【フジトミ】減産延長の動きを好感して海外原油急伸も、高値から大きく値を崩す
(NY貴金属)
15日のNY金は続伸し、4営業日連続で上昇している。NY金期近6月限は前週末比2.3ドル高の1230.0ドル、NY白金期近7月限は同11.2ドル高の928.7ドル。
安全資産として注目されるようになり、1230ドル台でも上値追いの展開をみせた。原油急伸も買いに拍車をかけ、期近6月限は一時、1237.4ドルを示現した。ただ、原油の高値からの値崩れとNYダウ急伸を嫌気して、NY金もズルズルと水準を切り下げた結果、1230ドル割れへ。その後は、1230ドル台を維持する動きをみせている。トランプ政権の不確実性の拡大、サイバー攻撃のリスク要因も注目されている。イランの大統領選挙やトランプ米大統領によるイスラエル訪問も22日に予定されており、イベントリスクを警戒した動きから堅調地合いが期待されている。パラジウムの高値からの急落は、貴金属市場での利食い売りを誘ったともみられている。
(WTI原油・NY石油製品・北海ブレント)
15日のWTI原油は急伸したが、高値から大きく値を消すなど、波乱の展開を強いられた。WTI原油期近7月限は前週末比0.99ドル高の49.16ドル、北海ブレント期近7月限は同0.98ドル高の51.82ドル。RBOBガソリン6月限は同1.93セント高の159.54セント、NYヒーティングオイル期近6月限は同1.63セント高の150.96セント。
ロシアのノバクエネルギー相はロシアとサウジが現在の減産を2018年3月まで延長する必要性で合意したことから、25日のOPEC 総会での減産延長観測が高まり、ストップロスの買いはヒットして急伸することに。特に欧州の時間帯に買いが膨らみ、取引中心限月である期近7月限は49.97ドルまで急伸し、50ドルに迫る動きをみせた。しかし、米国時間帯に入って上げ幅を縮小し、WTI・ブレントとも1ドル近く、高値から値崩れを強いられた。減産延長の時期は予想外だったものの、サプライズ的な内容でもなく、逆に米国の原油増産のペースが早まるとの観測も出て、25日のOPEC総会前に材料出尽くしになることも警戒され、値崩れを強いられることに。米国の原油増産基調が加速すれば、減産延長に効果はなくなることに。さて、ロイター通信が集計した在庫統計に対する事前予想は強い内容だったが、減産延長が話題の中心にあるため、材料視されず。
(CBOT大豆)
15日のCBOT大豆は期近中心に小反発。期近7月限は前週末比2.75セント高の965.75セント、新穀11月限は同1.25セント高の961.00セント。
期近7月限は9.60ドル台を維持したこともあり、テクニカルな買いも支援材料になり、9.70ドル台回復もみせたが、買いは長続きせず。米農務省が発表した週間輸出検証高は事前予想下限を下回るかなり弱気な内容に。NOPAが発表した4月の圧砕高は1億3913.4万ブッシェルで、事前予想平均の1億4573.9万ブッシェルを大きく下回るなど、需要に関して弱気な内容が相次いで発表された。しかし、売り材料に評価し切れず、値ごろ買いに支えられていた。ファンダメンタルズの弱い状況が続いており、いずれ、9.60ドルを大きく下抜けるとみられている。シカゴ引け後に発表される全米平均の作付進捗率に対する事前予想平均は28%(前週14%)。
(CBOTコーン)
15日のCBOTコーンは小麦急落に追随して反落している。期近7月限は前週末比3.50セント安の367.50セント、新穀12月限は同3.75セント安の385.00セント。
小麦は世界的な供給増を警戒した動きとなり、急落へ。シカゴ小麦は一時、カンザスでの降霜によるダメージを警戒して急伸したが、その後はズルズルと売られているが、それでも割高な値位置とみられ、売りつなぎを浴びていた。実際、降霜のダメージはほとんどなく、ロシアやウクライナの今後の荷圧迫に市場は警戒していた。コーンに関して、作付進捗率に関心が集まっていたが、週末までの急ピッチの作付進展も期待され、今週に入っての降雨予報も出ていたが、支援材料になり切れず。シカゴ引け後に発表される全米平均の作付進捗率に対する事前予想平均は68%(前週47%)。引けにかけて下げ幅を拡大し、ほぼ安値引けとなっている。
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