戻り切れない株価 荒野浩の『テクニカル・ルームから』
配信日:2016/07/09 12:13
底値圏を抜け出せない株価 予想を上回る雇用統計の発表で、米国株は大きく反応し、NYダウは史上最高値に迫りましたが、ドル・円相場は100円台で週末の取引を終えており、日本株に対する反応は限定的なものにとどまる可能性が強いと思われます。 日経平均株価は1週(5日)と1か月(20日)が6/7にミニデッドクロスを示現してから、既に1か月を経過しましたが、そのデッドクロス状態を解消できずにいます。月曜日までの6日連続高でも株価は戻り切れずに底値圏から抜け出すことができないままです。 今年に入ってからの日本株は対ドルでの円の短期急上昇で、安値を付け、その後為替が落ち着くと相場は戻りを試す繰り返しですが、今回は英国のEUからの離脱決定で、1ドル100円割れをトライしてから、最大戻っても103円台前半にとどまっており、日経平均は16,000円に届かない状況になっております。 ここで再度、5日と20日の位置関係、新高値数と新安値数の比較から、底値圏と戻り高値圏をチェックして、株価の今後の戻りを検証してみたいと思います。底値圏をミニデッドクロス状態(5日<20日)でかつ新高値数<新安値数を満たしている時、戻り高値圏をミニゴールデンクロス状態(5日>20日)でかつ新高値数>新安値数を満たしている時と仮定します。
底値圏 戻り高値圏 2/9~25 12日 15,920円 3/2~31 21日 16,936円 (戻りは1,016円) 4/1~11 7日 15,865円 4/18~28 9日 17,082円 (戻りは1,217円) 5/26~6/1 5日 16,973円 6/10~28 13日 15,804円 (戻り切れず) 7/6~8 3日 15,254円
ほぼ底値には届いたが 昨日まで4日連続安で抜け出しかかった底値圏に株価は戻ってしまい、下値模索状態に入ってしまいました。ただ、6/24に付けた円の高値を更新するようなことがなければ、15,000円を大きく割り込む懸念は小さく、株価はほぼ底値に届いていると考えられます。 一方株価が戻ることを前提にした場合、3月と4月の「底値圏」から「戻り高値圏」への上昇は1,000~1,200円で止まっており、日本株上昇の条件が整った時でも足元の15,000円台前半の水準から16,200~16,500円程度への上昇が限度ではないかと想定されます。株価上昇への条件はドル・円相場が105円を超える円安になることに集約されると考えます。
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