7月27日のトレード戦略 江守哲のリアルトレーディング・ストラテジー

7月27日のトレード戦略 江守哲のリアルトレーディング・ストラテジー


配信日:2016/07/27 08:25
おはようございます。 本日もよろしくお願いいたします。 〔Equity Market〕 米国株はダウ平均株価が小幅下落。主要企業の軟調な四半期決算や原油安などを嫌気して売りが出たようだ。S&P500とナスダック指数は上昇した。4〜6月期決算を発表した主要企業では、既存店売上高が市場予想を下回ったマクドナルドや、新規の携帯電話契約数の伸びが低調だったベライゾン・コミュニケー ションズなどに売りが集中した。また取引終了後に決算を発表するアップルも「iPhone」の販売減速への警戒感から売られた。6月の新築一戸建て住宅販売件数や米コンファレンス・ボードによる7月の消費者景気信頼感指数はいずれも市場予想を上回ったが、少なくとも株式市場の支援材料にはならなかった。また原油相場が4日連続で下落し、3カ月ぶりの安値を更新したことも重石となっている。27日まで開催されるFOMCでは、利上げは見送られる公算だが、声明文が今後の利上げに関して何かしらの示唆をするかに注目が集まっている。景気認識については上方修正される見通しだが、これが年内利上げの可能性を織り込ませることを意図するものかを見極めることになろう。FRBは本音では、できるだけ早く利上げをしたいと考えているはずであり、声明文があまりにハト派的にならないようにする可能性もある。その場合には、一時的に株価の押し下げにつながる可能性があろう。 5月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(全米主要20都市)は前月比0.1%低下と、市場予想と一致した。前月は当初発表の0.5%上昇から0.2%低下に下方修正された。6月の新築一戸建て住宅販売件数は年換算で59万2000戸と、前月比3.5%増加した。市場は56万戸だった。前年同月比では25.4%増加。販売価格は中央値で30万6700ドルと、前月比で6.2%上昇、前年同月比6.1%上昇だった。6月末時点の在庫戸数は24万4000戸で、前月比1.2%増加、前年同月比13.0%増加だった。在庫と販売の比率は4.9カ月分で、前月比3.9%減だった。 世界銀行はコモディティ市場の四半期見通しで、16年の原油価格見通しを43ドルとし、従来見通しの41ドルから引き上げた。世銀は「今年下半期は供給過多が縮小し、原油価格はやや上昇する」と予想。ただし、「在庫は引き続き非常に高い水準にとどまり、解消には時間がかかる」としている。 VIXは12.87から13.05に上昇。水準を切り上げた。繰り返しだが、昨年8月はこの水準をつけてから10日後に急伸し始め、8月24日には一時53.29まで上昇した。このとき、ダウ平均は15370ドルの安値をつけたが、4日間で2100ドル超もの下げに見舞われた。ダウ輸送株指数は7892ドルから7980ドルに急伸。ダウ公共株指数は719ドルから713ドルに急落している。この動きだけを見れば、楽観的なサインとみることができる。グローバル株式では、新興国株は上昇、ディフェンシブ株は下落。この動きも楽観的な見方を示しているといえる。主要資源株、石油株は総じて堅調。原油相場の下落にもかかわらず、石油株は持ち直している。米国債は、2年債利回りが0.7350%から0.7579%に上昇し、10年債利回りは1.5730%から1.5628%に低下。この結果、両者のスプレッドはマイナス0.8380%からマイナス0.8049%に大幅縮小している。この動きが株価の抑制要因になるため、要注意である。欧州銀行株は、ドイツ銀行、クレディ・スイス、バークレイズ、RBSがともに続落。警戒すべき動きといえる。バリック・ゴールド株は反発。金価格は上値が重かったが、底堅かった。 米国株のトレード戦略は、ダウ平均のショートの維持を推奨する。長期トレンドはいうまでもなく上昇だが、急騰する感じはない。FOMCの結果次第では大きく変動する可能性があるが、内容と市場の反応を見たうえで対応を決めたい。急伸した場合には即座に手仕舞いする。米国債のロングも維持を推奨したい。米国2年債の上昇が気がかりだが、2-10年債の利回り差の縮小は株価の圧迫要因になるだけに、要注目であろう。 日本株は引き続き上値の重い展開。日経平均株価は節目の16500円を割り込んだ。シカゴ市場でも先物が16500円を下回っている。日銀金融政策決定会合を前に円高が進み、日経平均株価も16500円を割り込んだことから、市場の期待感が一気に剥落した格好である。政府の景気刺激策と歩調を合わせる形で、日銀も政策発動を行うとの観測も根強いが、一方で金融政策は限界的であるとの見方もある。今回は無策というわけにはいかない。何かしらの政策が打ち出されるはずだが、万が一何もなければ、とてつもない失望につながるだろう。無論、株価の急落は不可避である。これを回避するためには、市場のサプライズを誘うほどの相当に大規模かつ新しい政策が打ち出される必要があるだろう。ただし、その場合でも、上昇基調への回帰には16925円を明確に超えることが必要条件であることに変わりない。また、超えた場合でも、18000円の壁はかなり厚いだろう。現状では、4月25日のパターンにきわめて似ている。今回も同様の急落になれば、会合後に15500円から15000円割れのリスクが高まるだろう。この動きを防ぐ政策とはどのようなものになるのか、29日のランチタイムを待つしかない。 日経平均先物のトレード戦略は、いまはスクウェアである。現状では新たにポジションを構築する必要はないだろう。検討するとすれば、16500円までの戻りで売り、16300円台で買い戻しとなろう。本格的なロングは16925円超えを確認してからである。29日の会合後に16500円を下回っていれば、躊躇なくショートである。 〔Currency Market〕 ドル円が急落。日本政府による経済対策が予想よりも小規模にとどまるとの観測が浮上したことが材料視された。NY市場では良好な米国経済指標を受けてドル買いが進み、ドル円のさらなる下落は回避された。FOMC声明の発表を控えていることがあることや、28・29日には日銀金融政策決定会合も控えており、動きづらい。ただし、昨日の急落で基調は下向きに転じている。FOMCでは利上げは見送られる見通しだが、堅調な米国経済を背景に利上げを示唆する可能性がある。その場合の市場の反応には要注意である。また日本政府の財政出動の規模が小さくなることは、市場を大いに失望させている。また日銀の金融政策に関しても、具体的な策が見えない。実際の内容を見るまでは動きづらいが、大きな期待はしづらいだろう。一方、イタリアの銀行大手モンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナ(モンテ・パスキ)が、週内に結果が発表される銀行ストレステスト(健全性審査)で資本不足が指摘された場合に備え、EU当局者が同行の規模縮小などを含む緊急対応策を策定していると報じられている。イタリア政府当局者は、モンテ・パスキの規模縮小の可能性を否定し、モンテ・パスキが清算されるとの可能性は全くないとの見方を示しているという。また総額50億ユーロの資本増強に向けて、銀行団が結成される可能性があるとの報道もある。 ドル円は昨日の急落で、105.50円が重要なレジスタンスになった。105.75円を割り込むと下落圧力が強まるとしたが、やはりそのような動きになった。104円割れまで下げたところをみると、ロングはそれなりに溜まっていたということであろう。29日を待たずして下げが加速するとの見立て通りになってしまったが、このまま下げていくかの判断は難しい。現状はすでに下落トレンドに入っていると判断することになる。日銀金融政策決定会合の決定内容次第で変動するだろうが、無理に動く必要はないだろう。決定後に上昇に転じた場合でも、本格的な上昇には110.50円超えが必要条件であることに変わりない。会合後に105.50円を回復できなれければ、再び円高圧力がかかることになる。その場合には、100円割れの可能性も出てこよう。 ユーロドルは1.1075ドル超えまではショートが賢明である。戻り売り基調は変わらない。ユーロ円は116.10円超えまではショートが有効であろう。ロングには120.50円超えが必要でと考えている。ポンドドルは1.3360ドル超えまではショートが有効。依然として戻り売りの展開は変わらず。ポンド円は140.10円超えまではショートが有効。ロングには151.30円超えが必要である。豪ドル円はロングには80.25円超えが必要。逆に78.50円を割り込めばショートが有効だろう。豪ドル/米ドルは0.7495ドル割れまではロングが有効だろう。逆に0.7445ドル割れではショートが有効。本日の4-6月期のCPIに注目しておきたい(10時30分発表)。下記の推奨トレードやポジションは長期ポジションであり、あくまで参考である。現状では市場の振れが大きいため、十分な余裕をもって対応するようにしたい。また、流動性の低い新興国通貨をトレードは、価格変動の大きさと手仕舞いの難しさなどから、現状ではお勧めしない。 〔Commodity Market〕 金相場は小幅反発。FOMC声明を翌日に控える中、米国の堅調な経済指標にもかかわらず、買戻しが入った。FOMCでは追加利上げは見送られる見通しだが、声明内容から利上げ時期に関する手掛かりを探すことになろう。FRBは利上げをしたいもようだが、その可能性をどのように市場に浸透させるかがポイントになる。また英国のEU離脱決定によるリスクへの配慮もにじませることになろう。金相場は一時的に売られるかもしれないが。長期トレンドが崩れることはないだろう。 貴金属のトレード戦略は、金・銀・プラチナのロングを推奨する。 非鉄相場は上値の重い展開。FOMCが始まったことで、動きづらい展開にある。FOMCでは金融政策の現状維持が見込まれているが、年内利上げへの警戒感から売りを出す動きもあり、いまは動きづらい。原油相場も下げており、上値を追いづらい状況は変わっていない。原油相場が40ドルを下回るようなことになれば、つれて下げる可能性も十分にある。 非鉄のトレード戦略は、現時点でスクウェアである。いまは見送りとし、様子を見たい。 原油は4日続落。WTIの清算値は前日に続いて3カ月ぶり安値を更新した。需給緩和への懸念が引き続き重石になっている。米国内で生産拡大の兆しが見られ始めていることは、明確な懸念材料であろう。石油掘削リグ稼働数の増加傾向や、OPECの産油量も記録的な規模に膨らんでいるため、世界的な需給不均衡の解消には時間がかかるとの見方が再び台頭しつつある。石油製品が切り返したことで、一時プラス圏に浮上する場面もあったが、基本的には上値が重い。この結果、ブレントとWTIのスプレッドは4月下旬以来の高水準に達している。米エネルギー情報局(EIA)が発表する石油在庫統計で、産油量の増加やガソリン在庫の減少が見られなければ、再び売り圧力にさらされる可能性は十分にある。トレンド反転のきっかけが見当たらず、底値を探す動きが続くことになろう。 エネルギーのトレード戦略は、ショートを維持する。繰り返しだが、目先は41.50ドルがサポートになろう。ただし、これを割り込めば一段安になろう。その場合には、節目の40ドルが意識されそうだが、割れると38.80ドル当たりがサポートになろう。それでも下げ止まらなければ、35ドルちょうどを試すと考えておきたい。上昇基調への回帰には、47ドル回復が必要であろう。
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商号 株式会社ゴゴジャン
金融商品取引業の登録番号 関東財務局長(金商)第1960号
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