分裂危機が一服、これまでの値動きを振り返る
はじめまして。トレイダーズ証券にて通貨のトレーディングに従事しております河田西欧と申します。
今月よりfx-onにてBTC相場のレポートを担当させていただく事となりました。
それでは、早速ですが今後の相場展望に向かいましょう。
■7月相場を振り返る
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4月の改正資金決済法の施行からBTCは一気に上昇トレンドに入り340,000円を窺う勢いでしたが、7月上旬に入ると調整局面に入りボラティリティも低下しました。中旬に入るとBTCは突然急落し海の日を挟む三連休で改めて底値を試しました。
前半期の緩やかな値動きからサポートラインを高めに予想するトレーダーが多かったものの、今月の下落で裏をかかれたかのごとく急落してしまったため、ストップロスを巻き込んだ売りが続き年初来安値の86,000円近辺からの上昇を約50%戻す205,000円-210,000円付近まで下落しました。しかし、7/17からは一転して上昇トレンドに入り、345,000円台をつけ高値を更新しました。
利益確定売りからやや値を落としたものの、現在BTCは300,000-320,000円程度を推移しています。
取引所の価格動向を見ていると、今回の下落劇はショートエントリーが可能な証拠金取引の価格が現物取引の価格に先行して下落する形をとっており、6月までのロングポジションを狙った投機筋が空売りを一斉に仕掛けたのが下落の主因だと見ています。休日に大きく動いたことで改めてBTC相場の怖さを確認した下落劇でしたが、BTCの分裂危機は下落前からも市場関係者の間で認識されていたので今回の下落は市場の恣意に沿った動きだったのではないかと思います。
■BTCはまだ割安感がある
今回の下落劇の最中BTCの成長性について疑問を呈し価格暴落を予想した識者のコメント等も見受けられましたが、筆者の所感としては「時期尚早」です。次号以降に触れたいと思いますが、BTCの上昇を牽引しているのは今のところ技術的な革新やアップデートより、規制改革や普及度に伴うBTC保有者数の純粋な伸びの影響が大きいと考えています。
現に日米の個人投資家で仮想通貨に投資を行っている人の割合は依然として3%(マネックスグループ調べ)の一方で、「興味はあるがまだ投資していない」と答えた割合は日本では35%、米国では24%(同調査)とまだまだ十分に伸び代があると感じています。新興国をはじめ政府主体でデジタル通貨を促進する動きも本格化していませんし、機関投資家もほとんど投資していない状況から、現時点でのBTCへの投資は初期段階と言えるでしょう。
直近の相場を騒がせたBTC分裂危機も無事乗り切った事で、中長期的には非中央集権体制における仮想通貨コミュニティの自主管理能力をポジティブに捉える向きが増えてくるのではないでしょうか。
■8月以降の展開
上記の理由から、BTCは再び上昇トレンドに向かっていくと考えています。
昨年末からBTCは上昇したあと2カ月の調整期間を経て再び高値をトライする周期性が確認できるので、5/25につけた340,000円付近の高値に再びトライしていく展開を予想します。
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【執筆者】
河田 西欧(カワダ サイオウ)
トレイダーズ証券市場部ディーリング課
スイス・ジュネーブ生まれ。慶應義塾大学卒。
世界各国を旅した経験から実体験に根ざしたファンメンタルズ分析は説得力がある。
学生時に学んだ行動経済学を活かし、市場参加者の心理的バイアスを理論的に分析しトレードに活かす。
趣味は将棋でアマ高段者の腕前。中盤の駆け引きは相場の次の一手を読む時にも活かしている。
「大衆は常に間違っている」が信条。
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