NY金早期利上げ警戒高まり、4週間ぶりの安値更新~小菅 NEWS~

NY金早期利上げ警戒高まり、4週間ぶりの安値更新~小菅 NEWS~



NY金早期利上げ警戒高まり、4週間ぶりの安値更新

********************************************************************** NY金概況と分析 ********************************************************************** NY金24日:早期利上げ警戒高まり、4週間ぶりの安値更新 COMEX金6月限 前日比22.30ドル安 始値 1,249.50ドル 高値 1,252.80ドル 安値 1,228.00ドル 終値 1,229.20ドル 米連邦準備制度理事会(FRB)の早期利上げ観測からドルが強含んだことが嫌気され、大幅続落となった。4月15日以来の安値を更新している。 米金融当局者からタカ派の発言が相次ぐ中、ドル高連動で戻り売り優勢の展開が続いている。アジアタイムから1,250ドル割れ定着を試し、その後も欧米タイムに断続的に値位置を切り下げた。1,240ドル、1,230ドルを節目を下抜いてもじり安傾向は維持され、1,220ドル台後半でも下げ止まりが確認できない状況になっている。 フィラデルフィア連銀のハーカー総裁は、年内2~3回の利上げが実施されるとの見通しを示した。具体的な時期についての言及は無かったが、経済成長率とインフレ見通しの改善を受けて、金融政策の正常化に強い自信を有していることが窺える。前日にはサンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁が6月または7月の利上げを見込んでいることを明らかにしているが、こうした早期利上げ、場合によっては年2回ではなく3回の利上げも支持する発言が続いていることが、金価格を下向きに刺激している。 CMEのFedWatchによると、6月利上げ確率の織り込みは前日の30.0%から37.5%まで上昇しており、徐々にではあるが早期利上げリスクの織り込みが行われていることが窺える。なお4割程度の織り込み状況は、実際に6月や7月に追加利上げが行われるのか、依然として懐疑的な向きも多いことを示している。しかし、今週は27日にイエレンFRB議長の講演が控えており、仮にここで最近の地区連銀総裁と同様にタカ派と評価される発言が飛び出すと、利上げリスクの織り込みが更に加速し、ドル相場高・金相場安が決定的になりかねない状況にある。 6月3日に発表される5月米雇用統計の結果を見極めたいとのムードも強いが、目先は6月利上げ確率の織り込みを100%に近づけることが要求されており、ドル建て金相場にとっては厳しい時間帯が続く見通し。 約4週間ぶりの安値とあって現物買いの再開などには注意が必要だが、米経済見通しが何か大きな変調を迫られるような事態がなければ、これまで追加利上げの織り込みが遅れていた反動を消化する必要性が高い。なお底打ち感は乏しく、1,200ドルの節目割れの可能性も十分に見通せる状況にある。 金上場投資信託(ETF)市場に対する資金流入が継続するなど、これで中期リバウンド局面そのものが終わったと考える向きは少数派である。ただ、少なくともこれまで米金融当局者の警告を無視して追加利上げの可能性を織り込んでこなかった反動は受け入れざるを得ず、利上げ確率の織り込みが100%に近づくまでは、ドル相場高・金相場安の流れが維持され易い。 ********************************************************************** NY白金概況と分析 ********************************************************************** NY白金24日:金相場連動で大幅続落、ETF売却の兆候も NYMEX白金7月限 前日比8.90ドル安 始値 1,013.90ドル 高値 1,016.00ドル 安値  1,001.40ドル 終値 1,004.20ドル 価格連動性の強い金相場の急落を受けて、白金相場も前日に続く急落になった。米連邦準備制度理事会(FRB)の早期利上げ着手を織り込む動きが続く中、1,000ドルの節目割れ目前に迫っている。 アジアタイムは1,010ドル水準での取引も目立ったが、欧米タイムは金相場連動で断続的に値位置を切り下げる展開になっている。1,000ドルの節目が近づく中で短期筋のショートカバー(買い戻し)がリバウンドを促す場面もみられたが、戻りは即座に売られている。4月25日以来の安値が更新されている。 引き続き白金需給に関しては特段の新規材料が見当たらず、金価格との連動性が重視されている。非鉄金属はショートカバーで下げ渋ったものの、金相場が前日比22.30ドル安の急落となる中、白金相場のみが下げ渋る展開を支持するような材料は見当たらなかった。本日は、フィラデルフィア連銀のハーカー総裁が年内2~3回の利上げが実施されるとの見通しを示すなど、米金融当局者からタカ派の発言が続いていることが、改めて上値を圧迫している。 マーケットは必ずしも追加利上げの織り込みに積極的とは言えないが、CMEのFedWatchをみても6月利上げ確率の織り込みは前日の30.0%から37.5%まで上昇しており、徐々にではあるが6月利上げが現実的なシナリオとして警戒され始めている。27日のイエレンFRB議長の講演を待ちたいとのムードも根強いが、最近の地区連銀総裁の発言からは6月か7月に追加利上げが実施され、場合によっては年内2回ではなく3回の利上げも支持するとの声が広がりを見せている。これまでは、6月どころか年内に追加利上げが行われるのかも懐疑的な向きが多かった反動を消化する必要性が高く、市場コンセンサスと米金融当局者との間に生じたギャップを埋める作業が、引き続きドル建て金相場の上値を圧迫し易い。 当然に、イエレンFRB議長の発言によってはこの流れにブレーキが掛かる可能性も想定しておく必要があるものの、4~6月期の米景気見通しについては一時期の弱気評価が後退しており、イギリスの欧州連合(EU)離脱リスクが高まるといった突発的な動きも警戒しておく必要がある。 金に関しては、上場投資信託(ETF)経由の資金流入が継続しているが、白金ETFは23日に1万1,213オンスの売却が報告されるなど、地合悪化の兆候も確認されている。現段階では金価格との連動性を断ち切る程の動きとは評価していないが、いずれにしてもまずは6月または7月追加利上げの織り込みが遅れていた反動を消化する必要性が高い。金相場が1,200ドル割れ定着を打診すれば、900~950ドル水準は現実的なターゲットになる。 ********************************************************************** NY原油概況と分析 ********************************************************************** NY原油24日:反発、カナダ産の供給減が米在庫に反映か NYMEX原油7月限 前日比0.54ドル高 始値 48.08ドル 高値 48.93ドル 安値 47.64ドル 終値 48.62ドル 米原油在庫の減少予想を背景に押し目買い優勢の展開になり、反発した。為替相場は早期利上げ警戒でドル高方向に振れたが、米株式相場が底固さをみせたこともあり、本日は4営業日ぶりの上昇となった。 アジアタイムは47ドル台後半でやや上値の重い展開になったが、その後はドル高に逆行する形で断続的に値位置を切り上げる展開になっている。引き続き米早期利上げ観測やドル高が強力な上値圧迫要因になっているが、先週後半以降に下値を攻め切れていないことで、改めて買い圧力が強くなった模様だ。 本日は、25日に発表される米原油在庫の減少観測が、期近を中心に買い材料視されている。市場予測は前週比250万バレルの減少となっており、カナダのオイルサンド生産トラブルが米原油在庫環境にも反映され始めるとの見方が支配的になっている。実際に、引け後にAPIが発表した米原油在庫は前週比510万バレルの大幅な減少になっており、これを受けて原油相場は49ドル台まで更に上げ幅を拡大している。 カナダの森林火災に関しては鎮火方向に向かっており、一部では生産再開の報告も聞かれ始めている。気温低下と風が弱まっている影響で、鎮火作業が順調に進む中、徐々に生産再開の準備が整い始めている。本日はAthabasca Oilが操業再開を報告している。また、前日にはSuncor Energyが操業再開の準備段階に入ったことを報告している。現実問題としては、従業員の避難解除が実現しなければ生産環境の正常化は困難だが、カナダ発の供給障害は規模を縮小する方向に展開し始めている。ただ、目先はこれまでの生産障害が米原油在庫環境に反映されるリスクを警戒する必要があり、季節外れの在庫取り崩しが進む可能性がある。過剰在庫環境とあって急騰する必要性までは乏しいが、引き続きカナダの森林火災の余波を消化する必要性が高い。 ナイジェリアでも一部で操業再開の報告が聞かれるが、武装勢力の攻撃は続いており、先行きは予断を許さない状況が続いている。カナダの森林火災とは違って、この問題を早期終息させるシナリオが描けない中、今後も中長期にわたって原油価格を刺激する見通し。 目先は、米追加利上げやドル高などが最大の下振れリスクになるが、各種供給障害で需給見通しが大きく変わったインパクトは大きく、押し目買い基調は維持されよう。27日のイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演を受けてドル高連動で下押しされるような場面があれば、更に物色妙味が高まる見通し。

情報提供元:小菅努のコモディティ・デイリー分析

商号 株式会社ゴゴジャン
金融商品取引業の登録番号 関東財務局長(金商)第1960号
加入協会 一般社団法人 日本投資顧問業協会
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