「ユーロ・ドル:7月11日からの週はどうなる?」 阪谷直人 実戦トレード
配信日:2016/07/10 01:19
「ユーロ・ドル:7月11日からの週はどうなる?」
ポイント: ユーロ圏では、英EU離脱決定に伴う不透明感に加え、ドイツの
5月貿易統計が失望を誘う内容となり追加金融緩和圧力が高まっています。
CME通貨先物ポジション状況:7月5日時点
(7月5日) (6月28日) (6月21日)(6月14日)
円 63568 59750 52296 55690
ユーロ ▲75327 ▲61934 ▲61346 ▲56489
ポンド ▲49031 ▲42711 ▲51947 ▲36661
シカゴIMM:投機・投資家筋のポジションで
6月28日付けのネットのユーロの売り持ち高は前週から増加。
過去最高の買い持ち高は、2007年5月15日 +119,538、過去最高の売り持ち高
は、2010年2月9日 -57,152
シカゴVIX指数:投資家の恐怖心理の度合いを示す指数
13.20(-1.56)日中高値は14.75、
過去最大は2014年の31.06、過去最安は1993年の8.89、直近では2006年の9.39
1.BOE
今週は6月23日に国民投票でEU離脱が決定されてから初めて開催される英国の
中央銀行の金融政策決定会合が14日に予定されていて、注目が集まっています。
カーニー総裁は、国民投票を受けた会見ですでに、経済の鈍化を警告し、夏に
緩和策を実施する可能性を示唆しています。
今週の7月の会合で、中央銀行は政策金利を現行の0.5%から0.25%に
引き下げることがほぼ織り込まれています。
議事録で、続く次回8月会合での追加利下げ、または資産購入規模の拡大などの
追加緩和観測が強まると一段のポンド売りにつながります。
2.ECB
8日発表のドイツ5月貿易統計は輸出が前月比1.8%減で、市場予想の0.25%増
に反してマイナスでした。
減少率は2015年8月以来の大きさです。
輸入は前月比0.1%増でしたが、増加幅は市場予想の0.4%には届きませんでした。
貿易黒字は222億ユーロ(246億1000万ドル)となり、過去最高だった4月改定値
の241億ユーロから縮小です。
輸出の減少で、今のドイツ経済の低迷が改めて示された格好です。
ドイツの輸出は今年に入って低迷しており今後も世界的な危機や原油安の影響から
成長は見込めません。
今回の統計で、ドイツの産業が、つまりユーロ圏の産業が急激に減速していることが
明らかになったと見ます。
そんな中、国際通貨基金(IMF)は8日、ユーロ圏19か国の経済に関する年次審査
報告書を公表し、英国の欧州連合(EU)離脱問題が響いて、域内の実質経済成長率
は今年の1.6%から2017年には1.4%へ減速すると予測、景気の下振れリスクは高
まっているとの見方を示しました。
世界経済が一段と減速した場合、ユーロ圏の内需・経済回復が頓挫する可能性が高まり
ブレグジットの影響のさらなる波及や、移民・難民の増加、銀行部門での問題発生
これら全てのリスク・オフが長引けば成長への打撃はより大きくなると想定します。
また、先の、1.4%としている17年の成長率見通しは、英国がEU市場に関税なしで
アクセスし続けるための交渉が比較的素早く終わることを想定したもので、その最良
のシナリオの下でもユーロ圏経済は鈍化し、今後の状況がより悪化すれば、ユーロ圏の
経済もより低下するはずです。
消費者物価が1.7%上昇にとどまると見られていることからも、来週21日のECB政策
理事会での追加緩和を予想します。
3.FOMC
結果だけを見れば前回6月15日のFOMC から大きな変化はないのですが、前回は米経済
は年内の1回、もしくは2回の利上げに耐えられるかどうかが焦点だったのに対し
今回は1回でも利上げが実施できるかどうかが注目点となるでしょう。
1. FRBは内容が良くても悪くても単月の雇用統計に過剰に反応することはない。
2.これに加え、英EU離脱(ブレグジット)問題もある
英国の欧州連合(EU)離脱決定などを含む海外に起因するリスクが米経済の阻害要因に
なる恐れがあることから、再来週26~27日のFOMC で、FRBは利上げに踏み切らない
と見ます。
予想レンジは、1.0900~1.1300 と見ます。
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