トレンドの発生は4月か
通勤中、ふと見上げると桜が咲いていました。新年度を迎え新生活を迎える方、新しい事に挑戦する方、去年を思い出して整理をされている方、様々な想いで日々を過ごされている事でしょう。
さて仮想通貨と言えば、昨年4月は改正資金決済法の施行で日本での仮想通貨投資の認知度が急激に上がったのを思い出します。それから1年が経とうとしています。振り返れば短いようで濃い1年間でしたが、4月の相場ははたしてどうなるのでしょうか。
■買い・売りともにポイントが近くなる
日足でBTCを見ると、2月半ばから3月半ばまでしっかりしたダブルトップを形成した後に、中期のトレンドが転換し下落した事が分かります。昨年から続く長期的な下落チャネルの上限を意識しつつ、現在も流れが続いています。かなり大きな売り注文がこのラインで出ているはずなので、破産申請した取引所の手仕舞いの可能性も考えられます。
とはいえ今後も下落一辺倒かと言うと、これも難しいところです。テクニカル指標の中でも注目度が高い200日移動平均線を引くと、BTC/JPYのチャートでもかなり意識されている事がわかります。ここが買いのポイントになっていそうで、実際に1年近くBTCは200日移動平均線を下回って終値をつけていません。
したがって下落チャネル・200日移動平均に挟まれている今のBTC相場は次の方向感を模索している展開と言えそうです。どちらかに傾けば次の長期トレンドが現れそうです。これが売りの方向に傾けば50万円程度まで下落し、買いの方向に動けば一旦は120万円程度まで上昇するのではないかと見ています。
4月に期待しましょう。
■売買で意識される主要なテクニカル
連日BTC相場はテクニカル指標を意識した売買が活発に見られますが、そのなかで筆者がよく使っているものをいくつか紹介できればと思います。
まずは、チャートの見方。筆者は週足、日足、4時間足、1時間足、5分足と、必ず長い足から順番にトレンドを見極めるようにしています。週足では単純に陽線か陰線か、何週続いているのか、日足より短い足ではトレンドライン・高値・安値そして後に述べるフォーメーションを意識しています。特にトレンドライン、高値、安値は目立つところから線をとにかくたくさん引くのがポイントです。そうする事で、市場参加者が今何を意識しているのかが分かります。
次に、フォーメーション分析。ダブルトップ・トリプルトップ・三尊・逆三尊・トライアングルフォーメーションはBTC相場と相性がいいです。
最後に、インジケーター。これは完全にお好みのものを使って頂ければいいですが、筆者はボリンジャーバンドと200日移動平均線は必ず引いています。
ただしテクニカル指標については個人のスタイルや相場のタイミングとの兼ね合いもありますので、厳格にパターン化する事はおすすめしません。参考にとどめておいてください。
■実需で注目される主要企業
さて、買いの材料となりうる要因は、今年は実需ではないかと考えています。規制が立案される過程では消費者保護のスキーム作りが重要となるのですが、これは例えば仮想通貨が「資産として守られるべきか」「決済手段として守られるべきか」によって想定しうる規制の形が変わります。したがって、仮想通貨の今年の報道と注目の的は実需取引に向かうと読んでいます。
その実需取引、参考までに日本ではどのような企業が参加し、どのようなプラットフォームを提供しているのか、数例を挙げてみたいと思います。
・ビックカメラ 商品等の決済
・ビットフライヤーなどの仮想通貨交換業者 取引所と海外送金
・リクルート サービスの決済
・メルカリ 転売の決済
・LINE 取引所兼決済(の見込み)
他にも同様の企業がズラリと並びますが、こうしてみるとIT会社が非常に多く、かつ国際的にビジネスを展開し、アライアンス(提携)巧者が多いなという印象を持っています。金融機関がこれまで高い手数料を正当化していた海外送金や海外決済の分野を一気に奪い取るというメリットが明確なため、参入効果が高いのでしょう。逆に、銀行と同舟の百貨店やクレジットカード関連会社などがカニバライゼーションを忌避し全く参入していない事もその事を暗に示しています。
このような国内外の企業群により新しいサービスが4月以降ローンチされると、仮想通貨にとっては買いの材料になりうるので、規制関連と併せて上記企業のヘッドラインにも期待しましょう。
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【執筆者】
河田 西欧(カワダ サイオウ)
トレイダーズ証券市場部ディーリング課
スイス・ジュネーブ生まれ。慶應義塾大学卒。
世界各国を旅した経験から実体験に根ざしたファンメンタルズ分析は説得力がある。
学生時に学んだ行動経済学を活かし、市場参加者の心理的バイアスを理論的に分析しトレードに活かす。
趣味は将棋でアマ高段者の腕前。中盤の駆け引きは相場の次の一手を読む時にも活かしている。
「大衆は常に間違っている」が信条。
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