ラクラク勉強法
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連載「相場のこころ トレードの本質」その31
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まとまった原稿を書くとき、着手が遅れがちです。
でも、ファイルを用意して数行だけでも書いておくと、いつのまにか頭の隅で考えているので、時間が経過するうちにアイデアが整っています。
素早く一歩だけ行動することで絶大な効果が得られる例ですが、ほかの仕事にも私生活にも応用できるワザだと思います。
金融の世界は、意外と単純です。
すべてが数字で計算されるので、極端な言い方をすれば「子どもでもできる」。
マーケットの価格変動が大きいだけです。
しかし、数字の約束事が細かいので、「分野ごとに知識も対応方法も大きく異なる」といえます。
私は株の世界で経験が長いのですが、同じ株でも、例えば新規公開のことだと乏しい知識しかありません。
オプション取引の基本的な仕組みは理解していても、いざ具体的な戦略をつくろうとしたら突破口に迷います。
外務員試験に出た「債券の利回り計算」は今でも記憶していますが、債券市場の現状については情報がわずかしかありません。
以上のことから、次の2つの実践論が導き出されます。
1.勉強することが必要
2.でも、狭い範囲だけでいい
金融市場は単純だと述べました。
資金さえ用意すれば、誰でもサッと参加できます。
(口座開設等の手続きだけは必要)
まるで、ウェアから板までなんでも貸してくれるスキー場です。
こんな手軽さがあるため、勉強しないで実践する人ばかり。
でも、ちょっと勉強するだけで、
自信がつく、
行動の理由が明確になる、
実際に他人より前に出られる、
と断言します。
私の最新刊『凄腕ディーラーの戦い方』に登場する田畑昇人氏は、負けトレードの“振り返り”を簡略化する理由を次のように述べています。
「僕も怠惰な人間なのですが、多くの人も同じように怠惰だからです(笑)。だからこそ、金融マーケットに値動きがあり、FXの場合は株よりも合理的とはいえ、必ず値動きが加速する場面があるのだと思っています」
金融の世界、トレードの競争にも「素早く一歩だけ行動することで絶大な効果が得られる例」があるのです。
ラクな気持ちで、小さな疑問について調べるクセをつけましょう!
よろしいですか?