銀レシオが80倍を超えるなど、きわめてネガティブな状況にあったが、これが低下したことは投資家心理が好転するサインでもある。またプラチナも上昇しつつあり、パラジウムは1000ドルを超えて再び上値を試す展開にある。一方、欧州自動車工業会(ACEA)が発表した3月のEUと欧州自由貿易連合(EFTA)の新車登録台数は前年同月比5.2%減の184万台となった。第1四半期の登録台数は0.6%増にとどまった。

【貴金属のトレード戦略】
金、銀、プラチナ、パラジウムはロングを継続。基本方針は変わらない。原油高によるインフレ指標の高まりもあり、今後は金相場への注目度は高まろう。インフレ率の上昇で実質金利が低下することから、金への資金シフトが進みやすくなる。その意味でも金は保有しておかなければならない。いまの状況であれば、金を保有しておくべきと考える投資家が増えざるを得ない。1350ドルを超えると、全く違う展開につながる可能性もある。金利上昇懸念もあるが、いまは金利上昇が金相場の重石にはなりづらい。投資家はシリア情勢など地政学的リスクにも警戒しており、買いが入りやすい地合いは変わらない。とはいえ、繰り返すように、地政学的リスクは本質的な材料ではない。今後も不意の株安に備えて、金は常に保有しておくだけである。一方、銀相場の急伸は投資家心理の改善を示している可能性がある。この動きには注目しておきたい。いずれにしても、金を保有しておきたいと考えるのは投資家だけでなく、国レベルでも同じである。金はアッパークラスからみれば、依然として現金と同等の扱いである。むしろ、現金よりも安全と考えている節さえある。通貨は紙くずになる可能性がある。しかし、金にはそのリスクがない。これは世界の政府レベルの常識である。仮想通貨(暗号通貨)はその扱いにはなり得ない。結局のところ、金は常に保有しておくべきである。

株式を買うときに同時に金も買う。これがセオリーである。4月以降の金相場は季節的に上げやすいため、これも金相場を支える可能性がある。4月の強気シナリオのレンジ内で推移していることからも、今の金相場の堅調さが確認できるだろう。いずれにしても、金に対する見方や考え方、取り組み方を変えずに、粛々と今後も下押す場面があれば買いを入れていきたい。金には利子が付かないため、金への投資は意味がないとの見方もあるが、保有しておくことで投資判断のうえで心理的な安心感を得ることができる。また、インフレになれば、保有している方がむしろ有利である。資産の15%は金で保有しておきたい。重要なことは、表面上の長期金利ではなく、インフレ率を含めた実質金利である。実質金利が上昇しなければ、金相場は下がらない。長期的に実質金利は低下し続けている。これが上昇するようであれば、その時点で金投資を考え直せばよい。すべての資金を株式につぎ込んでいると、株価の下落には耐えられない。新刊「米国株は3倍になる!」でも紹介しているようなポートフォリオを組んでいれば、今回の下げでも全く慌てる必要がない。金を保有することが、いかに心理的な安心感をもたらすかを理解しておきたい。利子はつかないが、それを大前提として保有する。これが肝要である。金を保有することで、冷静な投資判断ができる。これも重要なポイントである。毎度の繰り返しで恐縮だが、これが金を保有する上での重要な考えである。世界のどの国も金を必要としている。金があれば何でもできる。仮想通貨(暗号資産)ではこれはできない。ちなみに、ビットコインなどの暗号資産は今後「相場としての魅力」は低下していくことになろう。

「米国株30%、米国長期債55%、金15%」のポートフォリオは、リーマンショック級の下げが来ても、直近の資産価値のピークから減少は最大で2割減で済む。実際には、米国株を40%から45%程度に少し増やして、もう少しリスクを取ってもよいだろう。ただし、50%以上は危険である。また、米国株を増やす分は米国長期債を減らせばよいだろう。イメージとしては、米国株4割から最大5割、米国長期債をその分減らすイメージである。今後は金利が上昇するため、債券はあまり保有しないほうが良い。もっとも、リーマンショックでは、株式だけに投資した場合には、資産が半減しているのだから、このポートフォリオは長期的に資産を守りつつも増やすうえでは「鉄壁」かつ「完璧」に近いといえる。ただし、金利は今後上昇するため、上記のポートフォリオの構築のポイントは、債券を徐々に買うことである。これは非常に重要である。いますべてを買ってしまうと、評価損が大きくなることは目に見えている。徐々に買っていくことが肝要である。繰り返すように、長期的には金利が上昇基調へ転換している可能性が高い。1954年からの金利上昇は1981年までつづいたが、この間に起きたことはインフレである。結果的に、金相場はそれまでの固定相場の35ドルから、1980年には850ドルまで上昇している。金利の上昇は、景気の拡大・株価の上昇、そしてインフレが背景にあった。今回も長期的な金利上昇局面に入ったとすれば、それは株高・インフレへの転換を意味する。金利上昇はあくまで起きている事象の結果であり、先行指標ではない。したがって、まずは金利動向を見るのではなく、株式やコモディティなどのリスク資産などの投資対象資産の価格変動を見ることが先決である。金利上昇と騒いでいる向きは、市場の本質を理解していないことを自ら認めているようなものである。

基本はドル安傾向であり、さらに原油高などコモディティ相場の堅調さを確認することになろう。金の位置づけはトレーディングの対象ではない。あくまでリスク資産である株式のヘッジである。株価が上昇しても、そちらに資金をシフトしようなどと考えずに、株式のヘッジとして金を手放さないことが肝要である。これができないと、長期的な資産形成はできない。金は資産として持つことが肝要である。利子はつかないが、資産保全には金が一番である。米国の減税は経済に非常に恩恵をもたらし、株価の上昇が期待されている。一方で財政悪化によりドルが売られることになる。さらに現在のインフレ率であれば、FRBが目論む年3回の利上げも困難になる可能性もある。秋には米中間選挙も控えている。したがって、市場金利が急騰しない限り、金相場の堅調さは続くとみている。ただし、想定しているインフレになれば、利上げが4回になる可能性もある。この点は常に注視しておきたい。一方、現物市場ではインドや中国などは下押しの場面で買ってくるだろう。今年はまだまだ上昇余地がある。最終的には1500ドル台にまで上げても全く不思議ではない。2019年までに大相場には発展するだろう。スイスのプライベートバンクは、顧客である富裕層に最低でも資産の5%相当の金を保有することを勧めている。彼らが長年生き残っている所以である。ただし、保有比率は10%ではなく、むしろ15%程度にすべきであると考えている。常に金を保有して危機に備えておくのが、金に対する基本的な考え方である。保有コストを下げるためには上値を買わずに、下げたところを買い、じっくりと上昇を待ちたいところである。

結局のところ、どの国も「金が欲しい」のである。これは米国も同じである。資金がない。金を持つことが、最大の資産保全であり、最も安全な通貨を持つことになるわけである。

【ドル建て金価格:2018年の想定レンジ】
強気シナリオ1270ドル~1517ドル(18年末1475ドル)/弱気シナリオ1187ドル~1338ドル(18年末1210ドル)

【ドル建て金価格:4月の想定レンジ】
強気シナリオ1319ドル~1403ドル/弱気シナリオ1236ドル~1295ドル

【円建て金価格:2018年の想定レンジ】
強気シナリオ4564円~5356円(18年末5232円)/弱気シナリオ4051円~4877円(18年末4192円)

【円建て金価格:4月の想定レンジ】
強気シナリオ4691円~49320/弱気シナリオ4548円~4788円

【ドル建てプラチナ価格:2018年の想定レンジ】
強気シナリオ900ドル~1134ドル(18年末1092ドル)/弱気シナリオ768ドル~1011ドル(18年末804ドル)

【ドル建てプラチナ価格:4月の想定レンジ】
強気シナリオ962ドル~1057ドル/弱気シナリオ927ドル~999ドル

【ドル建てパラジウム価格:2018年の想定レンジ】
強気シナリオ1032ドル~1365ドル(18年末1331ドル)/弱気シナリオ854ドル~1148ドル(18年末884ドル)

【ドル建てパラジウム価格:4月の想定レンジ】
強気シナリオ1155ドル~1223ドル/弱気シナリオ1011ドル~1119ドル

【非鉄市場の市況解説・分析】
非鉄市場は総じて堅調。LME在庫は亜鉛と鉛が減少したが、それ以外が増加した。アルミはさらに高値を更新し、2550ドルまで上昇。現物市場の材料が押し上げている。リオ・ティントは今年のアルミ生産見通しを修正する可能性があるとしている。提携先のロシア・アルミニウム大手ルサールに対する米国の制裁措置を受けた動きとみられている。リオ・ティントは今年、350万~370万トンのアルミ生産を見込んでいた。アイスランドとフランスのアルミ精錬所売却による影響も及ぶ見通しである。同社は合弁事業であるクイーンズランド・アルミナ精錬所でルサールが保有する20%の権益や、長期契約などで見直し作業を進めているもよう。銅も上昇。7000ドルを回復してきた。これで上昇しやすくなる。ニッケルも急伸し、一時15875ドルまで上昇するなど、きわめて強い動きにある。これもロシア経済制裁を受けた警戒感が背景にある。

【非鉄のトレード戦略】
アルミ、銅、ニッケル・亜鉛、鉛はロングを継続。基本的な考え方は変わらない。ロシア問題の非鉄市場への影響は想定以上に大きくなっている印象である。沈静化した場合には急落となるリスクもあるが、まずは今の動きを注視することである。アルミ、銅、ニッケルといった主力銘柄が上昇していることは、投資戦略上は好ましい。あとは株価が上昇し、より安心感が高まれば、上昇基調に安定感が出てくるだろう。ニッケルはもともと現物需要が堅調である。電気自動車向けのバッテリー需要はかなり堅調である。世界経済の拡大基調は19年半ばから20年ごろまで続くとの見方は変わらないが、米国を中心に経済指標なども慎重に見ていきたい。株価が先にピークアウトし、コモディティがその半年から1年後にピークアウトする。したがって、株価が崩れれば、非鉄相場も必然的にピークアウトすることになる。非鉄相場のこれまでの上昇の決定的な要因は需給ひっ迫である。これが上昇基調の継続につながり、20年ごろまで続くとみているが、世界景気が崩れれば、その限りではない。この点は間違えてはいけないだろう。一方、自動車のEV化の動きに伴う需要増が今後もテーマになるだろう。中国が新エネルギー車(NEV)の購入免税を20年末まで延長すると発表するなど、今後は世界的にEV化が加速する。これは非鉄金属市場にとって、非常に大きなテーマであり、恩恵がある。アルミや銅は、EV化で車一台当たりの使用量が今よりも増加する。自動車販売台数が拡大する限り、需要は増えることになる。この点は、長期的には期待できる材料である。

*LME=LONDON METAL EXCHANGE(ロンドン金属取引所)
*取引所の指定倉庫の在庫はロケーションごとに毎日発表されている。

【アルミ価格:2018年の想定レンジ】
強気シナリオ2205ドル~2657ドル(18年末2619ドル)/弱気シナリオ1928ドル~2320ドル(18年末1973ドル)

【アルミ価格:4月の想定レンジ】
強気シナリオ2297ドル~2464ドル/弱気シナリオ2138ドル~2262ドル

【銅価格:2018年の想定レンジ】
強気シナリオ6915ドル~9261ドル(18年末9059ドル)/弱気シナリオ6024ドル~7394ドル(18年末6150ドル)

【銅価格:4月の想定レンジ】
強気シナリオ7423ドル~8170ドル/弱気シナリオ6864ドル~7293ドル

【エネルギー市場の市況解説・分析】
原油は大幅続伸。米エネルギー情報局(EIA)が発表した米国内の石油在庫の減少と、最大輸出国のサウジアラビアが価格を100ドルに近づける目標を示したとの報道が材料視されたもよう。WTI原油・ブレント原油ともに14年以来の高値で終了した。サウジは原油価格を80ドル、あるいは100ドルまで引き上げたい意向にあるとされている。減産措置の当初の目標が視野に入っているものの、サウジが供給削減を変更しない兆候が示されている。EIAの在庫時計では、堅調な需要を要因に原油在庫が前週比110万バレル減少。ガソリンやディスティレートの在庫もそれぞれ300万バレル減、310万バレル減だった。製油所稼働率は92.37%で1.10%ポイント低下した。原油輸入は日量793万バレルで、72万バレル減だった。需要は日量2143万バレルで、162万バレル増だった。原油生産量は日量1054万バレルで、1万バレル増だった。一方、OPECと非加盟10カ国は18日にサウジのジェッダで、協調減産を点検する合同閣僚監 視委員会の会合を開催する。その内容にも注目が集まろう。

【エネルギーのトレード戦略】
WTI原油・ブレント原油はロングを継続。基本方針は全く変わらない。ここにきて急伸しているのは、市場がようやく原油相場の強さを理解し始めたということであろう。過熱感がある中でも上昇したことは、いまの原油市場がいかに強いかである。これからガソリン需要期に向かう。原油相場が最も上昇しやすい季節になる。上昇するのは普通である。一方、市場ではシリア情勢などの地政学的リスクが材料視されているようだが、これは本質的な材料ではない。原油相場を上げさせたい向きが上手く利用している。その意味では、彼らの戦略は成功である。一方で、重要なのは原油需給のひっ迫感である。これは本質的な材料である。このファンダメンタルズの事実は、原油価格の上昇を後押しするのに十分な材料である。需給は引き続きタイトであり、今後はさらにその傾向が強まることになる。いまの水準はまだ安いとの判断は変わらない。米国内の石油製品需要はさらに増加し、在庫は需要に対して18日分しかない。これは過去10年で3番目に少ない水準である。また、需要の水準自体は過去10年で最も多い。石油需要は増えている。自動車のハイブリッド化にも関係なく、ガソリン需要は増えている。基本的な上昇基調は続くだろう。一方で60ドルを割り込めば、生産者は苦しくなる。結局下値は限られる。繰り返すように、いまのWTI原油の適正レンジは65ドルから75ドルであり、60ドル前後はかなり安い。コモディティには生産コストがある。これ以下では長期的に推移できない。生産者が必要とする価格水準が最低でも60ドルである。これがすべてを意味している。

原油市場を投機筋のポジションで解説する向きがあるが、これも本質をとらえていない。もちろん、全く無視はできないが、それだけで市場動向は説明できない。いまの原油先物市場では、投機筋の買い越しは歴史的高水準である。こうなれば、「買われすぎで下げていく」との解説になる。しかし、実際には原油相場は上げ続けている。ポジション需給で説明ができない好例である。このような過ちを犯すのは、いつも金融市場関係者である。なぜなら、彼らは現物需給を分析できないからである。彼らが言うところの需給とは、ポジションの需給である。現物の需給ではない。ここがすでに素人である。需給といえば、コモディティ市場では現物市場の動向を意味する。まさに実態であり、実物である。株式や先物などのペーパー市場ではない。より深い話をすれば、先物市場で買っているのは、投機筋だけではない。大手のヘッジファンドは先物市場で売買しないところもある。例えば、業者であるブローカー(証券会社や先物の取次会社)とペーパー取引で仕切り、そのヘッジが業者であるブローカー経由で市場に出てくる。この場合、ポジションはすべてが出てくるわけではない。しかし、実態ではより多くの買いポジションが積み上がっている。だからこそ、相場が上げていくのである。表面上の先物市場での買い越し幅は、あくまで全体のポジションの一部でしかない。金融市場関係者が考えている以上に、原油市場は壮大である。

シェールオイル企業への調査では、60ドル以下では生産が厳しいとの回答が圧倒的である。あとは、OPEC加盟・非加盟国による協調減産が19年以降も継続されるのかを注視したい。また、サウジやロシアが来年以降の長期的な枠組みについて検討し始めている点も大きな材料である。世界の原油在庫の調整が進んでいるが、原油相場が本格的に下げるケースは、世界の景気後退による石油需要の低下が顕著になったときである。それでも、そうなれば生産者が生産を続けられなくなり、結局は下げ止まるだろう。世界景気の拡大による石油需要の増加とOPEC減産で需給バランスの改善は着実に進んでいる。いまの調整場面をこなせば、再び上昇に向かうことになる。また、WTI原油先物の22年までの先物価格は生産コストと言われる55ドル以下で推移しており、むしろ50ドルに近い水準で低迷している。これでは売却価格がコストを下回ることになり、採算が合わない。その結果、先物売りが抑制される一方で生産の伸びも鈍化せざるを得ないのである。結果的に需給バランスの改善が進み、WTI原油はいずれ75ドルまで上げていくだろう。現在の原油相場の水準では、主要産油国は継続的な国家財政の運営ができない。結局のところ、現在のような安値の状況は長続きしないことになる。むしりより高い水準が必要であり、その水準を求めて相場は徐々に値を戻していくだろう。

【WTI原油価格:2018年の想定レンジ】
強気シナリオ56.15ドル~79.19ドル(18年末75.78ドル)/弱気シナリオ39.96ドル~63.92ドル(18年末42.89ドル)

【WTI原油価格:4月の想定レンジ】
強気シナリオ61.39ドル~70.91ドル/弱気シナリオ55.09ドル~60.79ドル

◇グローバルマクロ戦略について

本メルマガでご紹介する投資戦略は、ヘッジファンド業界では「グローバルマクロ戦略」のカテゴリーに属します。
これは、世界のヘッジファンドのもっとも得意とする手法で、いわゆるヘッジファンド運用の「王道」です。
この戦略では、あらゆる市場に目を配り、投資機会を探しながら収益の獲得を狙います。
市場価格の上昇・下落に関係なく、価格の変動が見込まれれば、それにベットする(賭ける)戦略です。
ボラティリティが高いほど収益が見込まれますので、投資機会があれば果敢に攻めます。

世界情勢が不透明な中、為替や株式、金利、コモディティなど主要市場の価格変動は一段と大きくなっています。
そのため、それぞれの市場の予測がきわめて困難になっています。

このような市場環境では、マクロ的な見地からより幅広い市場で運用を行う「グローバルマクロ戦略」が有利です。
もちろん、個々の市場でも十分に戦えるように、具体的な取引タイミングも示していく所存です。

「ヘッジファンド戦略の王道」である「グローバルマクロ戦略」で、共に市場で戦いましょう。

◆お知らせ
日経225オプションのトレード戦略に関するメルマガを配信しております。
「江守哲の225オプション リアルトレーディング」です。
 ご興味のある方は、ぜひご購読ください。
http://fx-on.com/email/detail/?id=8592


*セミナー予定

4月21日(土)モーニングスターさま・マネックス証券さま共催セミナー(東京)

4月22日(日)投資フェス(大阪)
http://www.okazaki-ryosuke.com/markets-fes

4月28日(土)カネツ商事・カネツFX証券さまセミナー(福岡)
http://www.kanetsufx.co.jp/event/sp/180428.htm

5月4日(金)マネックス証券さま・米雇用統計セミナー(WEB)
https://info.monex.co.jp/news/2018/20180402_02.html

5月12日(土)豊商事さまセミナー(福岡)
http://www.yutaka24.jp/?url=/seminars

5月18日(木)マネックス証券さまセミナー(名古屋)

5月19日(土)豊商事さまセミナー(岐阜)
http://www.yutaka24.jp/?url=/seminars

5月26日(土)豊商事さまセミナー(神戸)
http://www.yutaka24.jp/?url=/seminars

6月1日(金)マネックス証券さま・米雇用統計セミナー(WEB)
https://info.monex.co.jp/news/2018/20180402_02.html

6月6日(水)サンワード貿易さまセミナー(東京)

6月9日(土)日本セキュリティーズさまセミナー(東京)
http://www.nihon-fs.co.jp/seminar/seminars/20180609_tokyo

6月16日(土)豊商事さまセミナー(大阪)

7月6日(金)マネックス証券さま・米雇用統計セミナー(WEB)
https://info.monex.co.jp/news/2018/20180402_02.html

7月7日(土)豊商事さまセミナー(広島)

7月14日(土)豊商事さまセミナー(横浜)

7月19日(木)ひまわり証券さまセミナー(WEB)

7月28日(土)豊商事さまセミナー(金沢)

8月4日(木)豊商事さまセミナー(札幌)


(上記以外にも、個別セミナーも実施しております。ご興味がある方はお問い合わせください。)


*テレビ出演予定

4月19日(木)13:30~13:45ストックボイスTV「東京マーケットワイド」(東京MXTV)
http://www.stockvoice.jp/

4月26日(木)13:30~13:45ストックボイスTV「東京マーケットワイド」(東京MXTV)
http://www.stockvoice.jp/

5月10日(木)13:30~13:45ストックボイスTV「東京マーケットワイド」(東京MXTV)
http://www.stockvoice.jp/

5月31日(木)13:30~13:45ストックボイスTV「東京マーケットワイド」(東京MXTV)
http://www.stockvoice.jp/


*ラジオ出演予定

4月27日(金)16:00~16:20 ラジオNIKKEI「GO!GO! ジャングル・マーケット」(ゴゴジャンさま提供)
http://www.market.radionikkei.jp/gogo/

5月17日(金)18:00~18:150 ラジオNIKKEI「マーケット・トレンド」(東京商品取引所さま提供)
http://blog.radionikkei.jp/trend/

5月25日(金)16:00~16:20 ラジオNIKKEI「GO!GO! ジャングル・マーケット」(ゴゴジャンさま提供)
http://www.market.radionikkei.jp/gogo/

6月22日(金)16:00~16:20 ラジオNIKKEI「GO!GO! ジャングル・マーケット」(ゴゴジャンさま提供)
http://www.market.radionikkei.jp/gogo/


*定期寄稿スケジュール

「東洋経済オンライン」(不定期)
http://toyokeizai.net/

「マネックスメール」(第1・第3・第5金曜日)
http://lounge.monex.co.jp/pro/special1/

「マネックス証券 マネックスゴールドレポート」(毎週月曜日)
サンプル2
【4月17日のトレード戦略】日米首脳会談に注目
配信日:2018年04月18日 18時57分
おはようございます。
本日もよろしくお願いいたします。

メルマガは毎朝8時30分前後をめどに配信しています。
8時45分を過ぎても届かない場合には、お手数ですがご連絡ください。

連絡方法は「リアルトレーディング・ストラテジー」のスレッドへの書き込み、または配信元であるゴゴジャン様へお願いいたします。

また、市場動向に関するお問い合わせにつきましても、「リアルトレーディング・ストラテジー」のスレッドへ書き込みいただければと思います。読者のみなさんで情報や考え方を共有しましょう。

新刊「米国株は3倍になる!」が発売されました。
市場分析や投資判断の本質を理解することができます。ぜひご購読ください。

〔EQUITY MARKET〕
【米国株・欧米債券市場の市況解説・分析】
米国株は反発。シリア情勢に対する過度な警戒感が後退する中、米企業業績への期待などを背景に買われた。米英仏は14日にシリアのアサド政権が化学兵器を使用したと断定し、首都ダマスカス近郊などの同兵器関連とされる施設3カ所を攻撃した。ただし、今回の攻撃が限定的だったことから、アサド政権の後ろ盾とされるロシアとの軍事衝突に発展するとの警戒感が和らいだことで、株式を買い戻す動きが優勢となった。また、バンク・オブ・アメリカの18年1~3月期決算では、貸出量の拡大に伴う金利収入の増加や経費削減が寄与し、純利益は前年同期比29.6%増と大きく伸びた。既に決算を発表した米金融大手3社も軒並み増益を確保しており、今後発表が相次ぐ米企業業績への期待が株価を押し上げた。3月の小売売上高が前月比0.6%増と市場予想の0.4%増を上回ったことも支援材料だった。過去3カ月マイナスが続いた小売売上高がプラスに転じたことで、米国景気の堅調さが再確認されたことも、買い安心感につながったといえる。一方、ネットフリックスの第1四半期決算は、独自コンテンツの人気を追い風に、契約者数が市場予想を上回る伸びとなった。海外での契約者数は546万人増で、アリスト予想の502万人増を上回った。全世界の契約者数も740万人増と、予想の650万人増を上回った。純利益は2億9010万ドルで、1株当たり0.64ドルとなり、前年同期の1億7820万ドルおよび1株当たり0.40ドルを上回った。総売上高も40.4%増の37億ドルだった。一方、最近の市場の安定を受けて、VIXは16.56と大きく低下してきている。

3月の米小売売上高は4945億5500万ドルと、前月比0.6%増加した。プラスは4カ月ぶり。2月は当初発表の0.1%減少から改定はなかった。前年同月比では4.5%増だった。NY連銀が発表した4月のNY州製造業景況指数は15.8と3月の22.5から低下した。6カ月先の見通しは18.3と、前月の44.1から大幅に低下した。NY連銀は現状について「企業活動は若干減速をしながらも拡大を続けている」とし、見通しについては「約2年ぶりの低水準となった」と指摘した。4月は「業況が改善した」が37.9%と前月から変わらなかったが、「悪化した」が22.1%と、前月の15.3%に増加した。

中国の習近平国家主席は、「保護貿易主義の高まりは世界経済にリスクと不透明性につながる」との見方を示した。さらに、「世界的な経済成長への新たなエンジン追求に向けた協力拡大と取り組みが双方に必要で、世界的な課題に対応するため現実的で実行可能な提案を見いだす必要がある」とした。一方、日中両政府は経済分野の課題について関係閣僚が話し合う「日中ハイレベル経済対話」を約8年ぶりに開催した。河野外相と王毅国務委員兼外相が共同議長を務め、5月に日本で開催される日中韓や日中の首脳会談に向けて、貿易や投資分野での連携推進を確認した。トランプ政権の保護主義的な通商政策を念頭に、自由貿易体制の強化が重要との認識でも一致した。日本側は、茂木経済財政担当相や世耕経済産業相、石井国土交通相らが出席し、中国側は劉昆財政相や鍾山商務相らが参加し、約3時間にわたって意見交換した。中国は鉄鋼の輸出や知的財産権問題などで米国と対立し、互いに貿易制裁を発動する状況が続いている。今回の日中対話では、米中の貿易摩擦についても意見を交換した。会合で日本側は、知的財産権の保護に関連して、外資系企業が中国で技術移転を強いられている問題などを指摘した。トランプ政権が発動した鉄鋼・アルミニウムへの輸入制限については、「過剰生産問題への中国の対応も必要だ」との考えを伝えた。中国は、ビジネス環境の整備を進めているなどと説明した。ハイレベル対話再開の背景には米国の保護主義的な通商政策があるとみられ、中国側には日本との連携で米の動きをけん制する意図もある。

一方、中国外務省の華春瑩・副報道局長は、習近平国家主席が6月中に北朝鮮を訪れる案が浮上しているという一部報道について確認を避けた上で、「われわれは北朝鮮とのハイレベル交流を維持・強化したい」などとし、早期訪朝に前向きな考えを示唆した。華氏は中朝首脳会談に触れ、「習主席は金正恩朝鮮労働党委員長に対して、相互訪問や特使の相互派遣など多様な方式を通じて日常的な連絡を維持したいと表明している」とした。

米国債は小動き。トランプ大統領がFRB副議長に、米債券運用大手PIMCOの幹部で、コロンビア大教授のリチャード・クラリダ氏を指名すると明らかにしたが、あまり材料視されていない。また、理事ポストにはカンザス州銀行監督当局のミシェル・ボウマン氏を指名すると発表した。就任には上院の承認が必要。クラリダ氏は手ピムコの幹部を兼任するエコノミストで、ブッシュ(子)政権時の02~03年に財務次官補を務めた。中道派で現実的な考え方を持つ人物とされている。クラリダ氏は昨年退任したフィッシャー氏の後任となる見通し。弁護士出身のパウエルFRB議長を補佐するエコノミストを選定していたが、クラリダ氏は経済・金融理論面で議長を支える見込みである。一方、ボウマン氏は連邦議会スタッフや国土安全保障省副次官補などを経て、カンザス州銀行監督当局の責任者に就任。地域金融機関での勤務経験のある理事枠として指名された。正副議長を含むFRB理事の定員は7席だが、現在は4つが空席となっている。トランプ政権下ではパウエル議長やクオールズ副議長が就任している。一方、この日の市場では、2年債利回りが2.394%と、08年9月以来の水準にまで上昇する場面があった。引けは2.3814%だった。10年債利回りは2.8285%で、イールドスプレッドは0.4471%にさらに縮小している。一方、2月の対米証券投資統計によると、中国の米国債保有額が1兆1770億ドルに拡大し、9カ月連続で首位を堅持した。前月は1兆1682億ドルだった。日本の保有額は1兆0590億ドルと、前月の1兆0658億ドルから減少し、01年12月以来の水準に減少した。一方、海外投資家による米財務省証券投資は431億8000万ドルの買い越しで、前月の買い越し額の83億5000万ドルから大きく拡大した。

ユーロ圏金融・債券市場は利回りが上昇。米国主導でシリア政権に対する軍事攻撃が実施されたものの、より広範な紛争に発展することはないとの観測から、リスク資産に対する需要が低下した。ユーロ圏の10年債利回りは上昇し、ドイツ10年債利回りは一時0.55%と、約3週間ぶりの高水準を付けた。引けでは0.528%となっている。また、フランス10年債、オーストリア10年債、オランダ10年債利回りも約3週間ぶりの水準に上昇した。

【米国株のトレード戦略】
ロング戦略に変更はない。シリア情勢への懸念が後退したことで、市場に安心感が出ている。しかし、いつ何時また不透明要因が飛び出すかはわからない。市場は疑心暗鬼の中で買いを入れていることだろう。とはいえ、その背景がすべて作られたシナリオ通りであることを理解していれば、ないも問題がない。一般投資家が慌てている中で売ることによる安値を拾えばよいだけである。そうやって市場は国際金融筋に動かされている。繰り返すように、今年の彼らのテーマは「株式と為替」である。特に、トランプ大統領は為替を動かして収益を上げたいとしている。為替に関する政策が多いのも、そのような背景がある。それを理解して入れば、ドルが上がりにくいことが容易に理解できる。もっとも、米国株高にはドル安が良い。今後も株価の維持を目的に、ドル安基調が続くだろう。株高は米国景気を維持するために最も重要な政策である。株高・債券高(低金利)状態を維持し、個人消費を拡大させることが、GDPの成長に直結する。このわかりやすい構造になっているのが、米国の特徴である。これを正しく理解することが、米国で起きていることさらに今後起きることを理解するうえで不可欠な要素である。トランプ大統領がロシアと中国は自国通貨を切り下げているとして非難しているのも、そのような背景がある。トランプ大統領は「米国が利上げを継続する中、ロシアと中国は通貨切り下げゲームに興じている。これは容認できない」とツイッターに投稿した。米財務省は13日に公表した半期に一度の為替報告書で、為替操作国に認定した主要貿易相手国はなかったことを明らかにしたが、中国、ドイツ、日本、韓国、スイスを引き続き為替監視対象国に指定し、インドを監視対象国リストに追加した。17年1月20日のトランプ大統領の就任以降、ドルは人民元を含む多くの通貨に対し大きく下落した。ドルはロシアルーブルに対しても、米国が先に対ロシア制裁を発表するまで下落していた。ドルは人民元に対して17年1月20日以降で8.6%下落した。対ロシアルーブルでは4.5%上昇しているが、制裁発表前までは約4%下落していた。このように、トランプ大統領がドル安により、収益を上げようとしていることは明白なのである。これを理解しておかなければならない。

ダウ平均は重要なサポートを維持しながら、徐々に下値を切り上げてきた。そろそろ上げに転じるのかもしれない。24800ドル、さらに25000ドルを超えることが、トレンド回帰には不可欠であることは言うまでもない。そのタイミングが近づいているようにも感じる。日米首脳会談で何が飛び出すかは不明だが、いずれにしても、市場が動かされていることを理解したうえで、急落しても慌てないことである。最終的には戻していく。もっとも、良好な内容の米企業の第1四半期の業績発表が続けば、投資家の資金が流入することで株価は上昇する可能性がある。そうなれば、いったんは上値を試すことになりそうである。

ハイテク大手5社を総称する「FAANG銘柄」は様々な悪材料が重なり、株価は下落していたが、第1四半期決算が市場の予想を超えるようだと買い戻される可能性が指摘されている。フェイスブック、アップル、アマゾン・ドット・コム、ネットフリックス、アルファベット傘下のグーグルのFAANG銘柄は、フェイスブックの個人情報流出問題、トランプ大統領のアマゾン批判、米中通商摩擦の深刻化などを受けて株価が大幅に下落した。フェイスブックは3月26日には2月初旬に付けた過去最高値から24%下落し、アルファベットも3月28日には1月下旬の過去最高値から18%下落した。しかし、トムソン・ロイターの調査によると、FAANGの第1四半期の前年比増益率は25.8%と、昨年第4四半期の12.4%、前年同期の12.8%を上回る見通しである。現在は悪材料がそろっており、これが上値を抑えている。しかし、第1四半期決算が出始めれば、市場の注目がFAANGの好調ぶりに移るものと思われる。トムソン・ロイター傘下のリッパーによると、4月11日までの週のハイテク株の資金動向は1億5200万ドルの流入だった。前週は6億1090万ドルの流出で、2月初旬以来で初めての流出となったが、すぐに流入に転じたことになる。

ここからは、昨日の繰り返しである。重要なポイントであり、再掲しておく。結論から言えば、今回のシリア攻撃も、シナリオ通りである。まさに「演出」通りである。米国とロシアで綿密に打ち合わせが行われたうえで、攻撃が仕掛けられている。表面上は、トランプ政権が英仏両国と連携し、シリアのアサド政権に対して武力を行使したことになっている。化学兵器使用に対する強固な姿勢を示したかにみえるが、米国はアサド政権の後ろ盾であるロシアとの衝突に発展することを恐れて決断を躊躇していたようにも見せかけていた。その結果、報道では、政権側に退避の猶予を与え、欧米の姿勢を示すだけの「象徴的攻撃」に終わったとの論調も見られる。それはそうである。市場を動かすための演出だからである。トランプ大統領は再びシリアからの米軍撤収に言及しており、今後シリアにおける米国の影響力が低下するのは避けられないとの指摘もある。実際の攻撃も限定的だった。巡航ミサイルやB1爆撃機を用いた作戦も、標的は化学兵器関連施設とみられる3カ所のみである。政権軍は米国が決断に時間をかける間に、攻撃対象になり得る施設から部隊を撤収させ、さほど大きな被害は出なかったようである。それはそうである。そうしているからである。すべてシナリオ通りである。危険が及ばないように、あらかじめ打ち合わせが行われているのだから、当然である。マティス長官は記者会見で「この攻撃はアサド政権に向けられたもので、民間人や外国人の巻き添えを回避するために努力した」と強調している。当然である。ロシアに最大限配慮したことをほのめかしたことになっているが、その通りである。目的はただ一つ、市場を動かすことである。そして、現金を稼ぐことである。CNNのサイトには、「同じ写真が使われている」との記載がある。そろそろ、演出であることがばれてきている。どうなるだろうか。これが一般市民にばれると、米ロは焦るかもしれない。そうなれば、別のやり方で市場を動かしてくるだろう。その繰り返しである。

今回の件で付け加えるとすれば、英仏の参加である。彼らにいかに武器を売るかがポイントである。武器を売って、現金を稼ぐのである。幸い、英国のメイ首相、フランスのマクロンは就任して間もない。無論、トランプ大統領もまだ一年に満たないのだが、米国は英仏に武器を売りたい。一方、英国とフランスには古い戦闘機や武器などの在庫を処分してもらい、新しい武器を買ってもらいたい。そのためには、古い武器を使う必要がある。そこでシリア攻撃をでっち上げ、古い武器を処分し、新しい武器を売りつける。そして現金を稼ぐ。よく考えられたシナリオである。米国の思惑通りに進んでいる。米シンクタンク「ユーラシア・グループ」のカプチャン会長は、「化学兵器に対する強固な姿勢を見せるための限定的攻撃だ」と分析したようである。ここには著名アナリストのイアン・ブレマー氏がいるが、彼の見通しはほとんど外れていることは、業界では有名な話である。英国のEU離脱、トランプ大統領の誕生など、最も重要なイベントで見通しを外している。真の情報を持っていないことの証左である。なぜあれだけ重宝されているのかがよくわからないが、いずれにしても、彼らは全く当てにならない。それはともかく、米軍は14年以降にシリアで過激派組織「イスラム国」(IS)掃討戦を展開し、現在は米兵約2000人がIS残党の掃討などを行っているという。しかし、トランプ大統領は3月末にシリアから米軍を撤収させる意向を唐突に表明した。直後にISの完全壊滅までは残留すると方針転換したものの、長期的にシリアに関与する意思がないことを示している。一部には、ロシアやイランの影響力の拡大を阻止し、米国の抑止力を示すにはシリアへの継続的関与が必要との指摘もある。1年に1度のミサイル攻撃では、シリアの力を後退させることはできないだろう。もっとも、米国第一主義のトランプ大統領の関心はそこにはない。「アサド政権が化学兵器使用をやめるまで攻撃を続ける用意がある」としているが、米軍が撤収すれば、ロシアとアサド政権への抑止力が低下するのは確実である。それでも良いと思っている。

いまのトランプ政権の最大の関心は北朝鮮にある。アジア体制の再構築には北朝鮮の取り込みが不可欠である。そのために、いまいろいろな打ち合わせが水面下で行われているのである。すでに解説したように、北朝鮮と米国は実務レベルの会合を開始し、すでに宴会を行うなど、関係が濃くなっている。そして、いまは中国の実務団が日本に極秘来日し、日本と米国と北朝鮮関連の打ち合わせを行っている。日本側が用意した接待係も投入されている(これ以上は文章にはできないので、ここまでにしておく)。それだけ、綿密かつ濃い打ち合わせが行われているのである。相当話が進んでいるだろう。いまは北朝鮮をどのように取り込むかを話し合っているのだが、その日本は完全に乗り遅れているという。北朝鮮は中国との演出を準備しており、何が飛び出すかがわからない状況にある。日本もこれに乗るために資金を出すと言っているのだが、安倍首相の声はあまり通じていないようである。いずれにしても、北朝鮮はあくまで小国であり、力があるわけではない。すべて「張りぼて」の国である。しかし、資源がある。これを狙っているのが米国であり中国、そしてロシアである。いまは「北朝鮮カード」をいかにインパクトがあるように見せるかに、すべての国が腐心しているわけである。そして、トランプ大統領は韓国との併合を成功させ、歴史に残る大統領として名を馳せたいわけである。そのタイミングで韓国の文大統領の提案があったのは、きわめて幸運だったといえる。朝鮮共和国なるものを設立し、中国のように本土と香港のような二国体性を作り上げるのである。政治は北朝鮮、経済は韓国といったイメージである。これを実現するために、多くの資金が必要であり、いまはそれを稼いでいるわけである。そのために、相当の準備期間をかけているのである。

今回のシリア攻撃は、6月初旬までに予定される米朝首脳会談をにらんだ判断もあったとみられている。トランプ大統領は北朝鮮の核問題解決に向けて「あらゆる選択肢が机上にある」として、軍事力行使も排除しない構えを見せてきた。今回の攻撃で、その発言の「真剣さ」を改めて示したといえる。しかし、これもあくまでポーズであり、真意はそこにはない。これもマスコミが誤った認識を持っていることの証左である。トランプ大統領は、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が非核化に言及したため、首脳会談の要請を受け入れたことになっている。その一方で、表向きは「当面は最大限の圧力を維持する」と強調し、非核化が明確になるまでは圧力を緩めない方針を明確にしている。こういう風にしておけば、市場は不安定なままである。一方、金委員長が米国との対話路線に転じたのは、米国の強硬姿勢があったからだとみられている。これはある意味では本当であろう。それもあり、米国はシリア攻撃で軍事的選択肢が単なる脅しではないことを示し、北朝鮮との交渉を優位に進める狙いがあると解釈できる。トランプ政権では、北朝鮮への先制攻撃論を唱えたボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)が9日に就任した。いよいよ北朝鮮との交渉が本格化する。対話を受け入れる一方で圧力をかけ続け、米朝首脳会談に向けて硬軟両様で臨むという姿勢を「表向き」は見せることが可能になったのである。しかし、すでに解説しているように、米朝の実務レベルは宴会を済ませている。話はできているのだろう。いや、まだかもしれないが、少なくとも何かしらの進展があることだけは確かであろう。トランプ大統領による「歴史的な合意」の成就にまた一歩近づいたわけである。

このように、米中貿易戦争であろうが、シリア情勢であろうが、さらに北朝鮮情勢であろうが、結局は市場を動かすための材料でしかなく、何も本質は変わらない。繰り返すように、今回の外交の最大のクライマックスは「米朝首脳会談」である。6月にもずれ込む可能性が出てきたが、着実に事が進んでいる。この交渉では、米国は失敗できない。中間選挙もある。トランプ大統領が大きな成果を示すには、これを成功させることが最もわかりやすい。そのため、相当用意周到に事が進められていることは容易に理解できる。無論、中国やロシアも北朝鮮管理の主導権を握ろうとしている。北朝鮮の出方が見えないだけに、米中ロは頭を悩ませている。しかし、実務レベルでは米国は一歩リードし、そこに中国が加わってきている。日本は完全に出遅れている。拉致問題を解決し、それを引退の花道にしたい安倍首相は、相当焦っている。まして、国内では森友問題から今度は加計問題に移行している。悩ましい話が目前で行われているのだが、それどころではないのが実態である。安倍首相はすでに進退伺を提出したようだが、それを17日からの日米首脳会談で米国側と話し合うようである。また、トランプ大統領との密約の調整も行う必要がある。安倍首相の退任時期も主題の一つである。ちなみに、日本の首相は米国の了承がなければ就任できない。だからこそ、民主党政権ではおかしなことになったのである。いずれにしても、各国の裏交渉は徐々に進んでいる。しかし、このような裏側を知らないのが大多数の市場関係者であり投資家である。いまの国際情勢ほど面白いものはない。まして、歴史的な出来事が起きようとしている。これを利用しない手はないだろう。ちなみに、日米首脳会談では、6月上旬までの開催を模索している米朝首脳会談をにらんだ日米の連携を協議するようである。米国の高官は「トランプ大統領は、北東アジアの安保に関する安倍首相の見識を大いに尊敬している」とし、日本側の助言を期待していると表明している。これまでの関係構築の成果であろう。一方、北朝鮮による拉致問題に関しては、韓国の拉致被害者や北朝鮮で拘束されている米国人にも触れ「大統領はいつも、北朝鮮で不当に捕らわれている人々のことを念頭に置いている」としている。安倍首相はトランプ大統領に対して、米朝首脳会談で拉致問題を提起するよう要請する方針だが、どこまで話が進むかは不透明である。おそらく、提供する資金の量次第となるだろう。

一方で繰り返すように、ロシアも表向きは米国批判を繰り返しているが、これも出来レースである。すべてシナリオの上で動いている。米ロ、米中はきわめて緊密に連携しながら、意図的に市場を混乱させる発言を行っている。繰り返すように、今年のテーマは「株式と為替」である。資金が足りない各国は、これらの市場を動かすことで現金を稼いでいる。いまの状況で戦争はできず、またやる必要もない。北朝鮮への先制攻撃などあり得ない。シリア情勢もロシアの関与があまりに大きすぎる。仲の良いプーチン大統領にトランプ大統領が攻撃を仕掛けられるはずがないのである。

4月から5月は外交イベントが続く。これは彼らにとって最高の材料である。これを利用して市場を動かしてくる可能性が高い。その動きを冷静に見ていくことが肝要である。繰り返すように、4月は買いが入りやすい季節であり、期待感も高い。あとは投資家心理の好転を待つだけである。4月のパフォーマンスは12カ月の中で、上昇率のランキングはダウ平均が1位、S&P500は3位、ナスダック指数は4位である。平均上昇率はそれぞれ1.9%、1.5%、1.4%である。中間選挙の年に限ると、それぞれ0.8%、0.2%、マイナス0.1%とやや軟調なのは気になるが、それでも4月の反発に期待する向きは多いだろう。

さて、繰り返すように、今後のテーマはインフレである。これまでも長期的には「インフレ」がキーワードになるとしてきたが、そのような動きになりつつある。市場にも徐々に警戒感が高まってくるだろう。原油相場がこれだけ上昇していれば、いずれ金利は上昇に向かい、強い市場が戻ってくることになる。原油を中心にコモディティ価格が堅調に推移し、これが徐々にCPIに効いてくるだろう。サプライサイドのインフレ押し上げがいずれ顕著になり、主要中銀が目標とする2%インフレに向かって徐々に進んでいくことになろう。こうなると、FRBのブレイナード理事が指摘するように、低金利に慣れ切った市場が金利急騰に対応できるのかは不明である。金利上昇に驚かないように対処しなければならない。株安となれば、本末転倒である。景気拡大期に金利が上昇するのは当然であり、むしろ低金利状態にあることを懸念すべきである。低金利で株価が上昇する時代はすでに終わっている。むしろ、金利停滞は景気のピークアウトを意味する。この点からも、金利が上昇しないことをむしろ懸念すべきである。今後は金利低下=株安の関係になることを頭に入れておくべきであろう。一方、イールドスプレッドは縮小傾向にあるが、これもよい兆候である。縮小しなければ、株価の上昇などおぼつかない。フラット化になり、再びマイナス圏に戻すときが株価のピークである。これを間違えないようにすべきである。その意味でも、株価のピーク感はまだ全くないと言ってよいだろう。

【ダウ平均株価:2018年の想定レンジ】
強気シナリオ24236ドル~28287ドル(18年末27996ドル)/弱気シナリオ20995ドル~25130ドル(18年末22790ドル)

【ダウ平均株価:4月の想定レンジ】
強気シナリオ25195ドル~26351ドル/弱気シナリオ23476ドル~24904ドル

【S&P500:2018年の想定レンジ】
強気シナリオ2614~3107(18年末3076)/弱気シナリオ2255~2734(18年末2419)

【S&P500:4月の想定レンジ】
強気シナリオ2724~2851/弱気シナリオ2529~2691

【ナスダック指数:2018年の想定レンジ】
強気シナリオ6747~8375(18年末8282)/弱気シナリオ5348~7199(18年末5702)

【ナスダック指数:4月の想定レンジ】
強気シナリオ7068~7472/弱気シナリオ6114~6826

【米国債トレード戦略】
2年債ショート、10年債ロングのイールドカーブのフラット化に賭ける戦略を継続する。

【日本株の市況解説・分析】
16日の日経平均は前日比56円高。57%の銘柄が値上がりし、値下がりは39%。前週末に米英仏によるシリアへのミサイル攻撃が実施されたが、週明けの東京市場では売りを急ぐ様子は見られず、小動きの状態が続いた。シリア攻撃は1回で終わる可能性が高いとの見方が広がり、前週末までに値下がりしていた銘柄が買い戻された。ただし、買い戻しは午前中に一段落し、午後は積極的な売り買いが手控えられた。東証1部の売買代金は約2兆円と低水準だった。シリア攻撃による株価急落は回避されたが、上値を追う材料もなく、様子見ムードが続いた。

日銀の若田部副総裁は参議院決算委員会で、「国債市場における現在のイールドカーブがフラット化しているのは事実」としながらも、「日銀の金融政策はフラット化させるために行っているわけではない」とし、「デフレを脱却するためには経済にマネーを供給すべきとの観点から行っている」との認識を示した。そのうえで、現行のイールドカーブ・コントロール(YCC)政策は「イールドカーブを立てた方がいいとの問題意識から始まっているのは事実」とし、「足元のフラット化は中長期にわたるインフレ予想がまだ根付いていないことが背景」と指摘した。また、「日銀としては、現在の政策を粘り強く続けることでインフレ予想を上げ、フラット化したイールドカーブが立っていくことを目標としている」とした。さらに。「もっとも、そうした中で日銀が先に金利目標を上げてしまうと不況に逆戻りし、イールドカーブはフラットになってしまう。そのあたりを見極めて政策を行っている」と説明した。将来的に金融緩和策を縮小する出口戦略については、「各種の資金吸収オペレーションや当座預金の付利の引き上げ、所要準備率の引き上げなどの手段を持っており、仮にインフレ率が急速に高まることがあっても、十分に対応が可能」との認識を示した。

安倍首相は17日から米国を訪問する。トランプ大統領との首脳会談は現地時間の17・18日に南部フロリダ州パームビーチにあるトランプ大統領の別荘で開催される。史上初の米朝首脳会談に備え、北朝鮮の非核化を達成する方策を協議するとともに、日本人拉致問題を議題とするよう要請する方針。また、貿易問題も焦点となる見通しで、首相は環太平洋連携協定(TPP)への米国復帰について意見を交わす見通しである。安倍首相とトランプ大統領氏の会談は通算6回目となる。安倍首相は16日の自民党役員会で、今回の訪米について「北朝鮮情勢にさまざまな動きがある中で日米の基本的な方針をしっかり擦り合わせたい。拉致問題をこの機会を生かし前進させたい」とした。トランプ大統領は5月末か6月初旬に北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長と会談する予定だが、これに先立ち日米両首脳は完全かつ検証可能、不可逆的な核・ミサイル廃棄を目指す立場を改めて確認し、対処方針を話し合う方針。安倍首相は、核・ミサイル問題で安易に妥協しないようくぎを刺し、拉致問題解決への協力も求める意向である。また、通商問題では、トランプ大統領がTPP復帰検討を指示したことを踏まえ、安倍首相は早期復帰を促す方針。さらに、米国政府が発動した鉄鋼・アルミニウムの輸入制限からの日本免除も働き掛ける見通し。トランプ大統領がTPP再交渉や日米自由貿易協定(FTA)の交渉開始を迫る可能性もあり、安倍首相は慎重に対応する構えである。一方、米英仏がシリア攻撃に踏み切ったことを受けて、日米首脳は中東情勢についても話し合う方針。また、昨年のトランプ大統領の前回の来日時に続いて、今回もゴルフを行う見通し。安倍首相は20日に帰国する予定となっている。

安倍首相は中国の王毅国務委員兼外相と首相官邸で会談。両氏は北朝鮮の核・ミサイル問題に関して、「北朝鮮の非核化は日中共通の目標」との認識で一致した。安倍首相は北朝鮮による日本人拉致問題の早期解決に向けて、中国の理解と協力を求めた。安倍首相は5月に日本で開催予定の日中韓首脳会談に合わせた李克強中国首相の初来日に触れ、「李首相の訪問を通じ、戦略的互恵関係の下にさまざまな分野で日中関係を改善させていく契機としたい」とした。王氏も「日中双方がより広く長期的な観点で、両国関係改善のプロセスを推進していかなければならない」と応じた。さらに、トランプ政権を念頭に「保護貿易、保護主義が台頭し、世界の自由貿易体制も衝撃を受けている」と指摘し、「日中間の経済協力を強化しつつ、自由貿易体制の維持でも連携を深めたい」とした。両氏は東シナ海を「平和・協力・友好の海」とすることが重要との認識でも一致した。

【日経平均先物のトレード戦略】
ロング戦略を継続。シカゴ市場では小幅下落し、ドル円も下げており、上値の重い展開になりやすいだろう。しかし、下値も堅い。売り込んでおり、これ以上の下げもないだろう。重要な期間に入っており、5月中旬から下旬に向けて、上昇に向かうことができるかのきわめて重要な時期である。ここを上手く乗り切ることができれば、年末に向けてさらに上値を試すことができる。もっとも、すべては海外勢が握っている。彼らが日本株を買いたいと思うような状況になる必要がある。そのためには、米朝首脳会談の成功や安倍政権の存続は不可欠な材料であろう。その意味では、まだまだ時間はかかる。良い意味で期待しないで気長に待ちたいところである。あとは、22000円の大台を超え、さらに22500円を超えると、基調は一気に好転する。それが日本企業の業績発表だけで達成できるとは思えない。やはり、最終的には外部要因が整わないと、真の意味での上昇基調への回帰は難しいだろう。まずは、日米首脳会談の結果を待ちたい。内容次第では、状況は一気に好転する可能性もある。そうなれば、上昇しやすくなる。とにかく、いまは辛抱の期間である。野党が安倍政権を打倒しようと奮闘しているが、このような材料で安倍政権は倒れない。倒して困るのは野党であり、国民であり、日本である。安倍首相以外に外交ができる政治家は、残念ながらいまの日本にはいない。安倍首相のこれまでの言動はともかく、いまは米朝首脳会談に向けて重要な時期であることを理解すべきである。もっとも、すでに辞意を表明したとの話も聞いている。日米首脳会談は辞任時期を話し合う可能性もあると聞いている。トランプ大統領との契約もあり、どうなるのか。ここが日本として最も悩ましいところであろう。一部の海外メディアは「6月退任」と報じているようである。電撃退陣となれば、大きな衝撃が走ることは間違いない。それだけは、日本政府としては是が非でも避けるべきであろう。これ以上は詳しいことは書けないことをご理解いただきたい。

これまでの押し目買いと戻り売りで、ロングは21750円、21600円、21500円が残っているイメージである。今回は押し目買いから手仕舞い売りを数回繰り返したことで、相応の収益が上がっている。当面の収益としては十分すぎるだろう。今後は、残りのロングを22050円、22250円、22450円までの戻り局面で売り切りたいと考える。まだまだ弱い動きから脱することができていないため、いまは欲張らずに押し目を買う一方で高値まで待たずに売り、利益を確定することを優先したい。今後は21250円、21000円までの押し目があれば、再度ロングを積み増したい。22500円を超えてしまえば、その流れに乗ってロングを積み増していけばよい。これは流れに乗るだけであり、むしろ簡単である。4月の強気シナリオのレンジは23256円~25002円、弱気シナリオのレンジは21737円~23316円である。強気トレンドに戻すには、少なくとも23250円程度までの戻りが必要となる。これはかなりハードルが高い。まずは弱気シナリオのレンジ下限である21737円を回復し、そのうえで23250円を目指す動きになるかを見ていきたい。21737円を下回るような水準は相当売られすぎであるといえる。

繰り返すように、投資家心理の改善には時間が掛かる。しかし、これ以上、下値を売っても仕方がないとの見方も多いだろう。売り方の買い戻しもあり、株価は下げ渋っている。こうなると、徐々に買った方がよいのではないかとの心理がいずれ働くだろう。1月の高値を買い上がってしまった向きからすれば、かなり苦しい状況だが、最終的には売らなかったものが勝者になる。繰り返すように、日経平均のPERは12倍台と依然として割安であり、現時点でこれ以下を売っても妙味はない。むしろ買い場であることはいうまでもない。19年3月期の決算がどのような見通しになるか次第で、株価の評価は大きく変わってくるが、これがきわめて読みづらいことが、投資家の買いを手控えさせている。確かに見切り発車は怖いだろうが、ドル円が100円割れの水準で推移しない限り、大幅減益の可能性はほとんどない。105円程度であれば、ある程度の増益を確保できる。そうであれば、今の株価はさらに割安ということになる。一般投資家がそのように判断はかなり先になるだろうが、最終的にはそのような結果になる。高値を買いたくなければ、今のうちに仕込むことである。

日銀の金融政策の正常化はかなり先になる。実態面は別として、表面的には少なくともそうである。現在の年80兆円の国債買い入れはすでに規模は縮小しており、テーパリングになっているが、それを正常化の動きとは日銀は口が裂けても言わない。実際に真の意味での正常化ではないが、着実に無駄な緩和策は縮小されていくだろう。金利は本来プラスであるべきで、銀行業が圧迫されるような政策は現実的ではない。インフレ気味になりつつあることもあり、ここは早めに対応すべきであることは言うまでもない。ETF購入については、国債とは違い、償還が来ない。手仕舞い売りをして実現損益を確定させない限り、終了ということにはならない。したがって、株価が相当高い水準にまで上げない限り、売りを検討することさえないだろう。「株価が下落したらどうするのか」との批判もあるが、それを批判したところで政策は変わらない。株価が上がるまで買い続けるだけである。

【日経平均株価:2018年の想定レンジ】
強気シナリオ22089円~27115円(18年末26839円)/弱気シナリオ18745円~23688円(18年末19392円)

【日経平均株価:4月の想定レンジ】
強気シナリオ23256円~25002円/弱気シナリオ21737円~23316円

【TOPIX:2018年の想定レンジ】
強気シナリオ1779~2168(18年末2150)/弱気シナリオ1523~1883(18年末1578)

【TOPIX:4月の想定レンジ】
強気シナリオ1878~2003/弱気シナリオ1721~1840

〔CURRENCY MARKET〕
ドル円は下落。シリア情勢をめぐる過度の懸念が後退したものの、ドルが下落した。米英仏は14日未明、シリアのアサド政権が化学兵器を使用したと断定し、首都ダマスカス近郊などの化学兵器関連とされる施設3カ所を攻撃したが、米国主導の武力行使は織り込み済みだったことや、攻撃対象が限定的だったことで、アサド政権を支援するロシアを巻き込んだ軍事衝突が回避されたことから、シリア情勢に対する警戒感は後退した。マティス米国防長官はこれについてアサド政権に化学兵器を再び使用させないための「1度限りの攻撃だ」とし、3カ国ともこれ以上の攻撃はないとの立場を示している。これを受けて、米国株は上昇したものの、債券利回りの上昇は限定的であり、ドルの買い戻しも入らなかった。一方、3月の小売売上高は前月比0.6%増と、4カ月ぶりにプラスに転じ、市場予想の0.4%増も上回ったが、ドルの押し上げ要因にはならなかった。注目材料は17・18日に米フロリダ州で開催される日米首脳会談であろう。ここでどのような話が出てくるのか、それ次第では一時的に大きく変動する可能性がある。一方、米財務省は13日公表の半期為替報告で、大幅な対米貿易黒字を抱える日本を再び「監視対象」に指定。トランプ大統領は日米貿易不均衡に強い不満を表明しており、日米首脳会談の行方を見極めたいとの思惑が強まっている。一方、トランプ大統領はツイッターに「米国が利上げを続ける中で、ロシアと中国は自国通貨切り下げゲームをしている」と書き込み、「受け入れられない」と通貨安誘導を批判。貿易赤字削減を重視しているトランプ政権は、輸出で有利になる通貨安の誘導を行う国に目を光らせている。米財務省が13日に発表した各国の為替政策を分析・評価した為替報告書では、巨額対米黒字などを問題視し、中国や日本など6カ国を「監視国」に指定している。ただし、制裁措置の適用検討となる「為替操作国」の認定はなかった。一方、この日はポンドが上昇。5月の利上げ観測の高まりにつながる経済指標に注目が集まる仲、1月以来、初めて1.43ドルを上回った。

19・20日に米ワシントンで開催される20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議では、米中間で深刻化する貿易摩擦に加え、米英仏が軍事行動に踏み切ったシリアをめぐり懸念される米ロ対立などが金融市場や実体経済に及ぼす影響などが議論される見通しである。G20財務相・中銀総裁会議は3月にアルゼンチンのブエノスアイレスで開催されたばかりだが、今回は国際通貨基金(IMF)・世界銀行の会合に合わせて行われるため、共同声明の取りまとめは見送られる見通し。3月の前回会合では「不公正な貿易慣行を含む保護主義と引き続き闘う」とした昨年7月のG20首脳会議の合意を再確認した。その上で、新たに「さらなる対話や行動が必要」との文言を盛り込み、保護主義的な動きを強くけん制した。しかし、米国は前回会合の直後、中国を主な標的として鉄鋼とアルミニウムの輸入制限措置を発動。中国も報復的な対応を発表した。さらに米国は中国の知的財産権侵害を「不公正な貿易慣行」に当たるとして制裁措置を表明し、中国などは米国の一方的措置こそ「不公正」と反発を強めている。今回は深刻化する対立の緩和に向けた各国の対応に期待が高まるが、前回から日が浅いこともあり、踏み込んだ議論にはならない可能性がある。ただし、7月には再びアルゼンチンで会合が予定されており、どこまで議論を深められるかが大きな焦点となろう。前回会合で主要議題となった仮想通貨に関しても意見が交わされるとみられている。会合には、前回欠席した麻生財務相と黒田日銀総裁が出席する方向で調整している。

【通貨トレード戦略】
ドル円はショートを維持。弱い動きが続いている。上昇に向かうチャンスがあっただけに、今回の想定以上の弱さには若干の驚きがある。107.10円を割り込むと、106.50円まで下げる可能性があるだけに、注意が必要であろう。もっとも、そこまでの調整済めば、再び上昇に転じる可能性が高まろう。目先は日米首脳会談もあり、動きづらくなろうが、その内容次第では大きく変動する可能性は十分にある。繰り返すように、為替は今年の国際金融筋のテーマであり、トランプ政権の最大の関心事でもある。これを理解しておくべきである。常にドル安・円高のリスクだけは念頭に入れておきたい。市場参加者の多くが懸念したシリア攻撃が単発で終わってもドルが上昇しないのは、相応の意味があると考えるべきであろう。ドルは戻しても108.80円が重くなろう。さらに上げても、110円台を超えていくのはかなり難しい状況にある。米企業の業績発表が本格化し、市場の関心がそちらに向かえば、米国株に買いが戻り、ドル高になる可能性はある。しかし、米国が株高を維持するためにもドル安にする必要があることを考慮すれば、過度な期待はできない。さらに、これまで指摘してきたように、原油高が鮮明になればインフレ懸念が高まり、ドル安を誘発することになる。金利も上昇するだろうが、一方で実質金利が下がりやすくなる。結果としてドルが上がりづらくなる可能性が高まることになる。国際金融筋は原油高にもっていこうとしている。そうなれば、意図したインフレになる。そうなると、ドル安になる可能性が高まることになる。この点には注意が必要である。日米実質金利差から見た理論値の113円であり、いまのドル円の水準はまだ相当安い。いずれ修正は入るだろう。まずは、4月の弱気シナリオのレンジ下限である108.94円を超えるかを確認することになろう。これまでの為替相場は政治要因で動いてきた。今後もそのような状況は続くだろう。それでも、ユーロも含めてドルは対主要通貨でかなり下げた。今年はドル安の見方が多かったこともあり、かなり織り込まれている感がある。その意味でも、ドルは今後下げにくくなる可能性は十分にある。ただし、繰り返すように、「為替は、表面上は金利で動き、大局的には政治で動く」というセオリーがある。これだけは常に忘れないようにしたい。

ユーロ円はロングを継続。ただし、買われすぎになっており、さらに133円で打たれている。これで132.40円を割り込めば、手仕舞い売りとなろう。長期サポートは128円前後であり、これを下回るまではロング有利である。

ユーロドルは新規でロング。再び上向いたことから、再度ロングで対応することにしたい。1.2330ドルを割り込めば、その時点で売りを検討する。長期サポートは1.1650ドル前後であり、それまではロング有利である。欧米実質金利差からみたドル円の理論値は、計測期間が短期の場合は1.14ドル、長期の場合で1.21ドルである。ユーロも割高である。

ポンド円は新規でロング。かなり高くなっているが、トレンドが出ており、さらに重要なポイントの152円を超えている。まずはロングで対処する。152.80円割れで手仕舞いとしたい。逆に152円を割り込めば、一転してショートを検討することになる。長期ポイントが152円であり、これを基準にしておきたい。

ポンドドルはロングを維持。過熱感があるが、さらに上値追いとなっており、高値を更新した。この動きについていきたい。1.4260ドルを割り込むまでは維持する。長期トレンドは1.3875ドルに位置しており、これを維持しているうちはロングが有利である。

豪ドル円は見送り。84円まで上げた後に下げており、下げやすくなっている。これで83.20円を割り込めば、ショートにしやすい。そのタイミングを待ちたい。長期レジスタンスは86円前後であり、そこまでは戻り売り有利であり、引き続き売りのタイミングをみておきたい。

豪ドル/米ドルはショートを維持。上昇しているが、0.78ドルを超えるまでは維持したい。基本的には長期トレンドの0.78ドルを超えるまでは基本は売り姿勢である。0.7650ドルを割り込むと下げが加速しやすいが、下値を確認したようにも見える。まずは0.78ドルを超えるかを確認したい。

南アランド/円はロングを維持。8.75円を割り込むまでは維持したい。短期的には下げやすいだろう。一方で8.95円を超えると上昇しやすい。長期トレンドは8.6円。

【ドル円:2018年の想定レンジ】
強気シナリオ110.55円~126.40円(18年末124.25円)/弱気シナリオ100.60円~114.90円(18年末103.00円)

【ドル円:4月の想定レンジ】
強気シナリオ113.09円~118.65円/弱気シナリオ108.94円~114.07円

【ユーロ円:2018年の想定レンジ】
強気シナリオ132.05円~147.00円(18年末145.90円)/弱気シナリオ119.45円~136.80円(18年末121.55円)

【ユーロ円:4月の想定レンジ】
強気シナリオ133.03円~139.84円/弱気シナリオ128.48円~133.24円

【ユーロドル:2018年の想定レンジ】
強気シナリオ1.1750ドル~1.3125ドル(18年末1.2970ドル)/弱気シナリオ1.1595ドル~1.2175ドル(18年末1.1210ドル)

【ユーロドル:4月の想定レンジ】
強気シナリオ1.1886ドル~1.2301ドル/弱気シナリオ1.1443ドル~1.1865ドル

【ポンド円:2018年の想定レンジ】
強気シナリオ148.85円~166.75円(18年末165.15円)/弱気シナリオ132.40円~154.60円(18年末134.00円)

【ポンド円:4月の想定レンジ】
強気シナリオ151.30円~157.71円/弱気シナリオ145.13円~151.19円

【ポンドドル:2018年の想定レンジ】
強気シナリオ1.3225ドル~1.4710ドル(18年末1.4525ドル)/弱気シナリオ1.2390ドル~1.3665ドル(18年末1.2595ドル)

【ポンドドル:4月の想定レンジ】
強気シナリオ1.3335ドル~1.3794ドル/弱気シナリオ1.2995ドル~1.3443ドル

【豪ドル円:2018年の想定レンジ】
強気シナリオ86.20円~98.30円(18年末97.15円)/弱気シナリオ77.40円~89.90円(18年末81.05円)

【豪ドル円:4月の想定レンジ】
強気シナリオ88.99円~93.52円/弱気シナリオ85.40円~89.79円

【豪ドル/米ドル:2018年の想定レンジ】
強気シナリオ0.7665ドル~0.8765ドル(18年末0.8650ドル)/弱気シナリオ0.7060ドル~0.7930ドル(18年末0.7200ドル)

【豪ドル/米ドル:4月の想定レンジ】
強気シナリオ0.7894ドル~0.8240ドル/弱気シナリオ0.7565ドル~0.7860ドル

〔COMMODITY MARKET〕
【貴金属市場の市況解説・分析】
金相場は小幅続伸。ドル安が押し上げ要因となった。シリア空爆が限定的だったことで米国株が上昇したが、ドルは軟調に推移したことで金相場はむしろ押し上げられている。市場は依然として地政学的リスクに関心を寄せているようである。14日の米英仏によるシリアへの空爆の報を受けて、金相場は1350ドルまで上昇したものの、その後は空爆がシリア情勢に西側諸国が一段と関与し始める兆しではないとの見方から、上値追いも限定的だった。とはいえ、下値も堅い。市場では様々な不透明要因が残っており、投資家は金を手放しにくい状況にある。シリア情勢や米中貿易摩擦、ロシア経済制裁などの不透明要因は、投資家の関心を金に向けさせるのに十分であろう。

【貴金属のトレード戦略】
金、銀、プラチナ、パラジウムはロングを継続。基本方針は変わらない。シリア攻撃が沈静化しつつある中でも、金相場は下げない。むしろ上げている。投資家心理は真の意味で改善していないのだろう。もっとも、シリア空爆は本質的な材料ではない。繰り返すように、その背景を理解していれば、全く問題はない。一方、株価の不安定もあり、賢明な投資家は金を買っている。金の存在価値はますます高まっている。今後も不意の株安に備えて、金は常に保有しておくべきである。いまの市場構造がどうなっているのか、一般の市場参加者の大半がわかっていないが、われわれは理解している。それでも保有することに意味がある。さらに、指摘してきたように、インフレの可能性高まっている。これは操作のしようがない。原油を上げようとしており、こうなるとインフレになりやすくなり、結果的に実質金利が低下することから、金への資金シフトが進みやすくなる。その意味でも金は保有しておかなければならない。いまの状況であれば、金を保有しておくべきと考える投資家が増えざるを得ない。金を保有しておきたいと考えるのは投資家だけでなく、国レベルでも同じである。金はアッパークラスからみれば、依然として現金と同等の扱いである。むしろ、現金よりも安全と考えている節さえある。通貨は紙くずになる可能性がある。しかし、金にはそのリスクがない。これは世界の政府レベルの常識である。仮想通貨(暗号通貨)はその扱いにはなり得ない。結局のところ、金は常に保有しておくべきである。

繰り返しで恐縮だが、金を保有しておけば、資産全体を守ることができる。今後も米国株が不安定な状況は続く可能性があり、株価下落に対するヘッジとして金を買っておくことはやはり重要である。株式を買うときに同時に金も買う。これがセオリーである。金を持っておくと安心感がある。4月以降の金相場は季節的に上げやすいため、これも金相場を支える可能性がある。4月の強気シナリオのレンジ内で推移していることからも、今の金相場の堅調さが確認できるだろう。いずれにしても、金に対する見方や考え方、取り組み方を変えずに、粛々と今後も下押す場面があれば買いを入れていきたい。今後は徐々にインフレが意識されることになると考えている。この点からも金は上昇に向かうと見ている。金には利子が付かないため、金への投資は意味がないとの見方もあるが、保有しておくことで投資判断のうえで心理的な安心感を得ることができる。また、インフレになれば、保有している方がむしろ有利である。資産の15%は金で保有しておきたい。重要なことは、表面上の長期金利ではなく、インフレ率を含めた実質金利である。実質金利が上昇しなければ、金相場は下がらない。長期的に実質金利は低下し続けている。これが上昇するようであれば、その時点で金投資を考え直せばよい。徐々にインフレになっていくと考えているが、これは金の買い材料である。また、株安に備える上でも金は常に保有しておきたい。すべての資金を株式につぎ込んでいると、株価の下落には耐えられない。新刊「米国株は3倍になる!」でも紹介しているようなポートフォリオを組んでいれば、今回の下げでも全く慌てる必要がない。金を保有することが、いかに心理的な安心感をもたらすかを理解しておきたい。利子はつかないが、それを大前提として保有する。これが肝要である。金を保有することで、冷静な投資判断ができる。これも重要なポイントである。毎度の繰り返しで恐縮だが、これが金を保有する上での重要な考えである。世界のどの国も金を必要としている。金があれば何でもできる。仮想通貨(暗号資産)ではこれはできない。ちなみに、ビットコインなどの暗号資産は今後「相場としての魅力」は低下していくことになろう。

「米国株30%、米国長期債55%、金15%」のポートフォリオは、リーマンショック級の下げが来ても、直近の資産価値のピークから減少は最大で2割減で済む。実際には、米国株を40%から45%程度に少し増やして、もう少しリスクを取ってもよいだろう。ただし、50%以上は危険である。また、米国株を増やす分は米国長期債を減らせばよいだろう。イメージとしては、米国株4割から最大5割、米国長期債をその分減らすイメージである。今後は金利が上昇するため、債券はあまり保有しないほうが良い。もっとも、リーマンショックでは、株式だけに投資した場合には、資産が半減しているのだから、このポートフォリオは長期的に資産を守りつつも増やすうえでは「鉄壁」かつ「完璧」に近いといえる。ただし、金利は今後上昇するため、上記のポートフォリオの構築のポイントは、債券を徐々に買うことである。これは非常に重要である。いますべてを買ってしまうと、評価損が大きくなることは目に見えている。徐々に買っていくことが肝要である。繰り返すように、長期的には金利が上昇基調へ転換している可能性が高い。1954年からの金利上昇は1981年までつづいたが、この間に起きたことはインフレである。結果的に、金相場はそれまでの固定相場の35ドルから、1980年には850ドルまで上昇している。金利の上昇は、景気の拡大・株価の上昇、そしてインフレが背景にあった。今回も長期的な金利上昇局面に入ったとすれば、それは株高・インフレへの転換を意味する。金利上昇はあくまで起きている事象の結果であり、先行指標ではない。したがって、まずは金利動向を見るのではなく、株式やコモディティなどのリスク資産などの投資対象資産の価格変動を見ることが先決である。金利上昇と騒いでいる向きは、市場の本質を理解していないことを自ら認めているようなものである。

金に話を戻すと、基本はドル安傾向であり、さらに原油高などコモディティ相場の堅調さを確認することになろう。毎度のことで繰り返し恐縮だが、金の位置づけはトレーディングの対象ではない。あくまでリスク資産である株式のヘッジである。金については常に保有するというスタンスが肝要である。資産保全としての金の位置づけを重視すべきである。株価が上昇しても、そちらに資金をシフトしようなどと考えずに、株式のヘッジとして金を手放さないことが肝要である。これができないと、長期的な資産形成はできない。金は資産として持つことが肝要である。利子はつかないが、資産保全には金が一番である。米国の減税は経済に非常に恩恵をもたらし、株価の上昇が期待されている。一方で財政悪化によりドルが売られることになる。さらに現在のインフレ率であれば、FRBが目論む年3回の利上げも困難になる可能性もある。秋には米中間選挙も控えている。したがって、市場金利が急騰しない限り、金相場の堅調さは続くとみている。ただし、想定しているインフレになれば、利上げが4回になる可能性もある。この点は常に注視しておきたい。一方、現物市場ではインドや中国などは下押しの場面で買ってくるだろう。今年はまだまだ上昇余地がある。最終的には1500ドル台にまで上げても全く不思議ではない。2019年までに大相場には発展するだろう。スイスのプライベートバンクは、顧客である富裕層に最低でも資産の5%相当の金を保有することを勧めている。彼らが長年生き残っている所以である。ただし、保有比率は10%ではなく、むしろ15%程度にすべきであると考えている。常に金を保有して危機に備えておくのが、金に対する基本的な考え方である。保有コストを下げるためには上値を買わずに、下げたところを買い、じっくりと上昇を待ちたいところである。

結局のところ、どの国も「金が欲しい」のである。これは米国も同じである。資金がない。金を持つことが、最大の資産保全であり、最も安全な通貨を持つことになるわけである。

【ドル建て金価格:2018年の想定レンジ】
強気シナリオ1270ドル~1517ドル(18年末1475ドル)/弱気シナリオ1187ドル~1338ドル(18年末1210ドル)

【ドル建て金価格:4月の想定レンジ】
強気シナリオ1319ドル~1403ドル/弱気シナリオ1236ドル~1295ドル

【円建て金価格:2018年の想定レンジ】
強気シナリオ4564円~5356円(18年末5232円)/弱気シナリオ4051円~4877円(18年末4192円)

【円建て金価格:4月の想定レンジ】
強気シナリオ4691円~49320/弱気シナリオ4548円~4788円

【ドル建てプラチナ価格:2018年の想定レンジ】
強気シナリオ900ドル~1134ドル(18年末1092ドル)/弱気シナリオ768ドル~1011ドル(18年末804ドル)

【ドル建てプラチナ価格:4月の想定レンジ】
強気シナリオ962ドル~1057ドル/弱気シナリオ927ドル~999ドル

【ドル建てパラジウム価格:2018年の想定レンジ】
強気シナリオ1032ドル~1365ドル(18年末1331ドル)/弱気シナリオ854ドル~1148ドル(18年末884ドル)

【ドル建てパラジウム価格:4月の想定レンジ】
強気シナリオ1155ドル~1223ドル/弱気シナリオ1011ドル~1119ドル

【非鉄市場の市況解説・分析】
非鉄市場は総じて堅調。LME在庫はアルミが1万5100トンの大幅増だったが、それ以外の銘柄は減少した。アルミは急伸し、2400ドルを超えて、12年前半以来、約6年ぶりの高値を更新した。米国がロシアのアルミ大手ルサールに制裁措置を発動した影響で、引き続き供給不足の懸念がくすぶっていることが背景にある。この日は英豪系資源大手リオ・ティントが合弁相手であるルサールへの制裁を受けて、一部顧客との契約で不可抗力条項を発動する方針と報じられたことも押し上げ要因になった。銅は続伸したが、再び6950ドルのレジスタンスで打たれている。これを上抜けないと、次の上昇には向かえない。ニッケルは続伸し、14000ドル台を維持している。高値更新目前であり、やはり電気自動車向けのバッテリー需要の拡大が期待されているといえる。亜鉛と鉛は下げ止まってきた。これらも上昇に向かえば、非鉄市場全体が上昇やすくなる。18日には中国の1~3月期のGDP、3月の鉱工業生産などが発表される。これらの内容にも注目が集まろう。
【非鉄のトレード戦略】
アルミ、銅、ニッケル・亜鉛、鉛はロングを継続。基本的な考え方は変わらない。アルミはこのタイミングで6年ぶりの高値更新となったが、それだけロシア問題の背景は根深いといえる。現物市場主導であり、これがコモディティの怖さでもあり、すごさでもある。現物需給がひっ迫すれば、このような上げになる。それをとらえることができれば、非常に面白い。もっとも、非鉄相場全体がしっかりとした形で上昇するには、金融市場の安定は不可欠な条件になる。今すぐにそのような状況にはなりづらい。しかし、崩れることもないだろう。米朝首脳会談までは不安定な動きになると考えておきたいが、それ以降に回復の動きが見られれば、それで十分である。一方、ニッケルは電気自動車向けのバッテリー需要はかなり堅調であり、需給面はしっかりしている。世界経済の拡大基調は19年半ばから20年ごろまで続くとの見方は変わらないが、米国を中心に経済指標なども慎重に見ていきたい。株価が先にピークアウトし、コモディティがその半年から1年後にピークアウトする。したがって、株価が崩れれば、非鉄相場も必然的にピークアウトすることになる。非鉄相場のこれまでの上昇の決定的な要因は需給ひっ迫である。これが上昇基調の継続につながり、20年ごろまで続くとみているが、世界景気が崩れれば、その限りではない。この点は間違えてはいけないだろう。一方、自動車のEV化の動きに伴う需要増が今後もテーマになるだろう。中国が新エネルギー車(NEV)の購入免税を20年末まで延長すると発表するなど、今後は世界的にEV化が加速する。これは非鉄金属市場にとって、非常に大きなテーマであり、恩恵がある。アルミや銅は、EV化で車一台当たりの使用量が今よりも増加する。自動車販売台数が拡大する限り、需要は増えることになる。この点は、長期的には期待できる材料である。

ちなみに、非鉄銘柄の取引は、IG証券などの外資系の証券会社であれば可能である。彼らのプラットフォームでは株式・債券・為替・コモディティなど多くの銘柄をひとつのプラットフォームで取引できる。これは外資系だけであり、IG証券がもっとも利便性がある。ちなみに、先日も日本支社の社長と面談し、日本における非鉄市場への投資拡大について議論してきた。このような魅力的な市場が日本ではまだまだ認知されていないのは、本当に勿体無いことである。

*LME=LONDON METAL EXCHANGE(ロンドン金属取引所)
*取引所の指定倉庫の在庫はロケーションごとに毎日発表されている。

【アルミ価格:2018年の想定レンジ】
強気シナリオ2205ドル~2657ドル(18年末2619ドル)/弱気シナリオ1928ドル~2320ドル(18年末1973ドル)

【アルミ価格:4月の想定レンジ】
強気シナリオ2297ドル~2464ドル/弱気シナリオ2138ドル~2262ドル

【銅価格:2018年の想定レンジ】
強気シナリオ6915ドル~9261ドル(18年末9059ドル)/弱気シナリオ6024ドル~7394ドル(18年末6150ドル)

【銅価格:4月の想定レンジ】
強気シナリオ7423ドル~8170ドル/弱気シナリオ6864ドル~7293ドル

【エネルギー市場の市況解説・分析】
原油は反落。週末の米英仏によるシリアへの攻撃が限定的だったことで、手仕舞い売りが出ている。シリアの産油量は多くないものの、中東は世界で最重要の原油輸出地域であり、域内情勢の緊張は石油市場のリスクとみなされているようである。市場は今後も中東の紛争拡大の影響に敏感に反応することになりそうである。市場の関心は15年のイラン核合意を米国が破棄する可能性に向かっている。米政権が現在の中東情勢にどの程度関心を持っているかは不明だが、トランプ大統領が突然発言する可能性もあり、常に注意は必要であろう。もっとも、世界的な石油需給のだぶつきは相当解消されている。年後半には需給バランスは供給不足に転じる可能性もある。

【エネルギーのトレード戦略】
WTI原油・ブレント原油はロングを継続。基本方針は全く変わらない。原油相場は短期的に上がり過ぎたため、手仕舞い売りが出やすいのは仕方がない。買われすぎ感も強いことから、いったんは調整するだろう。65ドル前後までの下げは許容範囲である。繰り返すように、60ドル以下では生産活動の維持はできない。それだけを理解しておけば、それで十分なほどである。一方、市場ではシリア情勢などの地政学的リスクが材料視されているようだが、これは本質的な材料ではない。原油相場を上げさせたい向きが上手く利用している。その意味では、彼らの戦略は成功である。一方で、重要なのは原油需給のひっ迫感である。これは本質的な材料である。このファンダメンタルズの事実は、原油価格の上昇を後押しするのに十分な材料である。需給は引き続きタイトであり、今後はさらにその傾向が強まることになる。いまの水準はまだ安いとの判断は変わらない。市場参加者が米国の石油在庫のひっ迫を正しく理解できれば、上昇に向かうだろう。石油製品在庫は需要に対して18日分しかない。これは過去10年で3番目に少ない水準である。また、需要の水準自体は過去10年で最も多い。石油需要は増えている。自動車のハイブリッド化にも関係なく、ガソリン需要は増えている。この点を市場参加者の多くが理解していない。これから北半球ではガソリン需要期に向けた動きに入るため、原油相場が上昇しやすい季節になる。株安の動きには注意が必要だが、これも政治的な動きの結果であり、いずれ落ち着くだろう。景気悪化から石油需要の減退リスクを意識する向きが増える可能性があるが、これもミスリードということになるだろう。最終的には原油のファンダメンタルズが重視されることになる。基本的な上昇基調は続くだろう。一方で60ドルを割り込めば、生産者は苦しくなる。結局下値は限られることになる。繰り返すように、いまのWTI原油の適正レンジは65ドルから75ドルであり、60ドル前後はかなり安い。コモディティには生産コストがある。これ以下では長期的に推移できない。生産者が必要とする価格水準が最低でも60ドルである。これがすべてを意味している。

原油市場を投機筋のポジションで解説する向きがあるが、これも本質をとらえていない。もちろん、全く無視はできないが、それだけで市場動向は説明できない。いまの原油先物市場では、投機筋の買い越しは歴史的高水準である。こうなれば、「買われすぎで下げていく」との解説になる。しかし、実際には原油相場は上げ続けている。ポジション需給で説明ができない好例である。このような過ちを犯すのは、いつも金融市場関係者である。なぜなら、彼らは現物需給を分析できないからである。彼らが言うところの需給とは、ポジションの需給である。現物の需給ではない。ここがすでに素人である。需給といえば、コモディティ市場では現物市場の動向を意味する。まさに実態であり、実物である。株式や先物などのペーパー市場ではない。より深い話をすれば、先物市場で買っているのは、投機筋だけではない。大手のヘッジファンドは先物市場で売買しないところもある。例えば、業者であるブローカー(証券会社や先物の取次会社)とペーパー取引で仕切り、そのヘッジが業者であるブローカー経由で市場に出てくる。この場合、ポジションはすべてが出てくるわけではない。しかし、実態ではより多くの買いポジションが積み上がっている。だからこそ、相場が上げていくのである。表面上の先物市場での買い越し幅は、あくまで全体のポジションの一部でしかない。金融市場関係者が考えている以上に、原油市場は壮大である。

さて、4月の強気シナリオのレンジ下限は61.39ドルである。目先はこの水準を下値のめどにしておけばよい。レンジ上限は70.91ドルと、70ドル台に入ってきた。とうとう大台を視野に入れていくことになる。米シェールオイル企業の生産コストは以前に比べて低下しているようだが、調査によると、60ドル以下では厳しいとの回答が圧倒的である。まして、いまの水準では中東などの主要産油国は財政悪化状態が続くことになる。米国内の石油掘削リグ稼働数は増加傾向にあるが、このようなトレンドは今後維持不可能となろう。あとは、OPEC加盟・非加盟国による協調減産が19年以降も継続されるのかを注視したい。また、サウジやロシアが来年以降の長期的な枠組みについて検討し始めている点も大きな材料である。いずれにしても、原油相場が60ドル以下になれば、世界のどの生産者もやっていけなくなる。結局、減産は維持され、原油相場の一段の押し上げを行うしかない。世界の原油在庫の調整が進んでいるが、原油相場が本格的に下げるケースは、世界の景気後退による石油需要の低下が顕著になったときであろう。それでも、そうなれば生産者が生産を続けられなくなり、結局は下げ止まるだろう。世界景気の拡大による石油需要の増加とOPEC減産で需給バランスの改善は着実に進んでいる。いまの調整場面をこなせば、再び上昇に向かうことになる。また、WTI原油先物の22年までの先物価格は生産コストと言われる55ドル以下で推移しており、むしろ50ドルに近い水準で低迷している。これでは売却価格がコストを下回ることになり、採算が合わない。その結果、先物売りが抑制される一方で生産の伸びも鈍化せざるを得ないのである。結果的に需給バランスの改善が進み、WTI原油はいずれ75ドルまで上げていくだろう。現在の原油相場の水準では、主要産油国は継続的な国家財政の運営ができない。結局のところ、現在のような安値の状況は長続きしないことになる。むしりより高い水準が必要であり、その水準を求めて相場は徐々に値を戻していくだろう。

【WTI原油価格:2018年の想定レンジ】
強気シナリオ56.15ドル~79.19ドル(18年末75.78ドル)/弱気シナリオ39.96ドル~63.92ドル(18年末42.89ドル)

【WTI原油価格:4月の想定レンジ】
強気シナリオ61.39ドル~70.91ドル/弱気シナリオ55.09ドル~60.79ドル

◇グローバルマクロ戦略について

本メルマガでご紹介する投資戦略は、ヘッジファンド業界では「グローバルマクロ戦略」のカテゴリーに属します。
これは、世界のヘッジファンドのもっとも得意とする手法で、いわゆるヘッジファンド運用の「王道」です。
この戦略では、あらゆる市場に目を配り、投資機会を探しながら収益の獲得を狙います。
市場価格の上昇・下落に関係なく、価格の変動が見込まれれば、それにベットする(賭ける)戦略です。
ボラティリティが高いほど収益が見込まれますので、投資機会があれば果敢に攻めます。

世界情勢が不透明な中、為替や株式、金利、コモディティなど主要市場の価格変動は一段と大きくなっています。
そのため、それぞれの市場の予測がきわめて困難になっています。

このような市場環境では、マクロ的な見地からより幅広い市場で運用を行う「グローバルマクロ戦略」が有利です。
もちろん、個々の市場でも十分に戦えるように、具体的な取引タイミングも示していく所存です。

「ヘッジファンド戦略の王道」である「グローバルマクロ戦略」で、共に市場で戦いましょう。

◆お知らせ
日経225オプションのトレード戦略に関するメルマガを配信しております。
「江守哲の225オプション リアルトレーディング」です。
 ご興味のある方は、ぜひご購読ください。
http://fx-on.com/email/detail/?id=8592


*セミナー予定

4月21日(土)モーニングスターさま・マネックス証券さま共催セミナー(東京)

4月22日(日)投資フェス(大阪)
http://www.okazaki-ryosuke.com/markets-fes

4月28日(土)カネツ商事・カネツFX証券さまセミナー(福岡)
http://www.kanetsufx.co.jp/event/sp/180428.htm

5月4日(金)マネックス証券さま・米雇用統計セミナー(WEB)
https://info.monex.co.jp/news/2018/20180402_02.html

5月12日(土)豊商事さまセミナー(福岡)
http://www.yutaka24.jp/?url=/seminars

5月18日(木)マネックス証券さまセミナー(名古屋)

5月19日(土)豊商事さまセミナー(岐阜)
http://www.yutaka24.jp/?url=/seminars

5月26日(土)豊商事さまセミナー(神戸)
http://www.yutaka24.jp/?url=/seminars

6月1日(金)マネックス証券さま・米雇用統計セミナー(WEB)
https://info.monex.co.jp/news/2018/20180402_02.html

6月6日(水)サンワード貿易さまセミナー(東京)

6月9日(土)日本セキュリティーズさまセミナー(東京)
http://www.nihon-fs.co.jp/seminar/seminars/20180609_tokyo

6月16日(土)豊商事さまセミナー(大阪)

7月6日(金)マネックス証券さま・米雇用統計セミナー(WEB)
https://info.monex.co.jp/news/2018/20180402_02.html

7月7日(土)豊商事さまセミナー(広島)

7月14日(土)豊商事さまセミナー(横浜)

7月19日(木)ひまわり証券さまセミナー(WEB)

7月28日(土)豊商事さまセミナー(金沢)

8月4日(木)豊商事さまセミナー(札幌)


(上記以外にも、個別セミナーも実施しております。ご興味がある方はお問い合わせください。)


*テレビ出演予定

4月19日(木)13:30~13:45ストックボイスTV「東京マーケットワイド」(東京MXTV)
http://www.stockvoice.jp/

4月26日(木)13:30~13:45ストックボイスTV「東京マーケットワイド」(東京MXTV)
http://www.stockvoice.jp/

5月10日(木)13:30~13:45ストックボイスTV「東京マーケットワイド」(東京MXTV)
http://www.stockvoice.jp/

5月31日(木)13:30~13:45ストックボイスTV「東京マーケットワイド」(東京MXTV)
http://www.stockvoice.jp/


*ラジオ出演予定

4月27日(金)16:00~16:20 ラジオNIKKEI「GO!GO! ジャングル・マーケット」(ゴゴジャンさま提供)
http://www.market.radionikkei.jp/gogo/

5月17日(金)18:00~18:150 ラジオNIKKEI「マーケット・トレンド」(東京商品取引所さま提供)
http://blog.radionikkei.jp/trend/

5月25日(金)16:00~16:20 ラジオNIKKEI「GO!GO! ジャングル・マーケット」(ゴゴジャンさま提供)
http://www.market.radionikkei.jp/gogo/

6月22日(金)16:00~16:20 ラジオNIKKEI「GO!GO! ジャングル・マーケット」(ゴゴジャンさま提供)
http://www.market.radionikkei.jp/gogo/


*定期寄稿スケジュール

「東洋経済オンライン」(不定期)
http://toyokeizai.net/

「マネックスメール」(第1・第3・第5金曜日)
http://lounge.monex.co.jp/pro/special1/

「マネックス証券 マネックスゴールドレポート」(毎週月曜日)
サンプル3
【4月16日のトレード戦略】真実を理解する
配信日:2018年04月18日 18時56分
おはようございます。
本日もよろしくお願いいたします。

メルマガは毎朝8時30分前後をめどに配信しています。
8時45分を過ぎても届かない場合には、お手数ですがご連絡ください。

連絡方法は「リアルトレーディング・ストラテジー」のスレッドへの書き込み、または配信元であるゴゴジャン様へお願いいたします。

また、市場動向に関するお問い合わせにつきましても、「リアルトレーディング・ストラテジー」のスレッドへ書き込みいただければと思います。読者のみなさんで情報や考え方を共有しましょう。

新刊「米国株は3倍になる!」が発売されました。
市場分析や投資判断の本質を理解することができます。ぜひご購読ください。

〔EQUITY MARKET〕
【米国株・欧米債券市場の市況解説・分析】
米国株は反落。米中貿易摩擦やシリア情勢への警戒が続く中、利益確定売りが優勢となった。米主要企業の先陣を切って金融大手3社が1~3月期決算を発表。JPモルガン・チェースは貸出量増加などで純利益が前年同期比35%増と好調。ウェルズ・ファーゴやシティグループも1株当たり利益が市場予想を上回る良好な結果を受けて、ダウ平均は寄り付き直後に160ドル上昇した。しかし、その買いの勢いは続かず、上げ幅を急速に縮小し、マイナス圏に沈んだ。金融大手株は前日まで業績期待を背景に上昇していたことから、決算発表と同時に利益確定売りが優勢となったようである。また、ウェルズは自動車・住宅ローンをめぐる不祥事で当局から10億ドルの制裁金を課せられる可能性があると公表したことも、上値を抑える要因になったようである。JPモルガンは2.7%安、ウェルズは3.4%安、シティは1.6%安と軟調だった。米主要企業の1~3月期決算の発表は今後加速する。トムソン・ロイターによると、主要企業の純利益は18%増と7年ぶりの好業績が見込まれている。米企業の業績は好調だが、市場では株価の本格的な上昇につながるかはシリア情勢や米中貿易摩擦の展開次第とみられている。

13日までのシリア情勢については、米国務省がシリア政権の化学兵器使用を示す信頼性の高い証拠を米政府が入手したと表明。またロシア議会は、米国政府の新たな対ロシア制裁への報復措置として、米国からの財・サービスの輸入を禁止し、経済関係を制限する法案を作成。ロシアの関係者は、ロシアがボーイングへのチタン供給を停止する可能性があるとした。ボーイングは2.4%安だった。一方、テスラは2.1%高だった。イーロン・マスクCEOが今年の第3・4四半期の業績が黒字となる見通しで、資金調達の必要はないとの考えを示したことが好感された。VIXは17.41まで低下し、さらにリスク回避姿勢は後退しているように見える。一方、米ミシガン大学発表の4月の消費者景況感指数(暫定値)は97.8と、前月の101.4(確報値)から低下。4月の現況指数(暫定値)は115.0、消費者期待感指数は86.8で、ともに前月の121.2、88.8を下回った。

ロス米商務長官はリマで開催中の米州首脳会議で、北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉について、合意に楽観的な見方を示し、5月第3週に実現できるとの見通しを示した。そのうえで「米国、カナダ、メキシコでの一連の地方選挙や国政選挙を前に、合意は容易になる」と説明した。

中国の1~3月期の対米貿易黒字は、前年同期比19.4%増の582億5000万ドルだった。貿易不均衡の是正を強く迫るトランプ大統領は、一段と不満を募らせる可能性が大きく、今後の米中貿易交渉が難航する可能性がある。1~3月期は、米国向け輸出が14.8%増の999億2000万ドルで、米国からの輸入は8.9%増の416億7000万ドルにとどまった。中国は自動車の関税引き下げなどで輸入を増やす方針だが、米国の理解が得られるかは不透明な情勢である。税関総署の報道官は「米国が理性的な方法で貿易摩擦に対処するよう望む」と強調。商務省の報道官も「米国には摩擦回避を目指す交渉に向けた誠意が全く見られない」と批判している。1~3月期の貿易収支全体は484億ドルの黒字で、輸入が4969億ドルと18.9%増だったが、輸出も14.1%増の5453億ドルに拡大した。

さて、この週末に米国はシリアを攻撃した。トランプ大統領は米東部時間13日午後9時(日本時間14日午前10時)ごろ、シリアのアサド政権による化学兵器使用を受けた「精密攻撃」を命じたと発表した。英仏両軍も作戦に参加した。首都ダマスカスや中部ホムス県の化学兵器関連施設を攻撃し、作戦は終了したと明らかにした。トランプ大統領は、アサド政権の後ろ盾であるロシアについて「プーチン大統領と彼の政府は13年、アサド政権の化学兵器廃棄を保証すると約束した」と批判し、「アサド政権を支える暗黒の道を歩み続けるのか、安定と平和をもたらす力として文明国に加わるのか、ロシアは決断しなければならない」と迫った。アサド政権による「化学兵器使用」を理由にした武力行使は、昨年4月に次いで2回目。米国政府はシリアの首都近郊で用いられた化学兵器について、猛毒の神経剤サリンが含まれているという情報があると指摘していた。アサド政権の後ろ盾であるロシアの警告を無視して軍事攻撃を実施したことで、米ロ関係がさらに悪化するのは避けられないとの見方がでているようである。また、今回新たに攻撃に加わった英国のメイ首相は声明で、シリアへの対応は「軍事力行使に代わる現実的な選択肢はなかった」と表明。フランスのマクロン大統領も声明で、アサド政権に対し「レッドライン(越えてはならない一線)」を越えたと非難している。一方、米軍制服組トップのダンフォード統合参謀本部議長は記者会見で、ダマスカス周辺の化学兵器研究施設やホムス県の化学兵器保管庫など3カ所を攻撃したと発表。巡航ミサイル「トマホーク」やB1爆撃機が使われたとみられている。ダンフォード議長は「昨年の攻撃と比べ、質量ともに異なっている。アサド政権の化学兵器能力を長期的に大きく後退させた」と強調した。マティス国防長官は「昨年と比べてほぼ2倍の兵器を使った」としている。一方、アサド政権やロシアは「化学兵器使用情報はでっち上げだ」と主張している。化学兵器禁止機関(OPCW)の調査団がアサド政権の招請を受けて現地入りしていたが、米軍などは独自の情報に基づいて化学兵器使用を断定したとみられる。米軍は昨年4月にも単独で、アサド政権が猛毒神経ガスのサリンを使用したとして、化学兵器を保管していたとされるホムス県の空軍基地を攻撃し、巡航ミサイル59発を撃ち込み、航空機や弾薬庫などを破壊した。今回の攻撃ではダマスカスも標的となっている。シリア国営メディアは、米英仏による軍事行動によって、首都ダマスカス近郊の軍用空港や科学研究センターなどが攻撃を受けたと報じている。また、シリア側の防空システムが作動し、ミサイル13発を撃ち落としたと主張している。シリア側は「3カ国の侵略は国際法違反であり、必ず失敗する。対テロと同じ決意で侵攻に立ち向かう」と強調した。化学兵器使用が疑われる首都近郊の東グータ地区で14日から化学兵器禁止機関(OPCW)の現地調査が始まる前に空爆が行われたため、「うそを隠すことが狙いだ」と批判した。一方、在英のシリア人権監視団によれば、攻撃対象となった軍関連施設などからは、空爆に備えて既に人員などが退去していた可能性が高いとみられている。

米国債はイールドスプレッドのフラット化が進展。約10年ぶりの低水準となった。米金利の先高観から、短期債利回りが長期債を上回るペースで上昇する動きとなっている。2-10債利回りスプレッドは0.4590%に縮小してきた。5-30年債利回スプレッドも0.3600%と、07年9月以来の低水準となっている。3月のFOMC議事要旨で、大半のメンバーが、物価上昇率が目標の2%に向けて上昇することに自信を深めていることが示されたことから、利上げペースが早まるとの思惑が短期金利の上昇につながっている。2年債利回りは2.3690%まで上昇し、10年債も2.8280%に上昇している。

ユーロ圏金融・債券市場は利回りが低下。ドイツ10年債利回りは2月初め以来、約2カ月ぶりの大幅上昇となっているが、それでも0.515%である。一時は1週間ぶり水準の0.537%まで上昇する場面があった。

【米国株のトレード戦略】
ロング戦略に変更はない。市場がここまでシリア情勢に敏感になっていることに驚くしかないが、それだけ市場心理はまだ改善には遠いということなのだろう。しかし、この問題の背景を理解していれば、何も問題がないことがわかる。それ後述するとして、米国株はまだ上昇に迎えるほどの水準には達していない。繰り返すように、ダウ平均は25000ドルを明確に超えると、投資家心理は好転し、上昇に向かうことになる。24200-24250ドルに重要なサポートが控えているが、これを維持できれば何も問題はない。とにかく、いまは下値を固めながら、市場参加者が良好な内容の米企業の第1四半期の業績発表に対して、素直に反応できるかどうか次第である。しかし、残念ながら、これが難しい。というのも、ほとんどの投資家が、シリア情勢の裏側を理解していないからである。

結論から言えば、今回のシリア攻撃も、シナリオ通りである。まさに「演出」通りである。米国とロシアで綿密に打ち合わせが行われたうえで、攻撃が仕掛けられている。表面上は、トランプ政権が英仏両国と連携し、シリアのアサド政権に対して武力を行使したことになっている。化学兵器使用に対する強固な姿勢を示したかにみえるが、米国はアサド政権の後ろ盾であるロシアとの衝突に発展することを恐れて決断を躊躇していたようにも見せかけていた。その結果、報道では、政権側に退避の猶予を与え、欧米の姿勢を示すだけの「象徴的攻撃」に終わったとの論調も見られる。それはそうである。市場を動かすための演出だからである。トランプ大統領は再びシリアからの米軍撤収に言及しており、今後シリアにおける米国の影響力が低下するのは避けられないとの指摘もある。実際の攻撃も限定的だった。巡航ミサイルやB1爆撃機を用いた作戦も、標的は化学兵器関連施設とみられる3カ所のみである。政権軍は米国が決断に時間をかける間に、攻撃対象になり得る施設から部隊を撤収させ、さほど大きな被害は出なかったようである。それはそうである。そうしているからである。すべてシナリオ通りである。危険が及ばないように、あらかじめ打ち合わせが行われているのだから、当然である。マティス長官は記者会見で「この攻撃はアサド政権に向けられたもので、民間人や外国人の巻き添えを回避するために努力した」と強調している。当然である。ロシアに最大限配慮したことをほのめかしたことになっているが、その通りである。目的はただ一つ、市場を動かすことである。そして、現金を稼ぐことである。CNNのサイトには、「同じ写真が使われている」との記載がある。そろそろ、演出であることがばれてきている。どうなるだろうか。これが一般市民にばれると、米ロは焦るかもしれない。そうなれば、別のやり方で市場を動かしてくるだろう。その繰り返しである。

今回の件で付け加えるとすれば、英仏の参加である。彼らにいかに武器を売るかがポイントである。武器を売って、現金を稼ぐのである。幸い、英国のメイ首相、フランスのマクロンは就任して間もない。無論、トランプ大統領もまだ一年に満たないのだが、米国は英仏に武器を売りたい。一方、英国とフランスには古い戦闘機や武器などの在庫を処分してもらい、新しい武器を買ってもらいたい。そのためには、古い武器を使う必要がある。そこでシリア攻撃をでっち上げ、古い武器を処分し、新しい武器を売りつける。そして現金を稼ぐ。よく考えられたシナリオである。米国の思惑通りに進んでいる。米シンクタンク「ユーラシア・グループ」のカプチャン会長は、「化学兵器に対する強固な姿勢を見せるための限定的攻撃だ」と分析したようである。ここには著名アナリストのイアン・ブレマー氏がいるが、彼の見通しはほとんど外れていることは、業界では有名な話である。英国のEU離脱、トランプ大統領の誕生など、最も重要なイベントで見通しを外している。真の情報を持っていないことの証左である。なぜあれだけ重宝されているのかがよくわからないが、いずれにしても、彼らは全く当てにならない。それはともかく、米軍は14年以降にシリアで過激派組織「イスラム国」(IS)掃討戦を展開し、現在は米兵約2000人がIS残党の掃討などを行っているという。しかし、トランプ大統領は3月末にシリアから米軍を撤収させる意向を唐突に表明した。直後にISの完全壊滅までは残留すると方針転換したものの、長期的にシリアに関与する意思がないことを示している。一部には、ロシアやイランの影響力の拡大を阻止し、米国の抑止力を示すにはシリアへの継続的関与が必要との指摘もある。1年に1度のミサイル攻撃では、シリアの力を後退させることはできないだろう。もっとも、米国第一主義のトランプ大統領の関心はそこにはない。「アサド政権が化学兵器使用をやめるまで攻撃を続ける用意がある」としているが、米軍が撤収すれば、ロシアとアサド政権への抑止力が低下するのは確実である。それでも良いと思っている。

いまのトランプ政権の最大の関心は北朝鮮にある。アジア体制の再構築には北朝鮮の取り込みが不可欠である。そのために、いまいろいろな打ち合わせが水面下で行われているのである。すでに解説したように、北朝鮮と米国は実務レベルの会合を開始し、すでに宴会を行うなど、関係が濃くなっている。そして、いまは中国の実務団が日本に極秘来日し、日本と米国と北朝鮮関連の打ち合わせを行っている。日本側が用意した接待係も投入されている(これ以上は文章にはできないので、ここまでにしておく)。それだけ、綿密かつ濃い打ち合わせが行われているのである。相当話が進んでいるだろう。いまは北朝鮮をどのように取り込むかを話し合っているのだが、その日本は完全に乗り遅れているという。北朝鮮は中国との演出を準備しており、何が飛び出すかがわからない状況にある。日本もこれに乗るために資金を出すと言っているのだが、安倍首相の声はあまり通じていないようである。いずれにしても、北朝鮮はあくまで小国であり、力があるわけではない。すべて「張りぼて」の国である。しかし、資源がある。これを狙っているのが米国であり中国、そしてロシアである。いまは「北朝鮮カード」をいかにインパクトがあるように見せるかに、すべての国が腐心しているわけである。そして、トランプ大統領は韓国との併合を成功させ、歴史に残る大統領として名を馳せたいわけである。そのタイミングで韓国の文大統領の提案があったのは、きわめて幸運だったといえる。朝鮮共和国なるものを設立し、中国のように本土と香港のような二国体性を作り上げるのである。政治は北朝鮮、経済は韓国といったイメージである。これを実現するために、多くの資金が必要であり、いまはそれを稼いでいるわけである。そのために、相当の準備期間をかけているのである。

今回のシリア攻撃は、6月初旬までに予定される米朝首脳会談をにらんだ判断もあったとみられている。トランプ大統領は北朝鮮の核問題解決に向けて「あらゆる選択肢が机上にある」として、軍事力行使も排除しない構えを見せてきた。今回の攻撃で、その発言の「真剣さ」を改めて示したといえる。しかし、これもあくまでポーズであり、真意はそこにはない。これもマスコミが誤った認識を持っていることの証左である。トランプ大統領は、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が非核化に言及したため、首脳会談の要請を受け入れたことになっている。その一方で、表向きは「当面は最大限の圧力を維持する」と強調し、非核化が明確になるまでは圧力を緩めない方針を明確にしている。こういう風にしておけば、市場は不安定なままである。一方、金委員長が米国との対話路線に転じたのは、米国の強硬姿勢があったからだとみられている。これはある意味では本当であろう。それもあり、米国はシリア攻撃で軍事的選択肢が単なる脅しではないことを示し、北朝鮮との交渉を優位に進める狙いがあると解釈できる。トランプ政権では、北朝鮮への先制攻撃論を唱えたボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)が9日に就任した。いよいよ北朝鮮との交渉が本格化する。対話を受け入れる一方で圧力をかけ続け、米朝首脳会談に向けて硬軟両様で臨むという姿勢を「表向き」は見せることが可能になったのである。しかし、すでに解説しているように、米朝の実務レベルは宴会を済ませている。話はできているのだろう。いや、まだかもしれないが、少なくとも何かしらの進展があることだけは確かであろう。トランプ大統領による「歴史的な合意」の成就にまた一歩近づいたわけである。

このように、米中貿易戦争であろうが、シリア情勢であろうが、さらに北朝鮮情勢であろうが、結局は市場を動かすための材料でしかなく、何も本質は変わらない。繰り返すように、今回の外交の最大のクライマックスは「米朝首脳会談」である。6月にもずれ込む可能性が出てきたが、着実に事が進んでいる。この交渉では、米国は失敗できない。中間選挙もある。トランプ大統領が大きな成果を示すには、これを成功させることが最もわかりやすい。そのため、相当用意周到に事が進められていることは容易に理解できる。無論、中国やロシアも北朝鮮管理の主導権を握ろうとしている。北朝鮮の出方が見えないだけに、米中ロは頭を悩ませている。しかし、実務レベルでは米国は一歩リードし、そこに中国が加わってきている。日本は完全に出遅れている。拉致問題を解決し、それを引退の花道にしたい安倍首相は、相当焦っている。まして、国内では森友問題から今度は加計問題に移行している。悩ましい話が目前で行われているのだが、それどころではないのが実態である。安倍首相はすでに進退伺を提出したようだが、それを17日からの日米首脳会談で米国側と話し合うようである。また、トランプ大統領との密約の調整も行う必要がある。安倍首相の退任時期も主題の一つである。ちなみに、日本の首相は米国の了承がなければ就任できない。だからこそ、民主党政権ではおかしなことになったのである。いずれにしても、各国の裏交渉は徐々に進んでいる。しかし、このような裏側を知らないのが大多数の市場関係者であり投資家である。いまの国際情勢ほど面白いものはない。まして、歴史的な出来事が起きようとしている。これを利用しない手はないだろう。ちなみに、日米首脳会談では、6月上旬までの開催を模索している米朝首脳会談をにらんだ日米の連携を協議するようである。米国の高官は「トランプ大統領は、北東アジアの安保に関する安倍首相の見識を大いに尊敬している」とし、日本側の助言を期待していると表明している。これまでの関係構築の成果であろう。一方、北朝鮮による拉致問題に関しては、韓国の拉致被害者や北朝鮮で拘束されている米国人にも触れ「大統領はいつも、北朝鮮で不当に捕らわれている人々のことを念頭に置いている」としている。安倍首相はトランプ大統領に対して、米朝首脳会談で拉致問題を提起するよう要請する方針だが、どこまで話が進むかは不透明である。おそらく、提供する資金の量次第となるだろう。

一方で繰り返すように、ロシアも表向きは米国批判を繰り返しているが、これも出来レースである。すべてシナリオの上で動いている。米ロ、米中はきわめて緊密に連携しながら、意図的に市場を混乱させる発言を行っている。繰り返すように、今年のテーマは「株式と為替」である。資金が足りない各国は、これらの市場を動かすことで現金を稼いでいる。いまの状況で戦争はできず、またやる必要もない。北朝鮮への先制攻撃などあり得ない。シリア情勢もロシアの関与があまりに大きすぎる。仲の良いプーチン大統領にトランプ大統領が攻撃を仕掛けられるはずがないのである。

4月から5月は外交イベントが続く。これは彼らにとって最高の材料である。これを利用して市場を動かしてくる可能性が高い。その動きを冷静に見ていくことが肝要である。繰り返すように、4月は買いが入りやすい季節であり、期待感も高い。あとは投資家心理の好転を待つだけである。4月のパフォーマンスは12カ月の中で、上昇率のランキングはダウ平均が1位、S&P500は3位、ナスダック指数は4位である。平均上昇率はそれぞれ1.9%、1.5%、1.4%である。中間選挙の年に限ると、それぞれ0.8%、0.2%、マイナス0.1%とやや軟調なのは気になるが、それでも4月の反発に期待する向きは多いだろう。

さて、繰り返すように、今後のテーマはインフレである。これまでも長期的には「インフレ」がキーワードになるとしてきたが、そのような動きになりつつある。市場にも徐々に警戒感が高まってくるだろう。原油相場がこれだけ上昇していれば、いずれ金利は上昇に向かい、強い市場が戻ってくることになる。原油を中心にコモディティ価格が堅調に推移し、これが徐々にCPIに効いてくるとの見方はいまのところ正しかったといえる。さらにその動きが強まるかに注目しておきたい。サプライサイドのインフレ押し上げがいずれ顕著になり、主要中銀が目標とする2%インフレに向かって徐々に進んでいくことになろう。こうなると、FRBのブレイナード理事が指摘するように、低金利に慣れ切った市場が金利急騰に対応できるのかは不明である。金利上昇に驚かないように対処しなければならない。株安となれば、本末転倒である。景気拡大期に金利が上昇するのは当然であり、むしろ低金利状態にあることを懸念すべきである。低金利で株価が上昇する時代はすでに終わっている。むしろ、金利停滞は景気のピークアウトを意味する。この点からも、金利が上昇しないことをむしろ懸念すべきである。今後は金利低下=株安の関係になることを頭に入れておくべきであろう。一方、イールドスプレッドは縮小傾向にあるが、これもよい兆候である。縮小しなければ、株価の上昇などおぼつかない。フラット化になり、再びマイナス圏に戻すときが株価のピークである。これを間違えないようにすべきである。その意味でも、株価のピーク感はまだ全くないと言ってよいだろう。

【ダウ平均株価:2018年の想定レンジ】
強気シナリオ24236ドル~28287ドル(18年末27996ドル)/弱気シナリオ20995ドル~25130ドル(18年末22790ドル)

【ダウ平均株価:4月の想定レンジ】
強気シナリオ25195ドル~26351ドル/弱気シナリオ23476ドル~24904ドル

【S&P500:2018年の想定レンジ】
強気シナリオ2614~3107(18年末3076)/弱気シナリオ2255~2734(18年末2419)

【S&P500:4月の想定レンジ】
強気シナリオ2724~2851/弱気シナリオ2529~2691

【ナスダック指数:2018年の想定レンジ】
強気シナリオ6747~8375(18年末8282)/弱気シナリオ5348~7199(18年末5702)

【ナスダック指数:4月の想定レンジ】
強気シナリオ7068~7472/弱気シナリオ6114~6826

【米国債トレード戦略】
2年債ショート、10年債ロングのイールドカーブのフラット化に賭ける戦略を継続する。

【日本株の市況解説・分析】
13日の日経平均は前日比118円高。輸出関連株を中心に買い戻された。66%の銘柄が値上がりし、値下がりは31%。3日ぶりに反発したが、午前の取引で上げ幅を前日比250円に広げた後は伸び悩み、上値の重さも目立った。トランプ大統領が12日にシリアへの軍事対応について「実行する時期に言及したことはない」とツイッターに投稿した上、環太平洋連携協定(TPP)への復帰を検討するよう政権幹部に指示したことで、地政学的リスクと保護主義姿勢の後退が同時に意識されたことが買いを誘った。ただし、その後は買いが続かず、株価は上値の重い展開だった。シリア情勢に対する緊張感は若干緩和されたものの、先行きが見通せない状況に変わりはない。17・18日の日米首脳会談で、貿易や北朝鮮問題に関して進展があるのかを確認するまでは買いづらいだろう。

一方、政府は19年10月に予定する消費税率10%への引き上げに関して、増税後の急激な需要減少の緩和策を検討する関係省庁会議(タスクフォース)の初会合を開いた。近く対策の方向性をまとめ、政府が6月に策定する経済財政運営の基本指針「骨太の方針」に反映させる方針。消費税率の引き上げに際しては、増税前の駆け込み需要の反動による景気の落ち込みが懸念される。税率を5%から8%にした14年4月の前回引き上げ時には、反動が予想以上に長引き、政府は景気減速を防げなかった。当時の消費税引き上げにお墨付きを与えたのが黒田日銀総裁だが、その責任も取っていない。今後、引き上げに関するぎろんが活発化するだろうが、最終的には総選挙を行い、先送りとなる可能性も残されている。安倍首相がどの時点でその決断をするのか、自身の進退問題もあり、難しい判断となろう。

S&Pグローバル・レーティングは、日本国債の格付け見通しを「安定的」から「ポジティブ」に引き上げた。日本の経済成長見通しの改善を理由に挙げている。S&Pは今回の修正について、「増加基調にある政府債務残高が従来の予想よりも早く安定化するとの見方を反映している」と説明している。格付けは「Aプラス」を据え置いた。S&Pは15年9月に、景気回復の足取りが鈍いなどとして日本国債の格付けを1段階引き下げている。

【日経平均先物のトレード戦略】
ロング戦略を継続。シカゴ市場では下落し、ドル円も下げているため、今日は軟調になるだろう。あとは、市場がシリア情勢をどのように考えるかであろう。いずものように、パニック売りが出るのか、それとも落ち着いた動きを見せるのか。それはわからない。いずれにしても、本質的には何も関係がない。それはすでに解説したとおりである。米朝首脳会談まではまだまだ不透明感が残る。上昇に向かうのは簡単ではないだろう。それでも方向性は決まっている。あとはしっかりと買っておくことである。22000円の大台をいつ超えるかだけであり、超えてしまえば、明るい将来が見えてくるだろう。市場では、米国のシリア軍事攻撃を受けて、週明けの市場では「安全資産とされる円が買われ、株式は売られるだろう」などのコメントが聞かれている。いつまで安全資産の円と言っているのか、滑稽でしかないのだが、いずれにしても、これが一般的な見方であろう。それは仕方がない。それが知り得るすべてのことだからである。一方で、「米国の攻撃が単発的な示威行動にとどまれば、反応は限られる」との指摘もある。これもまた短絡的である。また、「中東情勢が泥沼化すれば、原油高を通じて日本経済全体にも悪影響が及ぶ恐れがある」とのコメントもある。シリア情勢でなぜ原油高になるのか。日本のプロと言われる金融機関のアナリストたちはまさに「素人集団」というと言い過ぎだろうか。海外とのパイプもなく、考え方もドメスティックな人間に、今の国際情勢を理解するのは、残念ながら不可能と言わざるを得ない。いずれにしても、これらのような状況を理解していない向きがパニックになれば、市場は下がらざるを得ない。シリア情勢はあくまで市場を動かすための材料である。それを理解しておけば、何も問題はない。

当面は厳しい状況が続くかもしれない。しかし、その後は「BUY IN MAY」となる可能性もあると考えている。日米首脳会談の内容次第では、一気に好転する可能性もある。そうなれば、上昇しやすくなる。とにかく、いまは辛抱の期間である。ちょっとしたきっかけで、上昇に転じる可能性は十分にあると考えている。目先は22000円を超えるかを確認したい。これまでの押し目買いと戻り売りで、ロングは21750円、21600円、21500円が残っているイメージである。今後は、残りのロングを22050円、22250円、22450円までの戻り局面で売り切りたいと考える。まだまだ弱い動きから脱することができていないため、いまは欲張らずに押し目を買う一方で高値まで待たずに売り、利益を確定することを優先したい。今後は21250円、21000円までの押し目があれば、再度ロングを積み増したい。22500円を超えてしまえば、その流れに乗ってロングを積み増していけばよい。これは流れに乗るだけであり、むしろ簡単である。4月の強気シナリオのレンジは23256円~25002円、弱気シナリオのレンジは21737円~23316円である。強気トレンドに戻すには、少なくとも23250円程度までの戻りが必要となる。これはかなりハードルが高い。まずは弱気シナリオのレンジ下限である21737円を回復し、そのうえで23250円を目指す動きになるかを見ていきたい。21737円を下回る水準は相当売られすぎであるといえる。

繰り返すように、投資家心理の改善には時間が掛かる。しかし、これ以上、下値を売っても仕方がないとの見方も多いだろう。売り方の買い戻しもあり、株価は下げ渋っている。こうなると、徐々に買った方がよいのではないかとの心理がいずれ働くだろう。1月の高値を買い上がってしまった向きからすれば、かなり苦しい状況だが、最終的には売らなかったものが勝者になる。繰り返すように、日経平均のPERは12倍台と依然として割安であり、現時点でこれ以下を売っても妙味はない。むしろ買い場であることはいうまでもない。19年3月期の決算がどのような見通しになるか次第で、株価の評価は大きく変わってくるが、これがきわめて読みづらいことが、投資家の買いを手控えさせている。確かに見切り発車は怖いだろうが、ドル円が100円割れの水準で推移しない限り、大幅減益の可能性はほとんどない。105円程度であれば、ある程度の増益を確保できる。そうであれば、今の株価はさらに割安ということになる。一般投資家がそのように判断はかなり先になるだろうが、最終的にはそのような結果になる。高値を買いたくなければ、今のうちに仕込むことである。

日銀の金融政策の正常化はかなり先になる。実態面は別として、表面的には少なくともそうである。現在の年80兆円の国債買い入れはすでに規模は縮小しており、テーパリングになっているが、それを正常化の動きとは日銀は口が裂けても言わない。実際に真の意味での正常化ではないが、着実に無駄な緩和策は縮小されていくだろう。金利は本来プラスであるべきで、銀行業が圧迫されるような政策は現実的ではない。インフレ気味になりつつあることもあり、ここは早めに対応すべきであることは言うまでもない。ETF購入については、国債とは違い、償還が来ない。手仕舞い売りをして実現損益を確定させない限り、終了ということにはならない。したがって、株価が相当高い水準にまで上げない限り、売りを検討することさえないだろう。「株価が下落したらどうするのか」との批判もあるが、それを批判したところで政策は変わらない。株価が上がるまで買い続けるだけである。

一方、学校法人「森友学園」への国有地売却に関して財務省の決裁文書が改ざんされた問題で、大阪地検特捜部は、前国税庁長官の佐川氏ら同省職員らの立件を見送る方針を固めたと報じられている。決裁文書から売却の経緯などが削除されたが、文書の趣旨は変わっておらず、特捜部は告発状が出されている虚偽公文書作成などの容疑で刑事責任を問うことは困難との見方を強めたようである。詳しい点については報道内容を確認してほしいが、立件されなければ、これまで政府が行っていた答弁通りとなり、野党の追及はこれで終わりとなる。結局、何も出なかったことになり、政治的な問題はなかったという結論になる。これまで解説してきた通りの結果になるということである。問題は完全に解決するわけではないが、そういうものである。

【日経平均株価:2018年の想定レンジ】
強気シナリオ22089円~27115円(18年末26839円)/弱気シナリオ18745円~23688円(18年末19392円)

【日経平均株価:4月の想定レンジ】
強気シナリオ23256円~25002円/弱気シナリオ21737円~23316円

【TOPIX:2018年の想定レンジ】
強気シナリオ1779~2168(18年末2150)/弱気シナリオ1523~1883(18年末1578)

【TOPIX:4月の想定レンジ】
強気シナリオ1878~2003/弱気シナリオ1721~1840

〔CURRENCY MARKET〕
ドル円は下落した。円売り・ドル買いが先行した後に、米国によるシリア攻撃への懸念が再燃したことでドルが売られ、107円台前半での推移となった。トランプ大統領がシリア情勢について「大きな決断」を下す期限としていた48時間が11日に経過したことで、その後はシリア攻撃への懸念がひとまず後退した。そのため、ドルを買う動きが優勢となり、一時107.77円まで上昇した。しかし、その後に開かれた国連安全保障理事会の公開会合で、シリアへの軍事行動を正当化する米国に対してロシアはシリアへの攻撃は「国際法違反だ」と主張した。両国の対立が改めて浮き彫りとなったことから、ドルを売りなおす動きが強まった。また、米国株が下げ幅を拡大したことも円買い・ドル売りにつながった。この日の時点では、世界が貿易戦争に向かい、シリアで衝突リスクが高まるとの見方が後退していたが、週末にシリア情勢が反転したことから、週明けの市場ではドル売りが優勢になるとみられている。一方、4月の米ミシガン大消費者信頼感指数(速報値)は97.8と、前月から3.6ポイント低下し、16年10月以来の大幅な下げを記録した。市場予想の100.5も下回り、1月以来の低水準となった。市場センチメントはやや低下している状況にある。トランプ政権の政策への懸念が背景にあるといえるだろう。一方、ポンドは対ドル10週間ぶりの高値を付け、対ユーロで過去半年間の取引レンジを上抜けした。ポンドの強さは際立っている。

米財務省は主要貿易相手国の為替政策を分析した半期報告書を発表した。大幅な対米貿易黒字を抱える日本や中国を前回の昨年10月に続き「監視対象」に指定した。制裁検討の対象となる「為替操作国」の認定はなかったが、通貨安誘導をけん制し、貿易赤字削減の圧力をかける方針。報告書では日本に関して「日米の巨額貿易不均衡の持続を引き続き懸念している」と問題視した。貿易を加味した実質実効レートでみた円の対ドル相場は「昨年から今年2月まで2.4%円安になった」としている。日本は過去6年超にわたり為替市場で介入を行っていないと評価。ただし、「為替市場介入は、きわめて例外的な状況に限り、適切な事前協議を踏まえて実施されるべきだ」と警告している。トランプ大統領は「日本は長い間、米国に貿易で打撃を与えてきた」と非難し、17・18日の安倍首相との首脳会談で、対日赤字削減へ円安誘導にクギを刺す可能性がある。一方、最大の貿易相手国である中国は「二国間貿易不均衡の改善で進捗がないことを強く憂慮している」と指摘。そのうえで、直近の人民元相場は対ドルで上昇しているとしながらも、「為替、外貨準備管理のより高い透明性」を求めている。監視対象国は、日中のほか、ドイツ、韓国、スイス、インドの6カ国で、前回10月からはインドが新たに加えられている。監視対象国には、輸出に有利な自国通貨安を誘導する一方的な為替介入、巨額の対米貿易黒字、大幅な経常黒字の2つの条件に当てはまれば指定されることになっている。全てに該当すれば「為替操作国」として関税適用など制裁が検討される。日本は巨額の対米貿易黒字と大幅な経常黒字に抵触している状況にある。国が今後、日銀の金融緩和が円安の要因になっていると問題視する可能性も否定できないだろう。また、中国は巨額の対米貿易黒字しか該当しないものの、貿易赤字全体に占める割合が不均衡との基準を追加し、監視対象から外れないようにしている。一方、韓国とは自由貿易協定(FTA)見直しで大筋合意している。両国は通貨安誘導を禁じる「為替条項」を協議中で、米政府高官は「金融政策の透明性と説明責任を求める」と明言している。米国の為替報告書は、米財務省が貿易相手国の為替政策を分析・評価した報告書で、4月と10月の年2回、議会に提出し、輸出で有利になる自国通貨安を誘導している国を「為替操作国」と認定する。是正措置を取らない国には高関税など制裁が科される。年間200億ドル超の対米貿易黒字、GDPの3%を超える経常黒字、為替市場介入を通じた自国通貨安の誘導の3つの条件全てに該当すれば認定される。中国を念頭に「対米黒字が巨額かつ不均衡」との条件も追加されている。二つに抵触すると「監視国」に指定される。

【通貨トレード戦略】
ドル円はショートを維持。週明けの動向次第で対応を検討する。上昇に転じる雰囲気もある。市場参加者がシリア情勢を懸念しすぎれば、結果的にドル安になる可能性がある。しかし、本質的には関係がない。107円を割り込まなければ、上昇に転じる可能性が高まる。ここを見ていくことになる。すでにかなりドル売りはやりこんでおり、下げにくい状況にあることだけは確かである。市場参加者の多くが、シリア攻撃の意味を理解していないため、ドル売りが続く可能性は残る。しがたって、市場の動きをまずは注視せざるを得ない。その結果、ドル売りが続けば、それに乗るだけである。逆に市場がシリア情勢を織り込めば、108.90円程度までの上昇が見込まれる。投機筋は先物市場ではドル売りに走っており、107.50円を超えると買戻しを強いられるだろう。米企業の業績発表が本格化し、市場の関心がそちらに向かえば、米国株に買いが戻り、ドル高になる可能性は十分にあるだろう。為替は今年の国際金融筋のテーマであり、トランプ政権の最大の関心事でもある。これを理解しておくべきである。一方、これまで指摘してきたように、原油高が鮮明になっている。こうなると、インフレが高まり、ドル安を誘発することになる。金利も上昇するだろうが、一方で実質金利が下がりやすくなる。結果としてドルが上がりづらくなる可能性がある点には注意が必要である。政治は動かせても、インフレは動かしがたい。もっとも、原油相場は動かせる。原油高にできれば、インフレになる。国際金融筋は原油高にもっていこうとしている。そうなれば、意図したインフレになる。そうなると、ドル安になる可能性が高まることになる。この点には注意が必要である。日米実質金利差から見た理論値の113円であり、いまのドル円の水準はまだ相当安い。いずれ修正は入るだろう。まずは、4月の弱気シナリオのレンジ下限である108.94円を超えるかを確認することになろう。これまでの為替相場は政治要因で動いてきた。今後もそのような状況は続くだろう。それでも、ユーロも含めてドルは対主要通貨でかなり下げた。今年はドル安の見方が多かったこともあり、かなり織り込まれている感がある。その意味でも、ドルは今後下げにくくなる可能性は十分にある。ただし、繰り返すように、「為替は、表面上は金利で動き、大局的には政治で動く」というセオリーがある。これだけは常に忘れないようにしたい。

ユーロ円はロングを継続。ただし、買われすぎになっており、上値が重い。133円で打たれており、下げに転じる可能性がある。利益を確定したい場合には、早めに行うのもありだろう。セオリーでは、132円割れまでは手仕舞いは待ちたい。長期サポートは128円前後であり、これを下回るまではロング有利である。

ユーロドルは見送り。下げに転じる可能性が高まっている。押し目を買うには1.22ドルまで待ちたい。長期サポートは1.1650ドル前後であり、それまではロング有利である。欧米実質金利差からみたドル円の理論値は、計測期間が短期の場合は1.14ドル、長期の場合で1.21ドルである。ユーロも割高である。

ポンド円は見送り。152円台を維持している。買われすぎであり、次の動きを確認したい。長い上ヒゲをつけていることもあり、すぐに買うことは避ける。逆に152円を割り込めば、ショートしやすくなる。長期ポイントが152円であり、これを超えられなければ、下落基調は継続していると判断することになる。

ポンドドルはロングを維持。過熱感があるが、1.4180ドルを割り込むまでは維持する。長期トレンドは1.3875ドルに位置しており、これを維持しているうちはロングが有利である。

豪ドル円は見送り。84円まで上げた後に下げており、長い上ヒゲを付けている。これで83円を割り込めば、ショートにしやすい。すぐにショートにしてもよいが、もう少し状況を見たい。長期レジスタンスは86円前後であり、そこまでは戻り売り有利であり、引き続き売りのタイミングをみておきたい。

豪ドル/米ドルはショートを維持。結果的に上ヒゲをつけて、0.78ドル超えに失敗している。買われすぎでもあり、このまま下げていく可能性もある。基本的には長期トレンドの0.78ドルを超えるまでは基本は売り姿勢である。0.7650ドルを割り込むと下げが加速しやすいが、下値を確認したようにも見える。まずは0.78ドルを超えるかを確認したい。

南アランド/円はロングを維持。8.75円を割り込むまでは維持したい。これで8.95円を超えると上昇しやすくなる。その場合には、長期トレンドの8.6円で下げ止まるかを確認したい。一方、9.05円を超えると上昇に勢いがつきやすい。

【ドル円:2018年の想定レンジ】
強気シナリオ110.55円~126.40円(18年末124.25円)/弱気シナリオ100.60円~114.90円(18年末103.00円)

【ドル円:4月の想定レンジ】
強気シナリオ113.09円~118.65円/弱気シナリオ108.94円~114.07円

【ユーロ円:2018年の想定レンジ】
強気シナリオ132.05円~147.00円(18年末145.90円)/弱気シナリオ119.45円~136.80円(18年末121.55円)

【ユーロ円:4月の想定レンジ】
強気シナリオ133.03円~139.84円/弱気シナリオ128.48円~133.24円

【ユーロドル:2018年の想定レンジ】
強気シナリオ1.1750ドル~1.3125ドル(18年末1.2970ドル)/弱気シナリオ1.1595ドル~1.2175ドル(18年末1.1210ドル)

【ユーロドル:4月の想定レンジ】
強気シナリオ1.1886ドル~1.2301ドル/弱気シナリオ1.1443ドル~1.1865ドル

【ポンド円:2018年の想定レンジ】
強気シナリオ148.85円~166.75円(18年末165.15円)/弱気シナリオ132.40円~154.60円(18年末134.00円)

【ポンド円:4月の想定レンジ】
強気シナリオ151.30円~157.71円/弱気シナリオ145.13円~151.19円

【ポンドドル:2018年の想定レンジ】
強気シナリオ1.3225ドル~1.4710ドル(18年末1.4525ドル)/弱気シナリオ1.2390ドル~1.3665ドル(18年末1.2595ドル)

【ポンドドル:4月の想定レンジ】
強気シナリオ1.3335ドル~1.3794ドル/弱気シナリオ1.2995ドル~1.3443ドル

【豪ドル円:2018年の想定レンジ】
強気シナリオ86.20円~98.30円(18年末97.15円)/弱気シナリオ77.40円~89.90円(18年末81.05円)

【豪ドル円:4月の想定レンジ】
強気シナリオ88.99円~93.52円/弱気シナリオ85.40円~89.79円

【豪ドル/米ドル:2018年の想定レンジ】
強気シナリオ0.7665ドル~0.8765ドル(18年末0.8650ドル)/弱気シナリオ0.7060ドル~0.7930ドル(18年末0.7200ドル)

【豪ドル/米ドル:4月の想定レンジ】
強気シナリオ0.7894ドル~0.8240ドル/弱気シナリオ0.7565ドル~0.7860ドル

〔COMMODITY MARKET〕
【貴金属市場の市況解説・分析】
金相場は上昇。トランプ政権がシリア攻撃に踏み切る可能性を警戒した買いが入った。サンダース米大統領報道官は、トランプ大統領が国家安全保障会議(NSC)を開催し、化学兵器使用疑惑が浮上したシリアへの対応を検討したものの、「最終的な決断は下されなかった」と発表した。また、この日に国連安全保障理事会が開いた公開会合でも、軍事行動の正当化を主張する米国と、シリアのアサド政権を支えるロシアとの溝は埋まらず、市場ではこの週末にも米英仏が軍事行動に踏み切るのではないかと警戒感が広がった。1330ドル台を維持しており、堅調な動きが続いている。週末には実際に米英仏によるシリア攻撃が実施されたことから、週明けの金市場の動向に注目が集まろう。

【貴金属のトレード戦略】
金、銀、プラチナ、パラジウムはロングを継続。基本方針は変わらない。シリア攻撃で市場はひとまず金買いで反応するだろう。しかし、それは本質的な材料ではない。繰り返すように、その背景を理解していれば、全く問題はない。一方、株価の不安定もあり、賢明な投資家は金を買っている。金の存在価値はますます高まっている。何があるかわからないのだから、金は保有しておくべきである。もっとも、それは市場参加者の大半がわかっていないだけで、われわれは理解している。それでも保有することに意味がある。さらに、指摘してきたように、インフレの可能性高まっている。これは操作のしようがない。原油を上げようとしており、こうなるとインフレになりやすくなり、結果的に実質金利が低下することから、金への資金シフトが進みやすくなる。その意味でも金は保有しておかなければならない。いまの状況であれば、金を保有しておくべきと考える投資家が増えざるを得ない。金を保有しておきたいと考えるのは投資家だけでなく、国レベルでも同じである。金はアッパークラスからみれば、依然として現金と同等の扱いである。むしろ、現金よりも安全と考えている節さえある。通貨は紙くずになる可能性がある。しかし、金にはそのリスクがない。これは世界の政府レベルの常識である。仮想通貨(暗号通貨)はその扱いにはなり得ない。結局のところ、金は常に保有しておくべきである。繰り返しで恐縮だが、金を保有しておけば、資産全体を守ることができる。今後も米国株が不安定な状況は続く可能性があり、株価下落に対するヘッジとして金を買っておくことはやはり重要である。株式を買うときに同時に金も買う。これがセオリーである。金を持っておくと安心感がある。4月以降の金相場は季節的に上げやすいため、これも金相場を支える可能性がある。4月の強気シナリオのレンジ内で推移していることからも、今の金相場の堅調さが確認できるだろう。いずれにしても、金に対する見方や考え方、取り組み方を変えずに、粛々と今後も下押す場面があれば買いを入れていきたい。今後は徐々にインフレが意識されることになると考えている。この点からも金は上昇に向かうと見ている。金には利子が付かないため、金への投資は意味がないとの見方もあるが、保有しておくことで投資判断のうえで心理的な安心感を得ることができる。また、インフレになれば、保有している方がむしろ有利である。資産の15%は金で保有しておきたい。重要なことは、表面上の長期金利ではなく、インフレ率を含めた実質金利である。実質金利が上昇しなければ、金相場は下がらない。長期的に実質金利は低下し続けている。これが上昇するようであれば、その時点で金投資を考え直せばよい。徐々にインフレになっていくと考えているが、これは金の買い材料である。また、株安に備える上でも金は常に保有しておきたい。すべての資金を株式につぎ込んでいると、株価の下落には耐えられない。新刊「米国株は3倍になる!」でも紹介しているようなポートフォリオを組んでいれば、今回の下げでも全く慌てる必要がない。金を保有することが、いかに心理的な安心感をもたらすかを理解しておきたい。利子はつかないが、それを大前提として保有する。これが肝要である。金を保有することで、冷静な投資判断ができる。これも重要なポイントである。毎度の繰り返しで恐縮だが、これが金を保有する上での重要な考えである。世界のどの国も金を必要としている。金があれば何でもできる。仮想通貨(暗号資産)ではこれはできない。ちなみに、ビットコインなどの暗号資産は今後「相場としての魅力」は低下していくことになろう。

「米国株30%、米国長期債55%、金15%」のポートフォリオは、リーマンショック級の下げが来ても、直近の資産価値のピークから減少は最大で2割減で済む。実際には、米国株を40%から45%程度に少し増やして、もう少しリスクを取ってもよいだろう。ただし、50%以上は危険である。また、米国株を増やす分は米国長期債を減らせばよいだろう。イメージとしては、米国株4割から最大5割、米国長期債をその分減らすイメージである。リーマンショックでは、株式だけに投資した場合には、資産が半減しているのだから、このポートフォリオは長期的に資産を守りつつも増やすうえでは「鉄壁」かつ「完璧」に近いといえる。ただし、金利は今後上昇するため、上記のポートフォリオの構築のポイントは、債券を徐々に買うことである。これは非常に重要である。いますべてを買ってしまうと、評価損が大きくなることは目に見えている。徐々に買っていくことが肝要である。繰り返すように、長期的には金利が上昇基調へ転換している可能性が高い。1954年からの金利上昇は1981年までつづいたが、この間に起きたことはインフレである。結果的に、金相場はそれまでの固定相場の35ドルから、1980年には850ドルまで上昇している。金利の上昇は、景気の拡大・株価の上昇、そしてインフレが背景にあった。今回も長期的な金利上昇局面に入ったとすれば、それは株高・インフレへの転換を意味する。金利上昇はあくまで起きている事象の結果であり、先行指標ではない。したがって、まずは金利動向を見るのではなく、株式やコモディティなどのリスク資産などの投資対象資産の価格変動を見ることが先決である。金利上昇と騒いでいる向きは、市場の本質を理解していないことを自ら認めているようなものである。

金に話を戻すと、基本はドル安傾向であり、さらに原油高などコモディティ相場の堅調さを確認することになろう。毎度のことで繰り返し恐縮だが、金の位置づけはトレーディングの対象ではない。あくまでリスク資産である株式のヘッジである。金については常に保有するというスタンスが肝要である。資産保全としての金の位置づけを重視すべきである。株価が上昇しても、そちらに資金をシフトしようなどと考えずに、株式のヘッジとして金を手放さないことが肝要である。これができないと、長期的な資産形成はできない。金は資産として持つことが肝要である。利子はつかないが、資産保全には金が一番である。米国の減税は経済に非常に恩恵をもたらし、株価の上昇が期待されている。一方で財政悪化によりドルが売られることになる。さらに現在のインフレ率であれば、FRBが目論む年3回の利上げも困難になる可能性もある。秋には米中間選挙も控えている。したがって、市場金利が急騰しない限り、金相場の堅調さは続くとみている。インドや中国などは下押しの場面で買ってくるだろう。今年はまだまだ上昇余地がある。最終的には1500ドル台にまで上げても全く不思議ではない。2019年までに大相場には発展するだろう。スイスのプライベートバンクは、顧客である富裕層に最低でも資産の5%相当の金を保有することを勧めている。彼らが長年生き残っている所以である。ただし、保有比率は10%ではなく、むしろ15%程度にすべきであると考えている。常に金を保有して危機に備えておくのが、金に対する基本的な考え方である。保有コストを下げるためには上値を買わずに、下げたところを買い、じっくりと上昇を待ちたいところである。

結局のところ、どの国も「金が欲しい」のである。これは米国も同じである。資金がない。金を持つことが、最大の資産保全であり、最も安全な通貨を持つことになるわけである。

【ドル建て金価格:2018年の想定レンジ】
強気シナリオ1270ドル~1517ドル(18年末1475ドル)/弱気シナリオ1187ドル~1338ドル(18年末1210ドル)

【ドル建て金価格:4月の想定レンジ】
強気シナリオ1319ドル~1403ドル/弱気シナリオ1236ドル~1295ドル

【円建て金価格:2018年の想定レンジ】
強気シナリオ4564円~5356円(18年末5232円)/弱気シナリオ4051円~4877円(18年末4192円)

【円建て金価格:4月の想定レンジ】
強気シナリオ4691円~49320/弱気シナリオ4548円~4788円

【ドル建てプラチナ価格:2018年の想定レンジ】
強気シナリオ900ドル~1134ドル(18年末1092ドル)/弱気シナリオ768ドル~1011ドル(18年末804ドル)

【ドル建てプラチナ価格:4月の想定レンジ】
強気シナリオ962ドル~1057ドル/弱気シナリオ927ドル~999ドル

【ドル建てパラジウム価格:2018年の想定レンジ】
強気シナリオ1032ドル~1365ドル(18年末1331ドル)/弱気シナリオ854ドル~1148ドル(18年末884ドル)

【ドル建てパラジウム価格:4月の想定レンジ】
強気シナリオ1155ドル~1223ドル/弱気シナリオ1011ドル~1119ドル

【非鉄市場の市況解説・分析】
非鉄市場はまちまち。LME在庫はすべての銘柄が減少した。アルミは下落したが、高値圏を維持している。一時は高値を更新している。ロシアのアルミ大手ルサールとの取引を停止する動きが加速し、これが上昇要因になっている。在庫はあっても動かせず、実質的に在庫減になっているとの認識である。これにより、アルミ市場はバックワーデーション(逆ザヤ)になっている。この動きが続く限り、買戻しから相場は底堅い展開が続くことになる。銅も下げ渋っており、上昇への転換の可能性を残している。ニッケルは上昇し、高値を維持している。14000ドル目前まで上げており、買われすぎ感はあるものの期待感が出てきた。しかし、亜鉛は安値圏で推移し、鉛は安値を更新した。これらが弱いのが気になる。シリア攻撃で市場がどのように反応するのかに注目したい。また、17日には中国のGDPや鉱工業生産などが発表される予定であり、市場の注目を集めるだろう。

一方、資源大手のリオ・ティントは、米国によるロシア・アルミニウム大手ルサールへの制裁措置を受けて、一部顧客との契約で不可抗力条項を発動する方針を示している。リオ・ティントは、アルミ生産のほぼすべてをオーストラリアで操業するルサールとの合弁事業で行っている。リオ・ティントは「供給途絶を最小限に押さえるため、顧客と作業を進めている」とし、米国による制裁措置に全面的に従う方針を示している。さらに、合弁事業クイーンズランド・アルミナのルサール精錬所の保有権益(20%)やルサールのオフテイク(長期供給)契約、ルサールがアイルランドで操業する精錬所へのボーキサイトの販売、アルミナのオフテイク契約などについて見直しを進めているとしている。米国は先週に16年の米大統領選へのロシアの介入疑惑などを理由に、ルサールを含むロシアの企業や個人に制裁を発動している。ゴールドマン・サックスは、アルミ価格はロシア大手ルサールに対する米国の制裁の影響で高止まりし、6月までは変動も激しくなるとの見通しを示している。米国はロシアのプーチン大統領に近い実業家らへの制裁を発表したが、その中にはアルミ生産世界第2位のルサールを支配するオレグ・デリパスカ氏も含まれていた。これを受けて、アルミ相場は週間ベースで過去最大の上昇を記録している。一方、中国の3月のアルミ地金・アルミ製品の輸出は前年同期比10.2%増の45万2000トンと、昨年6月以来の高水準だった。前月比では22.2%増の37万トンだった。中国のアルミ輸出は、2月は減少したものの、ロンドン市場と上海市場の価格差で利ざやを抜く裁定取引(アービトラージ)で有利な価格となったことから、昨年11月以降、生産業者らが海外でマージンを稼ごうとする動きが活発化していた。

【非鉄のトレード戦略】
アルミ、銅、ニッケル・亜鉛、鉛はロングを継続。基本的な考え方は変わらない。アルミだけはロシア問題で上げているが、それ以外はまだまだ不透明である。非鉄相場全体が上昇に向かうには、やはり銅が上昇しなければならない。その動きになるには、市場全体に安心感が広がることが肝要である。いまの状況では、なかなかそこまでの動きにはなりづらい。時間が掛かるだろう。しかし、崩れることもないだろう。米朝首脳会談までは不安定な動きになると考えておきたいが、それ以降に回復の動きが見られれば、それでよいだろう。いずれにしても、非鉄相場の上昇には、金融市場の安定が不可欠である。これだけは仕方がない。一方、ニッケルは電気自動車向けのバッテリー需要はかなり堅調であり、需給面はしっかりしている。あとは市場センチメントの改善だけであろう。米中貿易戦争への懸念が払しょくされれば、非鉄市場は上げやすいだろう。世界経済の拡大基調は19年半ばから20年ごろまで続くとの見方は変わらないが、米国を中心に経済指標なども慎重に見ていきたい。株価が先にピークアウトし、コモディティがその半年から1年後にピークアウトする。したがって、株価が崩れれば、非鉄相場も必然的にピークアウトすることになる。非鉄相場のこれまでの上昇の決定的な要因は需給ひっ迫である。これが上昇基調の継続につながり、20年ごろまで続くとみているが、世界景気が崩れれば、その限りではない。この点は間違えてはいけないだろう。一方、自動車のEV化の動きに伴う需要増が今後もテーマになるだろう。中国が新エネルギー車(NEV)の購入免税を20年末まで延長すると発表するなど、今後は世界的にEV化が加速する。これは非鉄金属市場にとって、非常に大きなテーマであり、恩恵がある。アルミや銅は、EV化で車一台当たりの使用量が今よりも増加する。自動車販売台数が拡大する限り、需要は増えることになる。この点は、長期的には期待できる材料である。

ちなみに、非鉄銘柄の取引は、IG証券などの外資系の証券会社であれば可能である。彼らのプラットフォームでは株式・債券・為替・コモディティなど多くの銘柄をひとつのプラットフォームで取引できる。これは外資系だけであり、IG証券がもっとも利便性がある。ちなみに、先日も日本支社の社長と面談してきたが、日本における非鉄市場への投資拡大について議論してきた。このような魅力的な市場が日本ではまだまだ認知されていないのは、本当に勿体無いことである。

*LME=LONDON METAL EXCHANGE(ロンドン金属取引所)
*取引所の指定倉庫の在庫はロケーションごとに毎日発表されている。

【アルミ価格:2018年の想定レンジ】
強気シナリオ2205ドル~2657ドル(18年末2619ドル)/弱気シナリオ1928ドル~2320ドル(18年末1973ドル)

【アルミ価格:4月の想定レンジ】
強気シナリオ2297ドル~2464ドル/弱気シナリオ2138ドル~2262ドル

【銅価格:2018年の想定レンジ】
強気シナリオ6915ドル~9261ドル(18年末9059ドル)/弱気シナリオ6024ドル~7394ドル(18年末6150ドル)

【銅価格:4月の想定レンジ】
強気シナリオ7423ドル~8170ドル/弱気シナリオ6864ドル~7293ドル

【エネルギー市場の市況解説・分析】
原油は上昇し、週間ベースで昨年7月以来の大幅な伸びとなった。米英仏がシリアへの軍事行動に踏み切る可能性への警戒感や原油在庫の世界的な減少が原油相場を支援した。週間ベースでは8%上昇だった。シリア情勢が緊迫化するリスクが相場を押し上げているとの認識である。13日までの週の米国内の石油掘削リグ稼働数は前週比7基増の815基と15年3月以来の高水準となった。一方、中国の3月の原油輸入量は前月比9.6%増の3917万トン(日量922万バレル)と、過去2番目の高水準だった。製油業者が在庫を増やしたことなどが要因。1~3月期の輸入量は前年同期比約7%増の1億1207万トン(日量909万バレル)。独立系製油業者に対する政府の割り当てが増えたことなどが後押ししたもよう。一方、先日のOPECの3月の産油量が前月比20万1000バレル減の日量3196万バレルだったことも材料視されている。バーキンド事務局長は「世界的な供給過剰が9月までに解消する見通しであるものの、OPECを中心とした産油国が来年も減産を継続する見込み」としている。国際エネルギー機関(IEA)は、「供給抑制が続けば、市場が過度に引き締まる可能性もある」としている。さらに、OPECと非加盟国の協調減産について、「世界の原油在庫を望ましい水準に引き下げるというミッションは達成されたもようだ」とし、供給が引き続き抑制されれば、市場の需給が逼迫するリスクを警告した。IEAは月報で、「先進国の原油在庫が、早ければ5月にもOPECが協調減産の成否の物差しとして使っている直近5年平均水準に縮小する可能性がある」と予想。そのうえで「OPECに代わってミッション達成と宣言する立場にはないが、われわれの見通しが正確なら、達成は確実だろう」とした。さらに、「供給抑制が続いた場合には、石油市場が逼迫する可能性がある」としている。IEAは先進国の原油在庫が過去5年間の平均を4300万バレル上回る水準になったと説明。今年の非OPEC加盟国の産油量が米国の増産により、日量180バレルの大幅増加になるとしても、150万バレルの増加が見込まれる世界の需要を満たすのには十分でないとの見方を示している。一方、OPECは12日に公表した月報で、「健全な需要に協調減産効果が加わり、世界的な供給過多はほぼ解消された」としている。OPECのバーキンド事務局長は、「世界的な原油在庫のだぶつきは9月までに解消される見込みだが、OPECと非加盟国は協調減産合意を19年まで延長する」との見通しを示している。さらに、「6月にウィーンで開かれる総会で、OPECと非加盟国の中長期的な協調合意に関する草案が討議される」とし、「協調宣言が18年を超えて延長されるとの確信が高まりつつある」としている。また、「ロシアが引き続き主導的な役割を果たすだろう」と付け加えている。バーキンド事務局長は、「世界の原油市場が今年第2四半期から第3四半期に均衡化する」と予想し、年末としていたこれまでの予想を前倒ししている。一方、ゴールドマン・サックスは最新の見通しで、原油価格が中東情勢の緊張で72ドルになると予測している。イランへの制裁が再発動される可能性があり、原油市場に予期せぬ影響が及ぶ可能性があるとしている。また、イエメンやシリアをめぐる地政学的リスクも引き続き原油相場を押し上げるとの見通しを示している。

【エネルギーのトレード戦略】
WTI原油・ブレント原油はロングを継続。基本方針は全く変わらない。原油相場は着実に上がってきている。市場ではシリア情勢などの地政学的リスクが材料視されているようだが、繰り返すように、これは本質的な材料ではない。原油相場を上げさせたい向きが上手く利用しているといえる。その意味では、彼らの戦略は成功である。一方で、重要なのは原油需給のひっ迫感である。これを背景に、相場水準はさらに上向くことになろう。このファンダメンタルズの事実は、原油価格の上昇を後押しするのに十分な材料である。現在は14年以来の水準になっている。14年は原油相場が下げ始めた年である。その年の水準にまで回復していることは、今後の方向性を見る上で重要なサインである。需給は引き続きタイトであり、いまの水準はまだ安いとの判断は変わらない。市場参加者が米国の石油在庫のひっ迫を正しく理解できれば、上昇に向かうだろう。石油製品在庫は需要に対して18日分しかない。これは過去10年で3番目に少ない水準である。また、需要の水準自体は過去10年で最も多い。石油需要は増えている。自動車のハイブリッド化にも関係なく、ガソリン需要は増えている。この点を市場参加者の多くが理解していない。これから北半球ではガソリン需要期に向けた動きに入るため、原油相場が上昇しやすい季節になる。株安の動きには注意が必要だが、これも政治的な動きの結果であり、いずれ落ち着くだろう。景気悪化から石油需要の減退リスクを意識する向きが増える可能性があるが、これもミスリードということになるだろう。最終的には原油のファンダメンタルズが重視されることになる。基本的な上昇基調は続くだろう。一方で60ドルを割り込めば、生産者は苦しくなる。結局下値は限られることになる。繰り返すように、いまのWTI原油の適正レンジは65ドルから75ドルであり、60ドル前後はかなり安い。コモディティには生産コストがある。これ以下では長期的に推移できない。生産者が必要とする価格水準が最低でも60ドルである。これがすべてを意味している。

原油市場を投機筋のポジションで解説する向きがあるが、これも本質をとらえていない。もちろん、全く無視はできないが、それだけで市場動向は説明できない。いまの原油先物市場では、投機筋の買い越しは歴史的高水準である。こうなれば、「買われすぎで下げていく」との解説になる。しかし、実際には原油相場は上げ続けている。ポジション需給で説明ができない好例である。このような過ちを犯すのは、いつも金融市場関係者である。なぜなら、彼らは現物需給を分析できないからである。彼らが言うところの需給とは、ポジションの需給である。現物の需給ではない。ここがすでに素人である。需給といえば、コモディティ市場では現物市場の動向を意味する。まさに実態であり、実物である。株式や先物などのペーパー市場ではない。より深い話をすれば、先物市場で買っているのは、投機筋だけではない。大手のヘッジファンドは先物市場で売買しないところもある。例えば、業者であるブローカー(証券会社や先物の取次会社)とペーパー取引で仕切り、そのヘッジが業者であるブローカー経由で市場に出てくる。この場合、ポジションはすべてが出てくるわけではない。しかし、実態ではより多くの買いポジションが積み上がっている。だからこそ、相場が上げていくのである。表面上の先物市場での買い越し幅は、あくまで全体のポジションの一部でしかない。金融市場関係者が考えている以上に、原油市場は壮大である。これは彼らにはわからないのである。

さて、4月の強気シナリオのレンジ下限は61.39ドルである。目先はこの水準を下値のめどにしておけばよい。レンジ上限は70.91ドルと、70ドル台に入ってきた。とうとう大台を視野に入れていくことになる。米シェールオイル企業の生産コストは以前に比べて低下しているようだが、調査によると、60ドル以下では厳しいとの回答が圧倒的である。まして、いまの水準では中東などの主要産油国は財政悪化状態が続くことになる。米国内の石油掘削リグ稼働数は増加傾向にあるが、このようなトレンドは今後維持不可能となろう。あとは、OPEC加盟・非加盟国による協調減産が19年以降も継続されるのかを注視したい。また、サウジやロシアが来年以降の長期的な枠組みについて検討し始めている点も大きな材料である。いずれにしても、原油相場が60ドル以下になれば、世界のどの生産者もやっていけなくなる。結局、減産は維持され、原油相場の一段の押し上げを行うしかない。世界の原油在庫の調整が進んでいるが、原油相場が本格的に下げるケースは、世界の景気後退による石油需要の低下が顕著になったときであろう。それでも、そうなれば生産者が生産を続けられなくなり、結局は下げ止まるだろう。世界景気の拡大による石油需要の増加とOPEC減産で需給バランスの改善は着実に進んでいる。いまの調整場面をこなせば、再び上昇に向かうことになる。また、WTI原油先物の22年までの先物価格は生産コストと言われる55ドル以下で推移しており、むしろ50ドルに近い水準で低迷している。これでは売却価格がコストを下回ることになり、採算が合わない。その結果、先物売りが抑制される一方で生産の伸びも鈍化せざるを得ないのである。結果的に需給バランスの改善が進み、WTI原油はいずれ75ドルまで上げていくだろう。現在の原油相場の水準では、主要産油国は継続的な国家財政の運営ができない。結局のところ、現在のような安値の状況は長続きしないことになる。むしりより高い水準が必要であり、その水準を求めて相場は徐々に値を戻していくだろう。

【WTI原油価格:2018年の想定レンジ】
強気シナリオ56.15ドル~79.19ドル(18年末75.78ドル)/弱気シナリオ39.96ドル~63.92ドル(18年末42.89ドル)

【WTI原油価格:4月の想定レンジ】
強気シナリオ61.39ドル~70.91ドル/弱気シナリオ55.09ドル~60.79ドル

◇グローバルマクロ戦略について

本メルマガでご紹介する投資戦略は、ヘッジファンド業界では「グローバルマクロ戦略」のカテゴリーに属します。
これは、世界のヘッジファンドのもっとも得意とする手法で、いわゆるヘッジファンド運用の「王道」です。
この戦略では、あらゆる市場に目を配り、投資機会を探しながら収益の獲得を狙います。
市場価格の上昇・下落に関係なく、価格の変動が見込まれれば、それにベットする(賭ける)戦略です。
ボラティリティが高いほど収益が見込まれますので、投資機会があれば果敢に攻めます。

世界情勢が不透明な中、為替や株式、金利、コモディティなど主要市場の価格変動は一段と大きくなっています。
そのため、それぞれの市場の予測がきわめて困難になっています。

このような市場環境では、マクロ的な見地からより幅広い市場で運用を行う「グローバルマクロ戦略」が有利です。
もちろん、個々の市場でも十分に戦えるように、具体的な取引タイミングも示していく所存です。

「ヘッジファンド戦略の王道」である「グローバルマクロ戦略」で、共に市場で戦いましょう。

◆お知らせ
日経225オプションのトレード戦略に関するメルマガを配信しております。
「江守哲の225オプション リアルトレーディング」です。
 ご興味のある方は、ぜひご購読ください。
http://fx-on.com/email/detail/?id=8592


*セミナー予定

4月21日(土)モーニングスターさま・マネックス証券さま共催セミナー(東京)

4月22日(日)投資フェス(大阪)
http://www.okazaki-ryosuke.com/markets-fes

4月28日(土)カネツ商事・カネツFX証券さまセミナー(福岡)
http://www.kanetsufx.co.jp/event/sp/180428.htm

5月4日(金)マネックス証券さま・米雇用統計セミナー(WEB)
https://info.monex.co.jp/news/2018/20180402_02.html

5月12日(土)豊商事さまセミナー(福岡)
http://www.yutaka24.jp/?url=/seminars

5月18日(木)マネックス証券さまセミナー(名古屋)

5月19日(土)豊商事さまセミナー(岐阜)
http://www.yutaka24.jp/?url=/seminars

5月26日(土)豊商事さまセミナー(神戸)
http://www.yutaka24.jp/?url=/seminars

6月1日(金)マネックス証券さま・米雇用統計セミナー(WEB)
https://info.monex.co.jp/news/2018/20180402_02.html

6月6日(水)サンワード貿易さまセミナー(東京)

6月9日(土)日本セキュリティーズさまセミナー(東京)
http://www.nihon-fs.co.jp/seminar/seminars/20180609_tokyo

6月16日(土)豊商事さまセミナー(大阪)

7月6日(金)マネックス証券さま・米雇用統計セミナー(WEB)
https://info.monex.co.jp/news/2018/20180402_02.html

7月7日(土)豊商事さまセミナー(広島)

7月19日(木)ひまわり証券さまセミナー(WEB)


(上記以外にも、個別セミナーも実施しております。ご興味がある方はお問い合わせください。)


*テレビ出演予定

4月19日(木)13:30~13:45ストックボイスTV「東京マーケットワイド」(東京MXTV)
http://www.stockvoice.jp/

4月26日(木)13:30~13:45ストックボイスTV「東京マーケットワイド」(東京MXTV)
http://www.stockvoice.jp/

5月10日(木)13:30~13:45ストックボイスTV「東京マーケットワイド」(東京MXTV)
http://www.stockvoice.jp/

5月31日(木)13:30~13:45ストックボイスTV「東京マーケットワイド」(東京MXTV)
http://www.stockvoice.jp/


*ラジオ出演予定

4月27日(金)16:00~16:20 ラジオNIKKEI「GO!GO! ジャングル・マーケット」(ゴゴジャンさま提供)
http://www.market.radionikkei.jp/gogo/

5月17日(金)18:00~18:150 ラジオNIKKEI「マーケット・トレンド」(東京商品取引所さま提供)
http://blog.radionikkei.jp/trend/

5月25日(金)16:00~16:20 ラジオNIKKEI「GO!GO! ジャングル・マーケット」(ゴゴジャンさま提供)
http://www.market.radionikkei.jp/gogo/

6月22日(金)16:00~16:20 ラジオNIKKEI「GO!GO! ジャングル・マーケット」(ゴゴジャンさま提供)
http://www.market.radionikkei.jp/gogo/


*定期寄稿スケジュール

「東洋経済オンライン」(不定期)
http://toyokeizai.net/

「マネックスメール」(第1・第3・第5金曜日)
http://lounge.monex.co.jp/pro/special1/

「マネックス証券 マネックスゴールドレポート」(毎週月曜日)
サンプル4
【4月18日のトレード戦略】日米首脳会談の結果を待つ
配信日:2018年04月18日 08時32分
おはようございます。
本日もよろしくお願いいたします。

メルマガは毎朝8時30分前後をめどに配信しています。
8時45分を過ぎても届かない場合には、お手数ですがご連絡ください。

連絡方法は「リアルトレーディング・ストラテジー」のスレッドへの書き込み、または配信元であるゴゴジャン様へお願いいたします。

また、市場動向に関するお問い合わせにつきましても、「リアルトレーディング・ストラテジー」のスレッドへ書き込みいただければと思います。読者のみなさんで情報や考え方を共有しましょう。

新刊「米国株は3倍になる!」が発売されました。
市場分析や投資判断の本質を理解することができます。ぜひご購読ください。

〔EQUITY MARKET〕
【米国株・欧米債券市場の市況解説・分析】
米国株は良好な企業決算を好感して続伸した。相場の重石となっていたシリア情勢といった地政学的リスクや米中貿易摩擦への懸念が後退する中、前日引け後に発表されたネットフリックスが好決算だったことをきっかけに買いが先行した。さらに、ゴールドマン・サックスやユナイテッドヘルス・グループ、ジョンソン・エンド・ジョンソンの決算が軒並み市場予想を上回ったことで、今後本格化する決算発表への期待感が高まった。さらに、3月の米住宅着工件数と鉱工業生産指数がともに市場予想を上回ったことも下支えとなった。ネットフリックスが9.2%高で、過去最高値で終了し、ユナイテッドヘルスが3.6%高と大幅高となり、ボーイングが1.5%高と堅調。アマゾン・ドット・コムが4.3%高だった。ネットフリックスの好決算に支援されたことや、米国の州当局によるオンライン小売業者への売上税の課税に関する裁判で、最高裁が課税に消極的な姿勢を示したことも材料視された。ツイッターも11.4%高と堅調。しかし、ゴールドマンは1.7%安、J&Jは0。9%安だった。テスラも1.2%安。VIXは15.25に低下している。3月の住宅着工件数は年換算で131万9000戸と、前月比1.9%増加。プラスは2カ月ぶり。住宅着工許可件数は135万4000戸と、2.5%増だった。3月の鉱工業生産指数は前月比0.5%上昇。プラスは2カ月連続。設備稼働率は78.0%と前月から0.3ポイント上昇し、15年3月の78.1%以来、3年ぶりの高水準だった。

国際通貨基金(IMF)は世界経済見通しを発表。18年の世界全体の成長率は3.9%と、1月時点の予測を据え置いた。日本も1.2%で維持した。米国を中心に景気拡大を見込む一方、米中間で貿易制裁の応酬が広がる事態を警戒し、リスクは明確に下振れ方向に傾いていると警鐘を鳴らした。米国はトランプ政権の大型減税と今後2年間の歳出拡大に伴う景気浮揚を想定し、18年が2.9%、19年は2.7%と0.2ポイントずつ引き上げた。ユーロ圏は消費の持ち直しを受けて、18年を0.2ポイント上方修正した。日本は、外需や民間投資に支えられた回復が続くとし、19年も0.9%で据え置いた。中国は18年が6.6%、19年は6.4%と、予想を維持。ブラジルは消費と投資の盛り上がりを見込んで、18年と19年を共に0.4ポイント上方修正した。IMFは、米中を中心とした貿易摩擦の激化による報復合戦の恐れは世界の景況感を悪化させると警告している。また、米国の景気が上振れし、急激な金融引き締めが行われれば、新興国からの資金流出を招く恐れがあり、北朝鮮情勢も含めリスクを注視する必要性があると指摘している。IMFは、貿易保護主義が世界経済に及ぼす影響を分析した16年の試算を改めて紹介し、各国が関税を10%引き上げれば、世界経済の成長率が5年後に約1.75%押し下げられ、世界貿易は15%減少するとしている。

FRBは2月26~3月21日の公定歩合議事要旨を公表。全12連銀のうち、アトランタ、シカゴ、ミネアポリスの3連銀が引き上げに反対を表明した。3連銀は「今後の経済指標が緩やかな景気拡大見通しを引き続き後押しするかどうか評価する」として、据え置きを主張。残りの9連銀は底堅い成長、労働市場の需給逼迫、インフレ率の目標2%達成見通しを理由に引き上げを求めた。FRBは2月26日、3月12日の会合では据え置きを決めたが、FOMCで利上げを決めた3月21日の会合で公定歩合の引き上げを決定した。

トランプ大統領は、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長との初の首脳会談について、「北朝鮮の非常に高いレベルと直接的な話し合いを既にしている」と明らかにした。また、首脳会談の開催場所について、候補地が「5カ所ある」とした。トランプ大統領は、米朝首脳会談が6月の早い時期までに行われるとの見通しを改めて表明。一方で、「うまくいかなければ、行われないこともあり得る」ともした。

クドロー米国家経済会議(NEC)委員長は、「米国はいつか日本との自由貿易協定(FTA)が実現することを望む」と発言。クドロー委員長は、「幾つかの貿易課題について明確な意見の相違がある。できればこれらを解消したい」とした。日本は、ランプ政権から一方的に要求を突き付けられる2国間FTA入りを警戒しており、多国間の枠組みである環太平洋連携協定(TPP)の発効を優先したいと考えており、日米間の思惑は擦れ違っている。

米国債は短期債利回りが上昇。2年債利回りは一時2.399%まで上昇し、2.3940%で引けた。10年債利回りは2.8304%に低下し、イールドスプレッドは0.4364%と10年ぶりの水準に縮小している。堅調な経済指標から、米国景気の底堅さが確認されており、6月利上げの可能性が高まっている。また、米国主導で前週末にシリアで行った空爆への反応は薄く、市場の報復措置懸念が和らいだことも利回り上昇につながっている。

ユーロ圏金融・債券市場は南欧債利回りが低下。イタリア銀最大手インテーザ・サンパオロのよる不良債権処理がイタリア経済へのプラス材料と受け取られた。イタリア10年債は1.75%へ低下し、ユーロ債の利回り低下を主導した。ドイツ10年債利回りは0.512%で推移している。ドイツの欧州経済センター(ZEW)が発表した4月の景気期待指数はマイナス8.2と、12年11月以来の低水準となった。前月はプラス5.1だった。3カ月連続の低下となり、4月の低下幅は16年7月以来の大きさとなった。現況指数は87.9と、前月の90.7から低下。ZEWは指数低下の要因として、米国と欧州の通商摩擦やシリア情勢が中東での紛争に波及する可能性を挙げており、ドイツで第1四半期に生産、輸出、小売が大きく落ち込んだことも重石となったとしている。今年の初めの2カ月間の経済指標が軟調だったことに加え、ZEW指数が低下していることは、ドイツの経済成長率が鈍化する可能性があることを示している。今後の動向には要注意といえる。ECBは年内に債券買い入れ策を終了させ、19年にも利上げに着手するとみられているが、ドイツなどの経済指標が軟調となっていることで、その方針の変更を迫られるとの見方も出ている。

【米国株のトレード戦略】
ロング戦略に変更はない。徐々に雰囲気はよくなってきた。もちろん、楽観はできないが、市場心理は徐々に好転しているのだろう。ダウ平均が24920ドルを超え、さらに25000ドルの節目を超えてくると、上昇しやすくなる。投資家の大半が現状の世界情勢の裏側を知らないことが、不安心理の拡大につながった面がある。そのため、反発に時間が掛かっているが、堅調に推移しやすい傾向がある4月の株価動向が、ようやく上向きになりつつあることは、例年の動きに戻り始めていることを示唆しているともいえる。日米首脳会談の結果次第では、今後の株価動向に影響が出るとの見方もあるようだが、それは結果的に杞憂に終わるはずである。いまの北朝鮮情勢をめぐる各国の思惑は別として、最終的には米国主導での管理下に入ることが、国連・米国連合の思惑である。これを成就し、歴史に名を残すことが、トランプ大統領の目指しているゴールでもある。これにより、中間選挙での勝利、さらに2期目への足場を固めることができれば、最高の結果となる。それを目指して、思惑的な動きがみられることになろう。米朝首脳会談が行われない可能性に言及しているのも、北朝鮮や中国・ロシアへの揺さぶりであり、これを真に受ける必要もない。それを真に受ければ、再び国際金融筋に動かされるだけである。繰り返すように、今年の彼らのテーマは「株式と為替」である。トランプ大統領は為替を動かして収益を上げ、現金を稼ぎたいのである。為替に関する政策が多いのも、そのような背景がある。それを理解していれば、ドルが上がりにくいことが容易に理解できるはずである。米国株高にはドル安が良いことは、これまで何度も繰り返し解説してきた通りである。今後も株価の維持を目的に、ドル安基調が続くことになるだろう。また、長期債利回りも上昇しづらい状況が続くことになる。株高は米国景気を維持するために最も重要な政策である。株高・債券高(低金利)状態を維持し、個人消費を拡大させることが、GDPの成長に直結する。このわかりやすい構造になっているのが、米国の特徴である。これを正しく理解することが、米国で起きていることさらに今後起きることを理解するうえで不可欠な要素である。イールドスプレッドは縮小傾向だが、フラット化に向かう過程が、一番株価が上昇しやすい。この点も理解しておく必要がある。慌てる必要は全くない。

ここからは、再掲である。重要なポイントであり、再掲しておく。結論から言えば、今回のシリア攻撃も、シナリオ通りである。まさに「演出」通りである。米国とロシアで綿密に打ち合わせが行われたうえで、攻撃が仕掛けられている。表面上は、トランプ政権が英仏両国と連携し、シリアのアサド政権に対して武力を行使したことになっている。化学兵器使用に対する強固な姿勢を示したかにみえるが、米国はアサド政権の後ろ盾であるロシアとの衝突に発展することを恐れて決断を躊躇していたようにも見せかけていた。その結果、報道では、政権側に退避の猶予を与え、欧米の姿勢を示すだけの「象徴的攻撃」に終わったとの論調も見られる。それはそうである。市場を動かすための演出だからである。トランプ大統領は再びシリアからの米軍撤収に言及しており、今後シリアにおける米国の影響力が低下するのは避けられないとの指摘もある。実際の攻撃も限定的だった。巡航ミサイルやB1爆撃機を用いた作戦も、標的は化学兵器関連施設とみられる3カ所のみである。政権軍は米国が決断に時間をかける間に、攻撃対象になり得る施設から部隊を撤収させ、さほど大きな被害は出なかったようである。それはそうである。そうしているからである。すべてシナリオ通りである。危険が及ばないように、あらかじめ打ち合わせが行われているのだから、当然である。マティス長官は記者会見で「この攻撃はアサド政権に向けられたもので、民間人や外国人の巻き添えを回避するために努力した」と強調している。当然である。ロシアに最大限配慮したことをほのめかしたことになっているが、その通りである。目的はただ一つ、市場を動かすことである。そして、現金を稼ぐことである。CNNのサイトには、「同じ写真が使われている」との記載がある。そろそろ、演出であることがばれてきている。どうなるだろうか。これが一般市民にばれると、米ロは焦るかもしれない。そうなれば、別のやり方で市場を動かしてくるだろう。その繰り返しである。

今回の件で付け加えるとすれば、英仏の参加である。彼らにいかに武器を売るかがポイントである。武器を売って、現金を稼ぐのである。幸い、英国のメイ首相、フランスのマクロンは就任して間もない。無論、トランプ大統領もまだ一年に満たないのだが、米国は英仏に武器を売りたい。一方、英国とフランスには古い戦闘機や武器などの在庫を処分してもらい、新しい武器を買ってもらいたい。そのためには、古い武器を使う必要がある。そこでシリア攻撃をでっち上げ、古い武器を処分し、新しい武器を売りつける。そして現金を稼ぐ。よく考えられたシナリオである。米国の思惑通りに進んでいる。米シンクタンク「ユーラシア・グループ」のカプチャン会長は、「化学兵器に対する強固な姿勢を見せるための限定的攻撃だ」と分析したようである。ここには著名アナリストのイアン・ブレマー氏がいるが、彼の見通しはほとんど外れていることは、業界では有名な話である。英国のEU離脱、トランプ大統領の誕生など、最も重要なイベントで見通しを外している。真の情報を持っていないことの証左である。なぜあれだけ重宝されているのかがよくわからないが、いずれにしても、彼らは全く当てにならない。それはともかく、米軍は14年以降にシリアで過激派組織「イスラム国」(IS)掃討戦を展開し、現在は米兵約2000人がIS残党の掃討などを行っているという。しかし、トランプ大統領は3月末にシリアから米軍を撤収させる意向を唐突に表明した。直後にISの完全壊滅までは残留すると方針転換したものの、長期的にシリアに関与する意思がないことを示している。一部には、ロシアやイランの影響力の拡大を阻止し、米国の抑止力を示すにはシリアへの継続的関与が必要との指摘もある。1年に1度のミサイル攻撃では、シリアの力を後退させることはできないだろう。もっとも、米国第一主義のトランプ大統領の関心はそこにはない。「アサド政権が化学兵器使用をやめるまで攻撃を続ける用意がある」としているが、米軍が撤収すれば、ロシアとアサド政権への抑止力が低下するのは確実である。それでも良いと思っている。

いまのトランプ政権の最大の関心は北朝鮮にある。アジア体制の再構築には北朝鮮の取り込みが不可欠である。そのために、いまいろいろな打ち合わせが水面下で行われているのである。すでに解説したように、北朝鮮と米国は実務レベルの会合を開始し、すでに宴会を行うなど、関係が濃くなっている。そして、いまは中国の実務団が日本に極秘来日し、日本と米国と北朝鮮関連の打ち合わせを行っている。日本側が用意した接待係も投入されている(これ以上は文章にはできないので、ここまでにしておく)。それだけ、綿密かつ濃い打ち合わせが行われているのである。相当話が進んでいるだろう。いまは北朝鮮をどのように取り込むかを話し合っているのだが、その日本は完全に乗り遅れているという。北朝鮮は中国との演出を準備しており、何が飛び出すかがわからない状況にある。日本もこれに乗るために資金を出すと言っているのだが、安倍首相の声はあまり通じていないようである。いずれにしても、北朝鮮はあくまで小国であり、力があるわけではない。すべて「張りぼて」の国である。しかし、資源がある。これを狙っているのが米国であり中国、そしてロシアである。いまは「北朝鮮カード」をいかにインパクトがあるように見せるかに、すべての国が腐心しているわけである。そして、トランプ大統領は韓国との併合を成功させ、歴史に残る大統領として名を馳せたいわけである。そのタイミングで韓国の文大統領の提案があったのは、きわめて幸運だったといえる。朝鮮共和国なるものを設立し、中国のように本土と香港のような二国体性を作り上げるのである。政治は北朝鮮、経済は韓国といったイメージである。これを実現するために、多くの資金が必要であり、いまはそれを稼いでいるわけである。そのために、相当の準備期間をかけているのである。

今回のシリア攻撃は、6月初旬までに予定される米朝首脳会談をにらんだ判断もあったとみられている。トランプ大統領は北朝鮮の核問題解決に向けて「あらゆる選択肢が机上にある」として、軍事力行使も排除しない構えを見せてきた。今回の攻撃で、その発言の「真剣さ」を改めて示したといえる。しかし、これもあくまでポーズであり、真意はそこにはない。これもマスコミが誤った認識を持っていることの証左である。トランプ大統領は、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が非核化に言及したため、首脳会談の要請を受け入れたことになっている。その一方で、表向きは「当面は最大限の圧力を維持する」と強調し、非核化が明確になるまでは圧力を緩めない方針を明確にしている。こういう風にしておけば、市場は不安定なままである。一方、金委員長が米国との対話路線に転じたのは、米国の強硬姿勢があったからだとみられている。これはある意味では本当であろう。それもあり、米国はシリア攻撃で軍事的選択肢が単なる脅しではないことを示し、北朝鮮との交渉を優位に進める狙いがあると解釈できる。トランプ政権では、北朝鮮への先制攻撃論を唱えたボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)が9日に就任した。いよいよ北朝鮮との交渉が本格化する。対話を受け入れる一方で圧力をかけ続け、米朝首脳会談に向けて硬軟両様で臨むという姿勢を「表向き」は見せることが可能になったのである。しかし、すでに解説しているように、米朝の実務レベルは宴会を済ませている。話はできているのだろう。いや、まだかもしれないが、少なくとも何かしらの進展があることだけは確かであろう。トランプ大統領による「歴史的な合意」の成就にまた一歩近づいたわけである。

このように、米中貿易戦争であろうが、シリア情勢であろうが、さらに北朝鮮情勢であろうが、結局は市場を動かすための材料でしかなく、何も本質は変わらない。繰り返すように、今回の外交の最大のクライマックスは「米朝首脳会談」である。6月にもずれ込む可能性が出てきたが、着実に事が進んでいる。この交渉では、米国は失敗できない。中間選挙もある。トランプ大統領が大きな成果を示すには、これを成功させることが最もわかりやすい。そのため、相当用意周到に事が進められていることは容易に理解できる。無論、中国やロシアも北朝鮮管理の主導権を握ろうとしている。北朝鮮の出方が見えないだけに、米中ロは頭を悩ませている。しかし、実務レベルでは米国は一歩リードし、そこに中国が加わってきている。日本は完全に出遅れている。拉致問題を解決し、それを引退の花道にしたい安倍首相は、相当焦っている。まして、国内では森友問題から今度は加計問題に移行している。悩ましい話が目前で行われているのだが、それどころではないのが実態である。安倍首相はすでに進退伺を提出したようだが、それを17日からの日米首脳会談で米国側と話し合うようである。また、トランプ大統領との密約の調整も行う必要がある。安倍首相の退任時期も主題の一つである。ちなみに、日本の首相は米国の了承がなければ就任できない。だからこそ、民主党政権ではおかしなことになったのである。いずれにしても、各国の裏交渉は徐々に進んでいる。しかし、このような裏側を知らないのが大多数の市場関係者であり投資家である。いまの国際情勢ほど面白いものはない。まして、歴史的な出来事が起きようとしている。これを利用しない手はないだろう。ちなみに、日米首脳会談では、6月上旬までの開催を模索している米朝首脳会談をにらんだ日米の連携を協議するようである。米国の高官は「トランプ大統領は、北東アジアの安保に関する安倍首相の見識を大いに尊敬している」とし、日本側の助言を期待していると表明している。これまでの関係構築の成果であろう。一方、北朝鮮による拉致問題に関しては、韓国の拉致被害者や北朝鮮で拘束されている米国人にも触れ「大統領はいつも、北朝鮮で不当に捕らわれている人々のことを念頭に置いている」としている。安倍首相はトランプ大統領に対して、米朝首脳会談で拉致問題を提起するよう要請する方針だが、どこまで話が進むかは不透明である。おそらく、提供する資金の量次第となるだろう。

一方で繰り返すように、ロシアも表向きは米国批判を繰り返しているが、これも出来レースである。すべてシナリオの上で動いている。米ロ、米中はきわめて緊密に連携しながら、意図的に市場を混乱させる発言を行っている。繰り返すように、今年のテーマは「株式と為替」である。資金が足りない各国は、これらの市場を動かすことで現金を稼いでいる。いまの状況で戦争はできず、またやる必要もない。北朝鮮への先制攻撃などあり得ない。シリア情勢もロシアの関与があまりに大きすぎる。仲の良いプーチン大統領にトランプ大統領が攻撃を仕掛けられるはずがないのである。

4月から5月は外交イベントが続く。これは彼らにとって最高の材料である。これを利用して市場を動かしてくる可能性が高い。その動きを冷静に見ていくことが肝要である。繰り返すように、4月は買いが入りやすい季節であり、期待感も高い。あとは投資家心理の好転を待つだけである。4月のパフォーマンスは12カ月の中で、上昇率のランキングはダウ平均が1位、S&P500は3位、ナスダック指数は4位である。平均上昇率はそれぞれ1.9%、1.5%、1.4%である。中間選挙の年に限ると、それぞれ0.8%、0.2%、マイナス0.1%とやや軟調なのは気になるが、それでも4月の反発に期待する向きは多いだろう。

さて、繰り返すように、今後のテーマはインフレである。これまでも長期的には「インフレ」がキーワードになるとしてきたが、そのような動きになりつつある。市場にも徐々に警戒感が高まってくるだろう。原油相場がこれだけ上昇していれば、いずれ金利は上昇に向かい、強い市場が戻ってくることになる。原油を中心にコモディティ価格が堅調に推移し、これが徐々にCPIに効いてくるだろう。サプライサイドのインフレ押し上げがいずれ顕著になり、主要中銀が目標とする2%インフレに向かって徐々に進んでいくことになろう。こうなると、FRBのブレイナード理事が指摘するように、低金利に慣れ切った市場が金利急騰に対応できるのかは不明である。金利上昇に驚かないように対処しなければならない。株安となれば、本末転倒である。景気拡大期に金利が上昇するのは当然であり、むしろ低金利状態にあることを懸念すべきである。低金利で株価が上昇する時代はすでに終わっている。むしろ、金利停滞は景気のピークアウトを意味する。この点からも、金利が上昇しないことをむしろ懸念すべきである。今後は金利低下=株安の関係になることを頭に入れておくべきであろう。一方、イールドスプレッドは縮小傾向にあるが、これもよい兆候である。縮小しなければ、株価の上昇などおぼつかない。フラット化になり、再びマイナス圏に戻すときが株価のピークである。これを間違えないようにすべきである。その意味でも、株価のピーク感はまだ全くないと言ってよいだろう。

【ダウ平均株価:2018年の想定レンジ】
強気シナリオ24236ドル~28287ドル(18年末27996ドル)/弱気シナリオ20995ドル~25130ドル(18年末22790ドル)

【ダウ平均株価:4月の想定レンジ】
強気シナリオ25195ドル~26351ドル/弱気シナリオ23476ドル~24904ドル

【S&P500:2018年の想定レンジ】
強気シナリオ2614~3107(18年末3076)/弱気シナリオ2255~2734(18年末2419)

【S&P500:4月の想定レンジ】
強気シナリオ2724~2851/弱気シナリオ2529~2691

【ナスダック指数:2018年の想定レンジ】
強気シナリオ6747~8375(18年末8282)/弱気シナリオ5348~7199(18年末5702)

【ナスダック指数:4月の想定レンジ】
強気シナリオ7068~7472/弱気シナリオ6114~6826

【米国債トレード戦略】
2年債ショート、10年債ロングのイールドカーブのフラット化に賭ける戦略を継続する。

【日本株の市況解説・分析】
17日の日経平均は前日比12円高で、3日続伸となった。ただし、日米首脳会談を前に投資家は様子見姿勢を維持し、積極的な売り買いは見られなかった。72%の銘柄が下落し、25%が上昇した。様子見ムードとなる中、換金売りなどに押されて値下がり銘柄数が多くなったが、個々の銘柄の下げ幅は小さく、日経平均も大きくマイナスになる場面は見られなかった。投資家の最大の関心事は日米首脳会談である。トランプ大統領は中間選挙を意識し、通商問題で支持率上昇につながるような強硬姿勢を見せるかもしれない」との警戒も残るが、一方で最初に厳しい要求を掲げて交渉を有利に進めるのがトランプ大統領のやり方であることも理解し始めている。そのため、日米首脳会談の結果に市場があまり反応しない可能性もある。いずれにしても、まずは会談の結果を待つことになり、市場が動き出すのは19日以降となろう。

【日経平均先物のトレード戦略】
ロング戦略を継続。シカゴ市場では米国株の上昇もあり、21900円を超えてきた。基調が明確に上向くまでもう少しである。しかし、これも為替と外部要因次第であり、さらに言えば、海外勢がどのように考えるか次第である。いずれにしても、まずは日米首脳会談の結果を待つしかない。しかし、最終的には米朝首脳会談次第である。しかし、この点については問題ないといえる。これを成功させるのがトランプ大統領の悲願であり、目標でもある。あとは、日本が関与できるかどうかである。日経は22000円の大台を超え、さらに22500円を超えると、基調は一気に好転する。日本企業の業績発表と今期の見通し、さらに外部要因が整うことで、いずれは上昇に向かうことになるだろう。今回の日米首脳会談で、安倍首相が自身の進退についてどの程度突っ込んだ話をしているのかは現時点では不明だが、訪米前には基本的にその路線だった。さらに、トランプ大統領との個別契約の行方も気になる。この点についても情報を集めてみたい。一方、昨日は参議院自民党幹事長の吉田博美氏のパーティーに出席した。さすがに立場が立場だけに、訪米中の安倍首相を除いて、ほぼすべての閣僚があいさつをする盛大なパーティーだった。麻生副総理・財務相、菅官房長官、額賀氏、岸田氏、石破氏があいさつし、引退している古賀氏、森氏まであいさつに立っていた。今の自民党の結束力を見た感じがした。セミナーでは、橋本聖子氏が講演するなど、大変盛り上がった会だった。この力は野党にはないと感じざるを得なかった。野党が安倍首相を叩いても、今の日本が良い方向にはいかないとのこれまでの見方をさらに強める結果となったことを報告しておきたい。

これまでの押し目買いと戻り売りで、ロングは21750円、21600円、21500円が残っているイメージである。今回は押し目買いから手仕舞い売りを数回繰り返したことで、相応の収益が上がっている。当面の収益としては十分すぎるだろう。今後は、残りのロングを22050円、22250円、22450円までの戻り局面で売り切りたいと考える。まだまだ弱い動きから脱することができていないため、いまは欲張らずに押し目を買う一方で高値まで待たずに売り、利益を確定することを優先したい。今後は21250円、21000円までの押し目があれば、再度ロングを積み増したい。22500円を超えてしまえば、その流れに乗ってロングを積み増していけばよい。これは流れに乗るだけであり、むしろ簡単である。4月の強気シナリオのレンジは23256円~25002円、弱気シナリオのレンジは21737円~23316円である。強気トレンドに戻すには、少なくとも23250円程度までの戻りが必要となる。これはかなりハードルが高い。まずは弱気シナリオのレンジ下限である21737円を回復し、そのうえで23250円を目指す動きになるかを見ていきたい。21737円を下回るような水準は相当売られすぎであるといえる。

繰り返すように、投資家心理の改善には時間が掛かる。しかし、これ以上、下値を売っても仕方がないとの見方も多いだろう。売り方の買い戻しもあり、株価は下げ渋っている。こうなると、徐々に買った方がよいのではないかとの心理がいずれ働くだろう。1月の高値を買い上がってしまった向きからすれば、かなり苦しい状況だが、最終的には売らなかったものが勝者になる。繰り返すように、日経平均のPERは12倍台と依然として割安であり、現時点でこれ以下を売っても妙味はない。むしろ買い場であることはいうまでもない。19年3月期の決算がどのような見通しになるか次第で、株価の評価は大きく変わってくるが、これがきわめて読みづらいことが、投資家の買いを手控えさせている。確かに見切り発車は怖いだろうが、ドル円が100円割れの水準で推移しない限り、大幅減益の可能性はほとんどない。105円程度であれば、ある程度の増益を確保できる。そうであれば、今の株価はさらに割安ということになる。一般投資家がそのように判断はかなり先になるだろうが、最終的にはそのような結果になる。高値を買いたくなければ、今のうちに仕込むことである。

日銀の金融政策の正常化はかなり先になる。実態面は別として、表面的には少なくともそうである。現在の年80兆円の国債買い入れはすでに規模は縮小しており、テーパリングになっているが、それを正常化の動きとは日銀は口が裂けても言わない。実際に真の意味での正常化ではないが、着実に無駄な緩和策は縮小されていくだろう。金利は本来プラスであるべきで、銀行業が圧迫されるような政策は現実的ではない。インフレ気味になりつつあることもあり、ここは早めに対応すべきであることは言うまでもない。ETF購入については、国債とは違い、償還が来ない。手仕舞い売りをして実現損益を確定させない限り、終了ということにはならない。したがって、株価が相当高い水準にまで上げない限り、売りを検討することさえないだろう。「株価が下落したらどうするのか」との批判もあるが、それを批判したところで政策は変わらない。株価が上がるまで買い続けるだけである。

【日経平均株価:2018年の想定レンジ】
強気シナリオ22089円~27115円(18年末26839円)/弱気シナリオ18745円~23688円(18年末19392円)

【日経平均株価:4月の想定レンジ】
強気シナリオ23256円~25002円/弱気シナリオ21737円~23316円

【TOPIX:2018年の想定レンジ】
強気シナリオ1779~2168(18年末2150)/弱気シナリオ1523~1883(18年末1578)

【TOPIX:4月の想定レンジ】
強気シナリオ1878~2003/弱気シナリオ1721~1840

〔CURRENCY MARKET〕
ドル円は小動き。日米首脳会談に注目が集まる中、107円前後での推移となった。米経済指標は住宅着工件数および許可件数が市場予想を上回り、設備稼働率が3年ぶりの高水準を記録するなど、総じて堅調な内容だった。これを受けて、円売り・ドル買いの流れが継続し、一時107.20円まで上昇した。しかし、その後は徐々に値を下げ、円高・ドル安方向に反転した。トランプ大統領が前日に通貨安誘導で中国とロシアを批判したことについて、ムニューシン財務長官が「通貨切り下げに関する両国に対する警告射撃だ」と説明し、ドル高けん制とも受け止められる発言を繰り返したことが意識された。また、シカゴ連銀のエバンズ総裁が講演で、一段と緩やかな利上げを支持したこともドル売りを促した。しかし、それでもドル円は106.85円まで下げただけにとどまり、きわめて小さい値動きに終始した。為替や通商、外交問題などが山積する日米首脳会談の行方に注目が集まっており、その結果が出るまでは動きづらい状況にある。一方、ユーロとポンドは対ドルで下落。ただし、中東情勢の緊張や米中通商摩擦を背景にドルに対する慎重な見方は払拭されていない。トランプ大統領は前日に「米国が利上げを継続する中、ロシアと中国は通貨切り下げゲームに興じている。これは容認できない」とツイッターに投稿している。ムニューシン財務長官は、「中国は過去に通貨人民元を切り下げたが、米中首脳会談が実現した昨年以降、外貨準備を活用して人民元を買い支えた」と指摘。さらに、「トランプ大統領は中国が方針を変えないよう確認する意向で、注視している」とした。米財務省は13日に、主要貿易相手国の為替政策を分析・評価した報告書を発表した。中国や日本など6カ国について、輸出で有利になる通貨安誘導を講じないよう「監視国」に指定。ただし、通貨安誘導を行い、制裁検討の対象となる「為替操作国」の認定はなかった。市場では、トランプ大統領の発言はドルの軟化を容認するものと受け止められており、ドルは上昇しづらい状況が続いている。ただし、ユーロドルは小幅に下落している。ドイツの欧州経済センター(ZEW)が発表した4月の景気期待指数がマイナス8.2と、12年11月以来の低水準となったことがユーロの売りにつながった。ポンドドルも小幅に下落。英国立統計局(ONS)の統計で、失業率は1975年以来の水準に低下したものの、賃金の伸びがインフレ率を下回っていることが確認されたことが嫌気された。一方、香港金融管理局(HKMA、中央銀行に相当)は17日に再び為替介入を実施。57億7000万香港ドル(7億3500万米ドル相当)を買い入れた。香港ドルは当局が設定した取引レンジの下限を度々下回っている。香港ドルは米ドルにペッグしており、7.75~7.85香港ドルのレンジ内での変動が可能となっている。

【通貨トレード戦略】
ドル円はショートを維持。下落余地が残っており、不安定な動きになりやすい。日本株が下げ渋っており、上昇に転じてもおかしくないが、一方で米国株高の背景がドル安となっている面があり、こうなるとドル円は下げやすくなる。基調まだ下向きであり、明確に上向きには少なくとも終値で107.50円を超えることを確認することが不可欠であろう。もっとも、106.50円を維持しているうちは、上昇に転じる余地は残ることになる。その可能性を見ていくことになるが、いまは外部要因の材料が多く、短期間かつ狭いレンジで変動しやすい。これに振り回されると損失が膨らむ可能性がある。そのため、細かい動きに対処するのではなく、少し長め・大きめの動きを想定して市場動向を見ていくのが良いだろう。繰り返すように、為替は今年の国際金融筋のテーマであり、トランプ政権の最大の関心事でもある。これを理解しておくべきである。常にドル安・円高のリスクだけは念頭に入れておきたい。また、ドルは戻しても108.80円が重くなろう。さらに上げても、110円台を超えていくのはかなり難しい状況にある。米企業の業績発表が本格化し、市場の関心がそちらに向かえば、米国株に買いが戻り、ドル高になる可能性はある。しかし、米国が株高を維持するためにもドル安にする必要があることを考慮すれば、過度な期待はできない。さらに、これまで指摘してきたように、原油高が鮮明になればインフレ懸念が高まり、ドル安を誘発することになる。金利も上昇するだろうが、一方で実質金利が下がりやすくなる。結果としてドルが上がりづらくなる可能性が高まることになる。国際金融筋は原油高にもっていこうとしている。そうなれば、意図したインフレになる。そうなると、ドル安になる可能性が高まることになる。この点には注意が必要である。日米実質金利差から見た理論値の113円であり、いまのドル円の水準はまだ相当安い。いずれ修正は入るだろう。まずは、4月の弱気シナリオのレンジ下限である108.94円を超えるかを確認することになろう。これまでの為替相場は政治要因で動いてきた。今後もそのような状況は続くだろう。それでも、ユーロも含めてドルは対主要通貨でかなり下げた。今年はドル安の見方が多かったこともあり、かなり織り込まれている感がある。その意味でも、ドルは今後下げにくくなる可能性は十分にある。ただし、繰り返すように、「為替は、表面上は金利で動き、大局的には政治で動く」というセオリーがある。これだけは常に忘れないようにしたい。

ユーロ円はロングを継続。ただし、買われすぎになっており、さらに133円で打たれている。これで132.40円を割り込めば、手仕舞い売りとしたい。長期サポートは128円前後であり、これを下回るまではロング有利である。

ユーロドルはロングを継続。1.2340ドルを割り込むまでは、ロングを維持したい。長期サポートは1.1650ドル前後であり、それまではロング有利である。欧米実質金利差からみたドル円の理論値は、計測期間が短期の場合は1.14ドル、長期の場合で1.21ドルである。ユーロも割高である。

ポンド円はロング。ただし、早速崩れだそうとしている。153円を割り込み、さらに152円を割り込めば、その時点で手仕舞いし、ショートを検討したい。長期ポイントが152円であり、これを基準にしておきたい。

ポンドドルはロングを維持。ただし、上値が重くなっており、1.4270ドルを割り込んだ場合には、利益確定を行いたい。長期トレンドは1.3875ドルに位置しており、これを維持しているうちはロングが有利である。

豪ドル円は新規でショート。下落に向かう可能性が少し高まった。まずはショートで様子を見たい。下げ余地も大きい。長期レジスタンスは86円前後であり、そこまでは戻り売り有利であり、引き続き売りのタイミングをみておきたい。

豪ドル/米ドルはショートを維持。上値が重いため、下げに転じるのを待ちたい。0.78ドルを超えるまでは維持したい。基本的には長期トレンドの0.78ドルを超えるまでは基本は売り姿勢である。0.7650ドルを割り込むと下げが加速しやすいが、下値を確認したようにも見える。まずは0.78ドルを超えるかを確認したい。

南アランド/円はロングを維持。8.75円を割り込むまでは維持したい。8.95円を超えると上昇しやすい。長期トレンドは8.6円。

【ドル円:2018年の想定レンジ】
強気シナリオ110.55円~126.40円(18年末124.25円)/弱気シナリオ100.60円~114.90円(18年末103.00円)

【ドル円:4月の想定レンジ】
強気シナリオ113.09円~118.65円/弱気シナリオ108.94円~114.07円

【ユーロ円:2018年の想定レンジ】
強気シナリオ132.05円~147.00円(18年末145.90円)/弱気シナリオ119.45円~136.80円(18年末121.55円)

【ユーロ円:4月の想定レンジ】
強気シナリオ133.03円~139.84円/弱気シナリオ128.48円~133.24円

【ユーロドル:2018年の想定レンジ】
強気シナリオ1.1750ドル~1.3125ドル(18年末1.2970ドル)/弱気シナリオ1.1595ドル~1.2175ドル(18年末1.1210ドル)

【ユーロドル:4月の想定レンジ】
強気シナリオ1.1886ドル~1.2301ドル/弱気シナリオ1.1443ドル~1.1865ドル

【ポンド円:2018年の想定レンジ】
強気シナリオ148.85円~166.75円(18年末165.15円)/弱気シナリオ132.40円~154.60円(18年末134.00円)

【ポンド円:4月の想定レンジ】
強気シナリオ151.30円~157.71円/弱気シナリオ145.13円~151.19円

【ポンドドル:2018年の想定レンジ】
強気シナリオ1.3225ドル~1.4710ドル(18年末1.4525ドル)/弱気シナリオ1.2390ドル~1.3665ドル(18年末1.2595ドル)

【ポンドドル:4月の想定レンジ】
強気シナリオ1.3335ドル~1.3794ドル/弱気シナリオ1.2995ドル~1.3443ドル

【豪ドル円:2018年の想定レンジ】
強気シナリオ86.20円~98.30円(18年末97.15円)/弱気シナリオ77.40円~89.90円(18年末81.05円)

【豪ドル円:4月の想定レンジ】
強気シナリオ88.99円~93.52円/弱気シナリオ85.40円~89.79円

【豪ドル/米ドル:2018年の想定レンジ】
強気シナリオ0.7665ドル~0.8765ドル(18年末0.8650ドル)/弱気シナリオ0.7060ドル~0.7930ドル(18年末0.7200ドル)

【豪ドル/米ドル:4月の想定レンジ】
強気シナリオ0.7894ドル~0.8240ドル/弱気シナリオ0.7565ドル~0.7860ドル

〔COMMODITY MARKET〕
【貴金属市場の市況解説・分析】
金相場は上昇。ドル高が進んだことで割高感が出たものの、堅調さを維持している。米国株が上昇し、投資家のリスク志向が高まる中でも金相場は堅調さを維持している。シリア情勢の緊張や米中貿易摩擦、さらに日米首脳会談の結果を待ちたいとの動きもあるのだろう。投資家がすぐに金を手放す状況にはないことが、金相場を支えているといえる。一方で米国債のイールドカーブのフラット化が進んでいる。トランプ大統領がFRB副議長にリチャード・クラリダ米コロンビア大教授を指名すると発表したことで、利上げに前向きなタカ派がFRB関係者の中で増えるとの見方が浮上したことは、金相場にはネガティブ要因である。しかし、イールドカーブのフラット化は、インフレ指標の高まりが背景であり、これは金相場にはポジティブととらえられる。今後FRBが利上げを実施する一方で、マクロ経済見通しが堅調であれば、インフレ懸念がさらに強まることで、インフレヘッジへの着目から金が買われる可能性が高いといえる。

【貴金属のトレード戦略】
金、銀、プラチナ、パラジウムはロングを継続。基本方針は変わらない。インフレ指標の高まりもあり、今後は金相場への注目度は高まろう。金利上昇懸念もあるが、いまは金利上昇が金相場の重石にはなりづらい状況でもある。投資家はシリア情勢など地政学的リスクにも警戒しており、買いが入りやすい地合いは変わらない。とはいえ、繰り返すように、地政学的リスクは本質的な材料ではない。今後も不意の株安に備えて、金は常に保有しておくだけである。いまの市場構造がどうなっているのか、一般の市場参加者の大半がわかっていないが、われわれは理解している。それでも保有することに意味がある。さらに、指摘してきたように、インフレの可能性高まっている。これは操作のしようがない。原油を上げようとしており、こうなるとインフレになりやすくなり、結果的に実質金利が低下することから、金への資金シフトが進みやすくなる。その意味でも金は保有しておかなければならない。いまの状況であれば、金を保有しておくべきと考える投資家が増えざるを得ない。金を保有しておきたいと考えるのは投資家だけでなく、国レベルでも同じである。金はアッパークラスからみれば、依然として現金と同等の扱いである。むしろ、現金よりも安全と考えている節さえある。通貨は紙くずになる可能性がある。しかし、金にはそのリスクがない。これは世界の政府レベルの常識である。仮想通貨(暗号通貨)はその扱いにはなり得ない。結局のところ、金は常に保有しておくべきである。

繰り返しで恐縮だが、金を保有しておけば、資産全体を守ることができる。今後も米国株が不安定な状況は続く可能性があり、株価下落に対するヘッジとして金を買っておくことはやはり重要である。株式を買うときに同時に金も買う。これがセオリーである。金を持っておくと安心感がある。4月以降の金相場は季節的に上げやすいため、これも金相場を支える可能性がある。4月の強気シナリオのレンジ内で推移していることからも、今の金相場の堅調さが確認できるだろう。いずれにしても、金に対する見方や考え方、取り組み方を変えずに、粛々と今後も下押す場面があれば買いを入れていきたい。今後は徐々にインフレが意識されることになると考えている。この点からも金は上昇に向かうと見ている。金には利子が付かないため、金への投資は意味がないとの見方もあるが、保有しておくことで投資判断のうえで心理的な安心感を得ることができる。また、インフレになれば、保有している方がむしろ有利である。資産の15%は金で保有しておきたい。重要なことは、表面上の長期金利ではなく、インフレ率を含めた実質金利である。実質金利が上昇しなければ、金相場は下がらない。長期的に実質金利は低下し続けている。これが上昇するようであれば、その時点で金投資を考え直せばよい。徐々にインフレになっていくと考えているが、これは金の買い材料である。また、株安に備える上でも金は常に保有しておきたい。すべての資金を株式につぎ込んでいると、株価の下落には耐えられない。新刊「米国株は3倍になる!」でも紹介しているようなポートフォリオを組んでいれば、今回の下げでも全く慌てる必要がない。金を保有することが、いかに心理的な安心感をもたらすかを理解しておきたい。利子はつかないが、それを大前提として保有する。これが肝要である。金を保有することで、冷静な投資判断ができる。これも重要なポイントである。毎度の繰り返しで恐縮だが、これが金を保有する上での重要な考えである。世界のどの国も金を必要としている。金があれば何でもできる。仮想通貨(暗号資産)ではこれはできない。ちなみに、ビットコインなどの暗号資産は今後「相場としての魅力」は低下していくことになろう。

「米国株30%、米国長期債55%、金15%」のポートフォリオは、リーマンショック級の下げが来ても、直近の資産価値のピークから減少は最大で2割減で済む。実際には、米国株を40%から45%程度に少し増やして、もう少しリスクを取ってもよいだろう。ただし、50%以上は危険である。また、米国株を増やす分は米国長期債を減らせばよいだろう。イメージとしては、米国株4割から最大5割、米国長期債をその分減らすイメージである。今後は金利が上昇するため、債券はあまり保有しないほうが良い。もっとも、リーマンショックでは、株式だけに投資した場合には、資産が半減しているのだから、このポートフォリオは長期的に資産を守りつつも増やすうえでは「鉄壁」かつ「完璧」に近いといえる。ただし、金利は今後上昇するため、上記のポートフォリオの構築のポイントは、債券を徐々に買うことである。これは非常に重要である。いますべてを買ってしまうと、評価損が大きくなることは目に見えている。徐々に買っていくことが肝要である。繰り返すように、長期的には金利が上昇基調へ転換している可能性が高い。1954年からの金利上昇は1981年までつづいたが、この間に起きたことはインフレである。結果的に、金相場はそれまでの固定相場の35ドルから、1980年には850ドルまで上昇している。金利の上昇は、景気の拡大・株価の上昇、そしてインフレが背景にあった。今回も長期的な金利上昇局面に入ったとすれば、それは株高・インフレへの転換を意味する。金利上昇はあくまで起きている事象の結果であり、先行指標ではない。したがって、まずは金利動向を見るのではなく、株式やコモディティなどのリスク資産などの投資対象資産の価格変動を見ることが先決である。金利上昇と騒いでいる向きは、市場の本質を理解していないことを自ら認めているようなものである。

金に話を戻すと、基本はドル安傾向であり、さらに原油高などコモディティ相場の堅調さを確認することになろう。毎度のことで繰り返し恐縮だが、金の位置づけはトレーディングの対象ではない。あくまでリスク資産である株式のヘッジである。金については常に保有するというスタンスが肝要である。資産保全としての金の位置づけを重視すべきである。株価が上昇しても、そちらに資金をシフトしようなどと考えずに、株式のヘッジとして金を手放さないことが肝要である。これができないと、長期的な資産形成はできない。金は資産として持つことが肝要である。利子はつかないが、資産保全には金が一番である。米国の減税は経済に非常に恩恵をもたらし、株価の上昇が期待されている。一方で財政悪化によりドルが売られることになる。さらに現在のインフレ率であれば、FRBが目論む年3回の利上げも困難になる可能性もある。秋には米中間選挙も控えている。したがって、市場金利が急騰しない限り、金相場の堅調さは続くとみている。ただし、想定しているインフレになれば、利上げが4回になる可能性もある。この点は常に注視しておきたい。一方、現物市場ではインドや中国などは下押しの場面で買ってくるだろう。今年はまだまだ上昇余地がある。最終的には1500ドル台にまで上げても全く不思議ではない。2019年までに大相場には発展するだろう。スイスのプライベートバンクは、顧客である富裕層に最低でも資産の5%相当の金を保有することを勧めている。彼らが長年生き残っている所以である。ただし、保有比率は10%ではなく、むしろ15%程度にすべきであると考えている。常に金を保有して危機に備えておくのが、金に対する基本的な考え方である。保有コストを下げるためには上値を買わずに、下げたところを買い、じっくりと上昇を待ちたいところである。

結局のところ、どの国も「金が欲しい」のである。これは米国も同じである。資金がない。金を持つことが、最大の資産保全であり、最も安全な通貨を持つことになるわけである。

【ドル建て金価格:2018年の想定レンジ】
強気シナリオ1270ドル~1517ドル(18年末1475ドル)/弱気シナリオ1187ドル~1338ドル(18年末1210ドル)

【ドル建て金価格:4月の想定レンジ】
強気シナリオ1319ドル~1403ドル/弱気シナリオ1236ドル~1295ドル

【円建て金価格:2018年の想定レンジ】
強気シナリオ4564円~5356円(18年末5232円)/弱気シナリオ4051円~4877円(18年末4192円)

【円建て金価格:4月の想定レンジ】
強気シナリオ4691円~49320/弱気シナリオ4548円~4788円

【ドル建てプラチナ価格:2018年の想定レンジ】
強気シナリオ900ドル~1134ドル(18年末1092ドル)/弱気シナリオ768ドル~1011ドル(18年末804ドル)

【ドル建てプラチナ価格:4月の想定レンジ】
強気シナリオ962ドル~1057ドル/弱気シナリオ927ドル~999ドル

【ドル建てパラジウム価格:2018年の想定レンジ】
強気シナリオ1032ドル~1365ドル(18年末1331ドル)/弱気シナリオ854ドル~1148ドル(18年末884ドル)

【ドル建てパラジウム価格:4月の想定レンジ】
強気シナリオ1155ドル~1223ドル/弱気シナリオ1011ドル~1119ドル

【非鉄市場の市況解説・分析】
非鉄市場は総じて堅調。LME在庫は亜鉛が減少したが、それ以外が増加した。アルミはさらに続伸し、2400ドルを超えてきた。6年ぶりの高値を付けている。ノルウェーのアルミ大手ノルスク・ハイドロは、米国による対ロシア追加制裁の影響と同社のブラジルでの生産減により、世界のアルミ市場は供給不足に直面する可能性があるとの見方を示している。週末にかけて同社はブラジルのアルブラス工場での生産を半減させた。生産減は事前に通知しており、アルミナを供給する近郊のアルノルテ精製所における問題が理由としている。また、この動きを自動車メーカーが特に懸念しているもようである。アルミ相場は、米国のロシアへの追加制裁でロシア・ルサールが対象となったことを受けて、供給懸念が台頭し、上昇基調にある。特にアルミナが不足しているもようであり、ルサールがすぐに新たな市場を見つけることができなければ、アルミ地金も供給不足になるとみられている。銅は小動きで、6950ドルが重い状況は変わらない。ニッケルは続伸し、堅調さを維持。鉛・亜鉛も堅調で、続伸している。

中国国家統計局(NBS)は米国との貿易摩擦により、中国経済の安定した発展が変わることは無いだろうとの見方を示している。18年第1四半期の経済成長率が前年比6.8%増になったと発表。第1四半期は消費者需要が旺盛だったほか、住宅値上がり抑制策が継続される中でも不動産投資が予想外に堅調だった。第1四半期GDPは前期比では1.4%増加。予想は1.5%増だった。17年第4四半期は1.6%増に改定された。政府は今年の成長目標を6.5%程度としている。また中国の3月の鉄鋼生産は前年同月比4.5%増の7398万トンになった。大気汚染を抑制するための冬季の生産制限が同月半ばに解除され、生産量が増えた。一日当たりの平均生産量は239万トンで、昨年9月以降で最高水準だった。1~3月期の生産量は前年同期比5.4%増の2億1215万トンだった。アルミ生産量は前年同月比4%増の278万トンで、新たな精錬設備による生産が大気汚染対策として既存設備に課された生産制限の影響を上回った。1~3月期の生産量は前年同期比0.3%増の812万トンだった。生産施設の多い北部では冬の暖房シーズンに政府から30%超の生産削減が指示されたことで、3月15日までフル稼働が認められていなかった。ただし、アルミ相場が3月に下落したことや、生産再開の手続きが煩雑で費用もかかることから、業者が直ちに増産する可能性は低いとみられている。さらに、内モンゴルや広西チワン族自治区で国有企業による生産能力が追加されているもよう。一方、3月の石炭生産量は2億9000万トンと、17年10月以来の低水準となった。価格下落を受けた格好である。前年同月比では1.3%増、1~3月期では8億0450万トンと、前年同期比3.9%増だった。一方、1~3月の不動産投資は前年同期比10.4%増と、3年ぶりの大幅な伸びとなった。不動産投資の伸びは1~2月の9.9%から加速し、前年同期の9.1%も上回った。3月の小売売上高は前年比10.1%増と堅調。1~2月は9.7%増だった。3月は化粧品や衣類、家具、家電にいたるあらゆる項目の売り上げが伸び、小売売上高の伸びは4カ月ぶりの高水準だった。1~3月の固定資産投資は前年同期比7.5%増と、市場予想の7.6%増を下回った。1~2月は前年比7.9%増だった。1~3月の民間部門の固定資産投資は8.9%増で、1~2月の8.1%増から伸びが加速した。中国では民間の投資が全体の約60%を占めている。3月の鉱工業生産は前年比6.0%増で、7カ月ぶりの低い伸びとなった。1~2月は7.2%増だった。

【非鉄のトレード戦略】
アルミ、銅、ニッケル・亜鉛、鉛はロングを継続。基本的な考え方は変わらない。アルミは再び高値を更新。いまの材料が相当重視されているのだろう。それだけ供給のひっ迫感が強いといえる。ロシア問題の背景は根深い。この上昇は現物市場主導であり、これがコモディティの怖さでもあり、すごさでもある。現物需給がひっ迫すれば、このような上げになる。それをとらえることができれば、非常に面白い。もっとも、非鉄相場全体がしっかりとした形で上昇するには、金融市場の安定は不可欠な条件になる。米朝首脳会談までは不安定な動きになるかもしれないが、その後は再び上昇に向かうだろう。一方、ニッケルは堅調である。電気自動車向けのバッテリー需要はかなり堅調であり、需給面はしっかりしている。世界経済の拡大基調は19年半ばから20年ごろまで続くとの見方は変わらないが、米国を中心に経済指標なども慎重に見ていきたい。株価が先にピークアウトし、コモディティがその半年から1年後にピークアウトする。したがって、株価が崩れれば、非鉄相場も必然的にピークアウトすることになる。非鉄相場のこれまでの上昇の決定的な要因は需給ひっ迫である。これが上昇基調の継続につながり、20年ごろまで続くとみているが、世界景気が崩れれば、その限りではない。この点は間違えてはいけないだろう。一方、自動車のEV化の動きに伴う需要増が今後もテーマになるだろう。中国が新エネルギー車(NEV)の購入免税を20年末まで延長すると発表するなど、今後は世界的にEV化が加速する。これは非鉄金属市場にとって、非常に大きなテーマであり、恩恵がある。アルミや銅は、EV化で車一台当たりの使用量が今よりも増加する。自動車販売台数が拡大する限り、需要は増えることになる。この点は、長期的には期待できる材料である。

*LME=LONDON METAL EXCHANGE(ロンドン金属取引所)
*取引所の指定倉庫の在庫はロケーションごとに毎日発表されている。

【アルミ価格:2018年の想定レンジ】
強気シナリオ2205ドル~2657ドル(18年末2619ドル)/弱気シナリオ1928ドル~2320ドル(18年末1973ドル)

【アルミ価格:4月の想定レンジ】
強気シナリオ2297ドル~2464ドル/弱気シナリオ2138ドル~2262ドル

【銅価格:2018年の想定レンジ】
強気シナリオ6915ドル~9261ドル(18年末9059ドル)/弱気シナリオ6024ドル~7394ドル(18年末6150ドル)

【銅価格:4月の想定レンジ】
強気シナリオ7423ドル~8170ドル/弱気シナリオ6864ドル~7293ドル

【エネルギー市場の市況解説・分析】
原油は反発。前週に約3年ぶり高値を付けた後の利益確定売りが出たものの、供給懸念や米国株高が相場を支えた。米英仏が前週末にシリア軍事攻撃を行い、中東産原油の継続的な調達への警戒感が高まった。これらの懸念がトランプ政権によるイラン経済制裁の再発動の可能性や、厳しい情勢にあるベネズエラの産油量の減少に絡んだ既存の供給不安につながっている。また、イラン核合意の先行き不透明感は、トランプ大統領が修正期限に設定した5月12日まで原油相場を支え続ける可能性もある。米石油協会(API)が公表した13日までの週の米国内の原油在庫は前週比100万バレル減の4億2800万バレルとなった。クッシングの原油在庫も100万減だった。製油所の原油処理量は日量3万5000バレル減少。ガソリン在庫は250万バレル減、ディスティレート在庫は85万4000バレル減だった。原油輸入量は日量64万4000バレル減の790万バレルだった。一方、米エネルギー情報局(EIA)は、5月のシェールオイル生産量は前月比12万5000バレル増の日量700万バレルになるとの見通しを示した。増加は4カ月連続となる見込み。テキサス州西部とニューメキシコ州にまたがるパーミアン盆地での生産量が過去最高を記録し、全体を押し上げるとしている。パーミアン盆地の生産量予想は7万3000バレル増の日量320万バレルで、統計開始の07年以降で最高となる見通し。バッケンは1万5000バレル増の日量120万バレルと、15年7月以来の高水準の見込み。イーグルフォードは2万4000バレル増の同130万バレルで、16年5月以来の高水準になる見通し。

中国の3月の原油精製量は日量1213万バレルで過去最高を更新。同国政府の十分な輸入割当量と、製油マージンの安定が背景にある。1~2月の原油精製量は日量1156万バレルで、前年同月は1119万バレルだった。中国は18年の原油輸入割り当てを1億2130万トンとしている。大半が独立系石油会社に割り当てられた。17年の独立系石油会社への割り当ては9320万トンだった。ただし、原油精製量は今後、製油所のメンテナンス期入りにより、減少すると見込まれている。

【エネルギーのトレード戦略】
WTI原油・ブレント原油はロングを継続。基本方針は全く変わらない。いまは短期的な買われすぎ感の調整期間であり、すぐには上昇しない可能性が高い。それでも、日柄調整後は再び上向くだろう。これからガソリン需要期に向かう。原油相場が最も上昇しやすい季節になる。その動きをとらえる形で、いずれ堅調さを取り戻すだろう。繰り返すように、60ドル以下では生産活動の維持はできない。それだけを理解しておけば、それで十分である。一方、市場ではシリア情勢などの地政学的リスクが材料視されているようだが、これは本質的な材料ではない。原油相場を上げさせたい向きが上手く利用している。その意味では、彼らの戦略は成功である。一方で、重要なのは原油需給のひっ迫感である。これは本質的な材料である。このファンダメンタルズの事実は、原油価格の上昇を後押しするのに十分な材料である。需給は引き続きタイトであり、今後はさらにその傾向が強まることになる。いまの水準はまだ安いとの判断は変わらない。市場参加者が米国の石油在庫のひっ迫を正しく理解できれば、上昇に向かうだろう。米国内の石油製品在庫は需要に対して18日分しかない。これは過去10年で3番目に少ない水準である。また、需要の水準自体は過去10年で最も多い。石油需要は増えている。自動車のハイブリッド化にも関係なく、ガソリン需要は増えている。この点を市場参加者の多くが理解していない。これから北半球ではガソリン需要期に向けた動きに入るため、原油相場が上昇しやすい季節になる。株安の動きには注意が必要だが、これも政治的な動きの結果であり、いずれ落ち着くだろう。景気悪化から石油需要の減退リスクを意識する向きが増える可能性があるが、これもミスリードということになるだろう。最終的には原油のファンダメンタルズが重視されることになる。基本的な上昇基調は続くだろう。一方で60ドルを割り込めば、生産者は苦しくなる。結局下値は限られることになる。繰り返すように、いまのWTI原油の適正レンジは65ドルから75ドルであり、60ドル前後はかなり安い。コモディティには生産コストがある。これ以下では長期的に推移できない。生産者が必要とする価格水準が最低でも60ドルである。これがすべてを意味している。

原油市場を投機筋のポジションで解説する向きがあるが、これも本質をとらえていない。もちろん、全く無視はできないが、それだけで市場動向は説明できない。いまの原油先物市場では、投機筋の買い越しは歴史的高水準である。こうなれば、「買われすぎで下げていく」との解説になる。しかし、実際には原油相場は上げ続けている。ポジション需給で説明ができない好例である。このような過ちを犯すのは、いつも金融市場関係者である。なぜなら、彼らは現物需給を分析できないからである。彼らが言うところの需給とは、ポジションの需給である。現物の需給ではない。ここがすでに素人である。需給といえば、コモディティ市場では現物市場の動向を意味する。まさに実態であり、実物である。株式や先物などのペーパー市場ではない。より深い話をすれば、先物市場で買っているのは、投機筋だけではない。大手のヘッジファンドは先物市場で売買しないところもある。例えば、業者であるブローカー(証券会社や先物の取次会社)とペーパー取引で仕切り、そのヘッジが業者であるブローカー経由で市場に出てくる。この場合、ポジションはすべてが出てくるわけではない。しかし、実態ではより多くの買いポジションが積み上がっている。だからこそ、相場が上げていくのである。表面上の先物市場での買い越し幅は、あくまで全体のポジションの一部でしかない。金融市場関係者が考えている以上に、原油市場は壮大である。

さて、4月の強気シナリオのレンジ下限は61.39ドルである。目先はこの水準を下値のめどにしておけばよい。レンジ上限は70.91ドルと、70ドル台に入ってきた。とうとう大台を視野に入れていくことになる。米シェールオイル企業の生産コストは以前に比べて低下しているようだが、調査によると、60ドル以下では厳しいとの回答が圧倒的である。まして、いまの水準では中東などの主要産油国は財政悪化状態が続くことになる。米国内の石油掘削リグ稼働数は増加傾向にあるが、このようなトレンドは今後維持不可能となろう。あとは、OPEC加盟・非加盟国による協調減産が19年以降も継続されるのかを注視したい。また、サウジやロシアが来年以降の長期的な枠組みについて検討し始めている点も大きな材料である。いずれにしても、原油相場が60ドル以下になれば、世界のどの生産者もやっていけなくなる。結局、減産は維持され、原油相場の一段の押し上げを行うしかない。世界の原油在庫の調整が進んでいるが、原油相場が本格的に下げるケースは、世界の景気後退による石油需要の低下が顕著になったときであろう。それでも、そうなれば生産者が生産を続けられなくなり、結局は下げ止まるだろう。世界景気の拡大による石油需要の増加とOPEC減産で需給バランスの改善は着実に進んでいる。いまの調整場面をこなせば、再び上昇に向かうことになる。また、WTI原油先物の22年までの先物価格は生産コストと言われる55ドル以下で推移しており、むしろ50ドルに近い水準で低迷している。これでは売却価格がコストを下回ることになり、採算が合わない。その結果、先物売りが抑制される一方で生産の伸びも鈍化せざるを得ないのである。結果的に需給バランスの改善が進み、WTI原油はいずれ75ドルまで上げていくだろう。現在の原油相場の水準では、主要産油国は継続的な国家財政の運営ができない。結局のところ、現在のような安値の状況は長続きしないことになる。むしりより高い水準が必要であり、その水準を求めて相場は徐々に値を戻していくだろう。

【WTI原油価格:2018年の想定レンジ】
強気シナリオ56.15ドル~79.19ドル(18年末75.78ドル)/弱気シナリオ39.96ドル~63.92ドル(18年末42.89ドル)

【WTI原油価格:4月の想定レンジ】
強気シナリオ61.39ドル~70.91ドル/弱気シナリオ55.09ドル~60.79ドル

◇グローバルマクロ戦略について

本メルマガでご紹介する投資戦略は、ヘッジファンド業界では「グローバルマクロ戦略」のカテゴリーに属します。
これは、世界のヘッジファンドのもっとも得意とする手法で、いわゆるヘッジファンド運用の「王道」です。
この戦略では、あらゆる市場に目を配り、投資機会を探しながら収益の獲得を狙います。
市場価格の上昇・下落に関係なく、価格の変動が見込まれれば、それにベットする(賭ける)戦略です。
ボラティリティが高いほど収益が見込まれますので、投資機会があれば果敢に攻めます。

世界情勢が不透明な中、為替や株式、金利、コモディティなど主要市場の価格変動は一段と大きくなっています。
そのため、それぞれの市場の予測がきわめて困難になっています。

このような市場環境では、マクロ的な見地からより幅広い市場で運用を行う「グローバルマクロ戦略」が有利です。
もちろん、個々の市場でも十分に戦えるように、具体的な取引タイミングも示していく所存です。

「ヘッジファンド戦略の王道」である「グローバルマクロ戦略」で、共に市場で戦いましょう。

◆お知らせ
日経225オプションのトレード戦略に関するメルマガを配信しております。
「江守哲の225オプション リアルトレーディング」です。
 ご興味のある方は、ぜひご購読ください。
http://fx-on.com/email/detail/?id=8592


*セミナー予定

4月21日(土)モーニングスターさま・マネックス証券さま共催セミナー(東京)

4月22日(日)投資フェス(大阪)
http://www.okazaki-ryosuke.com/markets-fes

4月28日(土)カネツ商事・カネツFX証券さまセミナー(福岡)
http://www.kanetsufx.co.jp/event/sp/180428.htm

5月4日(金)マネックス証券さま・米雇用統計セミナー(WEB)
https://info.monex.co.jp/news/2018/20180402_02.html

5月12日(土)豊商事さまセミナー(福岡)
http://www.yutaka24.jp/?url=/seminars

5月18日(木)マネックス証券さまセミナー(名古屋)

5月19日(土)豊商事さまセミナー(岐阜)
http://www.yutaka24.jp/?url=/seminars

5月26日(土)豊商事さまセミナー(神戸)
http://www.yutaka24.jp/?url=/seminars

6月1日(金)マネックス証券さま・米雇用統計セミナー(WEB)
https://info.monex.co.jp/news/2018/20180402_02.html

6月6日(水)サンワード貿易さまセミナー(東京)

6月9日(土)日本セキュリティーズさまセミナー(東京)
http://www.nihon-fs.co.jp/seminar/seminars/20180609_tokyo

6月16日(土)豊商事さまセミナー(大阪)

7月6日(金)マネックス証券さま・米雇用統計セミナー(WEB)
https://info.monex.co.jp/news/2018/20180402_02.html

7月7日(土)豊商事さまセミナー(広島)

7月14日(土)豊商事さまセミナー(横浜)

7月19日(木)ひまわり証券さまセミナー(WEB)

7月28日(土)豊商事さまセミナー(金沢)

8月4日(木)豊商事さまセミナー(札幌)


(上記以外にも、個別セミナーも実施しております。ご興味がある方はお問い合わせください。)


*テレビ出演予定

4月19日(木)13:30~13:45ストックボイスTV「東京マーケットワイド」(東京MXTV)
http://www.stockvoice.jp/

4月26日(木)13:30~13:45ストックボイスTV「東京マーケットワイド」(東京MXTV)
http://www.stockvoice.jp/

5月10日(木)13:30~13:45ストックボイスTV「東京マーケットワイド」(東京MXTV)
http://www.stockvoice.jp/

5月31日(木)13:30~13:45ストックボイスTV「東京マーケットワイド」(東京MXTV)
http://www.stockvoice.jp/


*ラジオ出演予定

4月27日(金)16:00~16:20 ラジオNIKKEI「GO!GO! ジャングル・マーケット」(ゴゴジャンさま提供)
http://www.market.radionikkei.jp/gogo/

5月17日(金)18:00~18:150 ラジオNIKKEI「マーケット・トレンド」(東京商品取引所さま提供)
http://blog.radionikkei.jp/trend/

5月25日(金)16:00~16:20 ラジオNIKKEI「GO!GO! ジャングル・マーケット」(ゴゴジャンさま提供)
http://www.market.radionikkei.jp/gogo/

6月22日(金)16:00~16:20 ラジオNIKKEI「GO!GO! ジャングル・マーケット」(ゴゴジャンさま提供)
http://www.market.radionikkei.jp/gogo/


*定期寄稿スケジュール

「東洋経済オンライン」(不定期)
http://toyokeizai.net/

「マネックスメール」(第1・第3・第5金曜日)
http://lounge.monex.co.jp/pro/special1/

「マネックス証券 マネックスゴールドレポート」(毎週月曜日)
サンプル5
【4月17日のトレード戦略】日米首脳会談に注目
配信日:2018年04月17日 08時28分
おはようございます。
本日もよろしくお願いいたします。

メルマガは毎朝8時30分前後をめどに配信しています。
8時45分を過ぎても届かない場合には、お手数ですがご連絡ください。

連絡方法は「リアルトレーディング・ストラテジー」のスレッドへの書き込み、または配信元であるゴゴジャン様へお願いいたします。

また、市場動向に関するお問い合わせにつきましても、「リアルトレーディング・ストラテジー」のスレッドへ書き込みいただければと思います。読者のみなさんで情報や考え方を共有しましょう。

新刊「米国株は3倍になる!」が発売されました。
市場分析や投資判断の本質を理解することができます。ぜひご購読ください。

〔EQUITY MARKET〕
【米国株・欧米債券市場の市況解説・分析】
米国株は反発。シリア情勢に対する過度な警戒感が後退する中、米企業業績への期待などを背景に買われた。米英仏は14日にシリアのアサド政権が化学兵器を使用したと断定し、首都ダマスカス近郊などの同兵器関連とされる施設3カ所を攻撃した。ただし、今回の攻撃が限定的だったことから、アサド政権の後ろ盾とされるロシアとの軍事衝突に発展するとの警戒感が和らいだことで、株式を買い戻す動きが優勢となった。また、バンク・オブ・アメリカの18年1~3月期決算では、貸出量の拡大に伴う金利収入の増加や経費削減が寄与し、純利益は前年同期比29.6%増と大きく伸びた。既に決算を発表した米金融大手3社も軒並み増益を確保しており、今後発表が相次ぐ米企業業績への期待が株価を押し上げた。3月の小売売上高が前月比0.6%増と市場予想の0.4%増を上回ったことも支援材料だった。過去3カ月マイナスが続いた小売売上高がプラスに転じたことで、米国景気の堅調さが再確認されたことも、買い安心感につながったといえる。一方、ネットフリックスの第1四半期決算は、独自コンテンツの人気を追い風に、契約者数が市場予想を上回る伸びとなった。海外での契約者数は546万人増で、アリスト予想の502万人増を上回った。全世界の契約者数も740万人増と、予想の650万人増を上回った。純利益は2億9010万ドルで、1株当たり0.64ドルとなり、前年同期の1億7820万ドルおよび1株当たり0.40ドルを上回った。総売上高も40.4%増の37億ドルだった。一方、最近の市場の安定を受けて、VIXは16.56と大きく低下してきている。

3月の米小売売上高は4945億5500万ドルと、前月比0.6%増加した。プラスは4カ月ぶり。2月は当初発表の0.1%減少から改定はなかった。前年同月比では4.5%増だった。NY連銀が発表した4月のNY州製造業景況指数は15.8と3月の22.5から低下した。6カ月先の見通しは18.3と、前月の44.1から大幅に低下した。NY連銀は現状について「企業活動は若干減速をしながらも拡大を続けている」とし、見通しについては「約2年ぶりの低水準となった」と指摘した。4月は「業況が改善した」が37.9%と前月から変わらなかったが、「悪化した」が22.1%と、前月の15.3%に増加した。

中国の習近平国家主席は、「保護貿易主義の高まりは世界経済にリスクと不透明性につながる」との見方を示した。さらに、「世界的な経済成長への新たなエンジン追求に向けた協力拡大と取り組みが双方に必要で、世界的な課題に対応するため現実的で実行可能な提案を見いだす必要がある」とした。一方、日中両政府は経済分野の課題について関係閣僚が話し合う「日中ハイレベル経済対話」を約8年ぶりに開催した。河野外相と王毅国務委員兼外相が共同議長を務め、5月に日本で開催される日中韓や日中の首脳会談に向けて、貿易や投資分野での連携推進を確認した。トランプ政権の保護主義的な通商政策を念頭に、自由貿易体制の強化が重要との認識でも一致した。日本側は、茂木経済財政担当相や世耕経済産業相、石井国土交通相らが出席し、中国側は劉昆財政相や鍾山商務相らが参加し、約3時間にわたって意見交換した。中国は鉄鋼の輸出や知的財産権問題などで米国と対立し、互いに貿易制裁を発動する状況が続いている。今回の日中対話では、米中の貿易摩擦についても意見を交換した。会合で日本側は、知的財産権の保護に関連して、外資系企業が中国で技術移転を強いられている問題などを指摘した。トランプ政権が発動した鉄鋼・アルミニウムへの輸入制限については、「過剰生産問題への中国の対応も必要だ」との考えを伝えた。中国は、ビジネス環境の整備を進めているなどと説明した。ハイレベル対話再開の背景には米国の保護主義的な通商政策があるとみられ、中国側には日本との連携で米の動きをけん制する意図もある。

一方、中国外務省の華春瑩・副報道局長は、習近平国家主席が6月中に北朝鮮を訪れる案が浮上しているという一部報道について確認を避けた上で、「われわれは北朝鮮とのハイレベル交流を維持・強化したい」などとし、早期訪朝に前向きな考えを示唆した。華氏は中朝首脳会談に触れ、「習主席は金正恩朝鮮労働党委員長に対して、相互訪問や特使の相互派遣など多様な方式を通じて日常的な連絡を維持したいと表明している」とした。

米国債は小動き。トランプ大統領がFRB副議長に、米債券運用大手PIMCOの幹部で、コロンビア大教授のリチャード・クラリダ氏を指名すると明らかにしたが、あまり材料視されていない。また、理事ポストにはカンザス州銀行監督当局のミシェル・ボウマン氏を指名すると発表した。就任には上院の承認が必要。クラリダ氏は手ピムコの幹部を兼任するエコノミストで、ブッシュ(子)政権時の02~03年に財務次官補を務めた。中道派で現実的な考え方を持つ人物とされている。クラリダ氏は昨年退任したフィッシャー氏の後任となる見通し。弁護士出身のパウエルFRB議長を補佐するエコノミストを選定していたが、クラリダ氏は経済・金融理論面で議長を支える見込みである。一方、ボウマン氏は連邦議会スタッフや国土安全保障省副次官補などを経て、カンザス州銀行監督当局の責任者に就任。地域金融機関での勤務経験のある理事枠として指名された。正副議長を含むFRB理事の定員は7席だが、現在は4つが空席となっている。トランプ政権下ではパウエル議長やクオールズ副議長が就任している。一方、この日の市場では、2年債利回りが2.394%と、08年9月以来の水準にまで上昇する場面があった。引けは2.3814%だった。10年債利回りは2.8285%で、イールドスプレッドは0.4471%にさらに縮小している。一方、2月の対米証券投資統計によると、中国の米国債保有額が1兆1770億ドルに拡大し、9カ月連続で首位を堅持した。前月は1兆1682億ドルだった。日本の保有額は1兆0590億ドルと、前月の1兆0658億ドルから減少し、01年12月以来の水準に減少した。一方、海外投資家による米財務省証券投資は431億8000万ドルの買い越しで、前月の買い越し額の83億5000万ドルから大きく拡大した。

ユーロ圏金融・債券市場は利回りが上昇。米国主導でシリア政権に対する軍事攻撃が実施されたものの、より広範な紛争に発展することはないとの観測から、リスク資産に対する需要が低下した。ユーロ圏の10年債利回りは上昇し、ドイツ10年債利回りは一時0.55%と、約3週間ぶりの高水準を付けた。引けでは0.528%となっている。また、フランス10年債、オーストリア10年債、オランダ10年債利回りも約3週間ぶりの水準に上昇した。

【米国株のトレード戦略】
ロング戦略に変更はない。シリア情勢への懸念が後退したことで、市場に安心感が出ている。しかし、いつ何時また不透明要因が飛び出すかはわからない。市場は疑心暗鬼の中で買いを入れていることだろう。とはいえ、その背景がすべて作られたシナリオ通りであることを理解していれば、ないも問題がない。一般投資家が慌てている中で売ることによる安値を拾えばよいだけである。そうやって市場は国際金融筋に動かされている。繰り返すように、今年の彼らのテーマは「株式と為替」である。特に、トランプ大統領は為替を動かして収益を上げたいとしている。為替に関する政策が多いのも、そのような背景がある。それを理解して入れば、ドルが上がりにくいことが容易に理解できる。もっとも、米国株高にはドル安が良い。今後も株価の維持を目的に、ドル安基調が続くだろう。株高は米国景気を維持するために最も重要な政策である。株高・債券高(低金利)状態を維持し、個人消費を拡大させることが、GDPの成長に直結する。このわかりやすい構造になっているのが、米国の特徴である。これを正しく理解することが、米国で起きていることさらに今後起きることを理解するうえで不可欠な要素である。トランプ大統領がロシアと中国は自国通貨を切り下げているとして非難しているのも、そのような背景がある。トランプ大統領は「米国が利上げを継続する中、ロシアと中国は通貨切り下げゲームに興じている。これは容認できない」とツイッターに投稿した。米財務省は13日に公表した半期に一度の為替報告書で、為替操作国に認定した主要貿易相手国はなかったことを明らかにしたが、中国、ドイツ、日本、韓国、スイスを引き続き為替監視対象国に指定し、インドを監視対象国リストに追加した。17年1月20日のトランプ大統領の就任以降、ドルは人民元を含む多くの通貨に対し大きく下落した。ドルはロシアルーブルに対しても、米国が先に対ロシア制裁を発表するまで下落していた。ドルは人民元に対して17年1月20日以降で8.6%下落した。対ロシアルーブルでは4.5%上昇しているが、制裁発表前までは約4%下落していた。このように、トランプ大統領がドル安により、収益を上げようとしていることは明白なのである。これを理解しておかなければならない。

ダウ平均は重要なサポートを維持しながら、徐々に下値を切り上げてきた。そろそろ上げに転じるのかもしれない。24800ドル、さらに25000ドルを超えることが、トレンド回帰には不可欠であることは言うまでもない。そのタイミングが近づいているようにも感じる。日米首脳会談で何が飛び出すかは不明だが、いずれにしても、市場が動かされていることを理解したうえで、急落しても慌てないことである。最終的には戻していく。もっとも、良好な内容の米企業の第1四半期の業績発表が続けば、投資家の資金が流入することで株価は上昇する可能性がある。そうなれば、いったんは上値を試すことになりそうである。

ハイテク大手5社を総称する「FAANG銘柄」は様々な悪材料が重なり、株価は下落していたが、第1四半期決算が市場の予想を超えるようだと買い戻される可能性が指摘されている。フェイスブック、アップル、アマゾン・ドット・コム、ネットフリックス、アルファベット傘下のグーグルのFAANG銘柄は、フェイスブックの個人情報流出問題、トランプ大統領のアマゾン批判、米中通商摩擦の深刻化などを受けて株価が大幅に下落した。フェイスブックは3月26日には2月初旬に付けた過去最高値から24%下落し、アルファベットも3月28日には1月下旬の過去最高値から18%下落した。しかし、トムソン・ロイターの調査によると、FAANGの第1四半期の前年比増益率は25.8%と、昨年第4四半期の12.4%、前年同期の12.8%を上回る見通しである。現在は悪材料がそろっており、これが上値を抑えている。しかし、第1四半期決算が出始めれば、市場の注目がFAANGの好調ぶりに移るものと思われる。トムソン・ロイター傘下のリッパーによると、4月11日までの週のハイテク株の資金動向は1億5200万ドルの流入だった。前週は6億1090万ドルの流出で、2月初旬以来で初めての流出となったが、すぐに流入に転じたことになる。

ここからは、昨日の繰り返しである。重要なポイントであり、再掲しておく。結論から言えば、今回のシリア攻撃も、シナリオ通りである。まさに「演出」通りである。米国とロシアで綿密に打ち合わせが行われたうえで、攻撃が仕掛けられている。表面上は、トランプ政権が英仏両国と連携し、シリアのアサド政権に対して武力を行使したことになっている。化学兵器使用に対する強固な姿勢を示したかにみえるが、米国はアサド政権の後ろ盾であるロシアとの衝突に発展することを恐れて決断を躊躇していたようにも見せかけていた。その結果、報道では、政権側に退避の猶予を与え、欧米の姿勢を示すだけの「象徴的攻撃」に終わったとの論調も見られる。それはそうである。市場を動かすための演出だからである。トランプ大統領は再びシリアからの米軍撤収に言及しており、今後シリアにおける米国の影響力が低下するのは避けられないとの指摘もある。実際の攻撃も限定的だった。巡航ミサイルやB1爆撃機を用いた作戦も、標的は化学兵器関連施設とみられる3カ所のみである。政権軍は米国が決断に時間をかける間に、攻撃対象になり得る施設から部隊を撤収させ、さほど大きな被害は出なかったようである。それはそうである。そうしているからである。すべてシナリオ通りである。危険が及ばないように、あらかじめ打ち合わせが行われているのだから、当然である。マティス長官は記者会見で「この攻撃はアサド政権に向けられたもので、民間人や外国人の巻き添えを回避するために努力した」と強調している。当然である。ロシアに最大限配慮したことをほのめかしたことになっているが、その通りである。目的はただ一つ、市場を動かすことである。そして、現金を稼ぐことである。CNNのサイトには、「同じ写真が使われている」との記載がある。そろそろ、演出であることがばれてきている。どうなるだろうか。これが一般市民にばれると、米ロは焦るかもしれない。そうなれば、別のやり方で市場を動かしてくるだろう。その繰り返しである。

今回の件で付け加えるとすれば、英仏の参加である。彼らにいかに武器を売るかがポイントである。武器を売って、現金を稼ぐのである。幸い、英国のメイ首相、フランスのマクロンは就任して間もない。無論、トランプ大統領もまだ一年に満たないのだが、米国は英仏に武器を売りたい。一方、英国とフランスには古い戦闘機や武器などの在庫を処分してもらい、新しい武器を買ってもらいたい。そのためには、古い武器を使う必要がある。そこでシリア攻撃をでっち上げ、古い武器を処分し、新しい武器を売りつける。そして現金を稼ぐ。よく考えられたシナリオである。米国の思惑通りに進んでいる。米シンクタンク「ユーラシア・グループ」のカプチャン会長は、「化学兵器に対する強固な姿勢を見せるための限定的攻撃だ」と分析したようである。ここには著名アナリストのイアン・ブレマー氏がいるが、彼の見通しはほとんど外れていることは、業界では有名な話である。英国のEU離脱、トランプ大統領の誕生など、最も重要なイベントで見通しを外している。真の情報を持っていないことの証左である。なぜあれだけ重宝されているのかがよくわからないが、いずれにしても、彼らは全く当てにならない。それはともかく、米軍は14年以降にシリアで過激派組織「イスラム国」(IS)掃討戦を展開し、現在は米兵約2000人がIS残党の掃討などを行っているという。しかし、トランプ大統領は3月末にシリアから米軍を撤収させる意向を唐突に表明した。直後にISの完全壊滅までは残留すると方針転換したものの、長期的にシリアに関与する意思がないことを示している。一部には、ロシアやイランの影響力の拡大を阻止し、米国の抑止力を示すにはシリアへの継続的関与が必要との指摘もある。1年に1度のミサイル攻撃では、シリアの力を後退させることはできないだろう。もっとも、米国第一主義のトランプ大統領の関心はそこにはない。「アサド政権が化学兵器使用をやめるまで攻撃を続ける用意がある」としているが、米軍が撤収すれば、ロシアとアサド政権への抑止力が低下するのは確実である。それでも良いと思っている。

いまのトランプ政権の最大の関心は北朝鮮にある。アジア体制の再構築には北朝鮮の取り込みが不可欠である。そのために、いまいろいろな打ち合わせが水面下で行われているのである。すでに解説したように、北朝鮮と米国は実務レベルの会合を開始し、すでに宴会を行うなど、関係が濃くなっている。そして、いまは中国の実務団が日本に極秘来日し、日本と米国と北朝鮮関連の打ち合わせを行っている。日本側が用意した接待係も投入されている(これ以上は文章にはできないので、ここまでにしておく)。それだけ、綿密かつ濃い打ち合わせが行われているのである。相当話が進んでいるだろう。いまは北朝鮮をどのように取り込むかを話し合っているのだが、その日本は完全に乗り遅れているという。北朝鮮は中国との演出を準備しており、何が飛び出すかがわからない状況にある。日本もこれに乗るために資金を出すと言っているのだが、安倍首相の声はあまり通じていないようである。いずれにしても、北朝鮮はあくまで小国であり、力があるわけではない。すべて「張りぼて」の国である。しかし、資源がある。これを狙っているのが米国であり中国、そしてロシアである。いまは「北朝鮮カード」をいかにインパクトがあるように見せるかに、すべての国が腐心しているわけである。そして、トランプ大統領は韓国との併合を成功させ、歴史に残る大統領として名を馳せたいわけである。そのタイミングで韓国の文大統領の提案があったのは、きわめて幸運だったといえる。朝鮮共和国なるものを設立し、中国のように本土と香港のような二国体性を作り上げるのである。政治は北朝鮮、経済は韓国といったイメージである。これを実現するために、多くの資金が必要であり、いまはそれを稼いでいるわけである。そのために、相当の準備期間をかけているのである。

今回のシリア攻撃は、6月初旬までに予定される米朝首脳会談をにらんだ判断もあったとみられている。トランプ大統領は北朝鮮の核問題解決に向けて「あらゆる選択肢が机上にある」として、軍事力行使も排除しない構えを見せてきた。今回の攻撃で、その発言の「真剣さ」を改めて示したといえる。しかし、これもあくまでポーズであり、真意はそこにはない。これもマスコミが誤った認識を持っていることの証左である。トランプ大統領は、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が非核化に言及したため、首脳会談の要請を受け入れたことになっている。その一方で、表向きは「当面は最大限の圧力を維持する」と強調し、非核化が明確になるまでは圧力を緩めない方針を明確にしている。こういう風にしておけば、市場は不安定なままである。一方、金委員長が米国との対話路線に転じたのは、米国の強硬姿勢があったからだとみられている。これはある意味では本当であろう。それもあり、米国はシリア攻撃で軍事的選択肢が単なる脅しではないことを示し、北朝鮮との交渉を優位に進める狙いがあると解釈できる。トランプ政権では、北朝鮮への先制攻撃論を唱えたボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)が9日に就任した。いよいよ北朝鮮との交渉が本格化する。対話を受け入れる一方で圧力をかけ続け、米朝首脳会談に向けて硬軟両様で臨むという姿勢を「表向き」は見せることが可能になったのである。しかし、すでに解説しているように、米朝の実務レベルは宴会を済ませている。話はできているのだろう。いや、まだかもしれないが、少なくとも何かしらの進展があることだけは確かであろう。トランプ大統領による「歴史的な合意」の成就にまた一歩近づいたわけである。

このように、米中貿易戦争であろうが、シリア情勢であろうが、さらに北朝鮮情勢であろうが、結局は市場を動かすための材料でしかなく、何も本質は変わらない。繰り返すように、今回の外交の最大のクライマックスは「米朝首脳会談」である。6月にもずれ込む可能性が出てきたが、着実に事が進んでいる。この交渉では、米国は失敗できない。中間選挙もある。トランプ大統領が大きな成果を示すには、これを成功させることが最もわかりやすい。そのため、相当用意周到に事が進められていることは容易に理解できる。無論、中国やロシアも北朝鮮管理の主導権を握ろうとしている。北朝鮮の出方が見えないだけに、米中ロは頭を悩ませている。しかし、実務レベルでは米国は一歩リードし、そこに中国が加わってきている。日本は完全に出遅れている。拉致問題を解決し、それを引退の花道にしたい安倍首相は、相当焦っている。まして、国内では森友問題から今度は加計問題に移行している。悩ましい話が目前で行われているのだが、それどころではないのが実態である。安倍首相はすでに進退伺を提出したようだが、それを17日からの日米首脳会談で米国側と話し合うようである。また、トランプ大統領との密約の調整も行う必要がある。安倍首相の退任時期も主題の一つである。ちなみに、日本の首相は米国の了承がなければ就任できない。だからこそ、民主党政権ではおかしなことになったのである。いずれにしても、各国の裏交渉は徐々に進んでいる。しかし、このような裏側を知らないのが大多数の市場関係者であり投資家である。いまの国際情勢ほど面白いものはない。まして、歴史的な出来事が起きようとしている。これを利用しない手はないだろう。ちなみに、日米首脳会談では、6月上旬までの開催を模索している米朝首脳会談をにらんだ日米の連携を協議するようである。米国の高官は「トランプ大統領は、北東アジアの安保に関する安倍首相の見識を大いに尊敬している」とし、日本側の助言を期待していると表明している。これまでの関係構築の成果であろう。一方、北朝鮮による拉致問題に関しては、韓国の拉致被害者や北朝鮮で拘束されている米国人にも触れ「大統領はいつも、北朝鮮で不当に捕らわれている人々のことを念頭に置いている」としている。安倍首相はトランプ大統領に対して、米朝首脳会談で拉致問題を提起するよう要請する方針だが、どこまで話が進むかは不透明である。おそらく、提供する資金の量次第となるだろう。

一方で繰り返すように、ロシアも表向きは米国批判を繰り返しているが、これも出来レースである。すべてシナリオの上で動いている。米ロ、米中はきわめて緊密に連携しながら、意図的に市場を混乱させる発言を行っている。繰り返すように、今年のテーマは「株式と為替」である。資金が足りない各国は、これらの市場を動かすことで現金を稼いでいる。いまの状況で戦争はできず、またやる必要もない。北朝鮮への先制攻撃などあり得ない。シリア情勢もロシアの関与があまりに大きすぎる。仲の良いプーチン大統領にトランプ大統領が攻撃を仕掛けられるはずがないのである。

4月から5月は外交イベントが続く。これは彼らにとって最高の材料である。これを利用して市場を動かしてくる可能性が高い。その動きを冷静に見ていくことが肝要である。繰り返すように、4月は買いが入りやすい季節であり、期待感も高い。あとは投資家心理の好転を待つだけである。4月のパフォーマンスは12カ月の中で、上昇率のランキングはダウ平均が1位、S&P500は3位、ナスダック指数は4位である。平均上昇率はそれぞれ1.9%、1.5%、1.4%である。中間選挙の年に限ると、それぞれ0.8%、0.2%、マイナス0.1%とやや軟調なのは気になるが、それでも4月の反発に期待する向きは多いだろう。

さて、繰り返すように、今後のテーマはインフレである。これまでも長期的には「インフレ」がキーワードになるとしてきたが、そのような動きになりつつある。市場にも徐々に警戒感が高まってくるだろう。原油相場がこれだけ上昇していれば、いずれ金利は上昇に向かい、強い市場が戻ってくることになる。原油を中心にコモディティ価格が堅調に推移し、これが徐々にCPIに効いてくるだろう。サプライサイドのインフレ押し上げがいずれ顕著になり、主要中銀が目標とする2%インフレに向かって徐々に進んでいくことになろう。こうなると、FRBのブレイナード理事が指摘するように、低金利に慣れ切った市場が金利急騰に対応できるのかは不明である。金利上昇に驚かないように対処しなければならない。株安となれば、本末転倒である。景気拡大期に金利が上昇するのは当然であり、むしろ低金利状態にあることを懸念すべきである。低金利で株価が上昇する時代はすでに終わっている。むしろ、金利停滞は景気のピークアウトを意味する。この点からも、金利が上昇しないことをむしろ懸念すべきである。今後は金利低下=株安の関係になることを頭に入れておくべきであろう。一方、イールドスプレッドは縮小傾向にあるが、これもよい兆候である。縮小しなければ、株価の上昇などおぼつかない。フラット化になり、再びマイナス圏に戻すときが株価のピークである。これを間違えないようにすべきである。その意味でも、株価のピーク感はまだ全くないと言ってよいだろう。

【ダウ平均株価:2018年の想定レンジ】
強気シナリオ24236ドル~28287ドル(18年末27996ドル)/弱気シナリオ20995ドル~25130ドル(18年末22790ドル)

【ダウ平均株価:4月の想定レンジ】
強気シナリオ25195ドル~26351ドル/弱気シナリオ23476ドル~24904ドル

【S&P500:2018年の想定レンジ】
強気シナリオ2614~3107(18年末3076)/弱気シナリオ2255~2734(18年末2419)

【S&P500:4月の想定レンジ】
強気シナリオ2724~2851/弱気シナリオ2529~2691

【ナスダック指数:2018年の想定レンジ】
強気シナリオ6747~8375(18年末8282)/弱気シナリオ5348~7199(18年末5702)

【ナスダック指数:4月の想定レンジ】
強気シナリオ7068~7472/弱気シナリオ6114~6826

【米国債トレード戦略】
2年債ショート、10年債ロングのイールドカーブのフラット化に賭ける戦略を継続する。

【日本株の市況解説・分析】
16日の日経平均は前日比56円高。57%の銘柄が値上がりし、値下がりは39%。前週末に米英仏によるシリアへのミサイル攻撃が実施されたが、週明けの東京市場では売りを急ぐ様子は見られず、小動きの状態が続いた。シリア攻撃は1回で終わる可能性が高いとの見方が広がり、前週末までに値下がりしていた銘柄が買い戻された。ただし、買い戻しは午前中に一段落し、午後は積極的な売り買いが手控えられた。東証1部の売買代金は約2兆円と低水準だった。シリア攻撃による株価急落は回避されたが、上値を追う材料もなく、様子見ムードが続いた。

日銀の若田部副総裁は参議院決算委員会で、「国債市場における現在のイールドカーブがフラット化しているのは事実」としながらも、「日銀の金融政策はフラット化させるために行っているわけではない」とし、「デフレを脱却するためには経済にマネーを供給すべきとの観点から行っている」との認識を示した。そのうえで、現行のイールドカーブ・コントロール(YCC)政策は「イールドカーブを立てた方がいいとの問題意識から始まっているのは事実」とし、「足元のフラット化は中長期にわたるインフレ予想がまだ根付いていないことが背景」と指摘した。また、「日銀としては、現在の政策を粘り強く続けることでインフレ予想を上げ、フラット化したイールドカーブが立っていくことを目標としている」とした。さらに。「もっとも、そうした中で日銀が先に金利目標を上げてしまうと不況に逆戻りし、イールドカーブはフラットになってしまう。そのあたりを見極めて政策を行っている」と説明した。将来的に金融緩和策を縮小する出口戦略については、「各種の資金吸収オペレーションや当座預金の付利の引き上げ、所要準備率の引き上げなどの手段を持っており、仮にインフレ率が急速に高まることがあっても、十分に対応が可能」との認識を示した。

安倍首相は17日から米国を訪問する。トランプ大統領との首脳会談は現地時間の17・18日に南部フロリダ州パームビーチにあるトランプ大統領の別荘で開催される。史上初の米朝首脳会談に備え、北朝鮮の非核化を達成する方策を協議するとともに、日本人拉致問題を議題とするよう要請する方針。また、貿易問題も焦点となる見通しで、首相は環太平洋連携協定(TPP)への米国復帰について意見を交わす見通しである。安倍首相とトランプ大統領氏の会談は通算6回目となる。安倍首相は16日の自民党役員会で、今回の訪米について「北朝鮮情勢にさまざまな動きがある中で日米の基本的な方針をしっかり擦り合わせたい。拉致問題をこの機会を生かし前進させたい」とした。トランプ大統領は5月末か6月初旬に北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長と会談する予定だが、これに先立ち日米両首脳は完全かつ検証可能、不可逆的な核・ミサイル廃棄を目指す立場を改めて確認し、対処方針を話し合う方針。安倍首相は、核・ミサイル問題で安易に妥協しないようくぎを刺し、拉致問題解決への協力も求める意向である。また、通商問題では、トランプ大統領がTPP復帰検討を指示したことを踏まえ、安倍首相は早期復帰を促す方針。さらに、米国政府が発動した鉄鋼・アルミニウムの輸入制限からの日本免除も働き掛ける見通し。トランプ大統領がTPP再交渉や日米自由貿易協定(FTA)の交渉開始を迫る可能性もあり、安倍首相は慎重に対応する構えである。一方、米英仏がシリア攻撃に踏み切ったことを受けて、日米首脳は中東情勢についても話し合う方針。また、昨年のトランプ大統領の前回の来日時に続いて、今回もゴルフを行う見通し。安倍首相は20日に帰国する予定となっている。

安倍首相は中国の王毅国務委員兼外相と首相官邸で会談。両氏は北朝鮮の核・ミサイル問題に関して、「北朝鮮の非核化は日中共通の目標」との認識で一致した。安倍首相は北朝鮮による日本人拉致問題の早期解決に向けて、中国の理解と協力を求めた。安倍首相は5月に日本で開催予定の日中韓首脳会談に合わせた李克強中国首相の初来日に触れ、「李首相の訪問を通じ、戦略的互恵関係の下にさまざまな分野で日中関係を改善させていく契機としたい」とした。王氏も「日中双方がより広く長期的な観点で、両国関係改善のプロセスを推進していかなければならない」と応じた。さらに、トランプ政権を念頭に「保護貿易、保護主義が台頭し、世界の自由貿易体制も衝撃を受けている」と指摘し、「日中間の経済協力を強化しつつ、自由貿易体制の維持でも連携を深めたい」とした。両氏は東シナ海を「平和・協力・友好の海」とすることが重要との認識でも一致した。

【日経平均先物のトレード戦略】
ロング戦略を継続。シカゴ市場では小幅下落し、ドル円も下げており、上値の重い展開になりやすいだろう。しかし、下値も堅い。売り込んでおり、これ以上の下げもないだろう。重要な期間に入っており、5月中旬から下旬に向けて、上昇に向かうことができるかのきわめて重要な時期である。ここを上手く乗り切ることができれば、年末に向けてさらに上値を試すことができる。もっとも、すべては海外勢が握っている。彼らが日本株を買いたいと思うような状況になる必要がある。そのためには、米朝首脳会談の成功や安倍政権の存続は不可欠な材料であろう。その意味では、まだまだ時間はかかる。良い意味で期待しないで気長に待ちたいところである。あとは、22000円の大台を超え、さらに22500円を超えると、基調は一気に好転する。それが日本企業の業績発表だけで達成できるとは思えない。やはり、最終的には外部要因が整わないと、真の意味での上昇基調への回帰は難しいだろう。まずは、日米首脳会談の結果を待ちたい。内容次第では、状況は一気に好転する可能性もある。そうなれば、上昇しやすくなる。とにかく、いまは辛抱の期間である。野党が安倍政権を打倒しようと奮闘しているが、このような材料で安倍政権は倒れない。倒して困るのは野党であり、国民であり、日本である。安倍首相以外に外交ができる政治家は、残念ながらいまの日本にはいない。安倍首相のこれまでの言動はともかく、いまは米朝首脳会談に向けて重要な時期であることを理解すべきである。もっとも、すでに辞意を表明したとの話も聞いている。日米首脳会談は辞任時期を話し合う可能性もあると聞いている。トランプ大統領との契約もあり、どうなるのか。ここが日本として最も悩ましいところであろう。一部の海外メディアは「6月退任」と報じているようである。電撃退陣となれば、大きな衝撃が走ることは間違いない。それだけは、日本政府としては是が非でも避けるべきであろう。これ以上は詳しいことは書けないことをご理解いただきたい。

これまでの押し目買いと戻り売りで、ロングは21750円、21600円、21500円が残っているイメージである。今回は押し目買いから手仕舞い売りを数回繰り返したことで、相応の収益が上がっている。当面の収益としては十分すぎるだろう。今後は、残りのロングを22050円、22250円、22450円までの戻り局面で売り切りたいと考える。まだまだ弱い動きから脱することができていないため、いまは欲張らずに押し目を買う一方で高値まで待たずに売り、利益を確定することを優先したい。今後は21250円、21000円までの押し目があれば、再度ロングを積み増したい。22500円を超えてしまえば、その流れに乗ってロングを積み増していけばよい。これは流れに乗るだけであり、むしろ簡単である。4月の強気シナリオのレンジは23256円~25002円、弱気シナリオのレンジは21737円~23316円である。強気トレンドに戻すには、少なくとも23250円程度までの戻りが必要となる。これはかなりハードルが高い。まずは弱気シナリオのレンジ下限である21737円を回復し、そのうえで23250円を目指す動きになるかを見ていきたい。21737円を下回るような水準は相当売られすぎであるといえる。

繰り返すように、投資家心理の改善には時間が掛かる。しかし、これ以上、下値を売っても仕方がないとの見方も多いだろう。売り方の買い戻しもあり、株価は下げ渋っている。こうなると、徐々に買った方がよいのではないかとの心理がいずれ働くだろう。1月の高値を買い上がってしまった向きからすれば、かなり苦しい状況だが、最終的には売らなかったものが勝者になる。繰り返すように、日経平均のPERは12倍台と依然として割安であり、現時点でこれ以下を売っても妙味はない。むしろ買い場であることはいうまでもない。19年3月期の決算がどのような見通しになるか次第で、株価の評価は大きく変わってくるが、これがきわめて読みづらいことが、投資家の買いを手控えさせている。確かに見切り発車は怖いだろうが、ドル円が100円割れの水準で推移しない限り、大幅減益の可能性はほとんどない。105円程度であれば、ある程度の増益を確保できる。そうであれば、今の株価はさらに割安ということになる。一般投資家がそのように判断はかなり先になるだろうが、最終的にはそのような結果になる。高値を買いたくなければ、今のうちに仕込むことである。

日銀の金融政策の正常化はかなり先になる。実態面は別として、表面的には少なくともそうである。現在の年80兆円の国債買い入れはすでに規模は縮小しており、テーパリングになっているが、それを正常化の動きとは日銀は口が裂けても言わない。実際に真の意味での正常化ではないが、着実に無駄な緩和策は縮小されていくだろう。金利は本来プラスであるべきで、銀行業が圧迫されるような政策は現実的ではない。インフレ気味になりつつあることもあり、ここは早めに対応すべきであることは言うまでもない。ETF購入については、国債とは違い、償還が来ない。手仕舞い売りをして実現損益を確定させない限り、終了ということにはならない。したがって、株価が相当高い水準にまで上げない限り、売りを検討することさえないだろう。「株価が下落したらどうするのか」との批判もあるが、それを批判したところで政策は変わらない。株価が上がるまで買い続けるだけである。

【日経平均株価:2018年の想定レンジ】
強気シナリオ22089円~27115円(18年末26839円)/弱気シナリオ18745円~23688円(18年末19392円)

【日経平均株価:4月の想定レンジ】
強気シナリオ23256円~25002円/弱気シナリオ21737円~23316円

【TOPIX:2018年の想定レンジ】
強気シナリオ1779~2168(18年末2150)/弱気シナリオ1523~1883(18年末1578)

【TOPIX:4月の想定レンジ】
強気シナリオ1878~2003/弱気シナリオ1721~1840

〔CURRENCY MARKET〕
ドル円は下落。シリア情勢をめぐる過度の懸念が後退したものの、ドルが下落した。米英仏は14日未明、シリアのアサド政権が化学兵器を使用したと断定し、首都ダマスカス近郊などの化学兵器関連とされる施設3カ所を攻撃したが、米国主導の武力行使は織り込み済みだったことや、攻撃対象が限定的だったことで、アサド政権を支援するロシアを巻き込んだ軍事衝突が回避されたことから、シリア情勢に対する警戒感は後退した。マティス米国防長官はこれについてアサド政権に化学兵器を再び使用させないための「1度限りの攻撃だ」とし、3カ国ともこれ以上の攻撃はないとの立場を示している。これを受けて、米国株は上昇したものの、債券利回りの上昇は限定的であり、ドルの買い戻しも入らなかった。一方、3月の小売売上高は前月比0.6%増と、4カ月ぶりにプラスに転じ、市場予想の0.4%増も上回ったが、ドルの押し上げ要因にはならなかった。注目材料は17・18日に米フロリダ州で開催される日米首脳会談であろう。ここでどのような話が出てくるのか、それ次第では一時的に大きく変動する可能性がある。一方、米財務省は13日公表の半期為替報告で、大幅な対米貿易黒字を抱える日本を再び「監視対象」に指定。トランプ大統領は日米貿易不均衡に強い不満を表明しており、日米首脳会談の行方を見極めたいとの思惑が強まっている。一方、トランプ大統領はツイッターに「米国が利上げを続ける中で、ロシアと中国は自国通貨切り下げゲームをしている」と書き込み、「受け入れられない」と通貨安誘導を批判。貿易赤字削減を重視しているトランプ政権は、輸出で有利になる通貨安の誘導を行う国に目を光らせている。米財務省が13日に発表した各国の為替政策を分析・評価した為替報告書では、巨額対米黒字などを問題視し、中国や日本など6カ国を「監視国」に指定している。ただし、制裁措置の適用検討となる「為替操作国」の認定はなかった。一方、この日はポンドが上昇。5月の利上げ観測の高まりにつながる経済指標に注目が集まる仲、1月以来、初めて1.43ドルを上回った。

19・20日に米ワシントンで開催される20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議では、米中間で深刻化する貿易摩擦に加え、米英仏が軍事行動に踏み切ったシリアをめぐり懸念される米ロ対立などが金融市場や実体経済に及ぼす影響などが議論される見通しである。G20財務相・中銀総裁会議は3月にアルゼンチンのブエノスアイレスで開催されたばかりだが、今回は国際通貨基金(IMF)・世界銀行の会合に合わせて行われるため、共同声明の取りまとめは見送られる見通し。3月の前回会合では「不公正な貿易慣行を含む保護主義と引き続き闘う」とした昨年7月のG20首脳会議の合意を再確認した。その上で、新たに「さらなる対話や行動が必要」との文言を盛り込み、保護主義的な動きを強くけん制した。しかし、米国は前回会合の直後、中国を主な標的として鉄鋼とアルミニウムの輸入制限措置を発動。中国も報復的な対応を発表した。さらに米国は中国の知的財産権侵害を「不公正な貿易慣行」に当たるとして制裁措置を表明し、中国などは米国の一方的措置こそ「不公正」と反発を強めている。今回は深刻化する対立の緩和に向けた各国の対応に期待が高まるが、前回から日が浅いこともあり、踏み込んだ議論にはならない可能性がある。ただし、7月には再びアルゼンチンで会合が予定されており、どこまで議論を深められるかが大きな焦点となろう。前回会合で主要議題となった仮想通貨に関しても意見が交わされるとみられている。会合には、前回欠席した麻生財務相と黒田日銀総裁が出席する方向で調整している。

【通貨トレード戦略】
ドル円はショートを維持。弱い動きが続いている。上昇に向かうチャンスがあっただけに、今回の想定以上の弱さには若干の驚きがある。107.10円を割り込むと、106.50円まで下げる可能性があるだけに、注意が必要であろう。もっとも、そこまでの調整済めば、再び上昇に転じる可能性が高まろう。目先は日米首脳会談もあり、動きづらくなろうが、その内容次第では大きく変動する可能性は十分にある。繰り返すように、為替は今年の国際金融筋のテーマであり、トランプ政権の最大の関心事でもある。これを理解しておくべきである。常にドル安・円高のリスクだけは念頭に入れておきたい。市場参加者の多くが懸念したシリア攻撃が単発で終わってもドルが上昇しないのは、相応の意味があると考えるべきであろう。ドルは戻しても108.80円が重くなろう。さらに上げても、110円台を超えていくのはかなり難しい状況にある。米企業の業績発表が本格化し、市場の関心がそちらに向かえば、米国株に買いが戻り、ドル高になる可能性はある。しかし、米国が株高を維持するためにもドル安にする必要があることを考慮すれば、過度な期待はできない。さらに、これまで指摘してきたように、原油高が鮮明になればインフレ懸念が高まり、ドル安を誘発することになる。金利も上昇するだろうが、一方で実質金利が下がりやすくなる。結果としてドルが上がりづらくなる可能性が高まることになる。国際金融筋は原油高にもっていこうとしている。そうなれば、意図したインフレになる。そうなると、ドル安になる可能性が高まることになる。この点には注意が必要である。日米実質金利差から見た理論値の113円であり、いまのドル円の水準はまだ相当安い。いずれ修正は入るだろう。まずは、4月の弱気シナリオのレンジ下限である108.94円を超えるかを確認することになろう。これまでの為替相場は政治要因で動いてきた。今後もそのような状況は続くだろう。それでも、ユーロも含めてドルは対主要通貨でかなり下げた。今年はドル安の見方が多かったこともあり、かなり織り込まれている感がある。その意味でも、ドルは今後下げにくくなる可能性は十分にある。ただし、繰り返すように、「為替は、表面上は金利で動き、大局的には政治で動く」というセオリーがある。これだけは常に忘れないようにしたい。

ユーロ円はロングを継続。ただし、買われすぎになっており、さらに133円で打たれている。これで132.40円を割り込めば、手仕舞い売りとなろう。長期サポートは128円前後であり、これを下回るまではロング有利である。

ユーロドルは新規でロング。再び上向いたことから、再度ロングで対応することにしたい。1.2330ドルを割り込めば、その時点で売りを検討する。長期サポートは1.1650ドル前後であり、それまではロング有利である。欧米実質金利差からみたドル円の理論値は、計測期間が短期の場合は1.14ドル、長期の場合で1.21ドルである。ユーロも割高である。

ポンド円は新規でロング。かなり高くなっているが、トレンドが出ており、さらに重要なポイントの152円を超えている。まずはロングで対処する。152.80円割れで手仕舞いとしたい。逆に152円を割り込めば、一転してショートを検討することになる。長期ポイントが152円であり、これを基準にしておきたい。

ポンドドルはロングを維持。過熱感があるが、さらに上値追いとなっており、高値を更新した。この動きについていきたい。1.4260ドルを割り込むまでは維持する。長期トレンドは1.3875ドルに位置しており、これを維持しているうちはロングが有利である。

豪ドル円は見送り。84円まで上げた後に下げており、下げやすくなっている。これで83.20円を割り込めば、ショートにしやすい。そのタイミングを待ちたい。長期レジスタンスは86円前後であり、そこまでは戻り売り有利であり、引き続き売りのタイミングをみておきたい。

豪ドル/米ドルはショートを維持。上昇しているが、0.78ドルを超えるまでは維持したい。基本的には長期トレンドの0.78ドルを超えるまでは基本は売り姿勢である。0.7650ドルを割り込むと下げが加速しやすいが、下値を確認したようにも見える。まずは0.78ドルを超えるかを確認したい。

南アランド/円はロングを維持。8.75円を割り込むまでは維持したい。短期的には下げやすいだろう。一方で8.95円を超えると上昇しやすい。長期トレンドは8.6円。

【ドル円:2018年の想定レンジ】
強気シナリオ110.55円~126.40円(18年末124.25円)/弱気シナリオ100.60円~114.90円(18年末103.00円)

【ドル円:4月の想定レンジ】
強気シナリオ113.09円~118.65円/弱気シナリオ108.94円~114.07円

【ユーロ円:2018年の想定レンジ】
強気シナリオ132.05円~147.00円(18年末145.90円)/弱気シナリオ119.45円~136.80円(18年末121.55円)

【ユーロ円:4月の想定レンジ】
強気シナリオ133.03円~139.84円/弱気シナリオ128.48円~133.24円

【ユーロドル:2018年の想定レンジ】
強気シナリオ1.1750ドル~1.3125ドル(18年末1.2970ドル)/弱気シナリオ1.1595ドル~1.2175ドル(18年末1.1210ドル)

【ユーロドル:4月の想定レンジ】
強気シナリオ1.1886ドル~1.2301ドル/弱気シナリオ1.1443ドル~1.1865ドル

【ポンド円:2018年の想定レンジ】
強気シナリオ148.85円~166.75円(18年末165.15円)/弱気シナリオ132.40円~154.60円(18年末134.00円)

【ポンド円:4月の想定レンジ】
強気シナリオ151.30円~157.71円/弱気シナリオ145.13円~151.19円

【ポンドドル:2018年の想定レンジ】
強気シナリオ1.3225ドル~1.4710ドル(18年末1.4525ドル)/弱気シナリオ1.2390ドル~1.3665ドル(18年末1.2595ドル)

【ポンドドル:4月の想定レンジ】
強気シナリオ1.3335ドル~1.3794ドル/弱気シナリオ1.2995ドル~1.3443ドル

【豪ドル円:2018年の想定レンジ】
強気シナリオ86.20円~98.30円(18年末97.15円)/弱気シナリオ77.40円~89.90円(18年末81.05円)

【豪ドル円:4月の想定レンジ】
強気シナリオ88.99円~93.52円/弱気シナリオ85.40円~89.79円

【豪ドル/米ドル:2018年の想定レンジ】
強気シナリオ0.7665ドル~0.8765ドル(18年末0.8650ドル)/弱気シナリオ0.7060ドル~0.7930ドル(18年末0.7200ドル)

【豪ドル/米ドル:4月の想定レンジ】
強気シナリオ0.7894ドル~0.8240ドル/弱気シナリオ0.7565ドル~0.7860ドル

〔COMMODITY MARKET〕
【貴金属市場の市況解説・分析】
金相場は小幅続伸。ドル安が押し上げ要因となった。シリア空爆が限定的だったことで米国株が上昇したが、ドルは軟調に推移したことで金相場はむしろ押し上げられている。市場は依然として地政学的リスクに関心を寄せているようである。14日の米英仏によるシリアへの空爆の報を受けて、金相場は1350ドルまで上昇したものの、その後は空爆がシリア情勢に西側諸国が一段と関与し始める兆しではないとの見方から、上値追いも限定的だった。とはいえ、下値も堅い。市場では様々な不透明要因が残っており、投資家は金を手放しにくい状況にある。シリア情勢や米中貿易摩擦、ロシア経済制裁などの不透明要因は、投資家の関心を金に向けさせるのに十分であろう。

【貴金属のトレード戦略】
金、銀、プラチナ、パラジウムはロングを継続。基本方針は変わらない。シリア攻撃が沈静化しつつある中でも、金相場は下げない。むしろ上げている。投資家心理は真の意味で改善していないのだろう。もっとも、シリア空爆は本質的な材料ではない。繰り返すように、その背景を理解していれば、全く問題はない。一方、株価の不安定もあり、賢明な投資家は金を買っている。金の存在価値はますます高まっている。今後も不意の株安に備えて、金は常に保有しておくべきである。いまの市場構造がどうなっているのか、一般の市場参加者の大半がわかっていないが、われわれは理解している。それでも保有することに意味がある。さらに、指摘してきたように、インフレの可能性高まっている。これは操作のしようがない。原油を上げようとしており、こうなるとインフレになりやすくなり、結果的に実質金利が低下することから、金への資金シフトが進みやすくなる。その意味でも金は保有しておかなければならない。いまの状況であれば、金を保有しておくべきと考える投資家が増えざるを得ない。金を保有しておきたいと考えるのは投資家だけでなく、国レベルでも同じである。金はアッパークラスからみれば、依然として現金と同等の扱いである。むしろ、現金よりも安全と考えている節さえある。通貨は紙くずになる可能性がある。しかし、金にはそのリスクがない。これは世界の政府レベルの常識である。仮想通貨(暗号通貨)はその扱いにはなり得ない。結局のところ、金は常に保有しておくべきである。

繰り返しで恐縮だが、金を保有しておけば、資産全体を守ることができる。今後も米国株が不安定な状況は続く可能性があり、株価下落に対するヘッジとして金を買っておくことはやはり重要である。株式を買うときに同時に金も買う。これがセオリーである。金を持っておくと安心感がある。4月以降の金相場は季節的に上げやすいため、これも金相場を支える可能性がある。4月の強気シナリオのレンジ内で推移していることからも、今の金相場の堅調さが確認できるだろう。いずれにしても、金に対する見方や考え方、取り組み方を変えずに、粛々と今後も下押す場面があれば買いを入れていきたい。今後は徐々にインフレが意識されることになると考えている。この点からも金は上昇に向かうと見ている。金には利子が付かないため、金への投資は意味がないとの見方もあるが、保有しておくことで投資判断のうえで心理的な安心感を得ることができる。また、インフレになれば、保有している方がむしろ有利である。資産の15%は金で保有しておきたい。重要なことは、表面上の長期金利ではなく、インフレ率を含めた実質金利である。実質金利が上昇しなければ、金相場は下がらない。長期的に実質金利は低下し続けている。これが上昇するようであれば、その時点で金投資を考え直せばよい。徐々にインフレになっていくと考えているが、これは金の買い材料である。また、株安に備える上でも金は常に保有しておきたい。すべての資金を株式につぎ込んでいると、株価の下落には耐えられない。新刊「米国株は3倍になる!」でも紹介しているようなポートフォリオを組んでいれば、今回の下げでも全く慌てる必要がない。金を保有することが、いかに心理的な安心感をもたらすかを理解しておきたい。利子はつかないが、それを大前提として保有する。これが肝要である。金を保有することで、冷静な投資判断ができる。これも重要なポイントである。毎度の繰り返しで恐縮だが、これが金を保有する上での重要な考えである。世界のどの国も金を必要としている。金があれば何でもできる。仮想通貨(暗号資産)ではこれはできない。ちなみに、ビットコインなどの暗号資産は今後「相場としての魅力」は低下していくことになろう。

「米国株30%、米国長期債55%、金15%」のポートフォリオは、リーマンショック級の下げが来ても、直近の資産価値のピークから減少は最大で2割減で済む。実際には、米国株を40%から45%程度に少し増やして、もう少しリスクを取ってもよいだろう。ただし、50%以上は危険である。また、米国株を増やす分は米国長期債を減らせばよいだろう。イメージとしては、米国株4割から最大5割、米国長期債をその分減らすイメージである。今後は金利が上昇するため、債券はあまり保有しないほうが良い。もっとも、リーマンショックでは、株式だけに投資した場合には、資産が半減しているのだから、このポートフォリオは長期的に資産を守りつつも増やすうえでは「鉄壁」かつ「完璧」に近いといえる。ただし、金利は今後上昇するため、上記のポートフォリオの構築のポイントは、債券を徐々に買うことである。これは非常に重要である。いますべてを買ってしまうと、評価損が大きくなることは目に見えている。徐々に買っていくことが肝要である。繰り返すように、長期的には金利が上昇基調へ転換している可能性が高い。1954年からの金利上昇は1981年までつづいたが、この間に起きたことはインフレである。結果的に、金相場はそれまでの固定相場の35ドルから、1980年には850ドルまで上昇している。金利の上昇は、景気の拡大・株価の上昇、そしてインフレが背景にあった。今回も長期的な金利上昇局面に入ったとすれば、それは株高・インフレへの転換を意味する。金利上昇はあくまで起きている事象の結果であり、先行指標ではない。したがって、まずは金利動向を見るのではなく、株式やコモディティなどのリスク資産などの投資対象資産の価格変動を見ることが先決である。金利上昇と騒いでいる向きは、市場の本質を理解していないことを自ら認めているようなものである。

金に話を戻すと、基本はドル安傾向であり、さらに原油高などコモディティ相場の堅調さを確認することになろう。毎度のことで繰り返し恐縮だが、金の位置づけはトレーディングの対象ではない。あくまでリスク資産である株式のヘッジである。金については常に保有するというスタンスが肝要である。資産保全としての金の位置づけを重視すべきである。株価が上昇しても、そちらに資金をシフトしようなどと考えずに、株式のヘッジとして金を手放さないことが肝要である。これができないと、長期的な資産形成はできない。金は資産として持つことが肝要である。利子はつかないが、資産保全には金が一番である。米国の減税は経済に非常に恩恵をもたらし、株価の上昇が期待されている。一方で財政悪化によりドルが売られることになる。さらに現在のインフレ率であれば、FRBが目論む年3回の利上げも困難になる可能性もある。秋には米中間選挙も控えている。したがって、
関連商品を探す
fx-onを初めてご利用する方へ
商品のご利用までのかんたん3ステップ!
fx-onでは、会員様向けに、あなたの投資生活を豊かにするサービスをご用意しております。
また、商品のご購入は通常会員様に限らさせていただいております。
今すぐ 会員登録 をして、fx-onを活用してみませんか!
  • ユーザー情報を入力し会員登録
  • 案内に従い購入
  • マイページからダウンロード
関連記事