市場環境は変わった~EMORI NEWS~5/2

市場環境は変わった~EMORI NEWS~5/2




市場環境は変わった

〔Equity Market〕 株式



米国株は続落した。弱い米国経済指標が投資家心理の重石となっている。3月の米個人消費支出は前月比0.1%増と、3カ月ぶりの低い伸び率にとどまった。4月のシカゴPMIも50.4と前月の53.6から低下し、市場予想の53.3を下回った。前日発表の1〜3月期の米実質GDPも前期比で大きく減速しており、市場では実体経済の弱さが警戒されて始めている。追加利上げの先送りの織り込みも進みつつあり、株価は徐々に上値の重さを意識せざるを得ない状況になっている。米国企業の1〜3月期決算発表は終盤に入った。S&P500構成銘柄のうち、311社が29日までに決算を発表したが、74.6%が予想を上回っている。94年以降の平均である63%や、過去4四半期の平均の68.5%を超える水準となっていることから、市場では改善の兆しと捉える向きもある。利益の減少率は5.7%となる見通し。減益は3期連続となるが、事前予想の7.8%減からは改善する見通しとなった。また71%の企業が2カ月前より状況は改善しているとの見通しを示しているという。業績を圧迫していたドル高と原油安が改善傾向にあることが、これらの楽観的な見通しにつながっている可能性が高い。しかし、今後の原油価格の回復は、企業活動コストの上昇につながる。原油高=株高にはならないだろう。むしろ、原油高=株安のリスクを警戒すべきである。


〔Currency Market〕 為替



日銀の追加金融緩和見送りを受けた円買い・ドル売りの流れが一段と加速。ドル円は14年10月下旬以来の高値となる106円台前半まで急伸した。日銀の追加緩和見送り決定に対する失望感は強く、円高・ドル安基調は継続しており、この流れはそう簡単には変わらないだろう。またFRBがFOMC声明で6月の追加利上げに向けた明確なシグナルを示さなかったことも、ドル安を助長しており、これが円高につながっている面もある。さらに米財務省が半期為替報告を公表し、日本政府・日銀による安易な市場介入をけん制する姿勢を示したこともドル円の重石になりやすい。またポジション面でも、ヘッジファンドや長期の投機筋のショートが積み上がっていたことから、このポジションの巻き戻しがドル円の上値を抑えている。麻生財務相は円高が急激に進んでいることについて「明らかに一方的に偏った投機的な動きが見られており、極めて憂慮している」と発言。その上で「必要に応じて適切な対応をしていくという態勢を整えてある」とし、円売り・ドル買いの為替介入を準備していることを示唆した。


〔Commodity Market〕 商品



金はドル安進行を背景とした割安感や世界経済の先行き不透明感などから買いが入っており、5日続伸となった。いよいよ1300ドルの大台が視野に入っている。日銀が28日の金融政策決定会合で追加緩和の見送りを決定したことや、米国経済指標が低調なことから、投資家心理が悪化しつつある。また世界的な株安のリスクが高まっており、安全資産である金に買いが入りやすくなっている。FRBが追加利上げに対して引き続き慎重な姿勢を示していることも、金利が付かない金の追い風になっている。いよいよ金市場の本格的な上昇が始まりそうである。一方、COMEX金市場における投機筋のネットロングポジションは18万8030枚から18枚4087枚に減少した。ただし、その後の上昇でロングポジションを積み上げている可能性が高い。

情報提供元:江守哲のリアルトレーディング・ストラテジー

商号 株式会社ゴゴジャン
金融商品取引業の登録番号 関東財務局長(金商)第1960号
加入協会 一般社団法人 日本投資顧問業協会
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