【フジトミ】海外原油は続落し、高値から大きく値を崩す

（ＮＹ貴金属） ２４日のＮＹ金はリスク解消の動きから急落している。ＮＹ金期近６月限は前週末比１１．６ドル安の１２７７．５ドル、ＮＹ白金期近７月限は同１７．４ドル安の９６０．２ドル。 週明け早々、急落を強いられ、一時、期近６月限の一代足の２００日移動平均線である１２６６．０ドルまで急落した。この急落で２００日移動平均線での下値固めの様相となり、１２７０ドル台回復へ。５月の政治リスクを好感しての買い場提供に。フランス大統領選挙の結果を受けての急落だが、５月７日の決戦投票では中道のマクロン候補が大差で勝利する見透しのため、今回のようなリスクを買う動きにはならないとみられている。しかし、５月には米大使館のエルサレム移転延期の米大統領令の期限切れを迎えるなど、警戒すべき地政学リスクも控えており、１２６６ドルが当面の下値とみる向きも多い。白金は急落しており、実勢悪を嫌気して下げ幅を拡大し、９５０ドル台まで売り込まれていた。週明けに急伸していたパラジウムの高値からの値崩れで下げ幅を拡大した模様。 （ＷＴＩ原油・ＮＹ石油製品・北海ブレント） ２４日のＷＴＩ原油は続落しており、高値から大きく値を崩している。ＷＴＩ原油期近６月限は前週末比０．３９ドル安の４９．２３ドル、北海ブレント期近６月限は同０．３６ドルの５１．６０ドル。ＲＢＯＢガソリン６月限は同１．９５セント安の１６２．５８セント、ＮＹヒーティングオイル期近６月限は同１．１６セント安の１５４．７８セント。 フランス大統領選挙の結果を受け、ドル安が急ピッチに進行したことで、週明けにＷＴＩやブレントは買い戻しかたがた、上伸し、ＷＴＩ期近６月限は５０ドル台回復もみせた。ＮＹダウ先物の急伸も大きな支えになっていたという。ただし、前週末まで急落していたＷＴＩやブレントにおいて、弱気なファンダメンタルズが改善する材料は出現しておらず、あくまでも自律反発の動きとみられた。５０ドル台まで回復すると、改めて米国の原油増産基調、そして５月に入っての米シェールオイルの一段の増産観測も再認識され、結果的に売り場提供に。また、産油国の協調減産に対する懐疑的な見方も売り材料になっていた。前週末同様、ロシアが延長に否定的な見通しを示したことで、下げに拍車がかかっていた。ロシアとしては増産を続ける米国に対する懸念もあり、増産によって対抗したいとの思惑もあると考えられる。在庫統計に対する事前予想は強い内容ながら、前週も支援材料にされず、一段安を強いられた経緯もあった。 （ＣＢＯＴ大豆） ２４日のＣＢＯＴ大豆はドル安を好感した買い戻しに続伸している。期近７月限は前週末比９．５０セント高の９７０．２５セント、新穀１１月限は同５．７５セント高の９６５．２５セント。 週明け早々からドル安を背景に上伸しており、終日、堅調地合いをみせていた。ドル安によって米国大豆の輸出改善につながるとの思惑もあったようだ。引けにかけて上げ幅を拡大するなど、テクニカルな買いも支援材料に。さて、シカゴ引け後に大豆の作付進捗率も発表される見通しで、全米平均に対する事前予想はまだ２％。このため、市場の反応も限定的とみられる。チャート上では戻り賛成の格好をみせており、さらなるテクニカルな買いも予想されている。本日のファンド筋の買い越しは推定８０００枚。 （ＣＢＯＴコーン） ２４日のＣＢＯＴコーンはドル安を好感した買い戻しに反発している。期近７月限は前週末比１．７５セント高の３６５．５０セント、新穀１２月限は同１．２５セント高の３８３．２５セント。 テクニカルな買いも手伝って、取引中心限月である期近７月限は半値戻りの水準である３．７０ドル台を目指すとの見方もあった。しかし、上伸していたシカゴ小麦が値崩れをみせたこともあり、コーン市場でのテクニカルな買いは抑制されてしまったという。シカゴ引け後に発表される冬小麦の作柄改善が警戒されていた。コーンの全米平均の作付進捗率に対する事前予想平均は１５％（前週６％）となっている。今週、米コーンベルトで予想されている断続的な降雨は結果的に週明けの支援材料に評価されず。本日のファンド筋の買い越しは推定８０００枚。 https://www.fujitomi.co.jp/?p=14703