【フジトミ】ＮＹダウ急落もあり、海外原油は大幅続落

（ＮＹ貴金属） ２７日のＮＹ金は小幅続伸にとどまった。ＮＹ金期近８月限は前週末比２．３ドル高の１３２４．７ドル、ＮＹ白金期近１０月限は同７．４ドル安の９８０．７ドル。 ＮＹ株式市場の大幅安を好感して、急伸も期待されたが、前週の大幅高に対する警戒感やドル高・ユーロ安を嫌気して、イマイチ上げ切れず。週明け早々に示現した１３４０．０ドルの高値を上抜けず、ドル高を嫌気して、１３２０ドル台まで大きく値を消す場面も。ひとまず、１３２０ドル台を維持したことで、下値水準を切り上げたのは確か。株価の急落もあり、ＮＹ銀や白金は値を崩したことは、金の心理的な重石になっていたという。リスク回避の受け皿として注目されているが、積極的な買いはイマイチだった。月末・四半期末を控えて、手じまい売りも早めに表面化するようだ。 （ＷＴＩ原油・ＮＹ石油製品・北海ブレント） ２７日のＷＴＩ原油は大幅続落を強いられ、４５ドル台まで急落している。ＷＴＩ原油期近８月限は前週末比１．３１ドル安の４６．３３ドル、北海ブレント期近８月限は同１．２５ドル安の４７．１６ドル。ＲＢＯＢガソリン８月限は同４．７４セント安の１４８．６４セント、ＮＹヒーティングオイル期近８月限は同２．６８セント安の１４４．１７セント。 週明けのＮＹダウ先物の急落を嫌気して、週明けのＷＴＩ・ブレントとも軟調地合いを強いられていた。欧州時間帯に向けて、１００ドル前後で急落していたＮＹダウ先物が反発する値位置まで切り返したことで、ＷＴＩ・ブレントともプラス圏に切り返す場面もみせたが、一時的にとどまった。再びＮＹダウ先物が売り込まれたためで、ＮＹダウは米国時間帯で急落。投資家マインドの悪化も影響し、ＷＴＩ・ブレントとも一段と急落することに。株価の動きに翻弄されていたが、前週末同様、石油市場では大きなバロメーターになっている。さて、清算値決定の時間帯に向けて、原油相場は下げ幅を圧縮することに。ロイター通信が集計した米国の在庫統計の事前予想が明らかにされたためで、原油在庫は前週比２４０万バレルの減少に。ただ、この時期の減少は例年通りでもあり、戻りをみせつつ、ＮＹダウがまた大きく売り込まれていただけに、再びＷＴＩが４５ドル台に値を崩すとの声も多い。 （ＣＢＯＴ大豆） ２７日のＣＢＯＴ大豆は急反発を演じている。期近７月限は前週末比３３．５０セント高の１１３６．５０セント、新穀１１月限は同２８．７５セント高の１１０７．２５セント。 米国産大豆の輸出に対する期待と７月の米コーンベルトのホット＆ドライに対する思惑買いが活発化し、急騰につながったという。米農務省が発表した週間輸出検証高は２７万２０６６トンで、事前予想範囲内だったが、水準的にはかなり低調だった。大豆市場ではかねてから米国産の輸出拡大を期待するムードが続いているものの、実際の検証高や成約高に結びつかない状況に変わりない。また、市場では７月後半のホット＆ドライを警戒する向きもあったが、コーン市場では支援材料になり切れず。つまり、週明けの大豆は思惑先行で、かなり強引に買い進まれたといえる。シカゴ引け後に発表される作柄状況に関して、全米平均の優と良の合計に対する事前予想平均は７２％（前週７３％）。 （ＣＢＯＴコーン） ２７日のＣＢＯＴコーンは引けにかけて買い戻された期近中心にしっかりしているが、高値から大きく値を崩している。期近７月限は前週末比１．２５セント高の３８５．７５セント、新穀１２月限は同０．５０セント高の３９４．７５セント。 米コーンベルトの目先の生育に理想的な天候を警戒して、高値では利食い売りが先行し、マイナス圏に値を沈める場面もみせていた。立会半ばに発表された週間輸出検証高は１４５万１２２７トンで、事前予想上限を上回っていたが、弱気な天気予報を嫌気して支援材料になれず。大豆市場では７月後半のホット＆ドライを支援材料にしていたが、コーン市場ではまだ先の話として、目先の天気予報が重要視されていた。シカゴ引け後に発表される作柄状況に関して、全米平均の優と良の合計に対する事前予想平均は７３％（前週７５％）。テクニカル面では改めて２００日移動平均線を下回って引けており、下ヒゲの長いチャートも底打ち観測につながらず。 https://www.fujitomi.co.jp/?p=7132