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【2017.05.18】小菅努のコモディティ・デイリー分析
配信日:2017年05月19日 06時46分
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       小菅努のコモディティ・デイリー分析


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NY金概況と分析
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NY金18日:反落、ドル安一服で利食い売り先行

COMEX金6月限 前日比5.90ドル安
始値 1,261.40ドル
高値 1,265.00ドル
安値 1,246.20ドル
終値 1,252.80ドル

前日の急伸相場に対する反動から調整売りが先行し、反落した。株安、金利低下、ドル安に一定のブレーキが掛かったことで、ポジション調整が優先されている。ただ、引き続きトランプ大統領の政策運営に対して懐疑的な見方も根強く、下げ幅は限定された。

アジア・欧州タイムは不安定な金融市場を警戒して、押し目買い優勢の展開になった。欧州タイムには一時1,265.00ドルまで上値を切り上げ、戻り高値を更新している。ただ、ニューヨークタイムは株安、金利低下、ドル安が一服したことで早めに買い玉整理を進める動きが目立ち、安値は1,246.20ドルに達している。

トランプ=ロシア疑惑に関しては、特別捜査官が設置され、調査が本格化することになる。依然としてメディアや民主党は大規模な批判キャンペーンを繰り返しており、共和党内でもトランプ大統領に対して批判的な声も見受けられる状況にある。基本的な見方としては、この問題は一時的なショックに留まると考えている。共和党のパワーバランスをみれば、大統領弾劾が実現する可能性は低く、トランプ大統領が自ら辞任を選択する可能性も低い。米金融緩和縮小のプロセスにも大きな影響は生じない見通しである。実際に金上場投資信託(ETF)では特にまとまった買い圧力は確認されておらず、瞬間的な投機マネーの流入が相場を押し上げているのに留まっている。もちろん金ETF残高が本格的に増えるような事態になると、安全資産に対する投資ニーズの高まりが長期化する可能性もあるが、現段階では突然の疑惑浮上に金融市場が混乱し、金相場もその対応を迫られている段階に過ぎないと考えている。

依然としてボラティリティ指数が高止まりするなど、なお瞬間的な上振れリスクを想定しておく必要があるものの、時間の経過と連動してこの問題が鎮静化していくことで、金相場は再び軟化する方向性が基本になる。明確な売買指標のないテーマのため、投資判断が難しい局面が続くが、現時点での評価としては瞬間的な上昇圧力に留めたい。

一方、5月フィラデルフィア連銀製造業指数は前月の22.0から38.8まで上昇し、ニューヨーク連銀製造業指数で広がった製造業減速への懸念を後退させている。新規失業保険申請件数も抑制されており、政治問題の消化さえ一巡すれば改めて6月利上げ観測がドル買い・金売りを促しやすい地合は維持されている。CMEのFedWatchによると、6月利上げ観測の織り込みは73.8%に留まっているが、FOMC前後には90%水準までの引き上げが要求される可能性が高く、金相場は潜在的な下落リスクを多く残した状態にある。まだ強めの経済指標を正当に評価できる地合にはなっていないが、トランプ=ロシア疑惑に基づく上昇トレンドが本格化するかは疑問視している。


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NY白金概況と分析
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NY白金18日:反落、金融市場の混乱一服で利食い売り

NYMEX白金7月限 前日比9.30ドル安
始値 946.20ドル
高値 949.00ドル
安値  935.50ドル
終値 936.80ドル

トランプ=ロシア問題を受けての金融市場の混乱がやや緩和したことで、金相場と同様に利食い売りが先行する展開になった。戻り高値の更新も見送られている。

アジアタイムの949.00ドルをピークに、戻り売り優勢の展開になった。前日の急伸に対する過熱感があることに加えて、株安、金利低下、ドル安にブレーキが掛かる方向性になったことで、調整売りが先行している。ニューヨークタイム入り後は930.40ドルをボトムに押し目買いが下値を支えて下げ渋ったが、改めて本格的に買い進むような動きは見送られている。

トランプ=ロシア問題に関しては特別捜査官が設置されるなど、今後も疑惑追及の流れは続くことになる。CNNなどリベラル系メディアは大規模な批判キャンペーンを繰り返しており、まだこの問題は完全に終止符が打たれた訳ではない。依然として新しい材料も次々に浮上しており、議会が政策議論からスキャンダル追及に軸足をシフトさせれば、当然にリスク資産売り・安全資産買いの動きが続き、安全資産としての貴金属投資ニーズが金相場連動で白金相場を押し上げる可能性は残る。白金価格と他貴金属価格との相関をみると、白金に関してはパラジウムとの連動性がほぼ認められず、専ら金相場との間に強い連動性が認められる状況が続いている。

プラチナ需給のひっ迫見通し、コスト論などの視点では、金価格と比較して白金価格の下値不安は限定されるが、現段階では金価格が上昇すれば白金も買われ、金価格が下落すれば白金も売られるのが基本パターンになる。

トランプ=ロシア問題がどこまで広がりを見せるのかは予測が困難であり、短期スパンでは白金相場も底固い展開が続きやすい。米政治停滞リスクの払しょくまでは、時間が要求される可能性がある。ただ、トランプ大統領の弾劾や辞任といった展開はメインシナリオではなく、一時的な上昇圧力との評価が基本になる。金上場投資信託(ETF)残高の伸びが鈍いことは、安全資産に対する投資ニーズの高まりは依然として一時的とみている向きが多いことを示している。

ブラジルでテメル大統領が汚職に関与したとの疑惑が浮上するといったリスク資産売り・安全資産買いを促しやすい新たな材料も浮上しているが、それに連動した新興国通貨売りの動きは白金相場のコスト論に対してはネガティブな動きであり、現段階では白金相場の関心は高いとは言い難い。ランド相場は対ドルで約1週間ぶりの高値圏まで反落していることだけを把握しておく程度で十分だろう。


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NY原油概況と分析
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NY原油18日:ドル安一服も続伸、協調減産への期待強い

NYMEX原油6月限 前日比0.28ドル高
始値 48.93ドル
高値 49.60ドル
安値 48.05ドル
終値 49.35ドル

ドル安傾向には歯止めが掛かったが、協調減産の延長による需給リバランスへの進展期待から小幅続伸した。

アジアタイムは48ドル台後半を中心に揉み合う展開になったが、欧州タイム入り後は依然として国際石油在庫が高止まりしていることなどを手掛かりに、利食い売りが先行する展開になり、一時48.05ドルまで下値を切り下げた。しかし、その後は協調減産の延長に伴う在庫取り崩しへの期待感を背景とした買い圧力が再び強まり、49.30~49.50ドル水準までコアレンジを切り上げて引けている。

5月25日に石油輸出国機構(OPEC)総会を控えているが、15日にサウジアラビアとロシアが協調減産の9カ月延長で合意した後は、概ね主要国が同案を支持する動きを見せていることが素直に好感されている。ロシアの石油会社も、政府の減産継続方針に従う意向を示しており、順守率低下に対する懸念が高まる状況にはない。カザフスタンからは産油水準引き上げが要求されているが、全体としては来年3月まで現行の減産体制を維持する方向で調整が進んでおり、まずは今年下期に大規模な在庫取り崩しが進むことが、原油価格をサポートしやすい。

当然にシェールオイルの生産動向には注意が必要であり、50~55ドルのレンジでは上値が抑えられやすい。19日に発表される米石油リグ稼働数も増加傾向に変化は生じない見通しであり、15日には米エネルギー情報局(EIA)が6月のシェールオイル生産について、5月から日量12.2万バレル増加するとの見通しを示したばかりである。ただ、現在の生産見通しからは着実な在庫減少が続く見通しであり、国際エネルギー機関(IEA)は4~6月期には四半期ベースでも在庫減少が実現するとして、年後半の需要期には更に在庫減少ペースが加速するとの見通しを示している。米国の原油在庫も高水準の製油所稼働を背景に取り崩しが続いており、原油価格の50ドル台回復は特に無理のあるものではない。50~55ドルのレンジを上抜くには、更に在庫減少データの積み重ねなどが要求されることになるが、押し目買い優勢の地合が維持されよう。

なお、ブラジルではテメル大統領が汚職に関与したとの疑惑が浮上したことを受けて、同国の金融市場が大きな混乱状態に陥っている。ブラジル通貨レアル相場の急落は短期的に同国のコモディティ在庫放出圧力につながる可能性がある一方、中長期的には石油生産・開発にトラブルが発生する可能性がある。現段階では、石油市場ではこの問題を特に重視していない模様だが、ブラジル・リスクの行方にも注意が要求されることになろう。


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東京ゴム概況と分析
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東京天然ゴム18日:反落、円急伸と上海ゴム相場の急反落を嫌気

TOCOM天然ゴム10月限 前日比6.40円安
始値 228.50円
高値 229.40円
安値 218.00円
終値 223.30円

東京ゴムは、前日比4.30円~7.40円安。米政治リスクの高まりを背景にグローバルなリスクオフ化が進む中、天然ゴム相場も反落した。為替相場が大きく円高方向に振れたこともあり、改めて戻り売り優勢の展開になっている。

223.50円での立ち合いから、序盤は戻り売り優勢の展開が続き、午前中に本日安値218.00円を付けた。上海ゴム相場の上値の重さもあって、売り安心感が強まった模様だ。ただ、その後は円高一服もあって下げ渋り、引けにかけては220円台前半まで下げ幅を縮小する展開になった。

米国の政治リスクが天然ゴム需給に与えるインパクトは限定されるが、円高圧力は東京ゴム相場に対して強力なネガティブ材料になる。ここ最近は円安の支援もあって東京ゴム相場は上海ゴム相場との比較でも地合の強さが目立っていたが、その反動が一気に顕在化した格好になる。米政治リスクを起点にリスクオフ化が続いている間は、為替要因が東京ゴム相場を下押しすることになる。特に注目すべきは、ここ最近の堅調地合が目立った当限が漸く鎮静化の兆候を見せていることだ。急ピッチに玉整理が進み、取組高が急減した影響も大きいが、いずれにしても当限の急伸傾向にブレーキが掛かる兆候が見られることは、期先限月が素直に売られやすい地合を作り出すことになる。

上海ゴム相場も、前日に1トン=1万4,000元の節目を回復していたが、本日の安値は1万3,325元まで急落した。約1週間にわたる自律反発局面を経て、改めて上値の重さが認識されている。年初来安値1万3,225元を下抜くと、改めて下落ペースが加速するリスクが高まる。

タイ中央ゴム市場における未燻製シート(USS)の集荷量は、前日の8.10トンから23.91トンまで急増した。今季の最高水準であり、減産期明けの兆候が見受けられる。現物相場は70.27バーツから69.41バーツまで下落している。最近は産地相場も堅調地合が目立ったが、専ら消費地相場主導の値動きだったことが確認できる。

欧米タイムにグローバルなリスクオフ化が進んだことで、ゴム相場の地合も悪化している。当限の急伸に一服感、上海ゴム相場の下げ再開など、ネガティブ材料が目立つ状況にある。このまま一目均衡表の基準線(218.00円)を割り込めば、改めて200円割れ打診の流れになろう。


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シカゴ穀物概況と分析
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シカゴ穀物18日:レアル相場の急落で大豆相場も急落

CBOTトウモロコシ7月限  366.00セント(前日比5.50セント安)
CBOT小麦7月限     425.75セント(前日比1.25セント安)
CBOT大豆7月限      944.75セント(前日比31.00セント安)

<トウモロコシ/小麦>
トウモロコシ相場は反落した。ブラジル通貨レアル相場の急落を受けて、同国からの供給圧力が強まるリスクが警戒され、米国産トウモロコシ相場は急落した。

時間外取引では371.50セントをピークに369セント水準まで軟化した後、ブラジル金融市場の混乱を受けて一気に365セント水準まで急落した。シカゴ時間入り後は本日安値364.25セントを付けている。その後は下げ一服となって369.25セントまでリバウンドする場面もみられたが、引けにかけては再び365セント水準まで軟化している。

本日は、専らブラジル要因での売買が中心になった。財政や経済再建でテメル大統領はマーケットの信頼が厚かったが、本日は現地紙が汚職事件への関与を報じたことが、ブラジル売りを促している。報道によると、食品加工大手JBSのバチスタ会長が、汚職で退避されたクーニャ下院議長に対して口止め料を支払うことを大統領が承認していたとされている。大統領は関与を否定しているが、仮に辞任となればブラジル経済へのショックは大きいだけに、同国通貨レアル相場は一時8.6%もの急落を記録している。これは、ブラジル農家にとっては穀物価格が一気に8.6%上昇したことと同じ効果があり、同国の輸出拡大が警戒されている。

これまでは産地気象環境がメインテーマであったが、ブラジル問題はどこまでの広がりを見せるのか分からない状態に陥っているだけに、買いポジションは保有できない状況に変わっている。大豆と比較するとトウモロコシ相場に対するダメージは限定される見通しだが、上昇再開にはレアル相場が落ち着きを取り戻すことが最低条件になる。


小麦相場は小反落した。他穀物相場の軟調地合を受けて、調整売りが先行した。ただ、小麦に関してはブラジル産の影響は限定される見通しであり、小動きに留まった。


<大豆>
大豆相場は急落した。ブラジル通貨レアル相場の急落を受けて、同国からの輸出拡大を警戒して米国産大豆に対しては売り圧力が強まった。

時間外取引では972.50セントをピークに965セント水準での揉み合いを経て、950セント台まで軟化する展開になった。シカゴ時間入り後もその流れに変化はみられず、ほぼ終日戻り売り優勢の展開になっている。引け際には本日安値942.75セントを付けており、高値からの下げ幅は30セント幅に達している。

ブラジルのテメル大統領に汚職報道が伝わったことで、レアル相場は対ドルで7.4%の急落となっている。これによってブラジルからの在庫放出拡大が警戒される中、大豆相場は3.2%の急落になっている。テメル大統領は財政再建などでマーケットの信認が厚いが、汚職で逮捕されたクーニャ前下院議長に対して口止め料を支払うことを承認していたとの現地メディアの報道が、ブラジル金融市場に大きな混乱をもたらしている。大統領は関与を否定しているが、今後の展開次第では更にレアル安が進む可能性もあるだけに、ブラジル関連コモディティの買いポジションは突然に大きなリスクを抱えた格好になっている。

まずは産地気象環境よりもレアル相場の動向に注視する必要があり、レアル安が鎮静化するまでは、値ごろ感は通用しなくなっている。レアル安が一服すれば再び地合を引き締める方向でみているが、まずはこのショックがどこまで広がるのか見極めが要求されている。


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金融市場概況と分析
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NY金融市場18日:米政治リスクを背景とした株価急落にブレーキ

<株式市場>
ニューヨーク株式市場は、優良株で構成されるダウ工業平均株価が前日比56.09ドル高の2万0,663.02ドル、ハイテク株中心のNASDAQ総合指数が同43.89ポインド高の6,055.13ポイントとなった。前日はトランプ大統領とロシアとの関係を巡る疑惑で、ダウは372.82ドルの急落となった。しかし、本日はその反動から安値是正の動きが強まり、反発している。米経済指標が総じて強めの数値になったことも支援材料になっている。なお政治的混乱に対する警戒は要求され、今後の動向によっては更に急落するリスクも残るが、前日の値崩れをそのまま引き継ぐ展開は見送られている。個別銘柄では、ウォルマート・ストアーズが3.2%高、ユナイテッド・ヘルスが1.5%高、アップルが1.5%高、シスコシステムズが7.2%安、ボーイングが0.8%安、P&Gが0.5%安。


<債券市場>
米10年債利回りは前日から0.017%上昇して2.233%となった。米政治環境の混乱を受けての株価急落が続かなかったことで、金利上昇圧力が強まった。ただ、ブラジル金融市場の混乱を受けての米国債需要もあり、大きな値動きには発展しなかった。


<外国為替市場>
ユーロ/ドルは、1ユーロ=1.1099ドルまでドル高・ユーロ安となった。米政治環境の混乱は続くも、金利低下圧力に歯止めが掛かったことで、ドル安是正の動きが優勢になった。米経済指標が総じて強めの数値になったことも、ドルに対してはポジティブである。

ドル/円は、1ドル=111.49円まで円安・ドル高となった。米政治リスクの高まりで前日は急激な円高・ドル安になっていたが、本日は米国株安、金利低下に歯止めが掛かったことで、ドル/円の押し目を買い拾う動きが優勢になった。米指標が総じて強めの数値になったことも、ドル/円相場の下値をサポートした。
サンプル2
【2017.05.17】小菅努のコモディティ・デイリー分析
配信日:2017年05月18日 06時55分
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       小菅努のコモディティ・デイリー分析


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NY金概況と分析
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NY金17日:大幅続伸、ロシア問題で米政治の混乱を警戒

COMEX金6月限 前日比22.30ドル高
始値 1,237.20ドル
高値 1,260.50ドル
安値 1,236.30ドル
終値 1,258.70ドル

ドル安、米金利低下、株安が進む中、金相場は大幅続伸となった。トランプ大統領とロシアとの癒着問題で政治的な混乱が警戒される中、安全資産に対する退避ニーズを一気に高める動きが観測されている。

アジアタイムの段階で1,242~1,244ドル水準までの上昇がみられたが、欧米タイムに入ってから本格的な買い圧力が強まり、1,250ドルの節目突破から更に上げ幅を拡大する展開になった。1,260ドル水準に抵抗を受けるも、1,255ドル水準では改めて買いを入れる動きも強く、1,255~1,260ドル水準で高止まりして引けている。

5月入りしてからは、コミー米連邦捜査局(FBI)長官解任、ロシアに対する機密漏洩情報疑惑とトランプ米大統領に絡んだ疑惑が浮上していたが、本日は更にフリン前大統領補佐官のロシアに関連した調査打ち切りをトランプ大統領が求めたとの報道を手掛かりに、一気にリスクオフ化が進んでいる。メディアや民主党のみならず、共和党内からも大統領弾劾の可能性に言及する声が聞かれ、第二の「ウォーターゲート事件」になるといった見方も浮上している。

トランプ大統領は問題ないとしており、共和党も全体としてはトランプ大統領支持の方針を示しているため、現時点ではトランプ大統領の辞任は現実的ではない。そもそも、トランプ大統領が辞任した方が、金価格に対してはネガティブといった見方もある。ただ、当面は政治的な混乱が避けられず、トランプ政権が機能不全状態に陥るか否かを見極める必要性が浮上している。

金相場は政治環境がクローズアップされれば買われ、経済環境がクローズアップされれば売られる、不安定な地合が続いている。現時点では6月の追加利上げがメインシナリオに設定される中、このまま米金利低下・ドル安を進めることが可能なのかも強い疑問がある。ただ本日は、前日まで10ポイント水準で低迷していたボラティリティ指数が突如15ポイントを超える動きがみられるなど、マーケット全体が改めて政治リスクへの対処を迫られている。

現段階では、瞬間的に浮上した政治疑惑に反応してショートカバー(買い戻し)が進んでいるだけの段階と評価している。政治的な混乱が落ち着きを取り戻せば、再び1,200ドル割れを打診する方向になろう。ただ、ウォーターゲート事件で米政治環境が混乱した当時はリスク資産売りの動きが長期化した前例もあるだけに、マーケットが冷静さを取り戻すまでは時間が必要な状況に変わっている。仮に、このタイミングで金上場投資信託(ETF)を本格的に買い進むような動きもみられると、フランス大統領選時に失敗した1,300ドル台乗せといった可能性も浮上してくることになる。政治で買い、経済で売りの局面が続く中、足元では政治が中心テーマに設定された状態に変わっている。


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NY白金概況と分析
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NY白金17日:続伸、トランプ・リスクで貴金属買いが膨らむ

NYMEX白金7月限 前日比9.10ドル高
始値 942.10ドル
高値 949.50ドル
安値  939.80ドル
終値 946.10ドル

米政治環境の混乱を受けて価格連動性の強い金相場が急伸したことを受けて、白金相場も続伸した。金相場との比較では上げ幅が限定されたが、一時は950ドルの節目回復目前に迫っている。

アジア・欧州タイムは940ドル台前半で揉み合う展開になり、やや底固いものの明確な方向性を打ち出すには至らなかった。しかし、ニューヨークタイムに入ると金相場連動で急伸地合を形成し、序盤に本日高値949.50ドルを付けている。その後は上げ一服となったが、944~950ドル水準のレンジを維持し、概ね本日の高値圏で引けている。

5月入りしてからはトランプ米大統領とロシアとの関係を巡って幾つかの疑惑が浮上していたが、本日は大統領がフリン前大統領補佐官のロシア関連調査を打ち切ることをコミー前連邦捜査局(FBI)長官に求めたとの報道を手掛かりに、マーケットが混乱状況に陥っている。大統領は問題ないとしているが、メディアや民主党は大規模な批判キャンペーンを行っており、政治的な混乱が政策停滞を招くリスクが再び意識されている。日本では安倍首相の辞任を目指す森友問題が浮上したが、米国では「ロシアシンジケート問題」や「第二のウォーターゲート事件」といった形で、反トランプ派が勢いを増している。

今回の各種疑惑が大統領の弾劾や退任を要求するレベルなのかは分からないが、議会が政策よりもスキャンダル対応を優先させるような事態になれば、当然に米経済環境に対してはネガティブである。前日までは貴金属価格が上昇しても株式相場は冷静さを保っていたが、本日は世界的に株価急落傾向が観測されており、少なくとも先行き不透明感が後退するまでは、安全資産としての観点から貴金属を保有しておきたいとの投資ニーズが発生している。

本日はプラチナ相場よりも金相場の上げ幅が大きくなっていることも、安全資産としての買いが中心テーマに変わったことを示している。政治リスクが浮上した局面では、需要環境悪化を警戒して売られるよりも、投資需要増加を好感して買われるのが、最近の白金相場のパターンである。「トランプ・リスク」が金融市場の混乱を招いている間は、金相場と同様に白金相場も上振れリスクを抱えることになる。950ドルの節目を突破すると、1,000ドル近辺まで値が飛ぶ可能性もある。

現状では6月利上げ見通しが破たんするような状況にはなく、CMEのFedWatchで6月利上げ確率の織り込みが64.6%まで低下していることにはオーバーシュート感も否めない。米連邦公開市場委員会(FOMC)まで残り1カ月であり、このまま上昇トレンドを形成できるのかは強い疑問がある。ただ、マーケット全体が「トランプ・リスク」をメインテーマに設定する動きを見せている以上、改めて政治リスクへの対処が求められる地合に変わっている。


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NY原油概況と分析
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NY原油17日:米原油在庫減少、ドル安で反発

NYMEX原油6月限 前日比0.41ドル高
始値 48.23ドル
高値 49.50ドル
安値 48.03ドル
終値 49.07ドル

ドル安が継続していることや、米原油在庫の減少を手掛かりに、反発した。前日はドル安に逆行して利食い売りが優勢になっていたが、本日は米国の政治的混乱を警戒した売りよりも、素直にドル安連動の買いが優勢になっている。

前日引け後にAPIが発表した米原油在庫が前週比88万バレルの増加となったことを受けて、アジアタイムは一時48.03ドルまで軟化するなど上値の重い展開になった、しかし、その後はドル安連動で押し目買い優勢の展開になり、欧州タイムには48ドル台後半、ニューヨークタイム入り後は一時急落する場面もみられたが、米エネルギー情報局(EIA)発表の原油在庫減少を手掛かりに、一気に本日高値49.50ドルを付ける展開になった。その後は再び利食い売りで上げ幅を削ったが、本日は49ドル水準で下げ止まり、着実にコアレンジを切り上げることに成功している。

EIA発表の原油在庫は前週比175万バレル減となった。市場予測240万バレル減には届かなかったが、API発表の原油在庫が増加していたこともあり、マーケットでは総じてポジティブ材料との評価が優勢になっている。これで米原油在庫は6週連続の減少であり、ガソリン在庫も2週連続、石油精製品在庫も3週連続の減少になる。製油所稼働率の水準が高止まりする中、原油在庫の減少が進むのは当然だが、製品在庫の急増も回避される中、石油在庫全体としては1月20日の週以来の低水準になっている。世界の石油在庫も2月以降は減少に転じていることが確認されており、需給リバランスの進展を示すデータが増えていることは、原油相場のコアレンジ切り上げを正当化しよう。

5月25日の石油輸出国機構(OPEC)総会に向けては、9カ月の減産延長を軸に合意取り付けが広がっている。正式合意はOPEC総会を待つ必要があるものの、イラン、イラク、クウェートなどの主要産油国を中心にサウジアラビアとイランの合意した来年3月までの減産延長案を支持する声明が相次いでいる。マーケットの一部では、減産幅の積み増しがないことをネガティブ材料視する向きもあるが、シェールオイルの増産ペースが想定を大きく上回るような事態を回避できるレベルの原油高は、正当化されることになる。

1~2月の50~55ドルのレンジを大きく上回るためには、在庫減少トレンドを数値として確認していく作業が求められる。ただ、既に在庫は減少トレンドにあり、年後半は更に在庫の取り崩しが進むことがほぼ確実視されている。まずは50ドル台での値固めが要求されるが、45~50ドルのレンジは物色妙味があろう。


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東京ゴム概況と分析
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東京天然ゴム17日:当限の急伸続くも、期先は小幅高に留まる

TOCOM天然ゴム10月限 前日比1.70円高
始値 230.00円
高値 233.90円
安値 226.70円
終値 229.70円

東京ゴムは、前日比1.70円~12.10円高。上海ゴム相場が堅調に推移したことを受けて、東京ゴム相場も続伸した。期先は前日の急伸に対する反動から伸び悩んだが、当限は前日に続いて二桁高になっており、含み上げ的な相場展開が維持されている。

時間外取引には233.90円まで上値を切り上げたが、本日は232.50円での立ち合い開始となった。その後は早めの利食い売りで一時226.70円まで軟化したが、そこから更に大きく値崩れを起こすことは回避され、引けにかけては小幅ながら期先も続伸する展開になった。

本日は、中国のコモディティ市況全体が地合を引き締めた。上海ゴム相場も1トン=1万4,000元台を一時回復している。積極的に上値を試すような動きまでは確認できなかったが、引き続き上海ゴム相場の下げは一服しており、上海市場主導で国際ゴム相場が急落する必要性は薄れている。ただ、逆に上海ゴム主導で大きく上昇するようなエネルギーもみられず、現状では自律反発との評価が基本になる。上海ゴム相場の下げ再開までは、東京ゴム相場の急落は見送られるが、なお底打ち判断には慎重姿勢が求められよう。

警戒されるのは、東京ゴム相場の当限が急伸していることである。出来高が僅か41枚とあって参考程度の評価に留まるが、踏み上げ相場的な動きが前日から持ち越されているため、短期上昇リスクへの注意が要求される。あくまでも東京ゴムの期近限月に限定された動きで持続性はないと考えているが、まずは期近限月の鎮静化が求められる。

タイ中央ゴム市場における未燻製シート(USS)の集荷量は8.10トン。再び10トン台を割り込んでおり、減産圧力は継続している。現物相場は69.85バーツから70.27バーツまで上昇。上海、東京ゴム相場の堅調地合が続く中、産地相場も安値是正の動きが優勢になっている。

引き続き、踏み上げ相場の鎮静化待ちの状況になる。上海ゴム相場の上値の重さからはダウントレンドは維持されており、一時的な戻り圧力と評価している。200円割れにトライする前の仕切り直しに留まろう。ただ、東京市場で当限が連日の二桁高となっていることは無視できず、まずは期先同様に冷静さを取り戻すのを待つステージになる。前日に一目均衡表の基準線(223.50円)も上抜いており、このまま当限の踏み上げが続くと、雲下限(248.30円)水準を打診する可能性もある。売り再開は、改めて基準線を割り込んだ後の議論になる。


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シカゴ穀物概況と分析
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シカゴ穀物17日:コーン、ドル安連動で続伸

CBOTトウモロコシ7月限  371.50セント(前日比3.75セント高)
CBOT小麦7月限     427.00セント(前日比2.75セント高)
CBOT大豆7月限      975.75セント(前日比0.50セント安)

<トウモロコシ/小麦>
トウモロコシ相場は続伸した。ドル安連動で買いが膨らみ、底固い展開になっている。産地気象環境には目立ったトラブルなどは確認されていないが、本日は専らドル安対応が優先された。

時間外取引では368.50~369.50セント水準での取引になったが、シカゴ時間入り直後に買いが膨らみ、本日高値372.25セントを付けている。その後は上げ一服となったが、370.25セント水準で下値を支えられ、概ね本日の高値圏で引けている。

トランプ米大統領とロシアとの関係を巡って様々な疑惑が浮上する中、為替市場ではドルが急落している。ドルインデックスは前日に続いて年初来安値を更新しており、為替レートの観点から米国産トウモロコシの価格競争力強化に期待する声が強くなった。

また、米エネルギー情報局(EIA)発表のエタノール生産高が日量102.7万バレルとなり、前週の100.6万バレルから上振れしたこともポジティブに。エタノールに関しては在庫の積み上がりも警戒されるが、高水準の生産レベルが続いていることが、トウモロコシ相場の下値サポート要因として機能している。

本日はドル安に支援される形で底固い展開になったが、為替要因を考慮に入れなくても下値不安は限定される。乾燥気味の天候になっていることで若干の調整リスクが警戒されるが、天候リスクを考慮に入れなくても300セント台中盤では底固さが確認されており、押し目買い優勢の地合には変化がないだろう。あくまでも上昇再開には産地降雨傾向が要求されるが、乾燥予報で売られる場面があれば、物色妙味がある。


小麦相場は小幅上昇した。ドル安の支援を受けて、やや買い優勢の展開になった。ただ、積極的に上値を試すまでの勢いはみられなかった。


<大豆>
大豆相場は期近が小反落した。為替相場はドル安に振れたが、前日の急伸を受けて利食い売りが先行し、逆に小幅ながらマイナスサイドに沈んでいる。

時間外取引の段階ではドル安連動の買い圧力が強く、一時980.50セントまで上昇した。しかし、その後は利食い売りが先行し、特にシカゴ時間入り後は975セント割れを打診する動きが目立った。

ドルインデックスが前日に続いて年初来安値を更新する中、米国産大豆の価格競争力は強化されている。ただ、大豆相場に関しては前日に急伸地合を形成していたこともあり、このまま一気に水準を切り上げることに抵抗がみられ、本日は利食い売りの方が優勢になった。

もっとも、下げ幅は限定されており、特に地合の悪化を示す動きではないと考えている。産地では乾燥予報が出ているため、作付け作業の進展期待からやや調整圧力が強くなりやすくなっている。一方で、潤沢な土壌水分環境からは6月に向けて大規模な洪水発生も警戒される。950セント水準では安値警戒感も強く、押し目買い優勢の地合は維持されよう。


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金融市場概況と分析
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NY金融市場17日:トランプ・リスクで株価急落、ドル急落

<株式市場>
ニューヨーク株式市場は、優良株で構成されるダウ工業平均株価が前日比372.82ドル安の2万0,606.93ドル、ハイテク株中心のNASDAQ総合指数が同158.63ポイント安の6,011.24ポイントとなった。トランプ米大統領とロシアとの関係を巡って様々な疑惑が浮上する中、政治的な混乱が政策停滞を招くリスクが警戒され、米国株は急落した。前日までは漠然とした不安を抱えながらもリスクオンの地合を維持したが、本日は世界的に株価急落傾向が目立った。米議会がスキャンダル対応を中心になり、経済政策が実現しないリスクが警戒されている。個別銘柄では、ゴールドマン・サックスが5.3%安、JPモルガン・チェースが3.8%安、アップルが3.4%安、ユナイテッド・ヘルスが0.4%高、トラベラーズが0.3%高、コカ・コーラが0.2%高。


<債券市場>
米10年債利回りは前日から0.113%低下して2.216%となった。米国の政治的な混乱を受けて先行き不透明感が警戒される中、安全資産としての米国債保有を拡大する動きが目立ち、金利は急低下した。10年債利回りは4月21日以来の低水準に達している。


<外国為替市場>
ユーロ/ドルは、1ユーロ=1.1162ドルまでのドル安・ユーロ高となった。トランプ米大統領とロシアとの関係を巡って大統領弾劾の可能性も指摘される中、本日はドルが急落している。米長期金利の急低下もあって、金利環境からもドル売り圧力が強まりやすくなった。

ドル/円は、1ドル=110.71円までの円高・ドル安となった。米政治環境の混乱を受けて、米金利低下圧力と連動したドル売り圧力が目立った。加えて、株価急落でリスクオフと連動した円買い圧力も強まり、4月25日以来の円高・ドル安水準を更新している。

サンプル3
【2017.05.16】小菅努のコモディティ・デイリー分析
配信日:2017年05月17日 07時02分
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       小菅努のコモディティ・デイリー分析


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NY金概況と分析
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NY金16日:続伸、対ユーロでのドル安継続を受けて

COMEX金6月限 前日比6.40ドル高
始値 1,230.80ドル
高値 1,239.10ドル
安値 1,230.00ドル
終値 1,236.40ドル

対ユーロを中心にドル安傾向が続く中、ドル建て金相場は続伸した。米経済指標は強弱まちまちとなり、長期金利や株価は明確な方向性を打ち出せなかったが、為替市場でドル安傾向が維持されたことが、金相場の下値をサポートしている。

アジア・欧州タイムの段階からドル安連動の買い圧力が強く、1,233~1,235ドル水準までコアレンジを切り上げていた。ニューヨークタイムに入ると再びまとまった買いが膨らみ、本日高値1,239.10ドルを付けている。その後は上げ一服となったが、総じて1,236~1,239ドルのレンジで下げ止まり、本日の高値圏で引けている。

本日発表された米経済指標は、強弱まちまちの内容になった。4月住宅着工件数は前月比2.6%減となり、2カ月連続でマイナスとなった。一方、4月鉱工業生産は1.0%増となり、2014年2月以来で最大の伸び率を記録している。前日は5月ニューヨーク連銀製造業指数の悪化が米経済の先行き不透明感を高めたが、4月の数値ながら鉱工業生産が強めの数値になったことは、景気減速に対する懸念を後退させることになる。実際に米国債や株式相場は前日とほぼ同値水準で強弱感の交錯した展開になり、明確な方向性を打ち出せていない。

ただ、ドルの軟調地合が続いていることで、ドル建て金相場はサポートされている。ドルが売られているというよりも、ユーロが買われている影響が大きいとみられるが、いずれにしてもドルインデックスは年初来安値を更新しており、ドル建て金相場は上向きの刺激を受けている。ユーロに関しては、フランス大統領選の消化で投機マネーがユーロに強気傾斜している影響が大きいが、ユーロの高値更新が続く中、更にドル安連動で金相場が上昇する可能性も残る。

また、米国ではホワイトハウスでの米露会談で、トランプ大統領が機密情報を漏洩したとの問題も浮上している。米連邦捜査局(FBI)長官の解任騒動に続いて、政治的な混乱が見受けられる中、「トランプ・リスク」を改めてメインテーマに設定する動きがみられると、安全資産の観点から金市場に対する資金流入が進むシナリオも浮上してくることになる。

現段階では金上場投資信託(ETF)市場に対する資金流入再開は確認できず、金相場の先高観が強まる状況にはない。米国では6月利上げも控えており、米金利低下に抵抗がみられる中で、ドル安だけがエスカレートする可能性は低いだろう。金融市場全体をみても、為替相場以外は安定しており、一時的な戻り圧力との評価が基本になる。1,250ドル水準を大きく上抜いていくエネルギーがあるのかは疑問視している。上昇シナリオとして警戒されるのは、米政治リスクが高まる兆候が見られることの方であり、金ETF残高の積み増し傾向がみられるようであれば、1~2月の上昇相場再開への警戒局面にシフトすることになる。


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NY白金概況と分析
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NY白金16日:続伸、ドル安連動の買い戻しが続く

NYMEX白金7月限 前日比8.30ドル高
始値 922.00ドル
高値 939.60ドル
安値  921.10ドル
終値 928.70ドル

ドル安連動でドル建て白金相場に対する買いは継続し、続伸した。主に対ユーロでドル安が進行する中、為替要因から水準調整を迫られている。

アジアタイムの段階から買い圧力が強く、930ドル台でじり高の展開になった。ニューヨークタイム入り後は更に買い圧力が強まり、942.00ドルを付けている。その後は上げ一服となる場面もみられたが、引け際には改めて買いが膨らみ、本日高値943.50ドルを付けている。

週末を挟んで、ドル安連動の貴金属買い圧力が目立つ状況にある。本日発表された4月鉱工業生産は前月比1.0%増と3年2か月振りの大きな伸び率を示したが、4月住宅着工件数が前月比2.6%減に留まったことで、米実体環境を手掛かりにドル安傾向にブレーキを掛けることには失敗している。何かユーロに強力なポジティブ材料が浮上している訳ではないが、IMM通貨先物では投機筋がユーロに対して買い越しに転じるなど、フランス大統領選後は仕掛け的なドル売り・ユーロ買い圧力が強くなっており、その流れが維持されていることが、白金相場も刺激している。

他金融市場が総じて冷静な反応を続ける中、こうしたドル安圧力の持続性については疑問視している。CMEのFedWatchによると、6月利上げ確率の織り込みは78.5%に留まっており、仮に6月利上げをメインシナリオにするのであれば、米金利水準の引き上げが要求されている。株式相場も目立ったリスクオフ化を見せている訳ではない。ただ、ドル安に逆行して売り込むほどのネガティブ材料もみられず、ドル相場が鎮静化するまでは、更にショートカバー(買い戻し)が進む可能性も残る。

特に白金に関しては、GFMSやワールド・プラチナ・インベストメント・カウンシル(WPIC)から相次いで需給ひっ迫化、それに伴う価格上昇見通しが示されており、白金ファンダメンタルズの視点からは買いが膨らみ易い。上場投資信託(ETF)残高もほぼ一貫して増加しており、中長期スパンであれば900ドル前後の価格水準は物色妙味が大きい環境になっている。

問題は、短期スパンではなお白金需給よりも金価格との連動性が重視されやすいことの方であり、現状では一時的なリバウンド圧力との評価が基本になる。買い対応であれば、間違いなく金相場との比較で投資妙味があり、金・白金価格のスプレッドに対しても縮小圧力が見受けられ、金売り・白金買いの裁定もワークする環境になっている。ただ、安全資産の観点から貴金属に対する投資ニーズを本格的に高めていくような動きがみられるまでは、底打ち判断には慎重姿勢が求められる。白金相場の上昇トレンド確立には、金相場の底入れか、白金需給のメインテーマ化が求められる。


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NY原油概況と分析
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NY原油16日:期近は小反落、利食い売りで様子見に

NYMEX原油6月限 前日比0.19ドル安
始値 47.85ドル
高値 49.66ドル
安値 47.75ドル
終値 48.85ドル

ドル安に加えて国際エネルギー機関(IEA)からは改めて在庫減少見通しが示されたが、期近限月は前日の急伸に対する反動から利食い売りで反落した。ただ、期先は小幅続伸するなど、全体的には前日終値水準で揉み合う展開になっている。

アジア・欧州タイムはっじり高の展開になり、49ドル台前半での取引が目立った。ニューヨークタイム入り後も堅調地合を引き継ぎ、本日高値49.38ドルを付けている。ただ、その後は早めに利食い売りを進める動きが目立ち、取引終盤には48ドル台中盤まで軟化する展開になっている。引け後はAPI発表の原油在庫が増加に転じたことで、48ドル台前半まで更に下げ幅を拡大している。

15日にサウジアラビアとロシアが9カ月の協調減産延長で合意したが、クウェート、イラン、イラクなどの主要国からは支持表明が相次いでおり、25日の石油輸出国機構(OPEC)総会では現行の生産枠を来年3月まで継続する案を軸に調整が進むことになる。減産幅の積み増し議論が進まないことをネガティブ材料視する向きもあるが、需要期に向けても減産体制を解除せず、あくまでも政策によって需給均衡化を目指す方針が再確認されていることはポジティブである。

IEAは5月月報において、3月の経済協力開発機構(OECD)加盟国の石油在庫が3,290万バレル減少し、1~3月期は日量30万バレルの供給超過と、需給バランスが均衡化に近づいていることを報告している。また、4~6月期には現在の見通しでは70万バレルのペースで在庫減少が進むとの予想も行っている。3カ月で6,000万バレル超の在庫減少が進む見通しであり、世界の石油需給リバランスが進む可能性が高いことが再確認できる。

もっとも、同報告を受けての買い圧力は一時的なものに留まり、なお50ドル台回復には抵抗を見せている。米エネルギー情報局(EIA)は6月のシェールオイル生産が前月比で日量12.2万バレル増加するとの予想を行っており、協調減産の継続でも在庫減少が進むのかは、懐疑的な見方が根強いためだ。現在の各種需給見通しからは、年後半は在庫取り崩しが更に進む可能性が高い状況だが、マーケットでは実際の在庫減少統計を強く要求しており、原油高は緩やかなペースでしか進まないことになる。50ドル台回復の方向でみているが、一本調子で値位置を切り上げるまでのエネルギーはない。

このため、10日に発表される米週間在庫統計が注目されるが、市場予測は原油が前週比240万バレル減、ガソリンが70万バレル減、石油精製品が110万バレル減となっている。米国においても在庫減少傾向の確認から買いが膨らみやすい状況だが、引け後にAPIが発表した原油在庫は88万バレルの増加となっている。クッシング在庫は54万バレルの減少、製油所稼働率も高止まりしているが、輸入量の増加が在庫積み増しを促している。EIA統計で、原油在庫が予想通りに減少となるか否かに注目したい。


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東京ゴム概況と分析
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東京天然ゴム16日:大幅続伸、チャート主導の踏み上げ相場に

TOCOM天然ゴム10月限 前日比8.60円高
始値 220.50円
高値 228.00円
安値 219.20円
終値 228.00円

東京ゴムは、前日比8.60円~13.70円高。上海ゴム相場が総じて堅調に推移する中、東京ゴム相場は大幅続伸となった。為替が円安気味に推移していることもあり、期先10月限を除く全限月が二桁高になっている。

219.80円での立ち合い開始になったが、序盤に220.00円の節目突破でチャート主導の買いが膨らみ、昼過ぎには225.00円突破、その後も引けにかけて更に上げ幅を拡大する展開になっている。高値は228.00円に達したが、これは4月12日以来の高値更新となる。

東京ゴム相場は急伸したが、基本的にはチャート要因の影響が大きい値動きである。220.00円突破が弱気筋のストップロスを巻き込むトリガーになり、小規模な含み上げ相場が発生している。出来高も1万1,518枚と、最近のゴム相場としては高水準に達している。ただ、上海ゴム相場は1トン=1万3,000元台のレンジ内での小動きであり、こうした東京ゴム相場の急伸に関してはオーバーシュート感が否めない。上海ゴム相場も安値更新サイクルこそ一服しているが、明確なリバウンド傾向を見せている訳ではなく、急伸しているのは東京ゴム相場のみであることを確認しておきたい。

一目均衡表の基準線(223.50円)ブレイクで、短期スパンでは雲下限(248.320円)水準まで値が飛ぶ可能性も浮上しており、売りポジション保有のリスクが高まったが、あくまでも上昇トレンドへの転換ではなく、修正高との評価が基本になると考えている。急ピッチな下げ相場が続いているだけに、当然に自律反発局面の上げ幅は大きくなるが、上海ゴム相場の動向を無視した上昇相場の持続力については疑問視している。

上海ゴム相場も1万4,000元台回復から急伸する可能性を有しているが、鉄鉱石や石炭相場は年初来安値近辺での取引であり、東京ゴム主導で上海ゴム相場も押し上げていくハードルは高い。中国コモディティ市場全体の上値が重い展開が続く中、ゴム相場の基調のみが変わった可能性は低い。

タイ中央ゴム市場における未燻製シート(USS)の集荷量は14.94トン。前日の15.54トンから目立った変化はみられない。現物相場は69.23バーツから69.85バーツまで上昇。消費地相場の上昇と連動した値動きになっている。

チャート上での基準線ブレイクは2月15日以来のことであり、一旦は含み上げ相場の鎮静化待ちが求められる。ただ、ゴム相場を取り巻く基本環境に変化が生じている訳ではなく、改めて基準線割れから200円の節目を試す展開を想定している。上海ゴム相場の動向を無視して東京ゴム相場のみが急伸していることは、投機色が強い高値が実現していることを強く示唆している。


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シカゴ穀物概況と分析
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シカゴ穀物16日:大豆は大幅続伸、ショートカバー先行で安値是正

CBOTトウモロコシ7月限  367.75セント(前日比変わらず)
CBOT小麦7月限     424.25セント(前日比1.00セント高)
CBOT大豆7月限      976.25セント(前日比11.00セント高)

<トウモロコシ/小麦>
トウモロコシ相場は総じて小反発した。ドル安と連動した買い圧力が強く、底固く推移した。ただ、場中はマイナス圏での取引が目立つなど、特に積極的に買い進むような動きは確認できていない。

時間外取引では366セント台での小動きになったが、シカゴ時間入り後は368.75セントまで上昇後に365.25セントまで反落するなど、不安定な値動きになった。前日終値を挟んで戻り売りと押し目買いが交錯し、結果的に明確な方向性を打ち出すには至っていない。

前日引け後に米農務省(USDA)が発表した作付け進捗率(5月14日時点)は前週比24%上昇の71%(前年同期73%、平年70%)に達している。発芽進捗率も16%上昇の31%(前年同期41%、平年36%)であり、作付け環境の改善が確認されている。産地で降水量が低下する中、作付け作業が急ピッチに進んでいることが確認されている。土壌の水分過多状態もやや緩和しており、天候プレミアムは積み増しよりも剥落が求められる状況になっている。

もっとも、今季は雨がちな天候が続きやすく、洪水発生リスクは高い。また、天候リスクを考慮に入れなくても300セント台中盤では底固さが確認されており、押し目買い優勢の地合には変化がないだろう。あくまでも上昇再開には産地降雨傾向が要求されるが、乾燥予報で売られる場面があれば、物色妙味があろう。


小麦相場は小幅まちまちとなった。ドル安の支援を受けるもショートカバー(買い戻し)を入れる動きは限定され、大きな値動きには発展しなかった。前日引け後に発表された冬小麦の作況で「良」以上の比率は前週の53%から51%まで低下したが、特に目立った反応はみられなかった。


<大豆>
大豆相場は大幅続伸となった。特に目新しい材料は見当らなったが、ドル安を手掛かりにショートカバー(買い戻し)を入れる動きが目立ち、期近主導で急伸した。

時間外取引では964~967セント水準での取引が目立ったが、シカゴ時間入り後は断続的に値位置を切り上げる展開になった。970セント台回復で上げ一服となる場面もみられたが、調整売りをこなした後は再び買いが膨らみ、引け際に本日高値977.25セントを付けている。

前日引け後に米農務省(USDA)が発表した作付け進捗率(5月14日時点)は前週比18%上昇の32%(前年同期34%、平年32%)、発芽進捗率は8%(前年同期9%、平年9%)となっている。最近の降雨一服を受けて、作付け作業の遅れが急ピッチに取り戻されていることが確認できる。目先は特に大規模な降雨は予想されておらず、作付け作業の進展が期待できる状況にある。

ただ、作付け環境の改善は、トウモロコシから大豆への作付けシフトの動きを限定する効果もあり、逆にポジティブとの評価もある。

足元では乾燥予報が出ているため、作付け作業の進展期待からやや調整圧力が強くなりやすくなっている。一方で、潤沢な土壌水分環境からは6月に向けて大規模な洪水発生も警戒される。950セント水準では安値警戒感も強く、押し目買い優勢の地合は維持されよう。


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金融市場概況と分析
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NY金融市場16日:株式市場は強弱まちまち、ユーロ急伸

<株式市場>
ニューヨーク株式市場は、優良株で構成されるダウ工業平均株価が前日比2.19ドル安の2万0,979.75ドル、ハイテク株中心のNASDAQ総合指数が同20.20ポイント高の6,169.87ポイントとなった。NASDAQは終値ベースでの過去最高値を更新する展開になったが、ダウは方向性に乏しい展開になる中、小反落した。米経済指標は強弱まちまちとなり、序盤は原油高の支援もあって買いが膨らんだ。ホームデポの決算が好感されたことも、ダウを押し上げている。ただ、原油相場の軟化後は戻り売り圧力が強まり、マイナス圏に沈んで引けている。個別銘柄では、ユナイテッド・ヘルスが2.0%安、ナイキが1.8%安、ファイザーが1.6%安、マイクロソフトが2.0%高、IBMが1.4%高、マクドナルドが0.7%高。


<債券市場>
米10年債利回りは前日から0.009%低下して2.329%となった。4月鉱工業生産は強めの数値になったが、住宅着工件数の悪化を受けて、やや金利低下圧力が優勢になった。年内の断続的な利上げに懐疑的な見方が浮上していることが、米金融政策のタカ派見通し後退を受けての金利低下圧力に直結している。ただ、株式相場が総じて堅調地合を維持する中、大きな値動きには発展していない。


<外国為替市場>
ユーロ/ドルは、1ユーロ=1.1083ドルまで急激なドル安・ユーロ高になった。特に決め手となるような材料は見当たらなかったが、仕掛け的なユーロ買い圧力が膨らむ中、1ユーロ1.1ドルの節目を突破し、チャート主導でユーロが更に上げ幅を拡大する展開になった。

ドル/円は、1ドル=113.08円まで円高・ドル安となった。対ユーロでドルが売られたことを受けて、ドル/円相場も上値の重い展開になった。ただ、ドルの軟化は主に対ユーロでの動きであり、ユーロ/円は急伸していることもあって、ドル/円相場の値幅は相対的に限定された。
サンプル4
【2017.05.15】小菅努のコモディティ・デイリー分析
配信日:2017年05月16日 07時02分
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       小菅努のコモディティ・デイリー分析


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NY金概況と分析
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NY金15日:小幅続伸、低調な米製造業指標を警戒

COMEX金6月限 前日比2.30ドル高
始値 1,228.30ドル
高値 1,237.40ドル
安値 1,226.80ドル
終値 1,230.00ドル

米金利低下傾向には歯止めが掛かるも、ドル安が継続したことで安値是正の動きが継続し、小幅続伸した。ただ、株価が安値からの切り返しを見せるなどリスクオン傾向が強まる中、上げ幅は限定されている。

アジア・欧州タイムは1,220ドル台後半から1,230ドル台前半で揉み合う展開になったが、ニューヨークタイム入り後は低調な米指標を手掛かりにドル安が進行したことが材料視され、一時1,237.40ドルまで急伸した。ただ、その後は株高連動で戻りを売られる展開になり、再び1,230ドル台を割り込む場面もみられるなど、上げ幅を削って引けている。

本日は、5月ニューヨーク連銀製造業指数が前月の+5.0から-1.0まで急低下したことが、ドル安経由でドル建て金相場を刺激した。一般的に、ニューヨーク州の製造業指数は必ずしも注目度の高い指標とは言えないが、同指数がマイナスとなったのは昨年10月以来のことであり、全米の製造業活動が鈍化する兆候ではないかとの懸念が広がっている。トランプ政権が誕生してから既に100日以上が経過しているが、期待されていた減税、規制緩和、インフラ投資といった政策の調整は難航しており、こうした政策の停滞が指数に反映された可能性がある。これのみで金価格を断続的に押し上げることは難しいが、18日にはフィラデルフィア連銀の製造業指数も発表されるため、ここでも同様に厳しい数値が示されると、金価格はもう一段階の上振れリスクを抱えることになる。ドルインデックスは、5月11日の99.89ポイントをピークに、本日は一時98.78ポイントまでの低下を見せており、ドル安圧力の持続力に注目したい。

6月の米利上げ観測に変化が見られないこと、米長期金利が下げ渋っていること、株価の堅調地合などからは、現段階で景気減速リスクがメインテーマになる兆候はみられない。フランス大統領選、1~3月期の企業業績発表が一巡した後のポジション調整の意味合いが強い値動きと評価している。週末には北朝鮮がミサイル発射実験を行っているが、金価格に対する刺激効果は限定されており、安全資産としての投資需要を本格的に高めていくような動きは確認できない。

ただ、CMEのFedWatchによると、6月利上げ確率の織り込みは73.8%と、1週間前の83%水準からやや低下圧力が目立つ状況になっている。リスクオンの地合、早期利上げ警戒感を背景とした米金利上昇・ドル高圧力には一服感も見受けられ、米連邦捜査局(FBI)長官の更迭問題も含めて、やや様子見ムードが目立つ状況になっている。現状では6月利上げに向けて戻り売り対応が基本になると考えているが、明確なテーマを設定できておらず、ポジション調整中心の展開になりやすくなっている。


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NY白金概況と分析
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NY白金15日:反発、ドル安連動で買いが膨らむ

NYMEX白金7月限 前日比11.20ドル高
始値 922.00ドル
高値 939.60ドル
安値  921.10ドル
終値 928.70ドル

価格連動性の強い金相場が小幅続伸したこと、南アフリカ通貨ランド相場が4月26日以来の高値を更新したことを手掛かりに、反発した。

週明けの取引きから安値是正の動きが目立ち、921.10ドルをボトムにじり高の展開になり、欧州タイムには930ドル台に乗せた。その後は低調な米製造業指標を手掛かりにドル売り・金買いが進んだことで、白金相場も一時939.60ドルまで更に上げ幅を拡大する展開になった。しかし、金相場が高値から下押しされると、白金相場も926.50ドルまで急反落し、引けにかけても930ドル水準まで戻すのに精一杯だった。

基調としては、引き続き金相場との連動性が目立つ。本日は5月ニューヨーク連銀製造業指数が前月の+5.2から-1.0まで急低下したことを手掛かりに、ドル売り・貴金属買いの動きが優勢になっている。必ずしも米経済の本格的な減速を示す指標ではないと考えているが、フランス大統領戦後のリスクオンの地合に一服感が浮上していることもあり、ドル建て白金相場を下押しるする動きにも一服感が浮上している。米長期金利が依然として底固いこと、株価が安値からの切り返しを見せていることなどからは、引き続き安全資産の観点から白金相場を本格的に買い進むような動きは想定しづらい。ただ、金相場の急落が一服する中で白金相場のみが急落する必要性も乏しく、先週のポジション調整中心の展開が週明け後にも持ち越されている。現段階では白金相場を本格的に買い進むような動きは鈍いが、900ドル割れに抵抗がみられることもあり、金相場が下げ渋る局面では、白金相場の上げ幅は相対的に大きくなりやすいことが再確認されている。

南アフリカ通貨ランドが堅調だが、これはドル安と同時に原油高などコモディティ価格の堅調地合を受けての新興国通貨高の流れの中の動きであり、特に南アフリカ経済環境は材料視されていない。ランドではなく、ドル主体の値動きであり、概ねドルインデックスの値動きの裏側展開になっている。

ワールド・プラチナ・インベストメント・カウンシル(WPIC)は、1~3月期の白金需給が30.0万オンスの供給不足になったと発表した。2017年通期でも6.5万オンスの供給不足見通しが示されているが、マーケットでは特に材料視されていない。引き続き、需給動向よりも安全資産としての貴金属投資ニーズの有無が注目されている。

コミー米連邦捜査局(FBI)長官の解任騒動なども注目されるが、マーケット全体がフランス大統領戦後のリスクオンの地合を一服させ、次のテーマ探しの局面に移行している。基本的には6月利上げに向けて改めて米金利上昇・ドル高を進める形でドル建て白金相場を下押しする展開が基本になると考えているが、足元では6月利上げ観測の織り込みにもブレーキが掛かっており、テーマが定まっていない。経済指標や米政局などを眺めながら、改めてリスク資産買い・安全資産売りを進めることが可能かを見極めている局面と評価している。


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NY原油概況と分析
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NY原油15日:サウジ=ロシアの減産延長合意で急伸

NYMEX原油6月限 前日比1.01ドル高
始値 47.85ドル
高値 49.66ドル
安値 47.75ドル
終値 48.85ドル

サウジアラビアとロシアが協調減産の延長で合意したことを受けて、急伸した。ただ、引き続き在庫取り崩しが進むのかは慎重な見方も根強く、一気に50ドル台回復を試すような値動きには発展しなかった。

アジアタイムにサウジとロシアが協調減産延長で合意したと発表したことを受けて、47ドル台後半から48.60ドル水準まで急伸した。欧米タイムに入るとドル安の支援もあって更に上げ幅を拡大する展開になり、ニューヨークタイム序盤には本日高値49.66ドルを付けている。ただ、その後は今後の需給リバランスの動きに慎重な見方が再浮上し、48ドル台後半まで上げ幅を削って引けている。

サウジとロシアは、来年3月まで現行の減産スキームを延長することで合意した。今後は他産油国との調整を進めることになるが、オマーンなどはこうした二カ国間合意を支持する方針を示しており、25日の石油輸出国機構(OPEC)総会に向けては減産の9カ月延長を軸に調整が進むことになる。米ゴールドマン・サックス・グループは、今回の合意によって原油相場のリバウンド傾向は続くだろうとの見方を示している。長期的には45~55ドルのレンジが続くとしているが、在庫取り崩しや投機買い再開の動きが維持されることが、短期の原油価格を刺激するとのロジックである。

もっとも、減産枠の積み増しなくして本当に在庫取り崩しが進むのかは慎重な見方も強く、本日は高値からは大きく下押しされる展開になった。2月、3月と経済協力開発機構(OECD)加盟国の石油在庫は減少しており、米原油在庫も4月以降は取り崩し傾向が鮮明になっている。しかし、マーケットではシェールオイルの増産によって需給リバランスが十分に進まないことに対しても根強い警戒感があり、50ドルの節目を前に早めに利食い売りを進める動きも目立つ状況にある。

実際には、年後半に向けて在庫取り崩しが本格化する可能性が高く、50ドル割れの現行価格は依然として物色妙味があると考えている。ただ、水準切り上げには在庫減少のデータを確認していくことが求められており、まずは16日の国際エネルギー機関(IEA)月報、そして17日の米週間在庫統計を手掛かりに、更に買い圧力を強めていくことが可能かを打診する流れになる。

このまま協調減産の9カ月延長が合意される可能性が高く、それは7~9月期に在庫取り崩し圧力が更に強化される可能性が高いことを意味する。シェールオイルの緩やかな増産傾向は十分に許容できる状態にあり、まずは50~55ドル水準の回復を打診する展開が想定される。


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東京ゴム概況と分析
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東京天然ゴム15日:続伸、上海ゴムの堅調地合と原油高を反映

TOCOM天然ゴム10月限 前日比4.90円高
始値 214.50円
高値 220.40円
安値 214.10円
終値 219.40円

東京ゴムは、前日比4.70円~7.20円高。為替相場は円高方向に振れたが、上海ゴム相場が総じて底固く推移したことや原油高を手掛かりに地合を引き締めた。ただ、出来高は僅か5,623枚と、極度の薄商い状態になっている。

215.20円での立ち合い開始から、上海ゴム相場が底固く推移したことや原油高を手掛かりに、序盤に220.00円まで急伸した。その後は利食い売りで上げ幅を削る場面もみられたが、217.60円で底入れし、引けにかけては再び220円水準まで上昇している。

極度の薄商いの中で値が飛んでいる印象も否めないが、上海ゴム相場が下げ一服となっていることもあり、短期筋のショートカバー(買い戻し)が先行している。もっとも、上海ゴム相場は安値ボックス圏内での値動きであり、引き続き積極的に上値を試していこうとする動きは確認できない。1トン=1万3,000元台中盤で揉み合っているだけであり、東京ゴム相場に関しても先高観から買われているというよりも、売りポジションの整理で自律反発局面を迎えているとの評価に留まろう。

本日は中国の4月鉱工業生産が発表されているが、前年比6.5%増となった。市場予測7.0%増を下回っている。また、小売売上高は10.7%増となり、こちらも市場予測10.8%増を下回っている。中国の金融引き締めによる成長鈍化リスクが警戒される状況だが、これを手掛かりに天然ゴム相場を売り込むような動きまではみられなかった。実体経済環境に対する関心の低さが再確認できる状況にある。

タイ中央ゴム市場における未燻製シート(USS)集荷量は15.54トン。前週から特に目立った変動はみられない。現物相場は68.67バーツから69.23バーツまで上昇も、これは東京や上海ゴム相場の値動きに連動したものだろう。

天然ゴム生産国連合(ANRPC)は、2017年の世界天然ゴム生産が前年比5.7%増の1,277万トンになるとの見方を示した。昨年後半以降の相場回復によって、生産が押し上げられるとのロジックである。年間消費量には届かないとされているが、強気の生産見通しはネガティブに。

東京ゴム相場は安値是正を進めているが、上海ゴム相場の安値低迷状態が続く中、自律反発との評価が基本になる。極度の薄商いの中でショートカバーが進んでいるが、上海ゴム相場に改めて投機マネーの流入が活発化するシナリオを描けない以上、戻り売り対応が基本になる。一目均衡表の基準線(224.00円)割れでやや売りポジション保有のリスクが高まるも、基調転換は困難か。


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シカゴ穀物概況と分析
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シカゴ穀物15日:コーン反落、小麦相場につれ安

CBOTトウモロコシ7月限  367.75セント(前日比3.25セント安)
CBOT小麦7月限     423.25セント(前日比9.50セント安)
CBOT大豆7月限      965.25セント(前日比2.25セント高)

<トウモロコシ/小麦>
トウモロコシ相場は反落した。小麦相場の急落が嫌気され、調整売りが先行した。作付け進展期待も上値圧迫要因になっている。

時間外取引では369.50~371.00セント水準での揉み合いとなったが、シカゴ時間入り後はドル安や原油高の支援を受けて、一時3714.75セントまで上昇した。しかし、その後は小麦連動で戻りを売られる展開になり、引け際には逆に本日安値367.25セントを付ける展開になっている。

産地の気象環境は改善傾向にあり、作付け進展期待が高まっている。引け後に米農務省(USDA)が発表した作付け進捗率(5月14日時点)は前週比24%上昇の71%(前年同期73%、平年70%)に達している。発芽進捗率も16%上昇の31%(前年同期41%、平年36%)であり、天候リスクで急伸する必要性は薄れている。土壌水分の過多状態も若干解消されており、小麦相場の動向を無視しても天候プレミアムの剥落が正当化できる状況にある。

もっとも、今季は雨がちな天候が続きやすく、洪水発生リスクは高い。また、天候リスクを考慮に入れなくても300セント台中盤では底固さが確認されており、押し目買い優勢の地合には変化がないだろう。あくまでも上昇再開には産地降雨傾向が要求されるが、乾燥予報で売られる場面があれば、物色妙味があろう。


小麦相場は急落した。ドル安、原油高の支援を受けるも、欧州の気象環境改善を手掛かりに、改めて国際需給の緩和見通しがクローズアップされている。欧州では乾燥傾向が強くなっていたが、今後の降雨見通しで作況改善期待が高まっている。


<大豆>
大豆相場は反発した。ドル安、原油高といった強気の外部環境を手掛かりに地合を引き締めた。ただ、作付け進展期待や他穀物相場安から積極的に上値を試すような動きまではみられず、上げ幅は限定された。

時間外取引では965セント水準をコアに揉み合う展開になったが、シカゴ時間入り後に973.00セントまで急伸した。その後は利食い売りで上げ幅を削る展開になったが、965~967セント水準で下げ一服となった。

産地では乾燥傾向が強くなっており、作付け作業は改善している。引け後に米農務省(USDA)が発表した作付け進捗率(5月14日時点)は前週比18%上昇の32%(前年同期34%、平年32%)、発芽進捗率は8%(前年同期9%、平年9%)となっている。ここ1週間の乾燥傾向で概ね平年並みの作付け進捗率を回復した格好であり、天候プレミアム加算の必要性は見いだせない。

一方で、改めて大豆相場を大きく売り込むような材料も乏しい。足元では乾燥予報が出ているため、作付け作業の進展期待からやや調整圧力が強くなりやすくなっている。一方で、雨がちな天候で今季の作付け環境は良好とは言い難く、今後も押し目は買い拾われる可能性が高い。既に洪水被害の発生も報告されているが、潤沢な土壌水分環境からは6月に向けて大規模な洪水発生も警戒される。950セント水準では安値警戒感も強く、押し目買い優勢の地合は維持されよう。


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金融市場概況と分析
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NY金融市場15日:原油高でダウは堅調、米製造業指標は低調

<株式市場>
ニューヨーク株式市場は、優良株で構成されるダウ工業平均株価が前日比85.33ドル高の2万0,981.94ドル、ハイテク株中心のNASDAQ総合指数が同28.44ポイント高の6,149.67ポイントとなった。原油高を手掛かりに改めて買いが膨らみ、NASDAQは3営業日ぶりに過去最高値を更新している。米製造業指標は弱めの数値になったが、世界規模でサイバー攻撃が広がったことでセキュリティー業界に買いが膨らむなど、本日は終日底固い展開になっている。個別銘柄では、ジョンソン・エンド・ジョンソンが2.7%高、シスコシステムズが2.3%高、キャタピラーが1.7%高、ベライゾンが1.0%安、ナイキが0.8%安、ディズニーが0.5%安。


<債券市場>
米10年債利回りは前日から0.002%低下して2.338%となった。5月ニューヨーク連銀製造業指数が低調だったことで、やや金利低下圧力が優勢だった。6月利上げの織り込み後退に加えて、年末までに今年3回目の利上げを織り込む動きも鈍化した。ただ、株価が総じて底固く推移したことで、金利低下圧力も限定された。全般的にほぼ横這い推移であり、やや様子見ムードが強かった。


<外国為替市場>
ユーロ/ドルは、1ユーロ=1.0977ドルまでドル安・ユーロ高となった。米製造業指標が低調だったことで、一時1.0988ドルまでドル安・ユーロ高が進行した。ニューヨークタイム中盤以降はドル安一服となったが、改めてドル買い・ユーロ売りを進めるような動きまではみられず、明確な方向性を打ち出すには至っていない。

ドル/円は、1ドル=113.58円まで円安・ドル高となった。原油高でリスクオン傾向が強まる中、改めて円売り・ドル買い優勢の展開になっている。米製造業指標の発表後は軟化する場面もみられたが、113円台前半では買いを入れる動きが強く、高値は113.85円に達している。
サンプル5
【2017.05.12】小菅努のコモディティ・デイリー分析
配信日:2017年05月13日 06時52分
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       小菅努のコモディティ・デイリー分析


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NY金概況と分析
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NY金12日:小幅続伸、米経済指標が予想に届かずドル安進む

COMEX金6月限 前日比3.50ドル高
始値 1,225.00ドル
高値 1,231.60ドル
安値 1,224.40ドル
終値 1,227.70ドル

米経済指標が市場予測に届かなかったことで金利低下・ドル安が進行したこと、米政治リスクが再浮上する兆候が見られることが警戒され、小幅続伸した。積極的に買い進むような動きは鈍いが、週末を控えていることもあり、短期筋のショートカバー(買い戻し)が先行している。

アジア・欧州タイムからじり高の展開になり、1,220ドル台後半での保ち合いを経て、ニューヨークタイム入り後には本日高値となる1,231.60ドルを付けた。ドルの急激な軟化が好感されている。ただ、その後はドル安一服で戻りを売り込む動きが強まり、1,270ドル台後半まで上げ幅を削る展開になっている。

本日発表された経済指標は、良好だが市場予測に届かない評価が難しい数値になった。4月小売売上高は前月比0.4%増と着実な伸びを示したが、市場予測0.6%増には届かなかった。また、4月消費者物価指数の前月比0.2%上昇は市場予測と一致したが、コアの0.1%上昇は市場予測0.2%上昇を下回っており、インフレ環境の改善が確認されるものの予想されていたレベルではないという中途半端な数値になっている。5月ミシガン大消費者マインド指数が前月の97.0から97.7まで上振れしたのは明らかに良好だったが、マーケットでは全体としてドル売り材料との評価が目立ち、それがドル建て金相場の下値をサポートした。もっとも、いずれも米経済が1~3月期の減速を経て成長を加速させていることを示す数値であり、断続的に金相場を押し上げていくような材料にはならないだろう。

金価格の上昇シナリオとして警戒されるのは、引き続きコミー米連邦捜査局(FRB)長官の解任問題の方である。米メディアでは連日トップニュースに近い取り扱いになっており、政治的な混乱状況が深刻化すると、1~2月と同様に改めて「トランプ・リスク」が金価格を刺激する可能性はある。現段階では本格的なリスクオフ化が発生している訳ではないが、1~3月期の決算発表がピークを過ぎた米株式相場の上値が重くなっていることは間違いない。このタイミングで「トランプ・リスク」が株安、米金利低下を促すような動きが本格化すると、金価格が1,200ドル割れを前に底入れする可能性もある。金上場投資信託(ETF)市場に対する資金流入が本格化するような動きがみられれば、中立から短期リバウンド狙いの地合に修正を迫られることになる。

現状では6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)に向けてのダウントレンドに変化はないとみており、引き続き1,200ドルの節目割れがメインシナリオになる。ただ、政治リスクに関しては投資家マインドの問題のため、これまで同様に突然に地合が変わる可能性も想定はしておきたい。現在は100日移動平均線1,224ドルとほぼ同値だが、ETF残高の増加を伴って200日移動平均線1,252ドルをブレイクするような動きが強まるようであれば、政治リスクを起点とした上昇トレンドへの回帰が警戒される状況に変わる。


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NY白金概況と分析
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NY白金12日:小反落、底固いも上値を攻めれず

NYMEX白金7月限 前日比0.20ドル安
始値 917.70ドル
高値 926.80ドル
安値  915.10ドル
終値 917.50ドル

価格連動性の強い金相場は小幅続伸したが、白金相場は上値を攻めきれずに小反落した。ただ、改めて大きく売り込むような動きまではみられず、ほぼ横這いとの評価になる。

アジア・欧州タイムは金相場連動で底固い展開になり、本日高値926.80ドルを付けた。ただ、ニューヨークタイム入り前に早めに利食い売りを進める動きが強まり、915.10ドルまで急反落している。その後は米指標が市場予測に届かなかったことでドル安、米金利低下が進んだことが材料視され、920ドル台中盤まで切り返した。ただ、引けにかけてはドル安一服で再び戻りを売られる展開になり、910ドル台後半で引けている。乱高下が繰り返されたが、結果的には前日終値とほぼ同水準で引けている。

900ドルの節目水準で下げ一服となるも、リバウンドを進めることができない中途半端な地合になっている。900ドル割れにはコスト論の視点などからも強い抵抗が見受けられ、上場投資信託(ETF)市場では南アフリカ系資金の大量流入が確認されている。現行価格であれば、中長期スパンで十分に物色妙味があるとみている向きが多いことが窺える。安全資産としての投資ニーズ低下でETFの換金売りが目立つ金とは異なり、白金に関しては買いポジション構築の好機と評価している向きが多い模様だ。白金需給に関しては引き締まり傾向が一段と強まる見通しであり、白金需給が正当に評価される地合になれば、現行価格は買い対応が基本になる。

問題は、引き続き金相場との連動性が、白金のファンダメンタルズよりも重視されていることだ。本日は4月小売売上高、消費者物価指数などが良好ながらも市場予測に届かなかったことが、ドル安経由で白金相場の下値をサポートした。コスト論の視点がメインテーマになっているのであれば、金相場の小幅続伸を受けて白金相場は急伸も正当化できる状況だったが、実際には小幅ながら逆行安になっている。現状では、900ドル割れに抵抗があるものの、コスト論の視点から買い上げていくまでの勢いはないということだろう。

上昇シナリオとしては、金相場と同様にコミー米連邦捜査局(FBI)長官の解任騒動をきかっけに、改めて政治リスクを高めていく展開になる。「トランプ・リスク」が再び頭をもたげてくれば、先行き不透明感から安全資産としての貴金属の保有比率を高める動きも再開され、その際は白金相場も上昇地合が正当化されることになる。

現段階では政治リスクがメインテーマに設定されているとは言い難く、短期調整リスクとの評価に留まる。引き続き900ドル割れ打診がメインシナリオになる。ただ、これが政治環境の不安定化が投資環境の大きなリスクと評価される地合に変われば、白金相場の上昇も再開されよう。あくまでも投資家マインドの問題のため、マーケット全体の地合の変化に柔軟な対応が求められる。


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NY原油概況と分析
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NY原油12日:小幅まちまち、減産延長の方向も上値追いに慎重

NYMEX原油6月限 前日比0.01ドル高
始値 47.81ドル
高値 48.07ドル
安値 47.35ドル
終値 47.84ドル

協調減産の延長合意に対する警戒感、米原油在庫の減少傾向などが下値を支えるが、引き続きシェールオイル増産による需給リバランス失敗に対しても根強い警戒感があり、明確な方向性を打ち出すには至っていない。当限は小幅続伸したが、全体としては小反落する動きの方が目立つ中途半端な地合になっている。

アジア・欧州タイムは47ドル台後半をコアに、一時48.07ドルまで上昇した。ただ、前日高値48.22ドルを上抜くような動きはみられず、ニューヨークタイム入り後はドル安環境ながらも47.35ドルまで急落した。引けにかけては急速に下げ幅を削る展開になったが、前日終値水準まで戻すのに精一杯であり、明確な方向性を打ち出すには至っていない。

56月25日の石油輸出国機構(OPEC)総会に向けて産油国の協議が活発化しているが、協調減産は延長の方向で議論が進んでいる。サウジアラビアが協調減産による需給リバランスに前向きな姿勢を再確認する一方、ロシアなどからも減産延長は支持する声が目立つ。他の協調減産参加国からも延長支持の声が相次いでおり、更にはエジプトとトルクメニスタンも新たに協調減産に合流する方向で調整が進んでいる。既に焦点は減産延長の有無ではなく、減産幅の積み増し、減産期間の更なる延長を行うか否かになっている。基本的には、現行の減産規模を7~12月期も継続するだけで十分と考えているが、来年1~3月期までの減産延長案なども浮上しており、伝統的産油国が政策による需給リバランスを目指す姿勢を鮮明にしていることは、素直に評価できよう。

前日に発表されたOPEC月報では、2月に続いて3月も世界の石油在庫取り崩しが進んでいたことが確認されている。16日には国際エネルギー機関(IEA)月報が公表されているが、そこでも在庫の減少と今後の減少見通しが示される可能性が高い。米国でも季節要因から原油在庫の取り崩しが進んでおり、需給リバランスの進展がデータで確認できる状況にあることがマーケットの関心を集めれば、50ドル台回復は特にハードルの高い価格水準ではない。

問題は、シェールオイル増産によって、在庫取り崩しが進まないとの警戒感も根強いことである。本日発表された米石油リグ稼働数は前週比9基増の912基となっている。また、米エネルギー情報局(EIA)やOPECはともに今月の月報で米国の産油量見通しを引き上げている。実際には、シェールオイルの増産圧力を考慮に入れても需給均衡化は達成可能とみているが、マーケットの不信感を払しょくしていくには、これまでと同様に実際の在庫減少データを提示していくことが求められている。40ドル台中盤は物色妙味のある価格水準であり、米原油在庫減少が素直に評価される地合になっていることからは、下値不安が後退していることが確認できる。短期トレンドは横這いから上向きに転換しつつある。ただ、シェールオイル増産による需給リバランス失敗の見方がある以上、4月高値53.76ドルを大きく上抜くには大きなエネルギーが要求される。


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東京ゴム概況と分析
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東京天然ゴム12日:当限は続伸も、期先はほぼ横這いに

TOCOM天然ゴム10月限 前日比0.70円高
始値 214.00円
高値 216.90円
安値 213.10円
終値 214.50円

東京ゴムは、前日比0.70円~6.60円高。上海ゴム相場はほぼ横ばい推移になったが、前日同様に期近限月の買い圧力が強く続伸した。ただ、期先限月はほぼ横這い状態であり、明確な方向性を打ち出すには至らなかった。出来高も僅か4,892枚と前日に続いて売買見送りムードが強くなっている。

214.80円での立ち合い開始となったが、その後は上げ幅を削る展開が目立った。上海ゴム相場が動意を欠く中で積極的に売り込むような動きまでは見られなかったが、昼過ぎには一時213.10円まで軟化している。午後に入ってからは下げ一服となったことで引け際にプラスサイドを回復したが、概ね前日終値と同水準で引けている。

前日は当限が10.30円の急伸となっていたが、本日も当限は6.60円高と堅調。出来高は前日が115枚、本日が129枚と、当限としては特別に低い水準にはない。まだ納会までは時間があるが、当限が2営業日連続で大きく上昇する中、期先限月でもやや売りポジションの保有が警戒される状況になっている。

もっとも、こうした不規則な値動きを見せているのは主に東京市場の期近2限月のみであり、上海ゴム相場は安値低迷状態が維持されている。2営業日連続で年初来安値更新は見送られているが、週末を前にしても明確な自立反発の動きもみられない状況にあり、東京市場の当限主導で国際ゴム相場全体を押し上げていくようなムードにはない。

日本ゴム輸入協会発表の全国営業生ゴム在庫(4月30日時点)が前旬比59トン減の3,864トンとなった影響も考えられるが、国内ゴム在庫の減少傾向はここ数日に突然に確認されたものではなく、現段階では、当限に対する上昇圧力は内部要因主導の瞬間的なものと評価している。

本日のタイ市場は農耕祭で休場となる。これも東京市場の売買高が低迷した一因だろう。

当然に上海ゴム相場の一本調子の下落が続くことはないが、改めて上海ゴム相場が上昇トレンドを形成するハードルは高い。5月入りしてからの下げ幅が大きいだけに自律反発には注意が要求されるが、金融要因、需給要因ともにゴム相場の本格的な上昇を支持する材料は乏しい。改めて生産者の安値限界を打診する必要性が高くなっている。


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シカゴ穀物概況と分析
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シカゴ穀物12日:コーンは、ポジション調整中心も小反発

CBOTトウモロコシ7月限  371.00セント(前日比1.75セント高)
CBOT小麦7月限     432.75セント(前日比1.00セント安)
CBOT大豆7月限      963.00セント(前日比3.25セント安)

<トウモロコシ/小麦>
トウモロコシ相場は小反発した。特に天候悪化が報告された訳ではないが、週末を前にポジション調整の買いが膨らみ、370セント水準で底固さを示す格好になっている。

時間外取引では368セント台を中心にやや上値の重い展開になったが、シカゴ時間入り後に安値是正の動きが優勢になった。場中は戻り売りに下押しされる場面もみられたが、総じて370セント台での取引が目立った。

産地では総じて温暖な天候が予想されており、降雨の広がりも予想されていない。全体としては作付けに適した気象環境が想定されている。ただ、今季は全般的に多雨傾向が強いこともあり、週末に気象見通しが変化するリスクも警戒され、下値を攻めきれなかった。

また、インフォーマ・エコノミクスが米国の作付面積見通しを従来の9,080万エーカーから8,970万エーカーまで引き下げたこともポジティブに。

引き続き産地気象環境次第の展開が想定される。今季は多雨傾向から押し目買い対応に優位性がみられるが、当然に乾燥予報で作付け進展期待が高まれば、トウモロコシ相場は天候プレミアムを吐き出す形で売られることになる。 「作付け→発芽」ステージが一巡するまでは、押し目買い優勢の地合が維持される可能性が高いが、あくまでも上昇には産地降雨が要求されることになる。


小麦相場は調整売り優勢の展開になった。需給面には特に目新しい材料が見当たらず、週末を前に調整売りが膨らむ展開になっている。ただ、積極的に安値を売り込むような動きまではみられず、大きな値動きには発展しなかった。


<大豆>
大豆相場は続落した。他穀物相場と同様に特に目立った材料は見当たらなかったが、週末に総じて作付けに適した気象環境が予想されていることもあり、調整売りが優勢になった。

時間外取引からじり安の展開になり、シカゴ時間入り直後に本日安値967.75セントを付けた。その後は一時967.75セントまで切り返す場面もみられたが、引けにかけては戻りを売られる展開になり、続落して引けている。

産地気象環境には不透明感も強いが、総じて週末は温暖・乾燥した天候が想定されるため、作付け作業の進展期待が上値を圧迫している。気象見通しは瞬時に一変する可能性もあるが、一時期と比較すると降水量が安定傾向にあることが、天候プレミアムの剥落を促している。

また、インフォーマ・エコノミクスが米国の作付面積見通しを8,970万エーカーとして、米農務省(USDA)予測の8,950万エーカーを上回る数値を示したこともネガティブに。

USDA需給報告の発表を消化したことで、改めて産地気象環境次第の天候相場が想定される。足元では乾燥予報が出ているため、作付け作業の進展期待からやや調整圧力が強くなりやすくなっている。一方で、雨がちな天候で今季の作付け環境は良好とは言い難く、今後も押し目は買い拾われる可能性が高い。既に洪水被害の発生も報告されているが、潤沢な土壌水分環境からは6月に向けて大規模な洪水発生も警戒される。950セント水準では安値警戒感も強く、押し目買い優勢の地合は維持されよう。


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金融市場概況と分析
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NY金融市場12日:雇用指標は良好も、株式市場では利食い売り

<株式市場>
ニューヨーク株式市場は、優良株で構成されるダウ工業平均株価が前日比22.81ドル安の2万0,896.61ドル、ハイテク株中心のNASDAQ総合指数が同5.27ポイント高の6,121.23ポイントとなった。米小売売上高が市場予測に届かなかったこと受けて、調整売りが先行した。決して悪い数値ではなく、寧ろ米経済成長が加速していることを示す数値になっているが、市場予測に届かなかったことの一点でネガティブ評価が優勢になっている。また、トランプ大統領がコミー米連邦捜査局(FBI)長官を解任したことについて、議会やメディアが追及を続けていることも、市場心理の悪化を促した。大きく値崩れを起こすような動きはみられないが、調整売り優勢の地合が続いている。個別銘柄では、GEが2.1%安、メルクが1.3%安、ユナイテッド・ヘルスが0.9%安、アップルが1.4%安、マクドナルドが0.8%高、ビザが0.7%高。


<債券市場>
米10年債利回りは前日から0.060%低下して2.340%となった。米消費者物価指数が予想されていた程に伸びなかったこと受けて、金利低下圧力が優勢になった。6月利上げを強力に後押しするほどに強い数値になかったことが、株安の影響もあって金利低下を促した。


<外国為替市場>
ユーロ/ドルは、1ユーロ=1.0926ドルまでのドル安・ユーロ高に。米経済指標が市場予測に届かなかったことで、ドル売り・ユーロ買いが先行した。決して悪い数値ではなかったが、特に小売売上高に関しては前日に百貨店の決算悪化が確認されたばかりとあって、ドル売り圧力に直結した。

ドル/円は、1ドル=113.28円まで円高・ドル安になった。米経済指標が低調との評価から、円買い・ドル売り優勢の展開に。決して悪い内容ではなかったが、市場予測との比較で期待されていた程に強い数値ではないとの評価から、ドルが売られている。

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