segwit2x中止にもかかわらず上値は重い
11月の主題のsegwit2xは思わぬ形で中止となり、BTC相場は落ち着きを取り戻しました。
9月から綺麗な上昇トレンドを描いてきたBTCは、今後は上昇ペースが弱まるのではないかと見ています。
■Segwit2xが中止に
チャートはボリンジャーバンド2σを載せました。
10/31にCMEがBTC先物を年内に上場させる事を発表。また、11/8にはBTCが分裂するsegwit2xのハードフォークが中止になる事が発表されました。これらを受け9月からの上昇トレンドは継続し年内最大の上げ幅となりました。なお今年に入って最長の上昇トレンドは約2か月で、9/15を現在の上昇トレンドの始点と捉えるとその水準に近づいている事が伺えます。
ただし、急勾配なトレンドラインを突破するほどの過熱感があったためか、segwit2xの混乱など、波乱要因が消失したにもかかわらず上げ幅は限定的でした。材料消化感と後に述べる需給要因から市場は閑散気味で、木枯らしの吹く気配です。
■分散投資勢の引き上げがBTCの火力を弱めている
今回の長期に渡る上昇トレンドは、BTCが分岐する事で新たにアルトコインが付与される事を見込み買いが強まったことに起因します。そのため高値圏に突入すると現物価格がレバレッジ取引価格を上回るようになり、アルトコインが軒並み下落するような展開でした。
ゼロコストで新しいアルトコインをポートフォリオに組み込むことができるため、分散投資の投資家が一時的にアルトコインからBTCにポジションを傾け、これだけ長期に渡り上昇トレンドが続いたと思われます。そのため、価格水準問わずBTCは買われ続けました。しかし、segwit2xが中止された後は、アルトコイン付与への期待が消失したことから、分散投資勢は撤退しています。
このため、再びレバレッジ取引価格が現物価格を上回るようになり、11/9現在アルトコインが急騰しています。
■突破したトレンドラインが焦点
チャートのトレンドライン(上)まで価格が下落したタイミングでしっかり反発が見られれば、依然として買い意欲が強いと推測できる事から買いのシグナルとして捉え、反発がなくそのまま下落していくような展開なら、ボリンジャーバンドの収束を見つつ、調整局面に突入したと捉えます。その際は、タイミングを見てショートで入り、反転を確認したら押し目で本格的にロングに転じたいところです。
■年内100万円にターゲットを設定
segwit2xへの不安が消失し、また先物上場への期待感が続いている事から年末のBTC/JPYは100万円を目指すと考えています。しかしながら現在の水準では買えていない投資家が多数いると見られ、かつ分散投資家の「特需」もないため、11月は上昇ペースが緩やかになりどこかのタイミングで一旦大きく下落すると考えています。そこで買いを集めてから本格的に100万円を目指す展開となるのではないでしょうか。
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【執筆者】
河田 西欧(カワダ サイオウ)
トレイダーズ証券市場部ディーリング課
スイス・ジュネーブ生まれ。慶應義塾大学卒。
世界各国を旅した経験から実体験に根ざしたファンメンタルズ分析は説得力がある。
学生時に学んだ行動経済学を活かし、市場参加者の心理的バイアスを理論的に分析しトレードに活かす。
趣味は将棋でアマ高段者の腕前。中盤の駆け引きは相場の次の一手を読む時にも活かしている。
「大衆は常に間違っている」が信条。
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