【フジトミ】ロシアとサウジの減産合意延長の動きを好感して石油市場は出直りをみせる
(東京原油・石油製品)
15日の東京原油・石油製品は昼前に急伸した海外原油を好感して買い直された。原油期先10月限は前週末比260円高の3万6190円、ガソリン期先11月限は同180円高の4万8960円、灯油期先11月限は同210円高の4万9050円。
円高進行と海外原油の水準切り下げを受け、東京は夜間から反落している。週明けのWTIやブレントは軟調地合いをみせたが、弱気な米ベーカー・ヒューズの原油のリグ稼働数を嫌気したためとみる。この海外原油安を嫌気して東京原油は夜間の終値水準を下回って始まった。その後は円安や海外原油の戻りもあり、下げ幅を縮小していた。さて、昼前にWTIが急伸した。ロシアとサウジが2018年3月まで減産得延長で合意したことが明らかになったため。それまでのWTIはNYガソリンの強調地合いに追随して戻りをみせたが、その発表後、WTIが主導して急伸し、東京原油先限は一気に3万6000円台を回復。予想以上の減産延長期間とさらなる減産幅拡大の検討の可能性が示唆され、海外原油はサプライズの反応をみせたが、WTI期近7月限は49ドル台を越える場面も。ただし、米国の原油増産を認めることにあり、さらなる原油増産拡大につながるとみられるだけに、この急伸が長続きするとは考えにくい。
(東京貴金属)
15日の東京金は引けにかけて上伸へ。金期先4月限は前週末比5円高の4479円、白金期先4月限は変わらずの3390円。
東京金は円高を嫌気して夜間取引から軟調地合いを強いられた。NY金は週明け早々、1230ドル台回復も、買いは長続かず、10時過ぎにNY金はマイナス圏に値を消した。しかし、政治イベントリスクを警戒して改めて1230ドル台を回復し、NY金の底固さが印象付くことに。東京金は4470円台を昼からまた回復し、朝方の戻り高値を更新。白金は13時台にプラス圏に水準を切り上げた。ただ、NY白金が930ドルに抵抗する動きをみせたため、東京白金の買いは一服。東京金は14時半過ぎにようやくプラス圏に入ったが、NY金の上伸が決め手である。東京金の買いスタンスはそのままで、22日のトランプ米大統領によるイスラエル訪問待ち。
(東京ゴム)
15日の東京ゴムは総じて続伸。期先10月限は前週末比4.9円高の219.4円。
週明けの東京ゴムは当限の堅調地合いを好感して期先にかけても上伸し、10時過ぎに先限は220円を示現した。当限は渡し物不足を手掛かりにして前週後半から急伸しているが、週明けは280円台に水準を切り上げた。さすがに先限の220円には抵抗をみせ、その後、217円台まで値を消した。しかし、当限の強調地合いに変化ないこと、逆ザヤ幅がかなり拡大したことで、期先限月への割安さもあり、219円台に何度も戻し、15時前に220円を突破した。
(東京トウモロコシ)
15日の東京トウモロコシは円高の下、下げ渋りの反動安で売られるも、その後下げ幅を縮小している。期先5月限は前週末比10円安の2万2630円。
前週末の日中取引で弱材料に関係なく下げ渋りをみせていた反動もあり、夜間取引序盤から値崩れをみせ、先限は一気に2万2500円割れをみせた。一方でシカゴは米コーンベルトの不透明な天気予報もあり、小反発したが、円高進行もあり、東京は下落したままだった。週明けは円高を警戒した投げを浴びて夜間の終値からさらに下落して始まった。2万2450円で始まり、その後、2万2500円台回復もみせたが、週明けに再開したシカゴ安もあり、その後は2万2500円を挟む動きに。週明けのシカゴ安は週末にかけての急ピッチの作付進展期待観測が売り材料になっているとみる。日本時間の明朝5時に発表される作付進捗率から目が離せないが、平年並を上回るか、下回るかがポイントに。引け間際に値を跳ばし、先限は一時プラス圏に。
(東京米国産大豆)
15日の東京一般大豆はマチマチ。期先4月限は前週末比70円高の4万7870円。
朝方から全くの動意薄で、狭いレンジで推移していた。シカゴ続落や円高に反応薄で、週末は下げ渋りをみせていた。週明けのシカゴ大豆は戻しているが、小幅にとどまった。それまでのシカゴ急落うを無視した展開から、東京の値位置はかなり割高といえる。大豆の作付進展も警戒されるが、大豆への作付シフトも想定されるだけに、買いを仕掛けるタイミングではないが。
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