【フジトミ】関税リスク台頭か 円高基調で上値の重い展開
米国株式市場は上昇。S&P500種株価指数は前日比0.3%高の2275.32で取引を終え、NYダウは98.75ドル(0.5%)上げて19954.28ドルで取引を終了した。トランプ次期大統領の会見で医薬品の入札方式を導入する意向を示したことをきっかけにヘルスケアセクターが下落した。一方で、原油高を背景にエネルギーセクターが堅調に推移。
NYMEXのWTI先物2月限は前日比1.43ドル(2.81%)高い1バレル=52.25ドルで取引を終了した。昨年12月1日以来で最大の上げ幅となった。先週の原油在庫は市場予想を大幅に上回り、ガソリン在庫も大幅増となったものの、クッシングの在庫ば予想外に減少したことが好感された。
NY外国為替市場ではドルが軟調推移。10年債入札が昨年6月以来の高い需要を集めたことから米債が上昇となり、ドルは下落した。また、トランプ次期米大統領が記者会見で具体的な経済成長促進策を示さなかったことで、対円で114円台までドル安・円高に進む場面があった。
ドル円が114円台前半まで円高が進んだことで、前日のCME225先物は一時19115円の安値を付ける展開となった。出来高は6万8707枚。 本日の日経平均は、円高基調を嫌気し上値が重い展開となりそうだ。また、トランプ氏の記者会見で日本との交易はひどいと発言したことなどから、日本からの輸入品に対しても関税が増えるリスクが意識されそうだ。日経平均先物は、大発会に空けた窓(19180円~19270円)を為替相場次第では意識される場面もあるかもしれない。
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【買い材料】
・トランプ政権の「大成長路線」での恩恵期待
・米国株式市場-主要3指数が上昇 ナスダック総合の最高値更新が続く
・NYダウ上昇(19954.28、+98.75)
・ナスダック上昇(5563.65、+11.83)
・欧州株式市場-英FT100は12営業日続伸
・NY原油先物-大幅反発、需要の底堅さを好感(52.25、+1.43)
・恐怖指数VIXは11.26、前日比低下
・日銀のETF買入れによる需給下支え
・景気一致指数1.6ポイント上昇
【売り材料】
・米ヘルスケア株 軒並み安-トランプ次期米大統領が記者会見で医薬品会社に批判的な姿勢
・NY為替-ドル相場荒れる、新政権の先行きを不安視 1ドル115円35-45銭
・CME225先物はOSE比で下落(19340、-10)
・欧州の政治情勢への懸念
【その他注目点】
・米債券市場-ほぼ横ばい、次期米大統領の会見は中身乏しい
・欧州債-独長期債利回りは上昇
・NY金先物-上昇、昨年11月以来の高値に
・CRB指数-続伸 原油、ガソリンが上昇 小麦、銀が下落
・中国に南シナ海の人工島へのアクセスは認めない姿勢-米次期国務長官のティラーソン氏
・米エネルギー省(EIA)週間石油在庫 2017/1/6 時点
原油 +409.7万バレル(前週 -705.1万バレル)
ガソリン +502.3万バレル(前週 +830.7万バレル)
中間留分(含む暖房油)+835.6万バレル(前週 +1005.1万バレル)
原油受け渡し地点オクラホマ州クッシング原油在庫
-57.9万バレル(前週 +107.4万バレル)
・米フィラデルフィア連銀総裁が講演
・米シカゴ連銀総裁とアトランタ連銀総裁がパネル討論会に参加
・米アトランタ連銀総裁が講演
・米セントルイス連銀総裁が講演
・米イエレンFRB議長が教育関係者向けタウンホール開催
・欧州中央銀行(ECB)議事要旨公表
《スケジュール》
08:50 経常収支(11月)
10:00 営業毎旬報告(1月10日現在、日本銀行)
11:00 東京オフィス空室率(12月)
14:00 景気ウォッチャー調査(街角景気12月調査)
18:00 独・GDP(2016年)
18:30 印・消費者物価指数(12月)
19:00 欧・鉱工業生産(11月)
20:00 ブ・IBGEサービス部門売上高(11月)
21:00 印・鉱工業生産 (11月)
21:00 印・製造業生産高 (11月)
22:30 米・輸入物価指数(12月)
22:30 米・新規失業保険申請件数(先週)
23:45 米・消費者信頼感指数(先週)
《決算発表》
7&I-HD、トレファック、グラファイトD、ファーストリテイ、サカタのタネ、SFoods、ディップ、大黒天、JIN、ビックカメラ、薬王堂、技研製、IDOM、ライフコーポ、松屋、ポケットC、歌舞伎、CSP、プレナス、SFPダイニンなど
場況はTwitterをご参考にしていただければ幸いです。https://twitter.com/fujitomi_8740
written by HK