【フジトミ】海外原油は急伸、WTIは期近ベースで1か月振りの50ドル台回復
(NY貴金属)
19日のNY金は小幅高で取引を終えた。NY金期近6月限は前日比0.8ドル高の1253.6ドル、NY白金期近7月限は同3.4ドル高の940.2ドル。
ドル安は支援材料になっていたが、NYダウの急伸に上値は抑制されていた。イランの大統領選挙が19日に実施され、当初、再選確実とみられたロウハニ大統領によって厳しい情勢に立たされており、リスクヘッジとしての買いが影響し、1250ドル台を回復することに。選挙結果が週明けのNY金の材料になるだろう。さて、また、トランプ政権での政治スキャンダルが浮き彫りになっており、ドル安要因に。その割にNYダウが急伸したものの、週末の動きによって、ドル安が一層加速する可能性もあり、週明けのNYダウ先物安になれば、NY金の1260ドル回復もみえてくるが、強硬派のライシ師が大統領になった場合、ドル相場に関係なく、1260ドル台回復が予想されている。
(WTI原油・NY石油製品・北海ブレント)
19日のWTI原油は期近ベースで50ドル台を回復するなど、1か月振りの水準まで急伸している。WTI原油期近7月限は前日比1.01ドル高の50.67ドル、北海ブレント期近7月限は同1.01ドル高の53.61ドル。RBOBガソリン6月限は同4.60セント高の165.23セント、NYヒーティングオイル期近6月限は同3.74セント高の158.27セント。
OPEC総会を25日に控えて、ロシアとサウジの減産延長の合意に賛同する声が高まっている。主要産油国であるイラクやイランも同調する意向を示していた。現在、サウジしか減産目標を達成していないが、その他産油国の遵守によって、追加減産の効果も生まれるとの思惑もあり、上げの拍車がかかった。NYダウの急伸もトランプ米大統領の政治スキャンダルにリスク後退を印象付けることになり、上げに弾みをつけたとみられている。米ベーカー・ヒューズが発表した原油の掘削リグは前週比8基増の720基となり、18週連続の増加となったが、売り材料にならず。目先はイランの大統領選挙に注目され、週明けの変動要因になることも予想され、市場では注視している。
(CBOT大豆)
19日のCBOT大豆はブラジルの通貨高を受け反発している。期近7月限は前日比8.50セント高の953.25セント、新穀11月限は同8.00セント高の952.75セント。
ブラジルの通貨安を嫌気して前日急落したが、対照的な動きをブラジルのレアルがみせたため、週末要因の買い戻しを誘ったという。米国大豆の需要改善が再び期待されての上昇となったが、前日の急落に対する自律反発とみられる。実際の需要改善は厳しい状況にあり、週明けはまた売り直されるとの見方も少なくない。本日のファンド筋の買い越しは推定4000枚。
(CBOTコーン)
19日のCBOTコーンは急反発となった。期近7月限は前日比6.25セント高の372.25セント、新穀12月限は同5.75セント高の389.75セント。
原油の急伸やドル安をキッカケにした打診買いが台頭し、週末の買い戻しを助長することに。期近7月限は再び3.70ドル台を回復。3.70ドル台では米コーンベルト東部の降雨による作付遅れも認識されていた。土壌水分が過剰気味であるため、週末にかけての降雨による作付遅れも警戒されていた。再び20日、200日移動平均線を上回ったものの、一目均衡票の雲を壁にした展開に変わりはない。米コーンベルト東部の土壌水分過多や作付遅れ懸念は以前から指摘されていたが、NYダウの急伸によって市場ムードが好転したため、再認識された模様。本日のファンド筋の買い越しは推定1万枚。
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