「異次元の金融緩和」がもたらす「銀行の証券会社化」

「異次元の金融緩和」がもたらす「銀行の証券会社化」

「みずほフィナンシャルグループ(FG)は事業モデルの転換に本腰を入れる。融資で利ざやを稼ぐ業務から、資産運用やM&A(合併・買収)による手数料ビジネスに軸足を移して「脱金利」を進める。日銀のマイナス金利政策で金利環境が激変するなかで、事業体制を再構築する」(30日付日経電子版) 銀行の証券会社化。 セミナーで毎回指摘していることだが、これは日銀の「異次元の金融緩和」政策がもたらす当然の帰結。見誤ってはいけないことは、マイナス金利政策によって「銀行の証券会社化」が進んだわけではないということ。 実際にメガバンクの三菱東京UFJ銀行とみずほ銀行の「総資金利鞘(=資金運用利回り-資金調達原価(含む経費)」は、マイナス金利政策が取られるより前の2015年3月期で既にマイナスになっており、従来型の銀行ビジネス、利鞘ビジネスは成り立ち難くなっている。 政府と証券業界の期待に反して遅々として進まない「貯蓄から投資へ」を尻目に、銀行業界での「貯蓄ビジネスから投資ビジネス」への転換はどんどん進んでいく。そしてそれは、望むと望まざるとに関らず、多くの国民がセールス攻勢を受けることになる。 「異次元の金融緩和」によって、一般国民が求めるものと、銀行が提供したいものが食い違っていく。 銀行の中の銀行であると同時に、銀行を指導監督する立場にある日銀が、従来の銀行ビジネスを壊していくという皮肉な結果となっている。 そして「銀行の証券会社化」は、日銀の金融政策の効果を表れ難くしていくものである。金融政策が効果を発揮するための前提条件は、それに直接反応、対応する銀行が健全な状態で存在することなのだから。 日本の金融政策は、今のままで本当にいいのだろうか。
written by 近藤駿介  
商号 株式会社ゴゴジャン
金融商品取引業の登録番号 関東財務局長(金商)第1960号
加入協会 一般社団法人 日本投資顧問業協会
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