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【2017.08.11】小菅努のコモディティ・デイリー分析
配信日:2017年08月12日 06時45分
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       小菅努のコモディティ・デイリー分析


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NY金概況と分析
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NY金11日:続伸、北朝鮮を巡る緊張は更に高まる

COMEX金12月限 前日比3.90ドル高
始値 1,292.50ドル
高値 1,298.10ドル
安値 1,286.70ドル
終値 1,294.00ドル

引き続き北朝鮮情勢に対する警戒感が強く、続伸した。米朝の双方から緊張をエスカレートさせる動きがみられることが素直に材料視されている。また、低調なインフレ指標を手掛かりにドル安が進んだことも支援材料になった。週末を前にして利食い売りを入れる動きも限定され、約2カ月ぶりの高値圏での取引になっている。

アジア・欧州タイムの段階から1,290ドル台前半をコアに底固い展開になった。ニューヨークタイム入り後に本日高値1,298.10ドルを付けた。その後は1,300ドルの節目を前にして利食い売りが膨らみ、一時は1,286.70ドルまで急反落した。しかし、7月米消費者物価指数を受けてドル安が進行したことで押し目は買い拾われ、引けにかけては改めて1,290ドル台中盤まで切り返す展開になっている。

トランプ米大統領は「軍事解決に向けた準備は完全に整っている」として、北朝鮮を強くけん制している。これに先立って、北朝鮮側からはトランプ大統領が朝鮮半島を核戦争の間際に追い込んでいるとの批判が行われており、米朝双方が軍事衝突の可能性に言及する異例の事態になっている。北朝鮮とトランプ大統領の発言をそのまま額面通りに受けることが可能かは議論があるものの、少なくとも緊張状態がエスカレートしていることは間違いなく、金市場は安全資産の観点から強く反応している。

金上場投資信託(ETF)に対しては必ずしも大量の資金が流入している訳ではなく、本日は米国株も落ち着きを取り戻している。ただ、朝鮮半島有事のリスクを高める動きがみられる間は、金価格は強い刺激を受けることになる。少なくとも地政学リスクが下値をサポートする展開が続き易く、短期トレンドは引き続き上向きになっている。

仮に流れを変える動きがあるとすれば、7月消費者物価指数だった。ここでインフレ環境の改善を強くイメージさせることができれば、米金利上昇・ドル高圧力がドル建て金相場の上値を改めて圧迫するシナリオも存在したためだ。しかし実際には、前年同月比では1.7%上昇と、前月から変わらず、市場予測1.8%上昇を下回った。コアも1.7%上昇で前月から変わらず、ともにインフレ環境に対する評価改善を促すことに失敗している。逆にインフレ率の大幅な引き下げもなかったが、低インフレに対する懸念が維持されていることは、米金融政策正常化を阻害することになり、現在の金市場に対してはポジティブに機能する。

このまま北朝鮮情勢のみで急伸地合が続くのかは疑問視されるが、少なくとも緊張のエスカレートが一服するまでは、金価格は上向きの刺激を受けることになる。トランプ大統領が連日のように緊張を高めており、こうした状態が続いている間は、地政学リスクの一点が金価格を刺激する展開が正当化される。


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NY白金概況と分析
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NY白金11日:金相場連動の買い圧力が続く

NYMEX白金10月限 前日比3.80ドル高
始値 986.10ドル
高値 996.70ドル
安値  982.40ドル
終値 989.70ドル

価格連動性の強い金相場の上昇が続く中、白金相場もつれ高している。金相場が北朝鮮情勢を巡る地政学リスクの織り込みを続ける中、白金相場がその流れに逆行する必要性は乏しく、素直に上値追いの展開になっている。為替相場がドル安に振れた割には上げ幅は限定されたが、週末を控えての利食い売りをこなす形で、1,000ドルの節目目前に迫る場面もみられた。

アジアタイムは980ドル台中盤でやや調整売り優勢の展開になったが、欧州タイム入り後に金相場連動で地合を引き締め、ニューヨークタイム序盤に本日高値996.70ドルを付けた。その後は利食い売りで一時985.00ドルまで軟化する場面もみられたが、ドル安連動の買い圧力は強く、引けにかけては再び990ドル水準まで切り返している。

基本的な相場ロジックは金相場と共通している。米朝双方から朝鮮半島有事のリスクを高める動きがみられる中、安全資産の観点から金価格が急伸しており、つれて白金相場も買われている。特に白金を安全資産として保有する必要性は乏しく、本日はパラジウム相場は小反落している。ただ、ここ数日は金相場と白金相場との相関が高まる方向に展開しており、金相場の上昇圧力がそのまま白金相場を押し上げる展開になっている。トランプ大統領は、北朝鮮の対応次第によっては「軍事解決の準備もある」として、グアムに対するミサイル発射を警告している北朝鮮を強くけん制している。売り言葉に買い言葉の様相が強くなっているが、緊張を高めるような動きが観測されている間は、少なくとも金相場が大きく値下がりするリスクは限定され、価格連動性を強めている白金相場も底固く推移することになる。

7月米消費者物価指数も、前年同月比では総合とコアの双方が横這いに留まり、低インフレに対する懸念を後退させることに失敗している。仮にここで低インフレ解消への期待を高める動きが見られれば、米金利上昇・ドル高がドル建て白金相場の上値を圧迫するシナリオも存在したが、本日は逆にドル安圧力が優勢になっている。

ランド相場はムーディーズの格付けを巡る思惑でやや不安定な動きを見せたが、概ね前日の取引レンジを踏襲する展開に留まっている。そもそも、最近の白金相場ではランド相場に対する関心は低下しており、南アフリカの為替環境は特に材料視されていない。

目先は、北朝鮮情勢が金価格を刺激するフローがいつまで続くかが、最大かつ唯一の焦点になる。米朝双方の避難合戦が一巡するまでは、安全資産に対する刺激が続くことになり、金相場連動で白金相場も上値追いの展開が正当化される。過去の経験則からは、徐々に買い材料としての陳腐化が進むことで伸び悩む展開に移行することになるが、売り対応再開までは時間が要求される可能性が高い。


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NY原油概況と分析
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NY原油11日:IEAが供給増を報告するも、ドル安連動で反発

NYMEX原油9月限 前日比0.23ドル高
始値 48.52ドル
高値 48.98ドル
安値 47.98ドル
終値 48.82ドル

国際エネルギー機関(IEA)が世界の原油供給量増加を報告したことで軟化する場面もみられたが、ドル安連動の買い圧力が強く、小幅ながら反発して引けている。

アジア・欧州タイムは48ドル台前半でやや上値の重い展開になった。前日に50ドル台を維持できずに利食いう売りで急落した余波が続いていることに加えて、IEA月報が供給圧力の強さを報告したことが嫌気されている。本日安値は47.98ドルに達した。しかし、ニューヨークタイム中盤以降はドル安連動で押し目を買い拾われる展開になり、引けにかけては一気に急伸地合を形成し、高値は48.98ドルに達している。49ドル台回復を前に上げ一服となったが、概ね本日の高値圏で引けている。

IEA月報では、7月の世界原油供給量が日量52万バレル増加し、3カ月連続で上振れしたと報告されている。石油輸出国機構(OPEC)が23万バレルの増加となった他、非OPECからの供給も膨らんでいる。6月の経済協力開発機構(OECD)加盟国の在庫が1,930万バレル減少し、7月は更に減少した模様とのポジティブな報告もみられたが、マーケットの関心は在庫よりも供給データに集中し、OPECの増産圧力の強さに対する警戒感が再確認できる状況になっている。

IEAは4~6月期には日量50万バレルの供給不足が発生したと報告しているが、30.21億バレルの在庫は5年平均を2.19億バレル上回っているともしている。このままのペースで在庫減少を進めても、協調減産の期限切れとなる来年3月末時点の在庫は5年平均を6,000万バレル程度上回るとの見通しを示している。在庫に関しては、減少傾向を評価するのか、それでも余剰感が残ることをネガティブ材料視するのか、難しい判断を迫られる状況が続くことになる。

IEAからはOPECの減産順守率低下が報告されており、6月の77%に対して7月は75%だったとされている。一方で、サウジアラビアが9月以降の出荷削減に意欲を示し、OPEC内でもイラクとUAEに対して減産順守の働き掛けが強化されるといったポジティブな動きも報告されている。供給環境に対する評価も強弱まちまちであり、この辺も原油相場が明確な方向性を打ち出せなくなっている一因だろう。

米ベーカー・ヒューズ社によると、米石油リグ稼働数は前週比3基増となったが、特に材料視されていない。前週比ではプラスになったが、最近のリグ稼働数の抑制傾向には変化がないとの冷静な評価が優勢になっている。

需給リバランスの進展状況からは押し目買い対応が基本だが、当面は45~55ドルがコアレンジに留まる。OPECの減産順守率に懸念の声が目立つ以上は、改めて合意順守の動きを見せない限りは、上値追いに対する慎重姿勢を後退させるのは難しい。OPECとIEA月報を通過したことで、改めて米在庫環境が原油価格を50ドル台まで押し上げるか否かが注目される。


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東京ゴム概況と分析
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東京天然ゴム11日:休場


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シカゴ穀物概況と分析
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シカゴ穀物11日:前日の急落を受けてリバウンド

CBOTトウモロコシ12月限 374.75セント(前日比3.75セント高)
CBOT小麦9月限     467.00セント(前日比1.75セント安)
CBOT大豆11月限      945.00セント(前日比4.75セント高)

<トウモロコシ/小麦>
トウモロコシ相場は反発した。前日に米農務省(USDA)需給報告を受けて急落した反動から、安値是正の動きが優勢になった。特に目立った買い材料は見当たらなかったが、短期筋のショートカバー(買い戻し)や値ごろ買いが膨らみ、リバウンドしている。

時間外取引の段階で374セント水準まで切り返すなど、自立反発的な動きが優勢になった。欧州タイムはやや戻り売り圧力が強まる場面もみられたが、シカゴタイム入り後はドル安の支援もあって改めて安値是正の動きが優勢になっている。引け際につけた本日高値は375.25セントに達した。

USDAの8月需給報告ではイールド見通しの引き下げ幅が予想されていたよりも小さく、トウモロコシ需給にタイト感を浮上させることに失敗している。今回はトレンドイールドから初めての修正とあって、今後の産地調査の結果などによっては再下方修正の余地がある数値だが、トウモロコシ相場は貴重な反転機会を失った格好になっている。既に天候リスクを巡る議論が活発化する時期は終わっており、目先はどの価格水準であれば需給要因が相場の下げ止まりを促すかが注目される局面になる。しかし、8月USDA報告はトウモロコシ相場の下振れリスクを残す数値になっており、なお需給の制約がトウモロコシ相場の底入れを促すのは時期尚早だろう。


小麦相場は小幅続落した。前日の急落にもかかわらず値ごろ買いを入れる動きは弱く、続落している。下げ幅はそれほど大きくなかったが、特に春小麦の生産環境に対する悲観ムードが後退していることが嫌気され、戻り売り優勢の地合が続いている。他穀物相場の反発を無視して下落しており、地合の弱さが再確認できる状況になっている。


<大豆>
大豆相場は反発した。前日に米農務省(USDA)需給報告を受けてパニック的な急落相場になった反動から、安値是正の動きが優勢になっている。特に目立った買い材料は見当たらなかったが、週末を前にショートカバー(買い戻し)が膨らんだことに加えて、値ごろ買いを入れる動きも報告されている。

前日の急落を受けて、時間外取引の段階で945セント水準まで切り返すなど、下げ一服感が広がった。その後は改めて戻り売りを入れる動きから937.00セントまで軟化したが、シカゴ時間はドル安の支援もあって総じて堅調に推移し、940セント台前半から中盤で底固く推移している。

本日は「自立反発」の一言であり、専らポジション調整中心の展開になっている。USDAが8月需給報告でイールド見通しの上方修正に踏み切ったことが10日の取引でパニック的な急落を促したが、本日はその修正圧力が中心になっている。

USDAのイールド見通しに関しては楽観的に過ぎる可能性もあるが、足元では作況報告の改善傾向が報告されていることもあり、大豆相場の底入れは先送りされ易い。950セントの節目を完全に下抜いていることでチャート環境も著しく悪化しており、900セントの節目水準まで目立った支持線が見当たらない。

生産地でサヤの成熟を阻害するような天候リスクが浮上してこない限りは、戻り売り対応が基本になる相場である。トウモロコシ相場主導の底入れにも失敗しており、8月中旬はなお下振れリスクを抱えた展開が続き易い。


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金融市場概況と分析
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NY金融市場11日:ダウは値ごろ買いで小反発

<株式市場>
ニューヨーク株式市場は、優良株で構成されるダウ工業平均株価が前日比14.31ドル高の2万1,858.32ドル、ハイテク株中心のNASDAQ総合指数が同39.68ポイント高の6,256.56ポイントとなった。北朝鮮情勢を巡る緊張状態は続いているが、本日は値ごろ買いが優勢になった。地政学的リスクの高まりから利食い売りを進める動きも目立つが、一方で企業業績環境に対する影響は限定的との見方も強く、前日の急落地合は引き継がれなかった。米消費者物価指数の伸び悩みで、米利上げに対する警戒感が後退したことも株価に対してはポジティブだった。個別銘柄では、マイクロソフトが1.5%高、シスコシステムズが1.5%高、アップルが1.4%高、トラベラーズが1.2%安、エクソン・モービルが1.0%安、JPモルガン・チェースが0.8%安。

<債券市場>
米10年債利回りは前日から0.023%低下の2.189%となった。7月米消費者物価指数が前年同月比で横ばいに留まり、市場予測に届かなかったことが、金利低下を促した。改めて低インフレに対する懸念が金利低下を促している。引き続き北朝鮮情勢に対する警戒感も、金利低下圧力として機能している。

<外国為替市場>
ユーロ/ドルは、1ユーロ=1.1824ドルまでドル安・ユーロ高に振れた。北朝鮮情勢の緊迫化にもかかわらず方向性に乏しい展開が続いていたが、本日は7月米消費者物価指数を手掛かりにドル売り優勢の展開になっている。低インフレに対する懸念を払しょくすることに失敗し、米金利低下圧力と連動したドル売り圧力が優勢になった。

ドル/円は、1ドル=109.05円まで小幅円高・ドル安に振れた。北朝鮮情勢の緊迫化、米インフレ率低迷などドル/円相場を押し下げる材料が目立ったが、東京市場が連休入りしていることもあり、大きな値動きは見られなかった。ニューヨークタイムは108円台後半から109円台中盤で荒れたア値動きになったが、最終的には前日とほぼ同じ値位置での取引になっている。

サンプル2
【2017.08.10】小菅努のコモディティ・デイリー分析
配信日:2017年08月11日 06時53分
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       小菅努のコモディティ・デイリー分析


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NY金概況と分析
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NY金10日:北朝鮮情勢を受けての買いが続き、二けた高に

COMEX金12月限 前日比10.80ドル高
始値 1,283.20ドル
高値 1,293.80ドル
安値 1,280.30ドル
終値 1,290.10ドル

前日に続いて北朝鮮情勢が強く警戒され、買い優勢の展開になった。7月卸売物価指数が低インフレに対する懸念を高めたこともあり、二けたの急伸地合が続いている。

アジアタイムは1,280ドル台前半で小じっかりとした展開になっていたが、欧州タイム入り後は1,285ドル水準まで値位置を切り上げ、ニューヨークタイム後に更に上昇ペースを加速させる展開になった。高値1,293.80ドルを付けた後は利食い売りで上げ幅を削ったが、1,290ドル水準で下げ止まり、前日比では二けたの急伸地合になっている。

北朝鮮情勢を巡っては、北朝鮮の国営メディア朝鮮中央通信が、グアム攻撃計画では日本の島根県、広島県、高知県の上空を通過すると、更に具体的な攻撃計画を提示している。ここまで具体的な計画を打ち出したからには、何等かの行動を起こさざるを得ないといった見方もあり、グアム攻撃の有無については不透明感があるものの、緊張感が高まっていることは間違いない。こうした地政学リスクの高まりを受けて、株安・債券高といったリスクオフ型の取引が目立っており、その流れの中で金相場も地合を引き締めている。

9日時点では金上場投資信託(ETF)に対する資金流入は確認できておらず、必ずしもリスク分散型の投資ニーズが高まっているとは言えない。しかし、地政学リスクの恩恵を受ける数少ないマーケットの一つとして金市場に対する関心は高まっており、目先は短期資金の流入が金価格を強く刺激し易い。特に金ETF残高が大幅に増加するような動きがみられると、1,300ドルの節目を完全にブレイクする可能性もあり、注意が要求される。

一方、本日は7月の卸売物価指数が発表されているが、総合で前月比0.1%低下、コアで変わらずと伸び悩んだ。前年同月比では総合が1.9%上昇(前月は2.0%上昇)、コアが1.9%上昇(同2.0%上昇)と、予想外にインフレ率の引き下げを示している。11日には消費者物価指数の発表も控えているが、ここでも弱いインフレ指標が示されると、地政学的リスクとは別の視点から買い圧力が強まる可能性があるだけに注意が必要。逆に、ここで強めのインフレ指標を示せれば上昇地合にブレーキを掛けることも可能だが、地政学的リスクの消化が進むまでは、下値不安は限定されることになる。

最近の経験則からは、北朝鮮情勢をテーマとした買い圧力は1週間前後続く可能性があり、1,300ドルの節目が意識される。短期的な買い圧力に留まると考えているが、地政学リスクの消化が一巡するまでは、時間が必要である。インフレ指標も注目されるが、まずは金融市場全体が落ち着きを取り戻すまでは、金価格は上向きの刺激を受けることになる。


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NY白金概況と分析
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NY白金10日:金相場連動で続伸、高値更新サイクルを維持

NYMEX白金10月限 前日比9.80ドル高
始値 979.70ドル
高値 988.60ドル
安値  975.70ドル
終値 985.90ドル

価格連動性の強い金相場が大幅続伸したことを受けて、白金相場も続伸した。戻り高値更新サイクルが維持されており、4月18日以来の高値を更新している。

アジアタイムは976~979ドル水準をコアに揉み合う展開になったが、欧州タイム以降に地合を引き締め、980ドル台に乗せた。ニューヨークタイム入り後は更に買い圧力が強まり、序盤に本日高値988.60ドルを付けている。その後は上げ一服となったが、980ドル台中盤付近で下げ止まり、終値ベースでは二桁高を維持できなかったものの、大幅続伸で引けている。

白金相場の独自材料は乏しく、概ね金相場と連動した値動きになっている。北朝鮮情勢が安全資産である金価格を刺激し、それにつられる形で貴金属市況全体が強含んでいる。相場テーマが再び金相場との連動性を回復する方向に展開する中、白金相場も北朝鮮情勢の消化を迫られている。米朝の対立が深刻化し、双方から軍事オプションの可能性も指摘される中、目先は地政学リスクが金相場同様に白金相場も刺激する展開が続き易い。金相場の1,300ドルに対して白金相場の1,000ドル水準には特に違和感がない。

過去の経験則からは短期上昇圧力との評価に留まるが、地政学リスクの消化一巡までは時間が必要であり、今後一週間程度は地政学的リスクが白金相場を下支えする可能性が高い。特に金上場投資信託(ETF)の残高増加、株価急落といった動きがみられると、ややパニック的な買い圧力が強まる可能性もある。

一方、南アフリカ通貨ランド相場は軟調地合が続いている。ズマ大統領の不信任案否決を受けて、野党からは解散・総選挙も要求されているが、与党・アフリカ民族会議は今後もズマ大統領の続投を表明しており、当面の南アフリカ政治環境に大きな変化が生じる可能性が低下していることが、ランド安圧力に直結している。これはドル建て白金相場のコストラインを引き下げる要因になるが、ここ最近のマーケットは殆ど関心を見せていない。

8月入りしてからはチャート主導で急伸し、その流れが一服するタイミングで地政学リスクが更に白金相場の上昇を促している。金価格との連動性を回復する方向になっていることは大きな変化だが、地政学リスクの消化が終わるまでは、いずれにしても上昇リスクを抱えることになる。短期的な上昇圧力に留まる可能性が高い相場テーマだが、マーケット環境の安定化には時間が必要であり、仮に米朝から更に緊張を高めるような動きがみられると、その時間が延長される可能性もある。基本的には1週間程度の期間限定の買い圧力との評価だが、短期トレンドはなお上向き状態になっている。


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NY原油概況と分析
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NY原油10日:50ドル台回復後に、利食い売りで急反落

NYMEX原油9月限 前日比0.97ドル安
始値 49.68ドル
高値 50.22ドル
安値 48.42ドル
終値 48.59ドル

前日の堅調地合を引き継ぐ形で50ドル台を回復したが、同水準では利益確定の手仕舞い売りが先行し、急反落して引けている。押し目買い優勢ながらも上値を攻め切ることもできない中途半端な展開が続いており、結果的に40ドル台後半をコアとしたボックス相場と化している。

アジアタイムは49ドル台中盤での小動きに終始したが、欧州タイムからニューヨークタイム序盤にかけては買い圧力が強まり、本日高値50.22ドルを付けている。しかし、その後は突然に利食い売りが膨らみ、急落地合に転じている。49.50ドル、49.00ドルといった節目でも特に目立ったサポートはみられず、引け際に本日安値48.42ドルを付けて引けている。

前日比では急落し、高値から安値までの下げ幅は1.80ドルに達している。ただ、何か明確なネガティブ材料が浮上してきた訳ではなく、50ドル台到達後の利食い売りとの評価が基本になる。地合は強いながらも50ドル台には抵抗があることが確認され、強弱評価が交錯する状況になっている。

本日は石油輸出国機構(OPEC)月報が公表されており、一応はOPECの7月産油量が前月から17.3万バレル増の日量3,286.9万バレルとなった影響を指摘することも可能である。リビアが15.4万バレル、ナイジェリアが3.4万バレル、サウジアラビアが3.2万バレルの増産になっており、OPECの増産に対する懸念が相場を押し下げたとのロジックも成立し得る。ただ、このOPEC月報が公表された後に原油相場が50ドル台に乗せていることを考慮すると、後付けの売り材料との評価が否めない。

サウジに関しては、同国からの報告では日量6.0万バレルの減産となっており、二次情報との数値がかい離していることには注意が必要だが、この辺は余り材料視されていない。逆に、サウジのファリハ・エネルギー相はイラクのルアイビ石油相と協議を行い、改めて減産順守の必要性を訴えたことも明らかになっているが、こうしたポジティブ材料も特に材料視されていない。

世界的な在庫減少傾向が続く中、トレンドは引き続き上向きである。ただ、50ドル台には強い抵抗が存在することも確認されており、急伸リスクも限定されることが同時に確認される。45~55ドルをコアレンジに50ドル台前半は特に無理のない価格水準と評価しているが、更に在庫減少データの積み重ねが要求されている。

なお11日には国際エネルギー機関(IEA)の月報も公表される。ここでOPECの増産報告を手掛かりに売られるか、それとも需給リバランスの進展報告を手掛かりに買われるかでも、短期の地合が判断されよう。


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東京ゴム概況と分析
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東京天然ゴム10日:連休前の調整売りで反落

TOCOM天然ゴム1月限 前日比1.30円安
始値 216.20円
高値 217.50円
安値 212.20円
終値 214.10円

東京ゴムは、前日比0.90円~2.60円安。東京市場は三連休を控えて買い玉整理の動きが強く、小反落した。積極的に売り込むような動きは見られなかったが、本日は上海ゴム相場も上げ一服となったことで、調整売りが先行した。

215.90円での立ち合い開始後、序盤は216円台まで切り返すなど、前日終値とほぼ同水準での値動きになった。しかし、午後に入ってからは突然に急落地合を形成し、本日安値212.20円を付けた。もっとも、引けにかけては押し目買いを入れる動きも見られ、前日比では小幅安で引けている。

本日は専ら連休前のポジション調整が中心であり、特に積極的な売買は行われていない。3連休前に加えてお盆休み入りする市場関係者も多く、敢えて積極的にリスクテイクを進めるような動きは確認できない。この状況でも上海ゴム相場の動向次第で一段高になる可能性があったが、本日は上海ゴム相場も調整売りが優勢になっている。大きな値崩れを起こすようなことはなかったが、敢えて連休前に強気スタンスを強化することを正当化するような動きは見られなかった。

タイ中央ゴム市場における未燻製シート(USS)の集荷量は37.43トン。前日の79.70トンから下振れしている。現物相場は53.92バーツから53.55バーツまで低下。産地相場の堅調地合を好感する向きもあるが、上海ゴムが軟化すれば素直に連れ安しており、上海ゴムの写真相場に過ぎないことが確認できる。

中国コモディティ市場全体の強気ムードが上海ゴム相場にも波及する中、地合の強さが再確認されている。必ずしもファンダメンタルズとは関係ない動きのために瞬時に地合が崩れる可能性もあるが、短期トレンドはなお上向きである。連休前に7月26日の直近高値218.70円を上抜くことはできなかったが、このまま中国コモディティ市場全体に対する追い風が継続すれば、コアレンジ切り上げを打診する展開が続き易い。


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シカゴ穀物概況と分析
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シカゴ穀物10日:USDA報告を受けて急落

CBOTトウモロコシ12月限 371.00セント(前日比15.25セント安)
CBOT小麦9月限     468.75セント(前日比18.00セント安)
CBOT大豆11月限      940.25セント(前日比32.00セント安)

<トウモロコシ/小麦>
トウモロコシ相場は急反落した。米農務省(USDA)需給報告が公表されたが、予想されていた程に厳しい生産見通しにならなかったことで、失望売りが先行している。

時間外取引では385セント水準からじり高の展開になり、高値は3879.00セントに達した。しかし、USDA需給報告発表後はパニック的な売り圧力に晒され、一気に370セント台中盤まで下落している。その後も値下り傾向は維持され、引け際には本日安値370.25セントを付けている。

USDA8月需給報告であるが、イールド見通しは前月の170.7Bu/エーカーから169.5Buまで下方修正された。USDAからは、サウスダコタ、アイオワ、ミネソタ、イリノイ州のイールド悪化が報告されている。生産高見通しは142.55億Buから141.53億Buまで下方修正されており、それに伴い期末在庫見通しも23.25億Buから22.73億Buまで下方修正されている。ただ、期末在庫の市場予測は20.03億Buであり、マーケットでは予想されていた程には厳しい数値ではないとの評価が優勢になっている。農場平均価格見通しも290~370セントで据え置きであり、需給要因に基づく買い圧力を強めていくことには失敗している。

今後の産地調査の結果次第では下方修正含みの数値だが、少なくとも今報告では下げ過ぎ感を形成することには失敗している。産地気象環境に対する反応は鈍くなっているが、このまま天候相場の幕引きに向けて軟調地合が続き易い状況になっている。


小麦相場は急反落した。USDA発表の期末在庫が予想されていた程に下振れしなかったことで、失望売りが膨らんだ。イールドは46.2Bu/エーカーから45.6Bu、期末在庫は9.38億Buから9.33億Buまで下方修正されているが、在庫見通しの市場予測は9.07億Buであり、予想されていた程に悪くない数値との評価が優勢に。


<大豆>
大豆相場は急落した。米農務省(USDA)需給報告でイールド見通しが予想外の大幅な引き上げになったことを受けて、パニック的な売りが膨らんだ。

時間外取引では970セント台前半からじり高の展開になり、980セント台に乗せた。本日高値は981.00セントに達したが、USDA報告の発表後は一気に950セント台を割り込む急落地合に転じ、引け際に付けた本日安値は938.50セントに達している。

USDAはイールド見通しを前月の48.0Bu/エーカーから49.4Buまで引き上げた。前年度の52.1Buには届かないものの、悪天候が報じられる中ではサプライズと言える良好な数値になっている。USDAはこの背景について解説を行っておらず、トウモロコシや小麦のイールド見通し引き下げとは整合性が取れない動きだが、相場に対してはネガティブである。生産高見通しは42.60億Buから43.81億Buまで引き上げられ、それに伴い期末在庫見通しは4.60億Buから4.75億Buまで上方修正されている。

期末在庫の市場予測は4.24億Buであり、今報告はそれを0.51億Buも上回っている。900セント台後半の値位置を正当化するものではなく、最近の調整売りが正当化されている。急落の必要性は薄れる値位置に到達しているが、需給要因では特に買い急ぐ必要性が乏しく、900セント台前半をコアに横這いからじり安の展開が続く見通し。


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金融市場概況と分析
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NY金融市場10日:北朝鮮情勢警戒で、ダウは急落

<株式市場>
ニューヨーク株式市場は、優良株で構成されるダウ工業平均株価が前日比204.69ドル安の2万1,844.01ドル、ハイテク株中心のNASDAQ総合指数が同135.46ポイント安の6,216.87ポイントとなった。前日に続いて北朝鮮情勢が警戒され、利食い売りが先行している。北朝鮮がグアムに対するミサイル攻撃を検討中と発表したことで、地政学リスクが一段と高まっており、株式から債券に対する資金シフトの動きが目立った。ダウ採用銘柄ではないが、大手百貨店の決算悪化も市場心理を悪化させた。個別銘柄では、マクドナルドが1.1%高、コカ・コーラが0.3%高、IBMが0.1%高、アップルが3.2%安、ゴールドマン・サックスが2.4%安、シスコシステムズが2.0%安。

<債券市場>
米10年債利回りは前日から0.029%低下の2.212%となった。北朝鮮情勢の緊迫化を受けて債券買い圧力が強まる中、長期金利は低下している。株式市場から債券市場に対する資金シフトの動きが目立った。また、7月卸売物価指数が低迷したことも、金利低下圧力に直結している。

<外国為替市場>
ユーロ/ドルは、1ユーロ=1.1770ドルと小幅ドル安・ユーロ高に振れた。北朝鮮情勢の緊迫化で株安・米金利低下となったが、ユーロドル相場に対する影響は限定されている。有事のドル買いと、米本土攻撃リスクを受けてのドル売りとが交錯しており、決定打を欠いた状態が続いている。

ドル/円は、1ドル=109.15円まで値下がりする展開に。前日に続いて北朝鮮情勢が強く警戒される中、円高圧力が優勢になっている。仮に北朝鮮がグアムに対するミサイル発射に踏み切ると日本上空を通過することになるが、単純な「地政学的リスク→円高」のフローが重視されている。
サンプル3
【2017.08.09】小菅努のコモディティ・デイリー分析
配信日:2017年08月10日 06時59分
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       小菅努のコモディティ・デイリー分析


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NY金概況と分析
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NY金9日:朝鮮半島情勢緊迫化で急反発

COMEX金12月限 前日比16.70ドル高
始値 1,266.10ドル
高値 1,282.40ドル
安値 1,265.90ドル
終値 1,279.30ドル

北朝鮮情勢の緊迫化を受けて、急反発した。米朝双方から激しい批判が行われていることで、朝鮮半島有事に対する警戒感が安全資産としての金相場を刺激している。株安、米長期金利低下とややリスクオフ型の値動きが強くなったこともあり、金市場に対する退避ニーズが高まった。

1,260ドル台中盤での取引開始から、アジアタイムの段階で1,270~1,272ドル水準まで値位置を切り上げた。欧州タイム入り後は更に1,272~1,275ドル水準までじり高の展開になったが、ニューヨークタイム入り後は1,280ドル台に乗せ、若干の調整売りをこなした後に本日高値1,282.40ドルを付けている。

本日は久しぶりに北朝鮮情勢がメインテーマになった。前日の段階では目立った反応を示さなかったが、トランプ米大統領が北朝鮮の脅しが続いた場合には「炎と
怒り」に直面すると発言したことが、朝鮮半島有事に対する警戒感を高めた。ティラーソン国務長官は、差し迫った脅威があるとは考えておらず、大統領の発言についても強いメッセージを送ろうとしたに過ぎないとして、鎮静化に動いている。ただ、マーケットの警戒感を払拭するには至らず、本日は終日買い優勢の展開になっている。

北朝鮮側からはグアム攻撃を検討しているといった更に強硬な発言も飛び出しており、米本土に対するミサイル攻撃への警戒感がリスクプレミアムとして相場に加算されている。過去の経験則に基づくと、この種の地政学リスクに基づく上昇圧力が長期化する可能性が低いものの、米朝双方の動向によってはもう一段階のリスクプレミアム加算を迫られる可能性があるため、注意が要求される。少なくとも株安、債券高(金利低下)が続いている間は、瞬間的な上振れリスクに対する警戒感が求められる。特に金上場投資信託(ETF)に対する資金流入などが観測されると、定期相場の上昇が勢いづく可能性もある。

一方、本日は4~6月期の労働生産性指数が発表されたが、前期比年率0.9%上昇となり、市場予測0.7%上昇を上回った。単位労働コストは市場予測1.2%上昇に対して0.6%上昇に留まった。労働コストの伸び悩みは金相場に対してはポジティブだったが、本日は専ら地政学リスク中心の売買になっており、この種の経済指標は特に材料視されなかった。シカゴ連銀エバンス総裁からは、9月にバランスシート縮小に着手するのが妥当との見方が示されているが、この種の発言も特に材料視されていない。

北朝鮮情勢のリスクをどこまで織り込むのかだけが問われており、米朝双方の動向によっては、短期上振れリスクを残す。ただ、「リスク」のみで1,300ドル水準を大きく上抜くハードルは高く、一時的な相場押し上げ要因との評価が基本になる。


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NY白金概況と分析
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NY白金9日:金相場連動で小幅続伸も、戻り売り圧力も強い

NYMEX白金10月限 前日比1.60ドル高
始値 975.70ドル
高値 985.00ドル
安値  974.20ドル
終値 976.10ドル

北朝鮮情勢の緊迫化で金相場は急伸したが、白金相場は小幅続伸に留まった。金相場連動で底固い展開になるも、ここ最近の急ピッチな上昇に対する警戒感もあり、大きな値動きには発展しなかった。ただ、2営業日連続で戻り高値は更新しており、4月21日以来の高値を更新している。

アジア・欧州タイムは金相場連動でじり高の展開になり、970ドル台中盤から980ドル水準まで値位置を切り上げた。ニューヨークタイム入り後は更にまとまった買いが入り、本日高値985.00ドルを付けている。ただ、その後は早めに利食い売りを進める動きが目立ち、974.20ドルまで急反落した。引けにかけては下げ一服となったが、970ドル台後半で揉み合う展開になって引けている。前日比では小幅続伸したが、大きな値動きには発展しなかった。

これまで金相場の動向と関係なく急伸していたことで、本日は北朝鮮情勢を手掛かりに急伸した金相場につれ高することに失敗している。積極的に売り込むような動きまでは見られなかったが、利食い売りを入れる動きも活発化しており、徐々に金相場との連動性を回復する方向に動いていることが窺える。まだチャート上では高値更新サイクルが維持されているため、ピークアウトには慎重な判断が求められる。特に金相場が地政学リスクを織り込む形で上昇している間は、白金相場も上振れリスクを抱える。ただ、意味なく急伸する地合に終止符が打たれ始めていることは、テクニカルからファンダメンタルズに価格形成のロジックが転換する兆候と評価できる。

一方、南アフリカ通貨ランドは前日の軟調地合を引き
継ぎ、対ドルでは7月12日以来の安値を更新している。ズマ大統領の不信任案が否決された後のランドに対する失望売りが続いている。これはドル建て白金相場に対してはネガティブな動きになるが、引き続き特に材料視されていない。

北朝鮮情勢が金価格を刺激している間は、白金相場も強含みの展開が続く事になる。金相場が1,300ドル近辺まで値上がりすると、白金相場は1,000ドルの節目も意識することになる。ただ、地政学的リスクを背景とした買い圧力は短期間で収束する可能性が高い一方、チャート主導の上昇圧力には一服感が浮上し始めており、金相場の上昇が一服すれば、白金相場の上昇圧力も一服する可能性が高い。金相場との連動性を回復する方向性になろう。


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NY原油概況と分析
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NY原油9日:堅調な米需要環境を手掛かりに反発

NYMEX原油9月限 前日比0.39ドル高
始値 49.00ドル
高値 49.65ドル
安値 48.90ドル
終値 49.56ドル

米石油在庫統計は強弱まちまちの結果になったが、米国内需要の底固さが確認されたことが好感され、反発した。

前日引け後にAPIが発表した米原油在庫は前週比780万バレル減となったが、原油相場の反応は一時的なものに留まり、アジアタイムは49ドルの節目を挟んで上値の重い展開になった。ただ、欧州タイムに入ると押し目買い優勢の展開になり、本日高値49.65ドルを付けている。ニューヨークタイム入り後は米原油在庫減少とガソリン在庫増加の強弱材料に挟まれて不安定な値動きになり、一時は48.99ドルまで軟化した。しかし、その後は米国内の堅調な需要環境を評価する形で地合を引き締め、49ドル台中盤で引けている。

米エネルギー情報局(EIA)発表の石油在庫は、原油が前週比645万バレル減、ガソリンが342万バレル増、石油精製品が173万バレル減となった。原油在庫は6週連続の減少になるが、ガソリン在庫は8週間ぶりに増加に転じるなど、強弱まちまちの結果になった。市場予測は、原油が前週比270万バレル減、ガソリンが150万バレル減、石油精製品が10万バレル減となっていたため、原油在庫に注目すれば買い対応が支持されるが、ガソリン在庫はネガティブな数値になっている。ただ最終的には、製油所向け原油需要の底固さを評価する形で上値追いの展開になっている。

前週はガソリン需要が過去最高を更新したことが原油価格を刺激したが、本日は製油所向け原油需要の上振れを好感するなど、ここにきて需要サイドに対する関心が高まっている。「需要拡大→在庫減少」が最近のトレンドであり、堅調な需要環境が維持されるのであれば、少なくとも需給リバランスが大きく失敗することはないとの安心感がある模様だ。

引き続き石油輸出国機構(OPEC)の減産順守率に対する警戒感も強いが、今週も米原油在庫は大幅に減少しており、原油在庫と原油価格の逆相関関係を重視すれば、50ドル台前半は必ずしも割高感のある価格水準ではない。産油国サイドも減産順守率引き上げに向けての働き掛けを強化しており、45~55ドルをコアに強含みの展開を想定している。少なくともシェールオイルの安値限界から40~45ドル水準でのサポートは強い相場である。


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東京ゴム概況と分析
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東京天然ゴム9日:上海ゴム主導で急伸、円高はネガティブも

TOCOM天然ゴム1月限 前日比5.60円高
始値 211.00円
高値 216.30円
安値 210.10円
終値 215.40円

東京ゴムは、前日比2.70円~5.60円高。上海ゴム相場の堅調地合が続く中、東京ゴム相場もつれ高した。

時間外取引で上海ゴム相場が改めて急伸したことで、東京ゴムは215.50円での立ち合い開始になった。その後も上海ゴム相場は堅調地合を維持したことで、東京ゴム相場も216.30円まで上値を切り上げるなど、堅調に推移した。午後に入ってからはやや調整売りが優勢になったが、概ね215円の節目水準は維持して引けている。

引き続き上海ゴム相場主導の展開になっているが、その上海ゴム相場が戻り高値を更新したことが、素直に好感されている。前日は1トン=1万6,000元の節目を挟んで押し目買いと戻り売りが交錯する不安定な地合になったが、最終的には1万6,000元台確立から一段高を試す方向性になったことが、東京ゴム相場も上向きに刺激している。需給関連の新規材料は乏しいが、中国コモディティ市場は引き続き堅調であり、割安感・出遅れ感のあった上海ゴム市場に対しても投機マネーの流入が確認されている。必ずしも地合が安定化している訳ではないが、上海ゴム相場が上昇トレンドを再開していることが、写真相場化している東京ゴム相場も押し上げている。

北朝鮮情勢の緊迫化で円高圧力が強くなっていることはネガティブだが、現時点では為替要因で東京ゴム相場を大きく押し下げるような動きまでは確認できていない。新たな下落リスクとして警戒レベルを引き上げておく程度で十分だろう。

タイ中央ゴム市場における未燻製シート(USS)の集荷量は79.70トン。前日の56.31トンから上振れしている。現物相場は52.81バーツから53.92バーツまで上昇している。産地集荷環境は良好だが、専ら上海ゴム相場主導の展開になっている。産地需給環境は特に材料視されていない。

中国コモディティ市場全体の強気ムードが上海ゴム相場にも波及する中、地合の強さが再確認されている。このまま鉄鉱石や石炭相場などの堅調地合が続いている間は、上海ゴム相場に対しても投機マネーの流入が促され易い。需給動向とはかい離した値動きだが、中国人投資家の売買動向が最大の焦点になっている以上は、上海ゴム主導の上昇圧力を想定すべきだろう。7月26日の直近高値218.70円を上抜くと、東京ゴムのチャート環境も大幅に改善することになる。


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シカゴ穀物概況と分析
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シカゴ穀物9日:コーンは、USDA報告前のポジション調整で反発

CBOTトウモロコシ12月限 386.25セント(前日比2.50セント高)
CBOT小麦9月限     486.75セント(前日比2.75セント高)
CBOT大豆11月限      973.25セント(前日比変わらず)

<トウモロコシ/小麦>
トウモロコシ相場は反発した。10日に米農務省(USDA)の需給報告発表を控える中、ポジション調整中心の展開になっている。米中西部で再び乾燥気味の天候が報告されていることもポジティブ材料視された。

時間外取引では383.50~384.50セント水準での取引が目立ったが。シカゴ時間入りしてからはじり高の展開になった。特に大きな値動きは見られなかったが、イベントリスクからショートカバー(買い戻し)を進める動きが目立った。

USDA需給報告であるが、今報告ではイールド見通しの修正が今季初めて行われる見通しになっている。期末在庫の市場予測は20.03億Buであり、前月の23.25億Buからの下方修正がほぼ確実視されている。ただ、USDAが実際にイールドをどの程度まで引き上げるのかは不確実性が強く、その数値によっては需給見通しが強引にトウモロコシ相場の底値形成を促す可能性もある。8月報告段階でサプライズとなるような下方修正が行われるリスクは低いが、イベントリスクとして注意が必要である。

また、米中西部で再び乾燥気味に天候が報告されていることにも注意が必要。ホット・アンド・ドライ(高温乾燥)とまでは言えないが、気象環境に基づく相場下押し圧力は後退している。

目先はUSDA需給報告の結果次第だが、産地天候悪化が本格化しないのであれば、下値不安を残す。ただ、マクロ需給要因から値ごろ買いを入れる動きも散見されており、需給報告での在庫見通しの修正状況によっては、現行価格水準での保ち合いに移行する可能性が浮上する。


小麦相場は反発した。USDA需給報告発表前のポジション調整が中心になっている。ショートカバーが優勢になったが、積極的に売買を仕掛けるような動きは鈍い。


<大豆>
大豆相場は小幅まちまちとなった。10日に米農務省(USDA)需給見通しの発表を控える中、ポジション調整中心の展開になっている。産地の乾燥傾向は下値サポート要因になったが、本日は積極的な売買は見送られている。

時間外取引では973~978セント水準で揉み合う展開になったが、シカゴ時間入り後は売り圧力が強まり、一時972.75セントまで急落した。しかし、その後は安値是正の動き画優勢になり、引けにかけては977.75セントまで上昇した後に972セント台まで再び軟化するなど、短時間で強弱感が交錯する不安定な値動きになった。

本日はUSDA需給報告発表前のポジション調整が中心になっている。期末在庫の市場予測は4.24億Buとなっており、前月の4.60億Buからの下方修正が予想されている。今報告ではイールドの下方修正が確実視されている。

基本的には、大豆に関してはイールドがサプライズとなるような下方修正を迫られるリスクは低く、需給要因で大豆相場が本格的な反発を迫られる可能性は低い。ただ、今季で初のイールド修正が行われるため、まずはUSDAがどのような数値を提示するのかを見極めたいとのムードが支配的になっている。

足元では乾燥傾向が強まるなど、強弱材料が交錯している。ただ、改めて天候リスクをプレミアムとして加算するステージはほぼ終わっており、今後も戻り売り対応が基本になる。USDA報告にサプライズがなければ、コアレンジ切り下げを打診する展開が続き易い。


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金融市場概況と分析
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NY金融市場9日:北朝鮮情勢警戒で、ダウは利食い売り先行

<株式市場>
ニューヨーク株式市場は、優良株で構成されるダウ工業平均株価が前日比36.64ドル安の2万2,048.70ドル、ハイテク株中心のNASDAQ総合指数が同18.13ポイント安の6,352.33ポイントとなった。北朝鮮情勢の緊迫化を受けて、株式市場でのリスクテイクは見送りムードが強く、調整売りが先行した。前日まで連日の過去最高値更新となっていた一方、企業決算発表が一巡したことで、地政学リスクの高まりが買いポジションの整理を進める好機と評価された模様だ。本日は株式から債券市場などに資金シフトを進めて、様子を見たいとのニーズが優勢だった。個別銘柄では、ホームデポが1.3%高、トラベラーズが1.2%高、ナイキが0.7%高、ディズニーが3.9%安、ボーイングが1.6%安、ユナイテッド・テクノロジーズが0.8%高。

<債券市場>
米10年債利回りは前日から0.042%低下の2.241%となった。北朝鮮情勢の緊迫化を受けて、安全資産の観点から米国債買いの動きが優勢になった。本日は専ら地政学リスクへの対処が優先されている。

<外国為替市場>
ユーロ/ドルは、1ユーロ=1.1759ドルとほぼ横這いに。地政学リスクの高まりで米長期金利は低下したが、ドル相場に対する影響は限定された。4~6月期労働生産性指数は市場予測を上回ったが、単位労働コストは伸び悩んでおり、米経済指標も強弱まちまちで決め手を欠いた。本日は専らポジション調整中心の展開になっている。

ドル/円は、1ドル=109.97円まで円高・ドル安に振れた。北朝鮮情勢の緊迫化を背景に、円高圧力が優勢になった。ドルサイドに目立った動きはみられず、本日は円高主導でドル/円相場は水準を切り下げている。
サンプル4
【2017.08.08】小菅努のコモディティ・デイリー分析
配信日:2017年08月09日 06時55分
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       小菅努のコモディティ・デイリー分析


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NY金概況と分析
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NY金8日:ドル高で小幅安も、インフレ指標待ち

COMEX金12月限 前日比2.10ドル安
始値 1,262.90ドル
高値 1,271.00ドル
安値 1,257.10ドル
終値 1,262.60ドル

為替相場がドル高方向に振れたことが嫌気され、小幅下落した。ただ、米長期金利はほぼ横這いに留まるなど、決め手を欠いており、大きな値動きには発展しなかった。インフレ統計の発表待ちのムードが強い。

アジア・欧州タイムは1,260ドル台前半から中盤まで小幅値位置を切り上げた後、本日高値1,271.00ドルを付けた。しかし、ニューヨークタイム入り後は為替がドル高方向に振れたことが嫌気され、逆に本日安値1,257.10ドルまで急反落している。引けにかけては改めて押し目を買われて下げ幅を縮小したが、前日比ではマイナスサイドで引けている。

8月4日に発表された7月米雇用統計を受けて、米金利低下・ドル安傾向には歯止めが掛かっており、金相場の上値は圧迫され易くなっている。ドルインデックスは小幅ながら戻り高値を更新しており、ドル安是正の動きが金市場の上値を圧迫し易くなっている。ただ、米長期金利はほぼ横這い状態に留まっており、金市場に対して積極的に相場を押し下げるエネルギーが働くには至っていない。現状では、米金融政策のハト派評価を更に進めることにブレーキが掛かったに過ぎず、タカ派評価が広がりを見せている訳ではないためだ。マーケットでは、11日に発表される消費者物価指数などのインフレ指標を見極めたいとのムードが支配的になっている。

雇用環境が良好なことは間違いないが、それが低インフレ環境の是正につながっていないことが問題であり、利上げサイクルを継続するのであれば、少なくともインフレが更に低下することはなく、今後は上昇に転じていくとの期待感を高めていくことが要求される。市場予測は概ね前月から横這いになっているが、前年同月比での伸び幅がプラスになるかマイナスになるか、僅かな違いが金価格に対して大きな影響を及ぼす可能性がある。前月はインフレ率低下が金価格の上昇を加速させたが、今月はその再現があるのか、それとも巻き戻しがあるのかが、今後の焦点になる。ややインフレ率上昇の可能性が高い状況だが、いずれにしても微調整に留まる見通しであり、イベントとしての不確実性は大きい。

北朝鮮情勢などのリスク要因もあるが、目先はインフレ指標の数値を見極めるまでは、積極的に仕掛けづらい地合になっている。少なくとも急伸傾向には歯止めが掛かっていることで、戻り売り対応が基本になると考えている。ただ、現時点では米金融政策正常化期待が高まっているとは言い難く、あくまでも修正安の可能性が高まっているレベルに留まる。インフレ指標を手掛かりに、改めて米金融政策の正常化期待を高めていくことが可能か否かが問われる。


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NY白金概況と分析
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NY白金8日:小幅続伸、ランド安に逆行高

NYMEX白金10月限 前日比2.90ドル高
始値 970.80ドル
高値 982.80ドル
安値  969.50ドル
終値 974.50ドル

金相場はドル高連動で小幅下落したが、白金相場は小幅続落した。引き続き特段の買い材料は見当たらないが、トレンドフォロー型の買い圧力が継続している。南アフリカ通貨ランド相場の急反落といったネガティブ材料もみられたが、白金相場の反応は限定された。

アジアタイムの970ドル水準から、欧州タイムには970ドル台後半まで値位置を切り上げる展開になった。ニューヨークタイム入り後には本日高値982.80ドルを付けている。その後はドル高を受けて金相場が急落したことで、白金相場も969.50ドルまで急反落した。ただ、970ドル台前半では押し目買いを入れる動きも強く、前日比では小幅ながらプラスサイドを維持して引けている。

引き続き金相場との比較で白金相場の地合が引き締まっているが、ファンダメンタルズに明確な根拠は見当たらない。コストラインを巡る議論が活発化している訳ではなく、何か突発的な供給障害の報告も入っていない。単純に950ドル水準をブレイクしたことで、トレンドフォローの買いやストップロスのショートカバー(買い戻し)が入っただけの可能性が高い。ただ、こうした状況が長期化する可能性は低く、徐々に金相場との連動性を回復する方向性を想定している。急伸傾向にはブレーキが掛かり始めており、場中の値動きも概ね金価格との連動性を回復し始めている。

一方、本日注目されていたのは、南アフリカ議会のズマ大統領の不信任案の採決だった。前日に無記名投票が決まったことで不信任案可決の可能性が高まったと評価されていたが、実際には信任198人、不信任177人となり、不信任案は否決されている。マーケットではズマ大統領の退任で政治経済改革を進めることに対する期待感が強くなっていたが、今後もズマ政権は続くことになり、ランド市場では失望売りが優勢になっている。概ね予想されていた通りの結果と言えるが、ドル建て白金相場に対してはネガティブな動きである。ただ、最近の傾向としてはランド相場の動向に対する白金相場の反応は鈍くなっており、本日も特に材料視されなかった。

引き続きトレンドフォロー型の買いが優勢になっており、戻り高値更新サイクルは維持されている。チャートでは比較的長めのヒゲが形成されているが、ピークアウトには慎重な判断が求められる。ただ、金相場の動向を無視した上昇圧力は収束する方向にみており、今後は金相場と同様にインフレ指標が米金利・ドル相場環境にどのような影響を与えるのかが焦点になる見通し。インフレ環境のある程度の落ち着きが確認できれば、金相場と同様に調整売り優勢の地合に回帰する可能性が高い。


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NY原油概況と分析
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NY原油8日:小幅続落、サウジの出荷削減報道で一時急伸も

NYMEX原油9月限 前日比0.22ドル安
始値 49.31ドル
高値 49.79ドル
安値 48.86ドル
終値 49.17ドル

8月7~8日に開催された産油国会合の結果は特に材料視されず、小幅続落した。サウジアラビアの供給削減報道を手掛かりに買いが膨らむ場面もみられたが、高値では早めに利食い売りを入れる動きが目立ち、プラスサイドを維持できなかった。

アジアタイムは49ドル台前半での小動きになったが、欧州タイム入り後にサウジアラビアが9月の出荷を削減するとの報道が流れたことで、一時49.79ドルまで急伸した。ただ、その後はドル高の影響もあって買い玉整理を進める動きが強く、ニューヨークタイム序盤には48.86ドルまで、高値から1ドル近い急落になった。その後は49ドル台前半から中盤で持ち合い気味の展開になり、前日比では小幅続落して引けている。

産油国会合であるが、「建設的」な協議が行われたとしており、減産順守率を100%に近づける方向性が再確認されている。ただ、今回は専門家会合とあって具体的な合意形成などが行われている訳ではなく、マーケットの反応は限定されている。今後は減産合意遵守率の引き上げにどのように実効性を持たせるかが焦点であり、石油相クラスの会合に議論の場を移すことになる。

また、本日はサウジ国営石油会社サウジアラムコ筋の話として、9月の同国出荷量がアジア向けを中心に大幅な供給削減に踏み切ると報じられている。メディアによって数値が異なるが、Reutersは日量52万バレル、Bloombergは100万バレルといったかなり大きな数値を報じている。顧客の要望を10%下回る供給水準に留まるといった報道もある。公式発表ではないが、この種の報道の信頼性は高く、これが原油相場を49.79ドルまで押し上げる原動力になった。こうした動きが実現すれば原油需給に対する影響は極めて大きいが、マーケットの反応は一時的なものに留まった。サウジ以外のリビア、イラクなどの増産圧力が強いことに加えて、本当にサウジアラビアが出荷削減を行うのかも不透明感があり、この報道を手掛かりに明確な上昇トレンドを形成するには至っていない。

9日には米石油在庫統計が発表されるが、市場予測は原油が前週比270万バレル減、ガソリンが150万バレル減、石油精製品が10饅バレル減となっている。一方、引け後にAPIが発表した数値は原油が780万バレル減、ガソリンが150万バレル増、石油精製品が15.7万バレル減となっている。ただ、原油相場に対する押し上あげ圧力は一時的なものに留まった。

在庫統計からは需給リバランスの進展が確認されており、引き続き買い対応が基本になる相場である。ただ、50ドル台に対しては抵抗感も見受けられ、一気に急伸するようなエネルギーまでは認められない。45~55ドルのレンジ上限を試す方向で見ているが、まずは9日発表の在庫統計を手掛かりに改めて50ドル台に乗せる動きがみられるか否かが焦点になる。


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東京ゴム概況と分析
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東京天然ゴム8日:総じて小反落、上海ゴム連動で乱高下

TOCOM天然ゴム1月限 前日比2.20円安
始値 212.00円
高値 215.30円
安値 208.40円
終値 209.80円

東京ゴムは、前日比2.60円安~0.50円高。上海ゴム相場が高値から下押しされる中、当限を除いて全限月が反落した。ただ、本格的に売り込むような動きまではみられず、下げ幅は限定された。

213.80円での立ち合い開始から、序盤は上海ゴム相場の堅調地合を眺めて買い優勢の展開になり、215.30円まで上値を切り上げた。しかし、その後は上海ゴム相場が突然に軟化したことで上げ幅を削る展開になり、本日安値208.40円まで急反落している。引けにかけては下げ幅を縮小する展開になったが、前日比でプラスサイドを回復するまでの勢いはなかった。

上海ゴム相場に左右される展開が続いているが、その上海ゴム相場が乱高下したことで、東京ゴム相場の方向性も定まらなかった。1トン=1万6,000元の節目を挟んで押し目買いと戻り売りが交錯しており、方向性の把握が困難な状況に変化は見られない。1万6,000元割れで投げ売りが膨らむのか、1万6,000元水準を新たな支持線として確立するのか、気迷いムードが強い。ただ、中国コモディティ市場全体の堅調地合は維持されており、引き続き上海ゴム相場のみが大きく値崩れを起こすリスクは低い。積極的に上値を試すムードにはないが、安値では買い対応が基本になる。

中国の7月貿易統計によると、輸出が前年同月比7.2%増、輸入が11.0%増となった。市場予測は輸出が10.9%増、輸入が16.6%増であり、ともにネガティブな数値と言える。特に輸入の伸び悩みは資源需要環境にも大きな影響を及ぼすために注意が必要だが、現時点では中国コモディティ市場に対する影響は限定的。世界経済成長で輸出分野が底固く推移する中、内需の急減速に対する警戒感は限定されている。

タイ中央ゴム市場における未燻製シート(USS)の集荷量は56.31トン。前日の39.84トンから上振れしている。現物相場は53.55バーツから52.81バーツまで下落している。引き続き産地主導の値動きは確認できない。RSS現物価格は逆に小幅上昇している。

上海ゴム次第の投機色の強い相場環境が続くが、中国コモディティ市場全体の強気ムードからは、引き続き押し目買い対応が基本になろう。上海ゴムの1万6,000元の節目を巡る攻防が目先の最大の焦点になるが、同水準を下振れするようであれば、物色妙味は大きい。このまま鉄鉱石相場などと連動した堅調地合を想定したい。チャート上では、一目均衡表の雲上限207.80円水準が支持線として機能するかが焦点になる。


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シカゴ穀物概況と分析
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シカゴ穀物8日:コーン買い、大豆売りの解消

CBOTトウモロコシ12月限 383.75セント(前日比3.00セント安)
CBOT小麦9月限     484.00セント(前日比6.75セント安)
CBOT大豆11月限      973.25セント(前日比3.50セント高)

<トウモロコシ/小麦>
トウモロコシ相場は反落した。トウモロコシ買い、大豆売りの裁定解消の動きが広がったことで、上値の重い展開になった。欧州連合(EU)がトウモロコシ輸入関税導入を決定したこともネガティブに。作況報告は厳しい数値が続いているが、本日は調整売りが優勢になった。

前日引け後に発表された作況報告の数値悪化を受けて、時間外取引では総じて堅調地合になり、高値は388.75セントに達した。しかし、シカゴ時間に入ると大豆買い・トウモロコシ売りの動きが優勢になり、本日安値382.50セントまで急反落している。引けにかけては下げ一服となったが、385.50セントまで戻すのに精一杯だった。

作況報告ではトウモロコシが悪化、大豆が改善となったが、マーケットでは当面のトウモロコシ買い・大豆売りの裁定ポジションを解消する動きが優勢になった。

一方、潤沢な供給量が確保されている欧州では、域内の需給安定化を目指すために輸入関税の導入が決まっている。これを受けて、国際市場で荷がだぶつくリスクが警戒されたことも、トウモロコシ相場に対してはネガティブだった。

天候要因での売り圧力には一服感もあり、下値不安は限定され始めている。10日に発表される米農務省(USDA)需給報告の結果次第では、天候プレミアム剥落が一巡し、需給要因で下値が支えられる可能性もある。天候面の支援がない中で急伸するリスクは限定されるが、新たなレンジ形成を打診する局面に移行しつつある。


小麦相場は反落した。トウモロコシ相場の軟化やドル高を受けて、やや調整売りが優勢になった。チャート主導の投機売りも膨らみ、下げ幅が拡大した。


<大豆>
大豆相場は小幅続伸した。トウモロコシ買い・大豆売りの裁定解消の動きが目立つ中、地合を引き締めた。中西部の乾燥した天候を警戒する声も聞かれた。

前日引け後に発表された作況方向の数値は改善していたが、大豆相場は時間外取引からじり高の展開になった。高値は979.75セントに達している。ただ、シカゴ時間入り後は上げ幅を削る展開になり、大きな値動きには発展しなかった。

産地気象環境の改善を受けて、作況報告で「良」以上の比率は前週の59%から60%まで上昇している。2週連続の改善であり、産地気象環境の改善が、イールド下振れリスクを後退させる流れが明確に確認できる。ただ、本日はトウモロコシ買い・大豆売りの裁定解消の動きが目立ったこともあり、大豆相場は地合を引き締めている。

中国の7月大豆輸入量が前月比で30%の急増となった影響なども指摘されているが、基本的には米農務省(USDA)需給報告発表前のポジション調整になっている。

もっとも、大豆に関してはトウモロコシとは違って厳しい在庫見通しが発表されるリスクは限定されており、底打ち確認には慎重スタンスが求められる。産地天候に対する反応が鈍くなっているが、逆に買いを入れる決定打となる材料も見当たらない状況になっている。このまま天候要因で売り込むのか、USDA需給報告をきっかけに下げ一服となるのかが、打診される局面を迎えている。


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金融市場概況と分析
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NY金融市場8日:ダウに利食い売り、ドルはまちまち

<株式市場>
ニューヨーク株式市場は、優良株で構成されるダウ工業平均株価が前日比33.08ドル安の2万2,085.34ドル、ハイテク株中心のNASDAQ総合指数が同13.31ポイント安の6,370.46ポイントとなった。前日まで好業績を背景に9営業日連続で過去最高値を更新していた反動から、本日は調整売りが先行した。場中はプラスサイドを回復する場面もみられたが、短期筋の利食い売りが先行している。また、トランプ米大統領が北朝鮮をけん制する強硬発言を行ったことも、やや株式市場のマインドを悪化させた模様だ。ただ本格的に売り込むような動きまではみられず、大きな値動きには発展していない。個別銘柄では、アップルが0.8%高、ディズニーが0.6%高、マイクロソフトが0.5%高、メルクが0.8%安、デュポンが0.8%安、ナイキが0.6%安。

<債券市場>
米10年債利回りは前日から0.026%上昇の2.283%となった。3年債の入札が堅調だったことで、やや金利上昇圧力が強くなった。ただ、インフレ指標待ちのムードも強く、大きな値動きには発展しなかった。売買も低調であり、全般的に見送りムードが強くなっている。

<外国為替市場>
ユーロ/ドルは、1ユーロ=1.1751ドルまでドル高・ユーロ安となった。本日は特に目新しい材料がなく、ポジション調整中心の展開になっている。最近の流れからややドル買い・ユーロ売り圧力が優勢になったが、ドルが米インフレ指標待ちのムードを強める中、大きな値動きには発展していない。

ドル/円は、1ドル=110.34円まで円高・ドル安に振れた。対ユーロではドルが堅調に推移したが、ドル/円に関しては上値の重い展開になった。特に決め手となるような材料もなかったが、北朝鮮情勢が再び不安定化していることもあり、やや上値の重い展開になっている。
サンプル5
【2017.08.07】小菅努のコモディティ・デイリー分析
配信日:2017年08月08日 06時57分
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       小菅努のコモディティ・デイリー分析


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NY金概況と分析
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NY金7日:金融市場横這いで、金相場も横ばいに

COMEX金12月限 前日比0.10ドル高
始値 1,264.30ドル
高値 1,265.60ドル
安値 1,261.30ドル
終値 1,264.70ドル

7月米雇用統計を受けての米金利上昇・ドル高圧力が一服する中、金相場はほぼ横這いの展開になった。米金利低下・ドル安傾向に歯止めが掛かる中で上値は圧迫されているが、改めて本格的に売り込むことは躊躇され、明確な方向性を打ち出すには至っていない。

アジアタイムは1,263~1,265ドル水準で揉み合う展開になったが、欧州タイム入り後は改めて売り圧力が強まり、本日安値1,261.30ドルを付けている。ただ、ニューヨークタイム入り後はドル高一服で下げ渋り、逆に本日高値1,265.60ドルを付けている。引けにかけては改めて戻りを売られる展開になったが、概ね4日終値と同水準で引けている。

本日は特に注目されるイベントが見当たらず、金相場のみならず金融市場全体が動意を欠いている。4日に発表された7月米雇用統計は追加利上げを否定しない程度の底固さを見せたが、年内利上げを確実視させるには至らず、金相場は上げ一服感があるものの下値を攻めきれない状況になっている。CMEのFedWatchをみても、年内利上げ確率の織り込みは45.6%となっており、概ね五分五分との評価が維持されている。利上げがあってもなくても、どちらでもサプライズ感はなく、双方のシナリオへの対応が求められる状況が続いている。

本日はセントルイス連銀ブラード総裁が、低インフレを理由に早期利上げの必要性を否定する発言を行っているが、マーケットの反応は限定的。同総裁はこれまでも繰り返し利上げに反対の立場を表明していたことで、特にサプライズ感はなかった。同総裁は、仮に失業率が現行の4.3%から3.0%まで低下しても、PCEデフレーターは現在の1.5%近傍から1.8%程度までしか上昇しないとしており、インフレ低迷は技術革新など長期要因に基づくものである可能性を指摘している。

7月米雇用統計は金相場の上昇地合にブレーキを掛け、短期調整リスクが高まっている。ただ、改めて本格的に売り込むのであれば経済指標や要人発言などから、改めて年内利上げや早期のバランスシート縮小といった金融政策正常化プロセスに対する警戒感を引き上げていくことが求められる。

目先は9日に4~6月期の単位労働コスト、11日に7月消費者物価指数と、インフレ関連の二つの指標が発表される。金相場の短期ピークアウトを確認するのであれば、少なくともここで低インフレに対する懸念を更に強化させるような指標が発表されることは回避する必要がある。これまでの急激な米金利低下・ドル安に伴う金相場上昇の反動が想定され、1,240~1,250ドル水準が短期ターゲットになる見通し。ただ、現状では修正安が求められるのみであり、1,200~1,300ドルをコアとしたレンジ内での調整圧力との視点に留まる。


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NY白金概況と分析
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NY白金7日:小幅続伸、ズマ大統領の辞任観測が強まる

NYMEX白金10月限 前日比2.60ドル高
始値 969.50ドル
高値 973.90ドル
安値  961.00ドル
終値 971.60ドル

金融市場が動意を欠いたことで金相場はほぼ横這い推移になったが、白金相場は小幅ながら続伸した。南アフリカ通貨ランドが対ドルでリバウンドしたことはポジティブだが、単純にチャート主導の買いが継続した模様だ。ただ、4日高値を上抜くまでの勢いはなく、上値切り上げは見送られている。

アジアタイムは戻り売り圧力が強く、一時961.00ドルまで軟化した。しかし、欧州タイムに入ると押し目を買い拾う動きが強まり、960ドル台中盤まで切り返した。ニューヨークタイム入り後は改めてまとまった買いが入り、本日高値973.90ドルを付けている。引けにかけては970ドル台前半で上げ一服となったが、前日比では小幅ながらプラスサイドを維持して引けている。

短期スパンでは金相場との比較で地合の強さが目立つが、特に決め手となるような材料は見当たらない。950ドルの節目、200日移動平均線(953.00ドル)のブレイクと前後してチャート主導の買い圧力が強まった模様だ。ただ、金相場の上値が圧迫する中で白金相場の独歩高状態が続く可能性は低く、このまま金相場の上昇再開が見送られるのであれば、徐々に白金相場の上値も重くなる可能性が高い。パラジウム相場は7月26日以来の安値を更新しており、最近の白金相場高の原因をファンダメンタルズに求めるのは無理がある。

一応のポジティブ材料を指摘すると、本日は南アフリカ通貨ランド相場が対ドルでリバウンドしたことを指摘可能である。4日には7月12日以来のランド安・ドル高水準を更新していたが、本日は急反発している。8日にもズマ大統領の不信任投票が無記名で行われることが決定したことで、ズマ大統領辞任の可能性が高まったとの評価が、ランド相場の急伸を促している。それでも不信任案が成立する確率は半分以下との見方もあるが、ズマ大統領の辞任が実現すれば南アフリカの政治・経済改革が加速する可能性が浮上するだけに、ランド相場を取り巻く情勢には注意が必要である。ただ、これまでランド安を受けての白金売りが見送られていたことを考慮すると、ランド高の影響も限定されよう。コスト環境の視点では追い風が吹いていることは把握しておく必要があるものの、現時点では白金価格形成のメインテーマとまでは評価できない。

ランド相場急伸による白金相場高のシナリオに注意が必要である。チャート主導の買い圧力も強いことで、直近高値974.40ドルを上抜くと、更に買い圧力が強まる可能性も想定しておく必要がある。だが、金相場の上昇地合が一服する中、白金相場の上値も圧迫される方向で見ている。


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NY原油概況と分析
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NY原油7日:小反落、産油国会合の結果待ちで様子見

NYMEX原油9月限 前日比0.19ドル安
始値 49.59ドル
高値 49.73ドル
安値 48.54ドル
終値 49.39ドル

特に目新しい材料が見当たらない中、調整売り優勢の展開になり、小反落した。8月7~8日の日程で産油国会合が開催されていることもあり、イベントリスクから積極的な売買は見送られた。米石油リグ稼働数の減少を再評価する動きがみられる一方、石油輸出国機構(OPEC)の増産を懸念する声もあり、明確な方向性を打ち出せていない。

アジアタイムは49ドル台中盤での取引になったが、欧州タイム入り後はじり安の展開になり、49ドル水準までコアレンジを切り下げた。ニューヨークタイム入りと前後して押し目買いと戻り売りが交錯する不安定な地合になり、本日安値は48.54ドルに達した。ただ、引けにかけては改めて49ドル台前半まで切り返すなど、決め手を欠いた。

産油国会合については、現段階では特に大きな情報は伝わっていない。減産順守率引き上げなどが協議されている模様だが、今会合は実務者中心の専門家会合であり、強力な勧告などが行われる可能性は低い。考えられるシナリオとしては、減産順守率引き上げに向けての協調路線の確認と、幾つかの案を提示する程度の動きに留まる可能性が高い。OPECの産油量、輸出量上振れが問題視される中で、産油国の取り組みが評価されれば若干の買い反応がみられる可能性もあるが、直ちに需給見通しに大きな修正を迫るような動きまでは想定できない。焦点となるのは、今会合での議論を下地に減産監視委員会などで具体策を打ち出せるか否かであり、今会合については過度の期待感を持つべきではないだろう。

一方、週末にはリビアのSharara油田の生産停止が報告されたが、リビア国営石油会社(NOC)によると既に正常化した模様だ。管制室が一時的に抗議活動者によって占拠されたが、大きな混乱には発展しなかった。

50ドル台到達で短期的な達成感もあるが、国際的な需給リバランスに対する信認が高まる中、強含みの展開が続き易い。40~45ドル水準ではシェールオイル生産の限界も確認しており、少なくとも下値不安は大きくない。50ドルを大きく上抜くとシェールオイルの増産懸念が改めて上値を圧迫する見通しだが、45~55ドル水準をコアレンジとして想定しておきたい。9日発表の米原油在庫減少、11日発表の国際エネルギー機関(IEA)月報での需給リバランス進展報告などがあれば、50~55ドル水準までコアレンジを切り上げる程度のエネルギーはあろう。


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東京ゴム概況と分析
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東京天然ゴム7日:上海ゴム連動で安値是正が進む

TOCOM天然ゴム1月限 前日比5.20円高
始値 206.20円
高値 213.10円
安値 205.60円
終値 212.00円

東京ゴムは、前日2.80円~5.20円高。上海ゴム相場が4日の堅調地合を引き継いだことが好感され、東京ゴム相場も続伸した。為替相場が円安方向に振れていることもポジティブである。ただ、引き続き出来高は低迷しており、積極的な売買は見送られている。

4日に発表された7月米雇用統計を受けて為替が円安方向に振れる中、209.60円での立ち合い開始になった。その後は上海ゴム相場高の上昇地合が引き継がれたことが好感されて一段高を打診し、特に昼にかけては212円台まで急伸する展開になった。午後に入ってからも底固い展開が続き、本日高値は213.10円に達している。

明らかに上海ゴム相場主導の急伸だが、特にこれといった材料は見当たらない。ただ、中国コモディティ市場では鉄鉱石相場が戻り高値を更新しており、全般的に強気ムードが目立った。何かの材料に反応したというよりも、最近の中国コモディティ相場高の流れが維持され、その流れの中で出遅れ感のあった上海ゴム相場も上昇地合を形成したとの理解で良いだろう。このまま中国コモディティ高の流れが確立すれば、上海ゴム相場のじり高傾向が東京ゴム相場も押し上げることになる。ただ、明確に上海ゴム相場の割安感や出遅れ感をテーマ化しているかは不透明感も強く、必ずしも地合は強いとは言えない。意味なく急伸しているだけに、当然にその逆パターンの相場展開になっても当然との割り切りが要求される。

タイ中央ゴム市場における未燻製シート(USS)の集荷量は38.84トン。前日の39.26トンからほぼ横這い。現物相場は51.69バーツから53.55バーツまで上昇している。上海ゴム相場が上昇すれば、産地相場も上昇することが確認できる。産地需給動向は特に材料視されていない。

極端に新規材料が乏しい地合だが、上海ゴム相場が安値是正の動きを強めるなど、地合は引き締まっている。このまま鉄鉱石相場などの堅調地合と連動する方向への展開が見られれば、東京ゴム相場も緩やかなペースでコアレンジ切り上げを打診することになる。ただ、明確な相場テーマが存在しない状況には変化がなく、上海ゴム相場が1万6,000元台達成で目標達成との見方が広がると、意味なく急反落するリスクは想定しておく必要がある。現状では、他コモディティ市況の堅調地合が上海ゴム相場も支援し易い状況に過ぎない。


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シカゴ穀物概況と分析
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シカゴ穀物7日:トウモロコシは値ごろ買い継続

CBOTトウモロコシ12月限 386.75セント(前日比5.75セント高)
CBOT小麦9月限     463.50セント(前日比8.75セント高)
CBOT大豆11月限      969.75セント(前日比13.00セント高)

<トウモロコシ/小麦>
トウモロコシ相場は続伸した。値ごろ買いでチャートに下げ一服感が見られる中、安値是正の動きが優勢になった。短期筋のショートカバー(買い戻し)が先行している。

時間外取引の段階で383.00~384.50セント水準をコアに底固い展開になったが、シカゴ時間入り後は更にショートカバーを進める動きが強まり、引けにかけてほぼ一本調子で上昇した。引け際につけた本日高値は387.00セントに達している。

産地では特にホット・アンド・ドライ(高温乾燥)傾向の再発はみられないが、イールド環境の改善につながるのかは慎重な見方も目立つ。10日に米農務省(USDA)が発表する8月需給報告でイールド見通しが大幅に引き下げられることに対しても警戒があり、やや短期筋のショートカバーが入り易い状況になっている。実際に引け後にUSDAが発表した作況報告で「良」以上の比率は、前週の61%から60%まで低下しており、なお作柄悪化圧力を解消するには至っていないことが確認されている。

トウモロコシの需給見通しからは値ごろ感のある価格水準であることは間違いない。作況報告の悪化が続いていることにも注意が必要である。ただ、産地気象環境はトウモロコシの成育に総じてポジティブな環境が維持されており、改めてトウモロコシ相場を押し上げるハードルは高い。売り対応には慎重姿勢が求められる価格水準だが、値ごろ買いは依然としてリスクが高い。


小麦相場は反発した。特に目立った材料は見当たらないが、これまでの軟調地合いに対する反動からショートカバーが膨らんだ。なお引け後に発表された作況報告で、春小麦の「良」以上の比率は前週の31%から32%まで小幅上昇している。


<大豆>
大豆相場は急反発した。前週の急落を受けて、安値是正の動きが優勢になった。中西部で乾燥も警戒する声も聞かれた。

時間外取引の段階で962~966セント水準までコアレンジを切り上げた。シカゴ時間入り後も安値是正の動きが強く、戻り売りをこなしながら970セント台に乗せている。本日高値972.75セントを付けた後は利食い売りで上げ幅を削ったが、前日比では二けたの上げ幅が維持されている。

一応は産地乾燥懸念の声なども聴かれるが、天候リスクを蒸し返す動きは限定されている。それよりも、単純にここ最近の急落地合に対する反動圧力が、安値是正の動きに直結した模様だ。産地天候リスクに対する警戒レベルは前週との比較で若干切り上げておく必要があるものの、現段階ではホット・アンド・ドライ(高温乾燥)の天候プレミアム加算よりも、急落地合に対する反動圧力の方を重視したい。

引け後には米農務省(USDA)が作況報告を発表しているが、「良」以上の比率は前週の59%から60%まで上昇している。2週連続の改善であり、産地気象環境の改善が、イールド下振れリスクを後退させる流れが明確に確認できる。

まだ天候相場が終了したか否かの判断には慎重スタンスが求められるが、現在の気象予報からは戻り売り対応が基本になる。天候相場の幕引きが打診されるステージであり、必要以上の急落地合が形成される可能性も想定しておく必要がある。950セントの節目割れから900セント台前半へのコアレンジ引き下げまで想定しておきたい。


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金融市場概況と分析
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NY金融市場7日:ダウの高値更新続く、金利・ドルは横ばい

<株式市場>
ニューヨーク株式市場は、優良株で構成されるダウ工業平均株価が前日比25.61ドル高の2万2,118.42ドル、ハイテク株中心のNASDAQ総合指数が同32.21ポイント高の6,383.77ポイントとなった。引き続き良好な企業業績環境が株価を支援しており、ダウは9営業日連続で過去最高値を更新している。ダウ採用銘柄ではないが、食品大手タイソン・フーズの4~6月期決算が良好だったことで、消費関連株などに買いが膨らんでいる。原油安の影響もあって急伸地合を形成するまでの勢いはなかったが、NASDAQも堅調に推移している。個別銘柄では、アップルが1.6%高、ゴールドマン・サックスが1.4%高、ボーイングが1.1%高、ユナイテッド・テクノロジーズが2.4%安、ディズニーが1.2%安、IBMが1.2%安。

<債券市場>
米10年債利回りは前日から0.010%低下の2.257%となった。特に重要イベントはなく、ポジション調整中心の小動きになった。米雇用統計を受けての金利上昇圧力が本格化するには至らなかったが、改めて金利低下を進める動きも鈍く、決め手を欠いている。

<外国為替市場>
ユーロ/ドルは、1ユーロ=1.1794ドルまで小幅ドル安・ユーロ高となった。特に注目されるようなイベントはなく、ポジション調整中心の小動きに終始している。米雇用統計の発表と前後して急激なドル安傾向にはブレーキが掛かったが、改めてドルを買い進むことには慎重ムードも目立ち、決め手を欠いている。

ドル/円は、1ドル=110.76円まで小幅円安・ドル高となった。決め手難からポジション調整中心の小動きに終始している。米雇用統計を受けてのドル高は続かなかったが、改めてドル安トレンドを形成することもなく、決定打を欠いている。
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