新しいルールの発想する「2つの手順」ー日本株システムトレード基礎講座⑦
新しいルールの発想する「2 つの手順」
証券アナリストで、システムトレードに関するセミナー講師を担当しています、フェアトレー
ド株式会社の西村剛(にしむらつよし)です。本講座では、ご覧頂いた皆さまが基礎から「シス
テムトレード」を理解できるように、やさしい言葉とやさしい表現で解説していきます。ぜひ、
最後までお付き合い頂ければと思います。今回のテーマは、新しいルールの発想する「2 つの手
順」です。では、中身に入りましょう。
どのようにして売買に役立つ「新しいアイデアを発想しているか」ということについて、解説していきたいと思います。
はじめに売買ルールを考える前に、どのような目的で使うルールであ
るかを明確にしておく必要があります。例えば、月単位で安定的に利益をあげたいということで
あれば、売買回数の多いデイトレード型のルールでないと困難かと思います。
平日働いている方ですと、場中を見る必要のないスイングトレード型ということになるでしょう。デイトレード型
なら分足(1 分足、5 分足など)での検証が必要となります。スイングトレード型であれば、通
常の日足だけで検証が可能となります。
本講座をご覧頂く方の中には、初心者が多いかと思いますので、ここでは一般的なスイングトレード型のルールを作る前提で話を進めたいと思います。
まず、最初に売買ルールを考えるときに、大まかでかまわないので「どのようなタイプのルー 「どのようなタイプのルー
ルを作るか?」というコンセプトが必要です。市販のソフトなどを使って、検証を始める方が最
初にやりたくなるのは、様々なテクニカル指標を組み合わせてバックテストを繰り返すことでは
ないでしょうか。
例えば「RSI とストキャスティクスを組み合わせたらどうなるか」などを考え
ます。
しかし、ソフトに用意されているテクニカル指標をがむしゃらに組み合わせることで良いルー
ルを作るというのは、あまり賢い方とはいえません。なぜならば、数十種類ものテクニカル指標
を組み合わせると、ほとんど無限に近い組み合わせが存在するため、作業量として現実的ではな
いからです。そこで、最初に必要なのが、「どのような局面を狙ってトレードするのか ってトレードするのか?」という
基本的なコンセプトということになります。
例えば、以下のようなものが考えられます。
・短期間の急落を狙った逆張りなのか、
・トレンドに沿って売買を行う順張りなのか、
・あるいは特定のパターン(ローソク足の形など)を狙ってトレードするのかってトレードするのか
このように大まかなもので、問題ありません。コンセプトがしっかりとしていれば、どのよう
なテクニカル指標を使うかということが自然と決まってきます。
逆張り系のルールを作るのであれば、「RSI」「移動平均からの乖離率」などが代表的です。順
張り系のルールであれば「MACD」「ブレイクアウト ブレイクアウト」などでしょうか 」 。
基本的なコンセプトが決まっていれば、使用するテクニカル指標は何でも良いともいえます。
これまで「逆張り系の売買ルールを作るのに、どのテクニカル指標を使えばいいか?」というご
質問を何度かいただいたことがあります。しかしながら、どれを使えばいいという答えがあるは
ずがありません。
よく考えていただければわかるかと思いますが、
例えば短期の逆張り型の売買ルールを作るために、
「××日移動平均からの乖離率が-××%」ということと、
「XX日前からの株価の下落率が-××%」ということは
どちらもほとんど同じような意味を表しているわけです。
テクニカル指標というものは、単に過去の株価を特定の目的のために加工しただけの道具に過ぎません。つまり、自分の目的に近い
ものであればどれを使ってもいいということになります。ただし、どれを使うかを選択するため
には、テクニカル指標の大まかな意味くらいは知っておく必要はあります。では、ここで内容をまとめましょう。
売買ルールを作るための手順は、以下の通りになります。
■手順.1
■
どのような局面を狙ったルールを作るかを明確にする
(短期 or 長期、順張り or 逆張りなど)
■手順.2
■
どのテクニカル指標を使うかを選択する(複数の組み合わせも検討)
おそらく、これだけで売買ルールの発想方法を理解するのは難しいかと思います。
そこで、「売買ルールの構築に挑戦」の講座では、具体的に簡単なルールを作りながら、もう少
し踏み込んだ解説を行っていきたいと思います。
よろしいですか?