第26回 逃れられない都合の良い自分 ~自己奉仕バイアス~
人間というのは、実に都合のいい動物です。
物事がうまくいった時は、あたかも自分のおかげだと思い、
失敗した時は、他人のせいにします。
学生時代の運動会、自分が所属した組やチームが勝ったのは、
「自分が活躍したからだ!」
と思いませんでしたか?
逆に負けた時は、
「俺が頑張っているのに、他のみんながもっと頑張らないから負けたんだ、何やってるんだ!」
という不確かな思い込みしてませんでしたか?
成功の原因は自分、失敗の原因は他人や環境、不運ということで、
自分が制御できないことにあると考えがちです。
夜の飲み屋でくだを巻くサラリーマン、
批判するのは簡単ですが、自分は省みているのでしょうか。
また、ドライバーは、大きな事故を起こしたことがない人の多くは、
事故を起こしたことがないので、運転がうまいと決めつけています。
他の車から見れば、危なっかしいので、
車間距離を空けたりしているだけなんですけどね。
当然投資に関してもこれは当てはまります。
利益を出せば、自分の力、
負けたら、手法が悪い、相場環境がよくなかった、いつもと違った、
と考えるのは、日常茶飯事ではないでしょうか。
これを自己奉仕バイアスと言います。
自尊心を保つために、
自分自身を居心地をよくするような説明をしたがるということです。
また、他人から、どう見られたいか、ということも考えられます。
早い話、見栄っ張り、という感じですね。
また、厄介なことに、以前書いた確証バイアスともからみ、
自分の主張の都合のいい所ばかり目がいってしまうものです。
テレビの討論番組でも
バランスの悪い発言している評論家がいますよね。
これって、見ていると結構滑稽です。
投資の世界は非情です。
都合がよくマーケットは動きませんし、
自己奉仕バイアスが顕著であればあるほど、
勝ち組トレーダーから離れていきます。
悲しいことに、自分で気づかないことがほとんどです。
ある程度は仕方がない、
また、相場である程度勝てるようになっても、
常に謙虚でいる姿勢が、
長くマーケットで生き残るための心得と胸に刻んでおきましょう。
矢田の成績等はコチラ http://fx-mental.info/
よろしいですか?