急激な円高への揺り戻しがなければ、株価は堅調を維持 荒野浩の『テクニカル・ルームから』
配信日:2016/07/21 08:02
今年4回目の戻り高値を試す 更なる株高には円安の助けが必要であると申し上げてきましたが、昨晩海外時間で6/10以来の107円台を記録しました。先週の急速な円安・株高の反動で一服しやすい環境にもかかわらず、政策期待の強さからか先週ほどの強さではないものの円安・株高が続いています。 相場が堅調かどうかを判断する短期のテクニカル指標が現象面で現れています。5日(1週)と20日(1か月)がゴールデンクロス状態にあり、日々の新高値数が新安値数を上回っている状態を指します。この二つの条件を同時に満たしている限りは株価は調整しようがありません。
株高シナリオが崩れるのは円の急上昇 今年に入ってから日経平均の5日平均(MA)>20日平均(MA)&東証1部の日々の値上がり銘柄数>値下がり銘柄数を充足した場面は3回あり、今回が4回目です。過去3回は相場の強さは長期化せず、株価は下落しています。相場が崩れた原因は例外なく、急激な円高です。いずれもその円高は突然起こっています。その状況を下記でみてみます。
新高値数>新安値数&5日MA>20日MA 戻り高値期間 日数 期間の平均 3/02~31 21日 16,936円 3/29(113.81)から4/07(107.67)へ 8日で6.14円の円高
4/18~28 9日 17,082円 4/28(111.89)から 5/03(105.55)へ 4日で6.34円の円高
5/26~6/1 5日 16,973円 5/30(111.45)から 6/3(106.51)へ 5日で4.94円の円高
7/13~20 5日 16,504円
急激な円高に見舞われなかった昨年10~12月(10/7~12/7)には上記のような堅調場面が2か月継続しています。この例のように株高の持続は為替相場にかかっており、急激な円高、足元では105円を切るような円高がなければ、想定以上に堅調な株価が続くことが予想されます。 為替の急変動ということからは今晩のECB理事会、来週末の金融政策決定会合の結果とそれに対する市場の反応が注目されます。特に日銀に対する期待が大きいだけに緩和策を実施したとしても足元で8円円安が進展した後で市場の反応は単純ではないと思われます。 ここから先は、↓↓荒野浩の『テクニカル・ルームから』 ↓↓で