江守哲のリアルトレーディング・ストラテジー:投資サロン - FX・株・日経225・自動売買・シグナル配信の投資情報総合サイト | MT4やEAのすべてが解かる【fx-on.com】

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持論のリスクオフがあられるのはいいのですがトレードでそれを引っ張られるとこの秋のような相場では私は損失を被りました。 チャートに...
2016/11/24 16:20  kou
勉強になります!
現物株の長期投資は株歴10年以上ですが、短期売買は半年ほど前に始めました。 リーマンショックのときは資産を大きく減らしてしまったの...
2016/10/04 01:08  Hougetu
コモディディー インデックス には 大変...
メルマガで提供される コンテンツですが セミナーなどでつかわれる膨大な資料を見ると しっかりした根拠と裏ずけがあります。各デー...
2016/06/24 06:21  drycut
8:50までの配信を希望します!
購入させていただいて3か月が経過しました。 年初からの円高による株安について、昨年末からのご指摘通りなっていることに感銘を受けて...
2016/04/15 09:55  paopao555
トレードの参考に活用
株、FX、コモディティと幅広く取引しています。 メルマガでは、それぞれの解説が詳しくなされており、江守さんご自身の手口まで教えてい...
2016/04/04 12:02  ノン
サンプル1
【6月16日のトレード戦略】当面は小幅上下の動きか
配信日:2017年06月16日 09時06分
おはようございます。
本日もよろしくお願いいたします。


明日6月17日(土)は第一商品さまのセミナーに登壇します。
http://www.dai-ichi.co.jp/seminar/detail.asp?id=3486

よろしければ、ぜひご参加ください。参加される方は、会場でぜひお声がけください。


岡三オンライン証券さまでWEBセミナーに出演しています。
http://www.okasan-online.co.jp/seminar/webseminar

~世界経済と市場を取り巻く構図~
http://www.jikiden.co.jp/jms/01713kLYnXE4MSTQfa2/
~トランプ政権の政策と金融政策・米国株見通し~
http://www.jikiden.co.jp/jms/01712AyhfwaKWSTnCAk/
~米国株の特徴と傾向~
http://www.jikiden.co.jp/jms/0171MvA1zUybwSTarAg/

8月18日(金)まで視聴可能です。ぜひご視聴ください。


このたび、「為替市場のファンダメンタルズ分析 基礎編」を作成しました。
これまでメルマガでお話ししてきた為替相場の考え方を解説しています。

下記のURLで申し込みができます。
http://fx-on.com/douga/detail/?Id=53

ぜひご覧ください。


〔EQUITY MARKET〕
【米国株・欧米債券市場の市況解説・分析】
米国株は主要株価指数が下落した。ハイテク株が引き続き売られており、これが株価全体を押し下げている。FRBの政策がタカ派的と受け止められ、長期金利が上昇し、ドル高になっていることも、米国株の上値を抑える格好となっている。S&P情報技術株指数は0.5%下落したが、一時大きく売られる場面があった。アップルは0.6%安、グーグル親会社のアルファベットは0.8%安だった。これらのハイテク企業への弱気な見方が売り材料とされている。また、アマゾン・ドット・コムも1.3%安と弱い。目先は金融政策への関心が高まるが、9月利上げの機運は盛り上がっていない。そのため、当面は材料不足の中で、高値圏での上下の動き気が続く可能性がある。前日のFOMCでは緩やかな金融緩和の縮小方針が示されたが、これを織り込むまでは上値の重い展開が続くと考えておきたい。ただし、第2四半期の企業決算が出てくる時期を前後に下値を確認し、再び株価は再加速するものと考えている。

米国債は利回りが上昇。米国経済指標の一部が堅調だったことや、米英の中銀のタカ派的な姿勢を反映した格好となっている。利回りは小幅に上昇したものの、FRBが年内3回目の利上げを実施できるかは疑問であり、利回りの上昇は限定的となりやすい。注意が必要なのは2年債利回りの動向である。この日は1.368%と、3カ月ぶりの水準に上昇している。30年債利回りはほぼ横ばいで、10年債利回りは2.160%と、前日の2.138%から上昇している。2年債と10年債のスプレッドが徐々に縮小しているが、この動きが行き過ぎると株価のピークになる。まだマイナス圏であり、懸念する状況ではないが、注意だけはしておきたい。一方、イングランド銀行(英中央銀行、BOE)が市場の予想通りに政策金利の据え置きを決定したものの、予想外に3人の政策委員が利上げを支持したことは意外だった。これが米国債利回りの頭を抑えたとの指摘もある。

【米国株のトレード戦略】
ダウ平均、S&P500、ナスダック指数はロングを継続。当面は現状の水準でもみ合う可能性があるだろう。FOMC後は株価が上がりづらくなる時がある。その典型的な動きになれば、最大で1カ月程度はもみ合いを想定しておくと心理的にも負担がない。そのうえで、7月に入ってから第2四半期の企業決算が出始めるころに、好業績を確認した上で株高再加速となるのではないかと考えられる。ナスダック指数の乱高下が気になるが、これも次のステージに向かうたの儀式と考えるとよいだろう。ダウ平均は6月の強気シナリオのレンジ下限は20865ドルをサポートしていれば、上昇基調は継続と判断できる。また、繰り返しだが、ナスダック指数については、以下のデータを念頭に入れておきたい。1986年以降、ナスダック100が年初から6月初めまで20%以上、上昇したケースは9回あるが、6月初め以降年末までの上昇率は平均で13.95%となっている。ちなみに、20%上昇とならなかった年も含めた全体の平均でも7.13%の上昇であり、これから年末までは上昇しやすい傾向があることがわかる。さらに言えば、1986年以降の20%超の上昇で、年末までに下落したのは86年と87年だけであり、残りの7回はすべてプラスとなっている。つまり、年初から6月初めまでに強い上昇基調となっていた年は、年末まで堅調に推移しやすく、特に1990年以降ではすべてのケースで上昇していることになる。近年の傾向からすれば、今後ナスダック指数が年末までに下落するとなれば、むしろ驚きである。このような過去データを知っておけば、目先の材料に振り回されることはないだろう。

重要なことは、過去のデータと現在の市場状況を見ながら、「長期的視点に基づいた再現性のある投資戦略」を構築することである。目先の材料で判断しているうちは、良い結果は得られない。ただし、6月は上昇30回、下落36回となっており、パフォーマンスもマイナス0.3%と2番目に悪い水準となっている。そのため、一定の警戒は必要だが、過度な懸念は必要ないと考えている。やや上値の重い展開に終始するだろうが、その程度にとどまると考えている。繰り返しだが、米国株は上昇し始めると17年間はそのトレンドが続く傾向がある。今回の上昇トレンド入りは2012年であり、ここから17年間上昇するとすれば、2029年まで続くことになる。目先の上下に振り回される必要は全くない。ダウ平均の年率騰落率は平均で8.75%であり、このペースで上昇すれば、2029年には58800ドルになる計算である。現在の2.8倍である。この考え方が米国株への投資では重要である。米国株は2029年までの超長期上昇トレンドの第2ステージに入ったとの認識であり、これが2019年半ばごろまで続くと考えている。米国株投資で10年以上保有できれば、最低でも2倍のリターンは確保できるのが、過去の実績である。株式運用では米国を中心に行うのが賢明である。米国株を長期的に見ながら押し目を拾っていくのが株式投資の王道である。

【ダウ平均株価:2017年の想定レンジ】
強気シナリオ19310ドル~23185ドル(17年末22870ドル)/弱気シナリオ16050ドル~20195ドル(17年末17850ドル)

【ダウ平均株価:6月の想定レンジ】
強気シナリオ20865ドル~22015ドル/弱気シナリオ18650ドル~19905ドル

【S&P500:2017年の想定レンジ】
強気シナリオ2182~2660(17年末2627)/弱気シナリオ1823~2302ドル(17年末1987)

【S&P500:6月の想定レンジ】
強気シナリオ2362ドル~2494ドル/弱気シナリオ2113ドル~2257ドル

【ナスダック指数:2017年の想定レンジ】
強気シナリオ5228~6858(17年末6762)/弱気シナリオ3911~5748(17年末4301)

【ナスダック指数:6月の想定レンジ】
強気シナリオ5602~6098/弱気シナリオ4876~5379

【米国債トレード戦略】
10年債はショートを継続。金利の低下余地は乏しい。いまは上昇しているが、これも米国株のヘッジである。金利の急騰は念頭にないが、それでも低下リスクはほとんどないといってよいだろう。

【日本株の市況解説・分析】
日本株は日経平均が下落。ドル円が円高に振れたことが嫌気された。FOMCの結果がおおむね想定の範囲内だったことも売りにつながった。一時切り返す場面も見られたが、その後は手掛かり材料難からマイナス圏での小幅な値動きに終始した。FOMCという重要イベントを通過したことで、ポジション調整の売りも出ているもようである。重要なポイントである19800円を割り込む場面もあったが、辛うじて維持している。いまはこの水準がきわめて重要になっている印象だが、EPSからすれば、まだ十分な上昇余地がある。FOMC後は円高に振れやすく、日本株は買いづらいだろうが、日柄をこなしながら上昇のきっかけを待つことになるだろう。19800円を割り込むと、19400円がサポート水準になろうが、大幅に下げると買いたいと考えている投資家も相当数いるものと思われ、さらに割安感が強まることもあり、そこまでの下げになる方がむしろ難しいだろう。騰落レシオの25日平均は94%にまで低下。騰落レシオは十分に調整が進んだと考えてよいだろう。外国人投資家は10週ぶりに売り越したようだが、イベント前にポジションの一部を調整した可能性がある。その程度の動きであれば、基本的な日本株への投資スタンスは変わらないものと思われる。本日は日銀金融政策決定会合での決定内容が公表される。黒田総裁の発言に注目が集まろうが、これまでの緩和スタンスを変えることはないだろう。また、将来の出口戦略への言及も「時期尚早」として、米国の利上げおよび資産圧縮に追随することはないとのスタンスを維持するものと思われる。

【日経平均先物のトレード戦略】
ロングを継続。ドル円が円安気味に推移しており、海外市場の下落は意識されず、底堅い推移が想定される。基本的にはドル円が110円前後で推移していれば、大きな問題が起きる理由はない。もっとも、日本株は徐々に為替離れをしており、105円を割り込むようなことがなければ、本来は気にする必要はない。しかし、常に不安を懸念する市場参加者は、円高に過剰反応する。非常に残念な発想であり、これが日本株を割安な水準に押し込んでいるといえる。チャート面では19900円から19800円がサポートであり、これを維持していれば問題はない。FOMCをきっかけに、日経平均は1500円から2000円下げるとの見方を示すストラテジストも居るのだが、相場を当てるとか相場をテクニカル的に語るのは賢明ではないだろう。企業業績から見た株価のバリュエーションからの戦略を検討するようにしたい。そのうえで、いまの日本株であれば、大きく下落すれば買えばよいという判断になろう。今のバリュエーションであれば、いずれ日経平均は2万円を固め、15年6月高値の20900円水準を超えて21000円に到達することになろう。日経平均採用銘柄のEPSからみれば、まだまだ相当割安である。年末時点での23000円到達の可能性さえあるだろう。企業業績という株価形成において最も重要なファンダメンタルズ要因を重視することが肝要である。もっとも、日経平均採用銘柄への傾斜よりも、より株価の成長性がある銘柄を探し、そこに投資するほうがリターンは大きいことは言うまでもない。個別銘柄ベースでは、年初来高値・上場来高値などを付けている銘柄が多いため、過熱感も指摘されるが、割高に上昇した場合にはいったん手仕舞いし、割安に放置されている銘柄を探すようにしたい。割高な株価を勢いだけで買うと、高値掴みになる可能性があるため注意が必要である。一方で割安な株式を買っておけば、多少の下げにも耐えられる。地合いがよくなっているいまだからこそ、割安株に慎重に投資するスタンスを貫きたい。一発勝負はしばらく上手くいくが、最後は必ず失敗する。

【日経平均株価:2017年の想定レンジ】
強気シナリオ18335円~23400円(17年末23020円)/弱気シナリオ14970円~19915円(17年末15620円)

【日経平均株価:6月の想定レンジ】
強気シナリオ20085円~21750円/弱気シナリオ17690円~19245円

【TOPIX:2017年の想定レンジ】
強気シナリオ1473~1860(17年末1833)/弱気シナリオ1215~1574(17年末1270)

【TOPIX:6月の想定レンジ】
強気シナリオ1626~1750/弱気シナリオ1407~1524

〔CURRENCY MARKET〕
ドル円は上昇。新規失業保険申請件数や6月のNY連銀製造業指数、フィラデルフィア連銀の製造業指数などの数値が堅調な内容だったと受け止められ、米長期金利が上昇したためドル買いが優勢となっている。また、前日までのFOMCでの決定と声明などがタカ派と受け止められたことも、ドルの買い戻しを誘っているようである。市場では、FRBが来年2月のイエレンFRB議長の退任を前に、金融政策の正常化を急ぎ過ぎているのではないかとの懸念が広がっている。これがドル買いを誘う結果となっているのだが、さすがに現状のインフレ率では、積極的な利上げは困難であろう。原油安が継続しており、6月のCPIはおそらく1.5%を下回る可能性がある。そうなれば、利上げを急ぐ理由はなく、市場における9月利上げの織り込みは進まないだろう。現状では9月の利上げ確率は45%程度であり、一般的に利上げ織り込みと考えられる70%を大きく下回っている。これでは、ドル買いは進みづらいだろう。一方で、FRBの最大の関心事である、保有資産の圧縮についても、市場への影響は未知数である。過去に経験がないだけに、実際に資産圧縮が始まったときに市場がどのように反応するのか、慎重に見極めることになるだろう。一方、この日のドル高でユーロドルは1.12ドルの節目を割り込んだ。ユーロドルの1.12ドルは、現在の為替市場がドル高あるいはドル安の方向にあるのかを見極めるうえで、非常に重要な指標になっている。この水準を挟んで、どちらに向かっているのかを確認するとよいだろう。

一方で、ポンドドルが上昇。一時1.2795ドルの高値を付けている。イングランド銀行(英中央銀行、BOE)がこの日の会合で政策金利を据え置いたが、3人の政策委員が利上げを支持したことから、金融引き締めへの政策転換の可能性が意識されたことがポンド買いを誘っている。メイ首相の賭けが失敗し、政治混迷リスクからポンドは売られるとみられていたが、市場の反応はBOEの政策の方向性に左右されることになりそうである。ブレグジットがハードになるのか、それともソフトになるのかも重要だが、世界的な金融引き締めの動きが優先されるようだと、市場の予想とは逆にポンド高に向かう可能性も否定できない。

【通貨トレード戦略】
ドル円はショートを解消し、新規でロングとする。結果的に、下値を攻められずに戻している。108.80円のサポートは堅かったことになる。とはいえ、上値も111円を超えないことには新たな方向性が出てこない。上下に振り回される動きになりやすいが、いまは上昇余地もあるため、いったん上向くと考えておきたい。本来は逆張りが賢明なのだろうが、抜けた時に台頭しづらい。また、上昇した場合でも111.50円、111.80円、113円と上値抵抗が控えている。上昇のハードルも相当高い。いまはこのように方向感がないため、ポジションは小さめにしておく方が賢明であろう。いずれチャンスが来るだろう。
ユーロ円はショートを買戻して、新規でロング。ただし、上値は124円であり、この前後ではいったん利益を確定したい。
ユーロドルはロングを解消し、新規でショート。1.12ドルを割り込んだため、目先のドル高の動きをとらえたい。ただし、下げ余地が小さいため、どこまで下げるかは不透明であろう。最大1.0950ドルまでを見込んでおきたいが、下げ余地を見ながら、ある程度のところで買い戻すのが賢明であろう。
ポンド円は見送り。トレンドは上向きに転じたが、142円を明確に超えるまで慌てずに動きを確認することとしたい。
ポンドドルは見送り。1.2730ドルは維持しているが、方向感がない。より明確になったところでポジションを取ることを考えたい。
豪ドル円は新規でロング。83.30円のレンジ上限をひとまず抜けたため、その方向についていきたい。ただし、これを再度割り込めば、その時点で方針転換となる。
豪ドル/米ドルはロングを継続にする。0.7550ドルを割り込むまでは方針維持としたい。
南アランド/円はロングを継続。0.855円を割り込むまではポジション維持としたい。

【ドル円:2017年の想定レンジ】
強気シナリオ115.25円~129.85円(17年末128.35円)/弱気シナリオ103.60円~118.75円(17年末104.70円)

【ドル円:6月の想定レンジ】
強気シナリオ118.90円~124.35円/弱気シナリオ110.50円~115.45円

【ユーロ円:2017年の想定レンジ】
強気シナリオ119.80円~134.85円(17年末133.70円)/弱気シナリオ107.95円~124.75円(17年末109.65円)

【ユーロ円:6月の想定レンジ】
強気シナリオ120.95円~126.50円/弱気シナリオ114.05円~119.30円

【ユーロドル:2017年の想定レンジ】
強気シナリオ1.0270ドル~1.1700ドル(17年末1.1550ドル)/弱気シナリオ0.9480ドル~1.0695ドル(17年末0.9730ドル)

【ユーロドル:6月の想定レンジ】
強気シナリオ1.0570ドル~1.1010ドル/弱気シナリオ0.9760ドル~1.0180ドル

【ポンド円:2017年の想定レンジ】
強気シナリオ140.50円~156.25円(17年末154.20円)/弱気シナリオ125.65円~146.85円(17年末127.05円)

【ポンド円:6月の想定レンジ】
強気シナリオ141.75円~148.95円/弱気シナリオ137.25円~143.55円

【ポンドドル:2017年の想定レンジ】
強気シナリオ1.2080~1.3710ドル(17年末1.3535ドル)/弱気シナリオ1.1230ドル~1.2510ドル(17年末1.1435ドル)

【ポンドドル:6月の想定レンジ】
強気シナリオ1.2495~1.3000ドル/弱気シナリオ1.1550~1.2145ドル

【豪ドル円:2017年の想定レンジ】
強気シナリオ83.20円~96.10円(17年末94.80円)/弱気シナリオ74.45円~87.00円(17年末77.70円)

【豪ドル円:6月の想定レンジ】
強気シナリオ87.75円~93.10円/弱気シナリオ79.75円~84.85円

【豪ドル/米ドル:2017年の想定レンジ】
強気シナリオ0.7070~0.8200ドル(17年末0.8080ドル)/弱気シナリオ0.6480~0.7355ドル(17年末0.6625ドル)

【豪ドル/米ドル:6月の想定レンジ】
強気シナリオ0.7465~0.7815ドル/弱気シナリオ0.6820~0.7135ドル

〔COMMODITY MARKET〕「金・原油ともに下落」
【貴金属市場の市況解説・分析】
金相場は下落。FOMCは市場ではそれほどハト派な内容ではなかったと受け止められ、ドル高基調に転じたことが重石となった。新規失業保険申請件数や6月のNY連銀製造業指数、フィラデルフィア連銀の製造業指数などが市場予想を上回ったことがドル高につながった。とはいえ、金相場は崩れていない。FRB当局者の17年のインフレ見通しは引き下げられたが、現在の原油相場の水準から見れば当然であろう。一方、FRB関係者は年内あと1回の利上げを見込んでいるが、市場での利上げ確率は50%を下回っており、市場の織り込みは進んでいない。現在の低インフレ状態が最終的には利上げ観測の低下とドルの上値の重さにつながり、これが金相場を支えるものと考えられる。また、FRBが資産圧縮を優先させるものと思われることから、利上げ見送りが金相場の下値を支えるだろう。

【貴金属のトレード戦略】
金、銀、プラチナ、パラジウムはロングを継続。金相場はしばらくもみ合う可能性がある。それはそうとして、保有する意味を理解しておくことが必要である。金相を相場としてみるのではなく、資産の一部として見ることが肝要である。つまり、株式と同時の保有する意味を理解しておきたい。したがって、基本的に売る必要はないとの考えは変わらない。米国の政治不安や米利上げペースの鈍化は金相場の基本的な下支え要因である。しかし、それはあくまで材料であり、金保有の本質的な理由ではない。とはいえ、政治リスクやイランやカタール問題、さらに世界的なテロや北朝鮮情勢の不透明感から、心理的な不安材料を理由に買っている面がある。長期的に金を保有しておきたいと考えている投資家は少なくないだろう。常にロングを維持し、押し目を拾うことが肝要である。リスク資産に対するヘッジの意味合いからも、手放してはいけない。年末までに1375ドルまで上昇するとの見方は変わらない。金を含む貴金属への長期的な投資方針が変わることは当面はない。当面というのは2020年ごろまでである。よほどのことがない限り、買い方針は当面維持する方針である。常に金を保有して危機に備えておくのが、金を保有する基本的な考え方である。保有コストを下げるためには上値を買わずに、下げたところを買いながら、上昇を待つのが賢明である。これは長期的な投資を行ううえで最も重要なポイントである。ちなみに、現在の米実質金利から見た金価格の適正水準は1500ドルを超えている。現在の金価格は相当割安であることも理解しておく必要がある。貴金属は長期的に上昇するとみており、保有しながら株式の購入あるいは株価の上昇に併せて買い増すのが賢明である。原油とともに投資対象全体の中心に据え、押し目は確実に拾うようにしたい。

【金価格:2017年の想定レンジ】
強気シナリオ1117.65ドル~1373.40ドル(17年末1329.50ドル)/弱気シナリオ1036.65ドル~1187.20ドル(17年末1059.00ドル)

【金価格:6月の想定レンジ】
強気シナリオ1187ドル~1274ドル/弱気シナリオ1055ドル~1125ドル

【非鉄市場の市況解説・分析】
非鉄相場はまちまち。アルミ・銅は下落したが、ニッケル・亜鉛・鉛は上昇した。最近の動きと逆のパターンが続いている。特にニッケルはインドネシアとフィリピンからのっ鉱石輸出の開始以降、相場が崩れてきたが、さすがに下げ過ぎとの美香Tが出てきているように思われる。また、鉛・亜鉛も下げ渋りから反発に転じており、目先の底値は確認したといえるだろう。アルミと銅は主力銘柄だが、これも調整と反発を繰り返し、下値を固める途上にあると考えている。

【非鉄のトレード戦略】
アルミ、銅、ニッケル・亜鉛、鉛はロングを継続。下値固めの動きにあるが、もう少しである。目先はドル高が上値を抑えるだろうが、これも一時的な動きでしかないと考えている。基本は長期的な目線であり、方針は変わらない。現在の非鉄相場が2~3年後に今より安い水準で推移していることは想定しづらい。長期的に見れば、需給は着実・確実に改善され、これが価格上昇につながるはずである。中国での過剰設備や供給増などが嫌気されるとの見方もあるが、これはいずれ解消されると考えている。いずれにしても、長期的に見てくことが肝要であり、現状はしっかりと買いたい水準である。長期トレンドも依然として崩れていない。安値を売る意味はないというのは、株式投資の考え方と同じである。繰り返すように、重要なのは長期的な視点であり、大きく下げたときに押し目買いを入れるのが鉄則である。下げたときにしっかりと買い、保有コストを下げながら保有し続けることが肝要である。非鉄銘柄は長期的には2020年までの有望銘柄と考えている。基本は押し目買いである。銅は年末にかけて7700ドルを目指す動きになると考えている。ただし、値動きが大きいため、リスク管理をしっかりと行うようにしたい。非鉄銘柄は長期的な上昇基調が続いている。需給改善を背景に、いずれ大相場が到来する。少額でもよいので銅を中心に非鉄銘柄をぜひポートフォリオの中に入れることを検討したい。非鉄相場はいずれ大相場を迎えるとの見方に変わりない。

【銅価格:2017年の想定レンジ】
強気シナリオ5266ドル~7704ドル(17年末7522ドル)/弱気シナリオ4520ドル~5812ドル(17年末4672ドル)

【銅価格:6月の想定レンジ】
強気シナリオ5950ドル~6635ドル/弱気シナリオ4975ドル~5445ドル

【エネルギー市場の市況解説・分析】
原油は続落。ドル高進行が上値を抑えており、WTI原油は45ドルを下回った水準での推移が続いている。OPEC加盟・非加盟国による協調減産に対する懐疑的な声もあるが、これは繰り返すように、米国のシェールオイルの増産を吸収して余りあるため、いずれ在庫の数値が減少していることを確認すれば、市場はそれに対して正しく反応せざるを得なくなろう。国際エネルギー機関(IEA)が年後半に大幅な在庫減少が進むとの見方を示しており、これが正しい見方であろう。その具合的な数値が出てくるまでは厳しい値動きにならざるを得ないが、それは時間が解決してくれるだろう。一方、金相場と原油相場を比較した金/原油レシオは現在28.3倍で推移しているが、過去平均は16.5倍である。いかに原油相場は割安に放置されているかがわかる。レシオの過去5年間の重要なポイントになっている20倍の場合の原油相場は63ドルが適正値になる。将来想定される原油市場の需給面から、原油相場は60ドル前後が適正であると考えているが、レシオが20倍にまで落ちてくれば、60ドルという水準は十分に正当化されることになる。このように、現在や将来の金利動向などを考慮すれば、金価格は1400ドル方向に上昇する一方、原油相場は60ドルを目指して上昇すると考えるのが妥当であろう。

【エネルギーのトレード戦略】
WTI原油・ブレント原油はロングを継続。WTI原油がこの時期に45ドルを割り込むとは驚きである。繰り返しだが、いかにも機械的な取引が市場を席巻しているということであろう。ファンダメンタルズ・バリューがこれだけ無視されるのも珍しいだろう。55~60ドルは最低ラインであろう。現状の水準は、これから起きる需給調整後のバランスから判断すれば、まさにバーゲンセールでしかない。まして、いまは米国のガソリン需要期である。この時期に下げるようなことは、過去の経緯をみてもまず考えられない。このように、将来のファンダメンタルズが無視される状況は続かないはずである。現状のOPEC加盟・非加盟国の減産を続けるだけでも、一定の需給バランスの改善効果がある。市場がこれを理解していないことが、50ドル以下での推移の理由である。OPEC加盟・非加盟国が減産を継続すれば、米国のシェールオイルの増産を十分に吸収できる。この程度の計算もできないのが、いまの原油市場の参加者ということになる。また米国ではガソリン需要期に入っている。原油相場の本格的な上昇はこれからである。50ドル割れではほとんどの産油国および石油生産会社は生産継続ができない。このことを考慮すれば、下値余地がないことは明白である。この押し目を利用して、再度ポジションを固めておくのが得策であろう。年間を通して原油相場が弱かった年も、5月以降は最低でも横ばいから上昇するのが通例である。したがって、秋口までの相場展開を想定する場合には、現状より少なくとも上の水準にあると考えるのが妥当である。中期的には需給面の改善が見えており、原油相場の上昇はきわめて確度が高い。現時点では現行水準以下での押し目買いが有効との考えは変わらない。需給バランスの改善を背景に年末に向けて75ドルを試すとの見方も不変である。原油も長期的な視点でポートフォリオに入れておくべき対象である。

【WTI原油価格:2017年の想定レンジ】
強気シナリオ50ドル~74ドル(17年末70ドル)/弱気シナリオ35ドル~58ドル(17年末38ドル)

【WTI原油価格:6月の想定レンジ】
強気シナリオ58.60ドル~66.95ドル/弱気シナリオ49.45ドル~56.30ドル

◇グローバルマクロ戦略について

本メルマガでご紹介する投資戦略は、ヘッジファンド業界では「グローバルマクロ戦略」のカテゴリーに属します。
これは、世界のヘッジファンドのもっとも得意とする手法で、いわゆるヘッジファンド運用の「王道」です。
この戦略では、あらゆる市場に目を配り、投資機会を探しながら収益の獲得を狙います。
市場価格の上昇・下落に関係なく、価格の変動が見込まれれば、それにベットする(賭ける)戦略です。
ボラティリティが高いほど収益が見込まれますので、投資機会があれば果敢に攻めます。

世界情勢が不透明な中、為替や株式、金利、コモディティなど主要市場の価格変動は一段と大きくなっています。
そのため、それぞれの市場の予測がきわめて困難になっています。

このような市場環境では、マクロ的な見地からより幅広い市場で運用を行う「グローバルマクロ戦略」が有利です。
もちろん、個々の市場でも十分に戦えるように、具体的な取引タイミングも示していく所存です。

「ヘッジファンド戦略の王道」である「グローバルマクロ戦略」で、共に市場で戦いましょう。

◆お知らせ
日経225オプションのトレード戦略に関するメルマガを配信しております。
「江守哲の225オプション リアルトレーディング」です。
 ご興味のある方は、ぜひご購読ください。
http://fx-on.com/email/detail/?id=8592


*セミナー予定

6月17日(土)第一商品さまセミナー(渋谷)
http://www.dai-ichi.co.jp/seminar/detail.asp?id=3486

6月24日(土)岡地さまセミナー(大阪)
http://www.okachi.jp/seminar/detail20170610n.php

7月5日(水)岡藤商事さまセミナー(大阪)
http://www.nihon-fs.co.jp/seminar/seminars/20170705_osaka

7月6日(木)ひまわり証券さまセミナー(WEB)

7月7日(金)マネックス証券さま・雇用統計セミナー(WEB)
https://info.monex.co.jp/news/2017/20170502_01.html

7月8日(土)FX攻略.com・マネックス証券さまセミナー(東京)

7月10日(月)岡三オンライン証券さまセミナー(東京)

7月22日(土)マネックス証券さまセミナー(名古屋)

(上記以外にも、個別セミナーも実施しております。ご興味がある方はお問い合わせください。)


*テレビ出演予定

6月22日(木)13:30~13:45ストックボイスTV「東京マーケットワイド」(東京MXTV)
http://www.stockvoice.jp/


*ラジオ出演予定
6月15日(木)15:10~16:00 ラジオNIKKEI「ザ・マネー~マーケットプレミア」(プレミア証券さま提供)
http://market.radionikkei.jp/premiere/

6月23日(金)16:00~16:20 ラジオNIKKEI「GO!GO! ジャングル・マーケット」(ゴゴジャンさま提供)
http://market.radionikkei.jp/gogo/

6月23日(金)21:30~22:30 ラジオNIKKEI「夜トレ!」(FXプライムbyGMOさま提供)
http://market.radionikkei.jp/yorutore/

6月29日(木)15:10~16:00 ラジオNIKKEI「ザ・マネー~マーケットプレミア」(プレミア証券さま提供)
http://market.radionikkei.jp/premiere/


*定期寄稿スケジュール

「東洋経済オンライン」(隔週木曜日)
 http://toyokeizai.net/

「マネックスメール」(第1・第3・第5金曜日)
 http://lounge.monex.co.jp/pro/special1/

「マネックス証券 為替展望レポート」(毎月)

「マネックス証券 マネックスゴールドレポート」(毎週月曜日)
サンプル2
【6月15日のトレード戦略】ドルの上値は重くなる
配信日:2017年06月15日 08時28分
おはようございます。
本日もよろしくお願いいたします。


今日はラジオNIKKEI「ザ・マネー~マーケットプレミア」(プレミア証券さま提供)に出演します。
http://market.radionikkei.jp/premiere/

時間は15:10~16:00です。ぜひご視聴ください。


岡三オンライン証券さまでWEBセミナーに出演しています。
http://www.okasan-online.co.jp/seminar/webseminar

~世界経済と市場を取り巻く構図~
http://www.jikiden.co.jp/jms/01713kLYnXE4MSTQfa2/
~トランプ政権の政策と金融政策・米国株見通し~
http://www.jikiden.co.jp/jms/01712AyhfwaKWSTnCAk/
~米国株の特徴と傾向~
http://www.jikiden.co.jp/jms/0171MvA1zUybwSTarAg/

8月18日(金)まで視聴可能です。ぜひご視聴ください。


このたび、「為替市場のファンダメンタルズ分析 基礎編」を作成しました。
これまでメルマガでお話ししてきた為替相場の考え方を解説しています。

下記のURLで申し込みができます。
http://fx-on.com/douga/detail/?Id=53

ぜひご覧ください。


〔EQUITY MARKET〕
【米国株・欧米債券市場の市況解説・分析】
米国株はダウ平均が続伸。FRBの利上げペース加速に対する懐疑的な見方から買われ、終値ベースでは2日連続で過去最高値を更新した。ナスダック総合指数とS&P500は下落した。金融株が上昇したが、エネルギー株が原油相場の急落を受けて下落した。FRBはFOMCの結果を公表し、政策金利を0。 25%引き上げ年1.00~1.25%にすることを決定した。ただし、市場では今回の利上げを9割以上織り込んでいたことから、反応は限定的だった。市場の関心はむしろ、今後年3回目の利上げがあるかに向いていた。FOMC参加者による金利見通しでは、17年の利上げ回数を計3回 と従来通りの想定を維持した。市場では、直近の軟調な物価指標を受けて、年内は6月利上げで打ち止めとの見方もあっただけに、FOMCの結果公表後にダウ平均はマイナス圏に落ち込む場面もみられた。ただし、米国経済指標は総じて軟調だった。特に5月の消費者物価指数(CPI)は前月比0.1%低下とインフレ圧力の弱さが確認される結果となった。このため、市場ではFRBが想定通りに年3回目の利上げができるかに懐疑的な見方が浮上し、ダウ平均は引けにかけてはプラス圏を回復した。この反応を見る限り、市場は9月利上げを懐疑的に見ているといえる。

5月のCPIは前月比0.1%低下。変動の大きいエネルギーと食料品を除いたコア指数は0.1%の上昇だった。エネルギーが2.7%低下したが、このうちガソリンが6.4%低下した。食料品は0.2%上昇した。前年同月比は全体が1.9%上昇、コアは1.7%上昇にとどまった。5月の小売売上高は4738億0800万ドルと、前月比0.3%減少した。前年同月比では3.8%増だった。

FRBはFOMCで、政策金利を0.25%引き上げ、年1.00~1.25%にすることを決定した。利上げは3月以来で、今年2回目。また、FRBの保有資産を圧縮する具体策を約3年ぶりに改定し、年内に始めると宣言した。米国の金融政策は異例の緩和状態から脱し、正常化の最終段階に入ることになる。今回の決定は賛成が8名で、ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁が現状維持を主張して反対した。利上げは年1回だった過去2年のペースから加速し、政策金利は08年12月以来、8年半ぶりに0%台を脱することになる。金利見通しでは「年内あと1回」の利上げ想定を維持した。イエレンFRB議長は会合後の記者会見で「景気は今後数年間緩やかに拡大する見込み」とし、先行きに自信を表明した。また資産圧縮は「比較的早期に始める」とし、継続的な金融引き締めが適切との認識を示した。声明では、「労働市場が引き続き堅調で、経済活動は今年に入り緩やかに拡大している」とし、前回5月会合での「経済活動の伸びが減速」との評価を上方修正した。また物価上昇率は「中期的に目標の2%近くで安定する」との見解を据え置き、直近の弱さは一時的とした。景気見通しのリスクは、前回の「おおむね均衡している」との表現を踏襲した。「設備投資は引き続き力強い」とし、「家計支出は過去数カ月で持ち直した」との見方を示した。資産圧縮策では14年9月に公表した指針である「政策正常化の原則と計画」を改定した。金融危機を受けた量的金融緩和策で買い入れた米国債などを月額計100億ドルから段階的に減らすが、圧縮額には上限を設け、3カ月ごとに増やして金融市場への影響に配慮するとした。これを受けて。現在4兆し5000億ドル規模のバランスシートの縮小を早ければ9月にも開始する可能性がある。最近のインフレ指標が軟調であることから、政策引き締めに向けたプロセスは遅れる可能性があるが、資産圧縮はソ連関係なく進める可能性がある。FRBは米国債については、月の再投資見送り額を当初60億ドルに設定。その後は月額300億ドルに達するまで、1年をかけて3カ月おきに60億ドル増やすとした。モーゲージ担保証券(MBS)については、再投資の見送り額を40億ドルから始め、月額200億ドルに達するまで1年をかけて四半期ごとに40億ドル増やす方針。具体的な時期には言及しなかったが、年内の開始を目指していると考えられる。市場では、FRBの計画自体はハト派的と受け止められたものの、それを早急に示したことは積極的と解釈されたようである。

一方、FOMC参加者16人の経済・金利見通しによると、17年の利上げ想定は計3回と、前回3月時点と変わらなかった。物価上昇率がFRBの2%目標に達する時期も18年と予想を据え置いた。ただし、金利水準の長期見通しである3.0%への達成時期は前回の19年から20年以降に修正された。参加者15人が示した政策金利水準の長期見通しのレンジは2.50~3.50%とし、前回の2.50~3.75%から上限を引き下げた。17年の利上げ想定は1回が0人(前回2人)、2回が4人(同1人)、3回が8人(同9人)、4回が4人(同4人)、6回が0人(同1人)。17年末時点の政策金利水準(中央値)は1.375%(前回1.375%)、18年末は2.125%(同2.125%)と変わらず。19年末は2.9375%(同2.875%)へ上方修正した。経済見通しでは、17年10~12月期の実質GDPの前年同期比伸び率は2.2%(前回2.1%)と上方修正。18年同期が2.1%(同2.1%)、19年同期が1.9%(同1.9%)、長期予測が1.8%(同1.8%)でいずれも変更はなかった。失業率に関しては、17年10~12月期が4.3%(前回4.5%)、長期水準は4.6%(同4.7%)へ引き下げた。 インフレ率は、個人消費支出(PCE)物価指数の対前年同期比伸び率がFRBの2%目標に達する時期を18年(前回18年)、コアも18年(同18年)といずれも予想を据え置いた。

今回のFOMCを受けた前回との新・旧声明文の比較は以下の通り。
【経済活動】
(新)今年に入って緩やかに拡大している
(旧)伸びが減速した
【雇用情勢】
(新)雇用の伸びは緩やかだが、年初来おおむね堅調で、失業率は低下した
(旧)雇用の伸びは、この数ヵ月おおむね力強く、失業率は低下した
【家計支出】
(新)家計支出は直近数カ月持ち直した
(旧)家計支出の伸びは緩慢にとどまったが、消費の伸びを支えるファンダメンタルズは堅調だった
【設備投資】
(新)設備投資は引き続き拡大した
(旧)設備投資は強まった
【インフレ】
(新)前年同月比のインフレは直近で減少、食品とエネルギー価格を除くコアインフレと同様に目標の2%を幾分下回った
(旧)最近の前年同月比のインフレは2%目標近くを推移、コアインフレや消費者物価は3月に低下し、依然2%を幾分下回っている
【1~3月期の成長鈍化】
(新)言及削除
(旧)1~3月期の経済成長の鈍化は一時的とみられると判断
【インフレの現状】
(新)前年同月比のインフレは短期的に2%を幾分下回ると予想する
(旧)言及なし
【注視の対象】
(新)インフレ動向を緊密に注視している
(旧)引き続き、インフレ指標と国際経済・金融情勢を緊密に注視していく
【利上げ】
(新)FF金利誘導目標水準を1~1.25%に引き上げることを決定
(旧)FF金利誘導目標水準を0.75~1%に維持することを決定
【保有資産圧縮】
(新)FOMCは、経済情勢がおおむね予想通りに進むことを条件に、年内にバランスシートの正常化計画を開始する方針だ。この計画は「政策正常化の原則と計画」に関する付属文書に記載した通り、保有する証券の償還元本の再投資を減らすことで、FRBの保有資産を緩やかに減少させる
(旧)再投資政策はFF金利誘導目標水準の正常化が十分に進むまで行う見通し。この相当額の長期証券保有を継続する政策は、金融市場の緩和状態の維持を支えるはずである。

米国債は利回りが小幅な動き。FOMCで利上げを決定し、年内にバランスシートの縮小に着手する方針を表明したが、動きづらい展開だった。FOMC声明でややタカ派なトーンが示されたことを受けて、利回りは一時の水準から上昇する場面があったが、その後は低下した。2-10年債利回りスプレッドはマイナス0.7922%にまで縮小し、昨年9月9日 以来の低水準となった。5月のCPIや小売売上高が市場予想を下回り、下期の利上げ観測が後退したことを受けて、長中期債利回りは昨年11月以来の低水準に下げている。市場では、FRBが計画通りに政策を進めることができない可能性を懸念しているようにみえる。10年債利回りは2.138%で、一時11月10日以来の低水準となる2.103%をつけた。30年債利回りは2.780%で、一時11月9日以来の水準となる2.765%に低下した。2年債利回りは1.343%と前日比低下した。ユーロ圏債券市場では、ドイツ10年債利回りが4BP低下の0.23%と、7週間ぶりの低水準をつけ、フランスやスペインの10年債利回りも数カ月ぶりの水準に低下した。インフレの伸びの鈍化を受けて、世界的に利回り上昇の流れに一巡感が出ている印象である。

【米国株のトレード戦略】
ダウ平均、S&P500、ナスダック指数はロングを継続。FOMCを受けて市場センチメントの変化が懸念されたが、大きな問題はなかったといえる。ナスダック指数の下げが気になるが、市場ではハイテク関連株の割高感を指摘する声が徐々に強まっている印象である。しかし、投資家は指数や他のヘッジファンドに出遅れないようにハイテク株を買わざるを得ず、下げ渋る動きがしばらく続くだろう。今後しばらくは、現状のセンチメントの織り込みのため、横ばいの動きになる可能性がある。ただし、それをこなせば、成長性の高い企業への投資が再び株価を押し上げることになろう。金融政策については、ほぼ想定通りで、年内の資産圧縮が確実になった。一方で、インフレ率が高まらないことから、9月利上げが最大で、12月の資産圧縮開始時には利上げは見送られるだろう。現在のイエレンFRB体制下では、金融政策の実態は株価維持が最大の目的となっており、市場を驚かせるようなことはないだろう。また、原油安を背景にインフレ率が高まらなければ、9月利上げが見送られる可能性もあろう。その結果、ドル高は抑制され、金利上昇も限定的となり、米国株にはポジティブな環境が続くことになろう。

ダウ平均は6月の強気シナリオのレンジ下限は20865ドルをサポートしていれば、上昇基調は継続と判断できる。一方、市場ではナスダック指数については、以下のデータを念頭に入れておきたい。1986年以降、ナスダック100が年初から6月初めまでで20%以上、上昇したケースは9回あるが、6月初め以降年末までの上昇率は平均で13.95%となっている。ちなみに、20%上昇とならなかった年も含めた全体の平均でも7.13%の上昇であり、これから年末までは上昇しやすい傾向があることがわかる。さらに言えば、1986年以降の20%超の上昇で、年末までに下落したのは86年と87年だけであり、残りの7回はすべてプラスとなっている。つまり、年初から6月初めまでに強い上昇基調となっていた年は、年末まで堅調に推移しやすく、特に1990年以降ではすべてのケースで上昇していることになる。近年の傾向からすれば、今後ナスダック指数が年末までマイナスになるとすれば、これはむしろ相当の驚きである。このような過去データを知っておけば、目先の材料に振り回されることはない。

重要なことは、過去のデータと現在の市場状況を見ながら、「長期的視点に基づいた再現性のある投資戦略」を構築することである。目先の材料で判断しているうちは、良い結果は得られない。ただし、6月は上昇30回、下落36回となっており、パフォーマンスもマイナス0.3%と2番目に悪い水準となっている。そのため、一定の警戒は必要だが、過度な懸念は必要ないと考えている。繰り返しだが、米国株は上昇し始めると17年間はそのトレンドが続く傾向がある。今回の上昇トレンド入りは2012年であり、ここから17年間上昇するとすれば、2029年まで続くことになる。目先の上下に振り回される必要は全くない。ダウ平均の年率騰落率は平均で8.75%であり、このペースで上昇すれば、2029年には58800ドルになる計算である。現在の2.8倍である。この考え方が米国株への投資では重要である。米国株は2029年までの超長期上昇トレンドの第2ステージに入ったとの認識であり、これが2019年半ばごろまで続くと考えている。米国株投資で10年以上保有できれば、最低でも2倍のリターンは確保できるのが、過去の実績である。株式運用では米国を中心に行うのが賢明である。米国株を長期的に見ながら押し目を拾っていくのが株式投資の王道である。

【ダウ平均株価:2017年の想定レンジ】
強気シナリオ19310ドル~23185ドル(17年末22870ドル)/弱気シナリオ16050ドル~20195ドル(17年末17850ドル)

【ダウ平均株価:6月の想定レンジ】
強気シナリオ20865ドル~22015ドル/弱気シナリオ18650ドル~19905ドル

【S&P500:2017年の想定レンジ】
強気シナリオ2182~2660(17年末2627)/弱気シナリオ1823~2302ドル(17年末1987)

【S&P500:6月の想定レンジ】
強気シナリオ2362ドル~2494ドル/弱気シナリオ2113ドル~2257ドル

【ナスダック指数:2017年の想定レンジ】
強気シナリオ5228~6858(17年末6762)/弱気シナリオ3911~5748(17年末4301)

【ナスダック指数:6月の想定レンジ】
強気シナリオ5602~6098/弱気シナリオ4876~5379

【米国債トレード戦略】
10年債はショートを継続。金利の低下余地は乏しい。いまは上昇しているが、これも米国株のヘッジである。金利の急騰は念頭にないが、それでも低下リスクはほとんどないといってよいだろう。

【日本株の市況解説・分析】
日本株は日経平均とTOPIXが下落。前日の米国株の反発を好感する形で買いが入り、日経平均は一時2万円を回復する場面があった。前日の米国市場でハイテク関連株が反発した流れから情報・通信や電子部品株などに買いが先行し、株価の押し上げに貢献した。しかし、FOMCを控えていることもあり、その後は積極的な買いが手控えられ、上げ幅は縮小した。午後はさらに様子見気分が一段と強まり、日経平均の値幅は65円にとどまった。一方で材料が出た個別銘柄への売り買いは活発であり、イベント前の割安の銘柄を買う動きが目立った印象である。また、業績予想の修正に素直に反応する業績相場との指摘も聞かれる。騰落レシオは25日平均が96%に低下。目先のテクニカル調整はおおむね終了したといえるだろう。

【日経平均先物のトレード戦略】
ロングを継続。今日は円高基調もあり上値の重い展開となろう。とはいえ、一日の動きを気にする必要は全くない。また、ドル円が110円前後で推移していれば、何も問題ない。もっとも、日本株は徐々に為替離れをしており、105円を割り込むようなことがなければ、本来は気にする必要はないはずである。しかし、常に不安を懸念する市場参加者は、円高に過剰反応する。非常に残念な発想であり、これが日本株を割安な水準に押し込んでいるといえる。チャート面では19900円から19800円がサポートであり、これを維持していれば、何も問題はない。FOMCをきっかけに、日経平均は1500円から2000円下げるとの見方を示すストラテジストも居たが、企業業績から見た株価のバリュエーションが低下するわけではないことを考慮すれば、大きく下落すれば買えばよいだけである。どうしても、メディアに出ている市場関係者は下落リスクばかりを取り上げ、投資家を煽る癖があるようだ。そのような見方は、これまでも、そして今後もほとんど当たることはない。投資判断や運用は当てモノではない。しっかりとした根拠とポリシーをもって対処すべきものであり、目先の動きから判断するものではない。目先の材料だけを根拠に投資家を振り回すような発言は無視してよい。いずれ日経平均は2万円を固め、15年6月高値の20900円水準を超えて21000円に到達することになろう。日経平均採用銘柄のEPSからみれば、まだまだ相当割安である。年末時点での23000円到達の可能性さえあるだろう。企業業績という株価形成において最も重要なファンダメンタルズ要因を重視することが肝要である。個別銘柄ベースでは、年初来高値・上場来高値などを付けている銘柄が多いため、過熱感も指摘されるが、割高に上昇した場合にはいったん手仕舞いし、割安に放置されている銘柄を探すようにしたい。割高な株価を勢いだけで買うと、高値掴みになる可能性があるため注意が必要である。むしろ割安な株式を買っておけば、多少の下げにも耐えられる。地合いがよくなっているいまだからこそ、強い動きにある割高株ではなく、割安株に慎重に投資するスタンスを変えずに臨みたい。

【日経平均株価:2017年の想定レンジ】
強気シナリオ18335円~23400円(17年末23020円)/弱気シナリオ14970円~19915円(17年末15620円)

【日経平均株価:6月の想定レンジ】
強気シナリオ20085円~21750円/弱気シナリオ17690円~19245円

【TOPIX:2017年の想定レンジ】
強気シナリオ1473~1860(17年末1833)/弱気シナリオ1215~1574(17年末1270)

【TOPIX:6月の想定レンジ】
強気シナリオ1626~1750/弱気シナリオ1407~1524

〔CURRENCY MARKET〕
ドル円は下落。低調な米国経済指標を受けて円買い・ドル売りが先行し、一時108.81円まで下落する場面があった。その後は、FOMC声明の発表を受けてドルが買い戻され、109円台半ばでの推移となった。5月のCPIと小売売上高がともに市場予想に反して前月を下回るさえない内容だったことから、円買い・ドル売りが加速していた。しかし、FOMC声明が発表されると、ドルは買い戻され、ドル円は109円台後半に上昇する場面があった。FRBは市場予想通り政策金利を0.25%引き上げた。FOMC参加者による17年の利上げ想定回数は計3回と、前回の予想から変わらなかった。しかし、最近発表された経済指標の大半がさえない内容であることから、市場ではFRBの姿勢は思ったよりもハト派的でなかったと受け止められている。今後は利上げペース以上にFRBが保有する資産圧縮に関心が移るだろう。金利が上昇しづらくなることから、ドルの上値は今後も重くなりやすいだろう。欧州通貨も買われやすくなり、ドル円は上値の重い展開が続くと考えられる。また、CPIの落ち込みもあり、米実質金利がやや高止まりする。これ自体はドル円のサポート要因になる。日本のCPIを0.3%とした場合のドル円の理論値は108.40円程度となるが、5月のCPIが0.4%に上昇すれば、理論値は108.90円に跳ね上がることになる。現在の109円を挟んだ水準がおおむねフェアバリューとなり、十分に正当化できる水準ということになる。

【通貨トレード戦略】
ドル円はロングを解消し、新規でショートとする。基調は下向きであり、108.80円を割り込むと急落する可能性が出てきている。下落余地も大きく、下げに備えたポジショニングが賢明であろう。上げても上値は限定的であり、その場合には粛々とポジションを解消すればよいだろう。その判断は109.85円超えになる。上昇した場合でも、111円、111.50円、111.80円など多くのレジスタンスが控えている。さらに上には113円もある。上昇には相当ハードルが高いといえる。逆に108.80円を割り込むと下値が見えづらい。今年は高値と安値の値幅が10円幅にとどまっており、拡大余地は十分にある。予断を持たずに、周囲だけはしておきたい。
ユーロ円は新規でショート。123.35円という重要な水準を下に放れたため、トレンドに従うのが賢明であろう。下値ターゲットは121.50円。
ユーロドルはロングを継続。1.12ドルを維持しており、上昇余地も大きい。一時1.1295ドルまで上昇し、高値を更新したが維持できていない。再度トライするかを確認したい。
ポンド円は見送り。トレンドは下向きだが、138.90円を明確に割り込んだところでショートを検討したい。逆に140円を回復すれば、ロングを検討することになろう。
ポンドドルは見送り。トレンドは上向きになりつつあるが、1.2730ドル維持を確認したうえでロングを検討したい。
豪ドル円は見送り。82.85円と83.30円のレンジを明確に抜けた方についていきたい。ただし、可能性は下方向であろう。下落余地が大きく、下げると再び81.70円のサポートを試すだろう。
豪ドル/米ドルはショートを解消し、新規でロングにする。0.7550ドルを明確に上抜けたことから、トレンド重視でついていきたい。ただし、0.7550ドルを再度割り込めば、ポジションを解消すべきであろう。
南アランド/円はロングを継続。0.855円を割り込むまではポジション維持でよいだろう。

【ドル円:2017年の想定レンジ】
強気シナリオ115.25円~129.85円(17年末128.35円)/弱気シナリオ103.60円~118.75円(17年末104.70円)

【ドル円:6月の想定レンジ】
強気シナリオ118.90円~124.35円/弱気シナリオ110.50円~115.45円

【ユーロ円:2017年の想定レンジ】
強気シナリオ119.80円~134.85円(17年末133.70円)/弱気シナリオ107.95円~124.75円(17年末109.65円)

【ユーロ円:6月の想定レンジ】
強気シナリオ120.95円~126.50円/弱気シナリオ114.05円~119.30円

【ユーロドル:2017年の想定レンジ】
強気シナリオ1.0270ドル~1.1700ドル(17年末1.1550ドル)/弱気シナリオ0.9480ドル~1.0695ドル(17年末0.9730ドル)

【ユーロドル:6月の想定レンジ】
強気シナリオ1.0570ドル~1.1010ドル/弱気シナリオ0.9760ドル~1.0180ドル

【ポンド円:2017年の想定レンジ】
強気シナリオ140.50円~156.25円(17年末154.20円)/弱気シナリオ125.65円~146.85円(17年末127.05円)

【ポンド円:6月の想定レンジ】
強気シナリオ141.75円~148.95円/弱気シナリオ137.25円~143.55円

【ポンドドル:2017年の想定レンジ】
強気シナリオ1.2080~1.3710ドル(17年末1.3535ドル)/弱気シナリオ1.1230ドル~1.2510ドル(17年末1.1435ドル)

【ポンドドル:6月の想定レンジ】
強気シナリオ1.2495~1.3000ドル/弱気シナリオ1.1550~1.2145ドル

【豪ドル円:2017年の想定レンジ】
強気シナリオ83.20円~96.10円(17年末94.80円)/弱気シナリオ74.45円~87.00円(17年末77.70円)

【豪ドル円:6月の想定レンジ】
強気シナリオ87.75円~93.10円/弱気シナリオ79.75円~84.85円

【豪ドル/米ドル:2017年の想定レンジ】
強気シナリオ0.7070~0.8200ドル(17年末0.8080ドル)/弱気シナリオ0.6480~0.7355ドル(17年末0.6625ドル)

【豪ドル/米ドル:6月の想定レンジ】
強気シナリオ0.7465~0.7815ドル/弱気シナリオ0.6820~0.7135ドル

〔COMMODITY MARKET〕「金・原油ともに下落」
【貴金属市場の市況解説・分析】
金相場は下落した。FOMCでは市場の予想通りに政策金利が引き上げられたが、FRBの姿勢が市場の予想ほどハト派的ではなかったことを受けて、金は売られている。FRBは経済成長の継続と雇用の強さに言及しているが、インフレに対して懐疑的な見方を示している。また、保有資産の縮小を年内に開始すると発表している。利上げは9月も実施される可能性が高いが、12月から資産縮小が開始される見通しであり、利上げが見送られることでドルの上値は重くなるだろう。また5月の米消費者物価指数が前月から低下し、小売売上高も前月から減少するなど、最近の米国の経済統計が弱いことも金利を抑制し、これがドル高を抑制することになるだろう。この日の金相場の動きには意外感があったが、下値は限定的である。1260ドルで目先の底値を付けた可能性があり、今後は反発に向かうものと思われる。

【貴金属のトレード戦略】
金、銀、プラチナ、パラジウムはロングを継続。金相場はFOMCをこなして再び上昇に転じそうである。とはいえ、考え方は変わらない。目先の動きを見ているわけではない。基本的に売る必要はないとの考えは変わらない。米国の政治不安や米利上げペースの鈍化は金相場の基本的な下支え要因である。繰り返しだが、トランプリスクは株式市場での重要な材料ではなくなっているが、政治リスクは少なくとも金には心理的な買い材料になっている。また、イランやカタール問題、さらに世界的なテロや北朝鮮情勢の不透明感もあり、長期的に金を保有しておきたいと考えている投資家は少なくないだろう。常にロングを維持し、押し目を拾うことが肝要である。リスク資産に対するヘッジの意味合いからも、手放してはいけない。年末までに1375ドルまで上昇するとの見方は変わらない。金を含む貴金属への長期的な投資方針が変わることは当面はない。当面というのは2020年ごろまでである。よほどのことがない限り、買い方針は当面維持する方針である。常に金を保有して危機に備えておくのが、金を保有する基本的な考え方である。保有コストを下げるためには上値を買わずに、下げたところを買いながら、上昇を待つのが賢明である。これは長期的な投資を行ううえで最も重要なポイントである。ちなみに、現在の米実質金利から見た金価格の適正水準は1500ドルを超えている。現在の金価格は相当割安であることも理解しておく必要がある。貴金属は長期的に上昇するとみており、保有しながら株式の購入あるいは株価の上昇に併せて買い増すのが賢明である。原油とともに投資対象全体の中心に据え、押し目は確実に拾うようにしたい。

【金価格:2017年の想定レンジ】
強気シナリオ1117.65ドル~1373.40ドル(17年末1329.50ドル)/弱気シナリオ1036.65ドル~1187.20ドル(17年末1059.00ドル)

【金価格:6月の想定レンジ】
強気シナリオ1187ドル~1274ドル/弱気シナリオ1055ドル~1125ドル

【非鉄市場の市況解説・分析】
非鉄相場はまちまち。FOMCの結果発表を控えて軟調に推移していた。中国の鉱工業生産などの指標がまちまちだったことも相場を圧迫した。しかし、低調な米国経済指標を受けて、ドルが下げたことから、これが下値を支える結果となった。アルミは下落したが、1880ドルでサポートされており、基調は維持されているが、正念場ではある。銅は下落したが、5600ドルは維持している。一方、ニッケルは反発し、8890ドルまで上げている。9015ドルを超えると基調は上向きに変わるため、重要な局面にあるといえる。亜鉛も反発し、鉛も上げている。この水準を維持できるかが、非鉄相場全般の次の方向性を見極めるうえできわめて重要であるといえる。一方、中国の国家エネルギー局が発表した5月の電力消費量は前年比5.1%増の4968億キロワット時だった。国際通貨基金(IMF)は17年の中国の経済成長率見通しを6.7%に上方修正した。4月には6.6%に引き上げていた。上方修正の理由に拡張的な信用供与と公共投資を中心とした政策支援を挙げている。18~20年の成長率は平均6.4%と予想。4月には18年の成長率は6.2%としていた。IMFは成長見通しを引き上げた一方で、中国に対してより持続的な経済成長への移行に向けた改革の加速や緩和的な政策の縮小を呼び掛けている。特に、「金融セクターのリスクに対する最近の取り組みは非常に重要」として、「金融面での緊張や成長鈍化を伴ったとしても継続すべき」との考えを示している。さらに、「柔軟な為替レートへの取り組みを再開すべき」とする一方、人民元相場は「総じてファンダメンタルズと一致している」としている。中国の第1四半期のGDP伸び率は6.9%で、中国政府が掲げる年間目標の6.5%を上回るペースとなっている。

【非鉄のトレード戦略】
アルミ、銅、ニッケル・亜鉛、鉛はロングを継続。目先の踏ん張りどころにある状況は変わっていないが、基本は長期的な目線であり、方針は変わらない。現在の非鉄相場が2~3年後に今より安い水準で推移していることは想定しづらい。長期的に見れば、需給は着実・確実に改善され、これが価格上昇につながるはずである。中国での過剰設備や供給増などが嫌気されるとの見方もあるが、これはいずれ解消されると考えている。いずれにしても、長期的に見てくことが肝要であり、現状はしっかりと買いたい水準である。長期トレンドも依然として崩れていない。安値を売る意味はないというのは、株式投資の考え方と同じである。繰り返すように、重要なのは長期的な視点であり、大きく下げたときに押し目買いを入れるのが鉄則である。下げたときにしっかりと買い、保有コストを下げながら保有し続けることが肝要である。非鉄銘柄は長期的には2020年までの有望銘柄と考えている。基本は押し目買いである。銅は年末にかけて7700ドルを目指す動きになると考えている。ただし、値動きが大きいため、リスク管理をしっかりと行うようにしたい。非鉄銘柄は長期的な上昇基調が続いている。需給改善を背景に、いずれ大相場が到来する。少額でもよいので銅を中心に非鉄銘柄をぜひポートフォリオの中に入れることを検討したい。非鉄相場はいずれ大相場を迎えるとの見方に変わりない。

【銅価格:2017年の想定レンジ】
強気シナリオ5266ドル~7704ドル(17年末7522ドル)/弱気シナリオ4520ドル~5812ドル(17年末4672ドル)

【銅価格:6月の想定レンジ】
強気シナリオ5950ドル~6635ドル/弱気シナリオ4975ドル~5445ドル

【エネルギー市場の市況解説・分析】
原油は大幅反落。7カ月ぶりの安値を付けた。米エネルギー情報局(EIA)が発表したガソリン在庫が市場予想に反して大きく増加したことや、今後1年間で供給が世界的に増加するとの見通しが嫌気された。米国のガソリン在庫は前週比210万バレル増加し、在庫水準は5年平均を10%上回った。需要は過去4週間で前年同期を1.2%下回ったが、過去5年平均を4.2%上回っている。原油在庫は前週比170万バレル減少したが、これは材料視されなかった。一方で、原油生産は日量933万バレルと、前週比1.2万バレル増加しており、リグ稼働数の拡大が反映される格好となっている。この時期にガソリン需要が低迷し、在庫が増加するのは異例である。しかし、ガソリン需要はこれから確実に増加するだろう。これを受けて、ガソリン在庫も減少に向かい、市場はこれを材料視せざるを得なくなろう。WTI原油が45ドルを割り込む水準というのは、異常値といってよい。AIやアルゴリズム取引など、ファンダメンタルズのバリューを考慮していないと思われる市場参加者がトレンドを重視した価格を取引するという考え方が水準を押し下げているといえる。このような状況が、これからの夏場に続くとは考えにくい。一方、国際エネルギー機関(IEA)は最新の石油市場月報で、18年は世界の石油需要の増加を上回る供給拡大が見込まれると予想した。OPECとロシアなどによる協調減産により、原油価格が上昇したことを受けて、米国のシェールオイル業者が増産するとみており、減産効果が損なわれる可能性があると指摘した。IEAによる18年の予想は初めて。月報は18年の世界の石油需要は日量143万バレルの増加が見込まれるとした。一方で、OPEC非加盟国の増産量は米国の増産に支えられ、世界の需要増を上回る147万バレルに達すると予想した。年初からの協調減産は順守されるとする一方で、米国の生産は想定を上回るペースで増加する可能性があるとし、産油国が減産を続けるかは慎重に見極める必要があるとしている。一方、中国政府が発表した同国の5月の原油生産は前年比3.7%減の1626万トン(日量383万バレル)となり、データの公表を開始した11年以降で最低水準となっている。

【エネルギーのトレード戦略】
WTI原油・ブレント原油はロングを継続。WTI原油がこの時期に45ドルを割り込むとは驚きである。いかにも機械的な取引が市場を席巻しているということであろう。ファンダメンタルズ・バリューがこれだけ無視されるのも珍しい。現状の水準は、これから起きる需給調整後のバランスから判断すれば、まさにバーゲンセールでしかないだろう。まして、いまは米国のガソリン需要期である。この時期に下げるようなことは、過去の経緯をみてもまず考えられない。このように、将来のファンダメンタルズが無視される状況は続かないだろう。現状のOPEC加盟・非加盟国の減産を続けるだけでも、一定の需給バランスの改善効果がある。市場がこれを理解していないことが、50ドル以下での推移の理由である。OPEC加盟・非加盟国が減産を継続すれば、米国のシェールオイルの増産を十分に吸収できる。この程度の計算もできないのが、いまの原油市場の参加者ということになる。また米国ではガソリン需要期に入っている。原油相場の本格的な上昇はこれからである。50ドル割れではほとんどの産油国および石油生産会社は生産継続ができない。このことを考慮すれば、下値余地がないことは明白である。この押し目を利用して、再度ポジションを固めておくのが得策であろう。年間を通して原油相場が弱かった年も、5月以降は最低でも横ばいから上昇するのが通例である。したがって、秋口までの相場展開を想定する場合には、現状より少なくとも上の水準にあると考えるのが妥当である。中期的には需給面の改善が見えており、原油相場の上昇はきわめて確度が高い。現時点では現行水準以下での押し目買いが有効との考えは変わらない。需給バランスの改善を背景に年末に向けて75ドルを試すとの見方も不変である。原油も長期的な視点でポートフォリオに入れておくべき対象である。

【WTI原油価格:2017年の想定レンジ】
強気シナリオ50ドル~74ドル(17年末70ドル)/弱気シナリオ35ドル~58ドル(17年末38ドル)

【WTI原油価格:6月の想定レンジ】
強気シナリオ58.60ドル~66.95ドル/弱気シナリオ49.45ドル~56.30ドル

◇グローバルマクロ戦略について

本メルマガでご紹介する投資戦略は、ヘッジファンド業界では「グローバルマクロ戦略」のカテゴリーに属します。
これは、世界のヘッジファンドのもっとも得意とする手法で、いわゆるヘッジファンド運用の「王道」です。
この戦略では、あらゆる市場に目を配り、投資機会を探しながら収益の獲得を狙います。
市場価格の上昇・下落に関係なく、価格の変動が見込まれれば、それにベットする(賭ける)戦略です。
ボラティリティが高いほど収益が見込まれますので、投資機会があれば果敢に攻めます。

世界情勢が不透明な中、為替や株式、金利、コモディティなど主要市場の価格変動は一段と大きくなっています。
そのため、それぞれの市場の予測がきわめて困難になっています。

このような市場環境では、マクロ的な見地からより幅広い市場で運用を行う「グローバルマクロ戦略」が有利です。
もちろん、個々の市場でも十分に戦えるように、具体的な取引タイミングも示していく所存です。

「ヘッジファンド戦略の王道」である「グローバルマクロ戦略」で、共に市場で戦いましょう。

◆お知らせ
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「江守哲の225オプション リアルトレーディング」です。
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*セミナー予定

6月17日(土)第一商品さまセミナー(渋谷)
http://www.dai-ichi.co.jp/seminar/detail.asp?id=3486

6月24日(土)岡地さまセミナー(大阪)
http://www.okachi.jp/seminar/detail20170610n.php

7月5日(水)岡藤商事さまセミナー(大阪)
http://www.nihon-fs.co.jp/seminar/seminars/20170705_osaka

7月6日(木)ひまわり証券さまセミナー(WEB)

7月7日(金)マネックス証券さま・雇用統計セミナー(WEB)
https://info.monex.co.jp/news/2017/20170502_01.html

7月8日(土)FX攻略.com・マネックス証券さまセミナー(東京)

7月10日(月)岡三オンライン証券さまセミナー(東京)

7月22日(土)マネックス証券さまセミナー(名古屋)

(上記以外にも、個別セミナーも実施しております。ご興味がある方はお問い合わせください。)


*テレビ出演予定

6月22日(木)13:30~13:45ストックボイスTV「東京マーケットワイド」(東京MXTV)
http://www.stockvoice.jp/


*ラジオ出演予定
6月15日(木)15:10~16:00 ラジオNIKKEI「ザ・マネー~マーケットプレミア」(プレミア証券さま提供)
http://market.radionikkei.jp/premiere/

6月23日(金)16:00~16:20 ラジオNIKKEI「GO!GO! ジャングル・マーケット」(ゴゴジャンさま提供)
http://market.radionikkei.jp/gogo/

6月23日(金)21:30~22:30 ラジオNIKKEI「夜トレ!」(FXプライムbyGMOさま提供)
http://market.radionikkei.jp/yorutore/

6月29日(木)15:10~16:00 ラジオNIKKEI「ザ・マネー~マーケットプレミア」(プレミア証券さま提供)
http://market.radionikkei.jp/premiere/


*定期寄稿スケジュール

「東洋経済オンライン」(隔週木曜日)
 http://toyokeizai.net/

「マネックスメール」(第1・第3・第5金曜日)
 http://lounge.monex.co.jp/pro/special1/

「マネックス証券 為替展望レポート」(毎月)

「マネックス証券 マネックスゴールドレポート」(毎週月曜日)
サンプル3
【6月14日のトレード戦略】FOMCを前にフライング気味の買い
配信日:2017年06月14日 08時34分
おはようございます。
本日もよろしくお願いいたします。


岡三オンライン証券さまでWEBセミナーに出演しています。
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~世界経済と市場を取り巻く構図~
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~トランプ政権の政策と金融政策・米国株見通し~
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このたび、「為替市場のファンダメンタルズ分析 基礎編」を作成しました。
これまでメルマガでお話ししてきた為替相場の考え方を解説しています。

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ぜひご覧ください。


〔EQUITY MARKET〕
【米国株・欧米債券市場の市況解説・分析】
米国株は上昇。最近売り込まれていたハイテク株に買い戻しが入った。ダウ平均は2日ぶりに過去最高値を更新して終了。ナスダック総合指数も上昇した。前週末はアップルやアマゾン・ドット・コムなどのハイテク株が高値警戒感の強まりから急落し、週明け後もこの流れが続いたことで、ナスダック指数は2日で150ポイント近く下落した。しかし、この日は値頃感から買い戻しが入り、ダウ平均も取引時間中の過去最高値を更新した。13・14日開催のFOMCで利上げが確実視されていることを背景に、利ざや拡大による収益向上への期待から金融株にも買いが入った。この日はアップルが0.8%高、アマゾンが1.7%高、アルファベットが0.9%高、マイクロソフトが1.3%高、フェイスブックが1.5%高と買われ、いわゆる「FAANG」がそろって堅調だった。これらの動きを見ると、ハイテク株の直近2日間の下落はファンダメンタルズではなく、心理的な要因だったといえる。

5月の卸売物価指数(PPI)は前月比横ばいとなり、コア指数は0.3%上昇だった。前年同月比では全体が2.4%上昇、コアは2.1%上昇だった。

13・14日開催のFOMCでの0.25%ポイントの利上げは完全に織り込まれており、それ自体にインパクトはない。市場の関心は、年末までの利上げペースやFRBのバランスシート縮小の方針に向かっている。米国経済は失業率が4.3%と16年ぶりの水準に下がり、労働市場は引き締まっている。前回5月の政策会合では、1~3月期の成長減速は「一時的」と判断しており、景気見通しは良好である。また、世界経済が回復していることも利上げに追い風といえる。FRBは現時点で年内あと2回の利上げを念頭に入れているが、インフレ率がFRBの目標とする2%に達していないことや、トランプ政権の政策が経済に及ぼす影響に不確実性があるため、利上げに関する明確な方針が示されない可能性がある。そのため、FOMC声明と同時発表される経済見通しでは、利上げペースの想定に変更があるかに注目が集まろう。また、金融危機を受けて導入された量的金融緩和で買い入れた米国債などの保有資産の圧縮に関して具体策を公表する可能性もある。これまでのFRB高官の発言から、年内の資産圧縮の可能性が高く、9月利上げが実施されたとしても、12月は利上げが見送られ、資産圧縮が開始される可能性が高いと考えられる。今現在、FRBの理事や地区連銀総裁は、前回5月のFOMC以降、利上げのペースは「年内あと2回」との見方を維持している。FRBが金融政策の正常化に向け、保有資産を徐々に減らす政策は年内開始でほぼ一致しており、具体的な手法は予見可能な形で少しずつ、「自動操縦」で取り組む認識を共有している。その具体策が示されれば、市場に安心感が広がり、ドルの上値が重くなることで金利上昇が抑制され、株式市場にとって最高のコンディションが整う中、株高基調が再加速することになりそうである。

最近のFOMC投票権のある委員の発言は以下の通り。
◆パウエル理事「緩やかな利上げが適切」「インフレ率が上昇していく十分な理由がある」「圧縮後の資産規模は2兆4000億~2兆9000億ドル」(6月1日)
◆ブレイナード理事「コアインフレの上昇は過去数カ月で止まっている」(5月22日)「早期の利上げが適切」「物価が改善しなければ政策を見直す可能性がある」「圧縮後の資産残高は金融危機時をいくらか上回る公算」(5月30日)
◆ダドリー・ニューヨーク連銀総裁「資産縮小は非常に慎重に進める」「金融システムの超過準備は十分に残す」(5月12日) ◆カプラン・ダラス連銀総裁「年内あと2回の利上げを想定」「2%のインフレ目標の達成へ前進し続けているのか、指標を見極める上で忍耐強く臨む」(5月22日)
◆エバンズ・シカゴ連銀総裁「インフレ率の先行きの不確実性が増せば、年内あと1回の利上げにとどめることもあり得る」「今年あと3回以上の利上げは驚き」(5月12日)
◆カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁「インフレ率は間違った方向に向かっており懸念」「早期に資産縮小計画を公表すべき。金融環境の引き締まりが予想され、利上げの代替になる」
◆ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁「年内あと2回の利上げは適切」「失業率は年内に4.2%に下がる可能性」「就業者数の伸びが月7万~10万人であれば人口増加を踏まえると適切」「インフレ指標が1、2カ月違った方向に行っても自信をなくすほどではない」「資産圧縮はボタンを押した後はそのままに」(5月23日)

米国債は利回りが上昇。卸売物価指数の上昇が確認されたことを受けて、短期債利回りが一時数週間ぶりの高水準を付けた。ただし、その後は30年債入札が堅調だったことや、FOMCの結果発表を控えていることで利回りはほぼ横ばいとなった。2年債利回りは1.367%と、一時1カ月ぶりの水準に上昇した。120億ドルの30年債入札は最高落札利回りが2.870%と、昨年10月以来の低水準となった。30年債利回りは一時2.886%と、今月1日以来の高水準を付けた。10年債利回りは2.209%で、前日の2.213%から小幅に低下した。この結果、2-10年債利回りスプレッドはマイナス0.8435%に縮小。昨年末の最低水準であるマイナス1.3550%から順調に縮小している。ただし、これがプラス圏に入ると株価ピークのサインになるだけに、要ウォッチである。ユーロ圏債券市場では、イタリア地方選で反体制派政党「五つ星運動」が大敗したことで安心感が広がり、同国の国債に対する需要が膨らんだ。この結果、イタリア10年債利回りは3BP低下の1.97%と、1月下旬以来の水準に低下。ドイツ10年債との利回りスプレッドは171BPと、約3週間ぶりの水準に縮小した。イタリアは11日に1000以上の市町村で首長を選ぶ地方選を実施したが、「五つ星運動」は大敗を喫したもよう。これは欧州の政治リスクの緩和につながり、市場に安心感が広がることになる。また、他の南欧諸国の国債利回りも低下している。一方、ドイツ10年債利回りは1BP上昇の0.27%となった。ECBが理事会で当面は緩和的な金融政策を維持するとしたことも、ユーロ圏債券市場の支援要因になっている。一方は15日にはユーロ圏財務相と国際通貨基金(IMF)がギリシャ支援に関して合意する見通しで、これも支援材料といえる。ギリシャ5年債利回りは4.896%と、14年10月以来の水準に低下している。ドイツの欧州経済調査研究所(ZEW)が発表した6月の景気期待指数は18.6と、前月比2.0ポイント低下した。低下は4カ月ぶり。現況指数は4.1ポイント上昇の88.0と4カ月連続で前月を上回り、11年7月以来、約6年ぶりの高水準をつけた。ZEWは「ドイツ経済の見通しは依然として良好」としている。ユーロ圏の期待指数は2.6ポイント上昇の37.7、現況指数は2.2ポイント上昇の20.5だった。

【米国株のトレード戦略】
ダウ平均、S&P500、ナスダック指数はロングを継続。市場の関心はFOMCに向かっているが、その前に買戻しが入る動きを見る限り、米国株は真意強いと感じざるを得ない。この数日間でナスダック指数が下落したことで、「いよいよIT株の下落が始まる」との声が高まったが、一方で押し目を買いたいと考えていた投資家がかなり多いことも確認された。強弱観が交錯し始めているものの、バリュエーション面で正当化される水準であれば、株価は最終的にはその方向に行かざるを得ない。いまのナスダック指数は過去と比較してもバブルとはいえないだろう。一方、金融政策については、繰り返すように、現在のイエレン体制の下では大きな政策変更が突然決定されることはない。市場を驚かせないのがイエレン流であり、金融政策の実態は株価維持が最大の目的になっていることを理解しておくとわかりやすい。今回のFOMCでは、9月利上げまで許容する可能性があるものの、引き続きインフレ指標次第とするだろう。インフレ率が高まりにくい中では、9月利上げが見送られる可能性は残るだろう。一方で、年内の資産圧縮開始が明確に示され、その方法論については9月に公表することになるだろう。今回はその前段階の内容が示唆されるにとどまるだろう。いずれにしても、このような内容であれば、ドル高は抑制され、金利上昇も限定的となろう。そうなれば、米国株にはポジティブに作用することになるだろう。

ダウ平均は6月の強気シナリオのレンジ下限は20865ドルをサポートしていれば、上昇基調は継続と判断できる。一方、市場ではナスダック指数の急落に懸念を示す声が多かったが、彼らは以下のデータを知らないのだろう。1986年以降、ナスダック100が年初から6月初めまでで20%以上、上昇したケースは9回あるが、6月初め以降年末までの上昇率は平均で13.95%となっている。ちなみに、20%上昇とならなかった年も含めた全体の平均でも7.13%の上昇であり、これから年末までは上昇しやすい傾向があることがわかる。さらに言えば、1986年以降の20%超の上昇で、年末までに下落したのは86年と87年だけであり、残りの7回はすべてプラスとなっている。つまり、年初から6月初めまでに強い上昇基調となっていた年は、年末まで堅調に推移しやすく、特に1990年以降ではすべてのケースで上昇していることになる。近年の傾向からすれば、今後ナスダック指数が年末までマイナスになるとすれば、これはむしろ相当の驚きである。このような過去データを知っておけば、目先の材料に振り回されることはない。

重要なことは、過去のデータと現在の市場状況を見ながら、「長期的視点に基づいた再現性のある投資戦略」を構築することである。目先の材料で判断しているうちは、良い結果は得られない。ただし、6月は上昇30回、下落36回となっており、パフォーマンスもマイナス0.3%と2番目に悪い水準となっている。そのため、一定の警戒は必要だが、過度な懸念は必要ないと考えている。繰り返しだが、米国株は上昇し始めると17年間はそのトレンドが続く傾向がある。今回の上昇トレンド入りは2012年であり、ここから17年間上昇するとすれば、2029年まで続くことになる。目先の上下に振り回される必要は全くない。ダウ平均の年率騰落率は平均で8.75%であり、このペースで上昇すれば、2029年には58800ドルになる計算である。現在の2.8倍である。この考え方が米国株への投資では重要である。米国株は2029年までの超長期上昇トレンドの第2ステージに入ったとの認識であり、これが2019年半ばごろまで続くと考えている。米国株投資で10年以上保有できれば、最低でも2倍のリターンは確保できるのが、過去の実績である。株式運用では米国を中心に行うのが賢明である。米国株を長期的に見ながら押し目を拾っていくのが株式投資の王道である。

【ダウ平均株価:2017年の想定レンジ】
強気シナリオ19310ドル~23185ドル(17年末22870ドル)/弱気シナリオ16050ドル~20195ドル(17年末17850ドル)

【ダウ平均株価:6月の想定レンジ】
強気シナリオ20865ドル~22015ドル/弱気シナリオ18650ドル~19905ドル

【S&P500:2017年の想定レンジ】
強気シナリオ2182~2660(17年末2627)/弱気シナリオ1823~2302ドル(17年末1987)

【S&P500:6月の想定レンジ】
強気シナリオ2362ドル~2494ドル/弱気シナリオ2113ドル~2257ドル

【ナスダック指数:2017年の想定レンジ】
強気シナリオ5228~6858(17年末6762)/弱気シナリオ3911~5748(17年末4301)

【ナスダック指数:6月の想定レンジ】
強気シナリオ5602~6098/弱気シナリオ4876~5379

【米国債トレード戦略】
10年債はショートを継続。金利の低下余地は乏しい。いまは上昇しているが、これも米国株のヘッジである。金利の急騰は念頭にないが、それでも低下リスクはほとんどないといってよいだろう。

【日本株の市況解説・分析】
日本株は日経平均が小幅続落。一方でTOPIXは小幅反発だった。前日の米株安を受けて値がさ株が売られ、日経平均を押し下げた。一方で割安感のある銘柄には買いが入り、TOPIXはプラスだった。米国株安を受けた主力銘柄には売りが出ており、これが日経平均の重石になっている。一方で、これまであまり上昇せずに値頃感があり銘柄には買いが入りやすい地合いにあり、これが相場全体を下支えた。前週末の米国市場でのハイテク株に端を発した株価調整の動きはいったん止まったといえる。FOMCを前に調整的な売りが出たと考えれば、あまり意味のない動きだったといえる。この日の株価の動きだけを見ると、むしろ底堅さが感じられる。FOMCの結果が出るのは15日早朝であり、FOMCの結果を待って動きたいとする向きが多いと考えられ、今日も動きづらい展開になる可能性が高い。ただし、ドル円が110円台を維持している限り、底堅さは維持されるだろう。一方で、FOMCを前にフライング気味の買戻しが入るかにも注目しておきたい。騰落レシオは25日平均が98%と小幅に上昇。すでに一定の調整を終えたと考えてよいだろう。一方でファンダメンタルズ面の割安感は顕著なままである。目先のテクニカル調整が完了したあとは買いやすくなるだろう。米国株に調整が入れば、日本株もその動きから免れることはできないとの見方が多いが、割高感がないことから下げた場面は格好の押し目買いの好機となろう。一部には1000円から2000円程度の下げになるなど、驚くような予測を出す向きもあるが、そのような短期的な見通しが当たったところであまり意味はない。投資や運用は目先の市場動向を言い当てるものではない。そのため、万が一大幅に下げたとしても、一時的な動きであることを理解しておけば、パニック売りを行う必要もないだろう。

【日経平均先物のトレード戦略】
ロングを継続。ドル円が110円前後で推移しており、大崩れはない。ただし、FOMCを控えていることもあり、上値を買う動きは限定的であろう。もっとも、今回のFOMCが株売りの材料になるとは全く考えていない。フライングして買ってもよいくらいと考えている。とはいえ、2万円を固めるには時間が必要であろう。騰落レシオの25日平均が低下しており、さらにファンダメンタルズ面の割安感もあり、買いやすくい状況になっている点は心強い。チャート面では19900円から19800円がサポートであり、これを維持したと確認できる動きにあり、あとは明確に2万円を超え、15年6月高値の20900円水準を超えて21000円に到達することである。日経平均採用銘柄のEPSからみれば、まだ相当割安である。年末時点での23000円到達の可能性も十分にある。とにかく、企業業績という株価形成において最も重要なファンダメンタルズ要因を重視することが肝要である。個別銘柄ベースでは、年初来高値・上場来高値などを付けている銘柄が多いため、過熱感も指摘されるが、割高に上昇した場合にはいったん手仕舞いし、割安に放置されている銘柄を探すようにしたい。割高な株価を勢いだけで買うと、高値掴みになる可能性があるため注意が必要である。むしろ割安な株式を買っておけば、多少の下げにも耐えられる。地合いがよくなっているいまだからこそ、強い動きにある割高株ではなく、割安株に慎重に投資するスタンスを変えずに臨みたい。

【日経平均株価:2017年の想定レンジ】
強気シナリオ18335円~23400円(17年末23020円)/弱気シナリオ14970円~19915円(17年末15620円)

【日経平均株価:6月の想定レンジ】
強気シナリオ20085円~21750円/弱気シナリオ17690円~19245円

【TOPIX:2017年の想定レンジ】
強気シナリオ1473~1860(17年末1833)/弱気シナリオ1215~1574(17年末1270)

【TOPIX:6月の想定レンジ】
強気シナリオ1626~1750/弱気シナリオ1407~1524

〔CURRENCY MARKET〕
ドル円は小動き。FOMC声明などを翌日に控える中、様子見ムードが広がり、110円台前半での動きに終始した。5月の米卸売物価指数(PPI)は前月比横ばいと なり、市場予想と一致したが、エネルギーと食料品を除いたコア指数が0.3%上昇と、市場予想の0.2%上昇を上回ったことから一時的にドルが買われる場面があった。しかし、その後はFOMC声明の発表やイエレンFRB議長の記者会見待ちとなり、積極的な取引は手控えられた。今回のFOMCでは利上げがほぼ確実視されているが、市場参加者はFOMC声明やFRB関係者による金利見通し、イエレン議長の会見から利上げペースに関する手掛かりを得ようとしている。さらに、量的緩和策で積み上がった保有資産の縮小に関して、FRBが具体策を示すかにも注目が集まっている。一方、ユーロドル1.12ドル台を維持している。

英国の5月のCPIは、EU離脱決定に伴う通貨ポンド安を背景に前年同月比2.9%上昇となった。4月に記録した2.7%上昇から一段と加速し、13年6月以来の高水準となった。英国の17年1~3月期の実質GDPが低調な家計消費を背景に前期比0.2%増に大幅減速している。景気はEU離脱決定後も底堅く推移してきたが、物価高や総選挙後の景況感の悪化を受けて今後は厳しい状況が想定されている。イングランド銀行(中央銀行、BOE)は5月の物価報告で、17年4~6月期の物価上昇率を年率2.65%と予想している。同年10~12月期に2.82%に達した後は低下に向かうとの見通しを示したが、実際の物価上昇は予測を上回っている。BOEの次の政策も利上げ・資産購入の減額が想定されるが、米国に足並みをそろえるにはまだ準備が整っていないように感じられる。

【通貨トレード戦略】
ドル円はロングを維持。徐々に下値が切り上がっているものの、明確ではない。上昇余地はあるが、FOMCを前に動きづらくなっている。不安であれば、いったんポジションを解消してもよいだろう。現状では、FOMCでの想定される決定事項や今後の利上げ見通し、資産圧縮の動きを考慮すれば、今後は円高になりやすいと考えられる。そのため、一時的に108.80円のサポートを試す可能性もあるだろう。もっとも、下値を売るだけの材料にも乏しいのが現状である。そのため、まずはFOMCの結果を確認し、そのうえで上値があるのかを確認するのが賢明であろう。上昇した場合でも、上値は110.75円、さらに111円かなり近いところに位置している。最終的には108.80円と113円のレンジを抜けた方に動くと考えることになる。
ユーロ円は見送り。123.35円という重要な水準に絡みつくように推移しており、いかにも方向感がない。水準も中立であり、上昇・下落の両方に余地がある。したがって、FOMC後の動きを確認するのがもっとも賢明な判断である。上に行けば124.20円、下に行けば121.45円がターゲットになる。123.35円から放れた方にポジションを持つ準備をしておきたい。
ユーロドルはロングを継続。ユーロ円と同様に1.12ドルに絡んだ動きであり、方向感はない。不安であれば、FOMC後の動きを確認したうえでポジションを持つのも一考であろう。下に向かえば最大で1.0950円までの下げが想定されるが、現状ではその可能性が相当低いと考えている。むしろ、1.12ドルを明確に上放れ、直近高値である1.1285ドルを超える動きになるのではないかと考えている。
ポンド円は見送り。昨日も139円まで下げて止まり、反発している。これを割り込むと、基調は完全に下向きに変わるが、今のところは支えられている。140.60円を超えると、反発基調に入るため、FOMC後にそのような動きになるかを確認したい。超えた場合でも142.70円を超えるのはかなり難しそうである。ロングは少なくとも141円超えを確認してからにしたい。
ポンドドルは見送り。同様に1.2625ドルをサポートして戻しており、上昇の可能性が出始めている。ただし、FOMC後の動きを確認するのが賢明であろう。そのうえで、1.2750ドルを超えると、上昇しやすくなる。その場合でも、1.2880ドル、さらに1.2970ドルにレジスタンスがあり、戻してもここまでであろう。
豪ドル円は見送り。ただし、83.20円が重いため、下げやすくなっているように見える。下落余地も大きく、下落リスクが高まっていると考えておきたい。82.85円を割り込めば、売りやすくなる。ただし、81.70円がサポートであり、下げてもここではいったん手仕舞いとなろう。
豪ドル/米ドルはショートを維持。方針は維持する。0.7525ドルを割り込むと、下げが加速するだろう。下落余地も大きい。ただし、0.7550ドルを超えた場合には、機械的に買戻し、ロングを検討することになる。
南アランド/円は新規でロング。FOMCの結果を見てからでも遅くないが、上向いているのでまずはロングで様子を見たい。8.70円を超えるかを確認したい。逆に8.50円を割り込むと急落するので要注意である。

【ドル円:2017年の想定レンジ】
強気シナリオ115.25円~129.85円(17年末128.35円)/弱気シナリオ103.60円~118.75円(17年末104.70円)

【ドル円:6月の想定レンジ】
強気シナリオ118.90円~124.35円/弱気シナリオ110.50円~115.45円

【ユーロ円:2017年の想定レンジ】
強気シナリオ119.80円~134.85円(17年末133.70円)/弱気シナリオ107.95円~124.75円(17年末109.65円)

【ユーロ円:6月の想定レンジ】
強気シナリオ120.95円~126.50円/弱気シナリオ114.05円~119.30円

【ユーロドル:2017年の想定レンジ】
強気シナリオ1.0270ドル~1.1700ドル(17年末1.1550ドル)/弱気シナリオ0.9480ドル~1.0695ドル(17年末0.9730ドル)

【ユーロドル:6月の想定レンジ】
強気シナリオ1.0570ドル~1.1010ドル/弱気シナリオ0.9760ドル~1.0180ドル

【ポンド円:2017年の想定レンジ】
強気シナリオ140.50円~156.25円(17年末154.20円)/弱気シナリオ125.65円~146.85円(17年末127.05円)

【ポンド円:6月の想定レンジ】
強気シナリオ141.75円~148.95円/弱気シナリオ137.25円~143.55円

【ポンドドル:2017年の想定レンジ】
強気シナリオ1.2080~1.3710ドル(17年末1.3535ドル)/弱気シナリオ1.1230ドル~1.2510ドル(17年末1.1435ドル)

【ポンドドル:6月の想定レンジ】
強気シナリオ1.2495~1.3000ドル/弱気シナリオ1.1550~1.2145ドル

【豪ドル円:2017年の想定レンジ】
強気シナリオ83.20円~96.10円(17年末94.80円)/弱気シナリオ74.45円~87.00円(17年末77.70円)

【豪ドル円:6月の想定レンジ】
強気シナリオ87.75円~93.10円/弱気シナリオ79.75円~84.85円

【豪ドル/米ドル:2017年の想定レンジ】
強気シナリオ0.7070~0.8200ドル(17年末0.8080ドル)/弱気シナリオ0.6480~0.7355ドル(17年末0.6625ドル)

【豪ドル/米ドル:6月の想定レンジ】
強気シナリオ0.7465~0.7815ドル/弱気シナリオ0.6820~0.7135ドル

〔COMMODITY MARKET〕「金は小動き、原油は反発」
【貴金属市場の市況解説・分析】
金相場は小幅上昇した。ただし、FOMC待ちであり、動きづらい展開だったといえる。FRBは13・14日のFOMCで利上げを決定する見通しだが、これはすでに市場に完全に織り込まれている。問題は、今後の利上げペースとFRBが保有する4.5兆ドルの資産の圧縮がどのように進められるのかに向かっている。また、米国経済とインフレ率に関するFRBの見方にも注目することになろう。13・14日開催のFOMCでの0.25%ポイントの利上げは完全に織り込まれており、それ自体にインパクトはない。市場の関心は、年末までの利上げペースやFRBのバランスシート縮小の方針に向かっている。米国経済は失業率が4.3%と16年ぶりの水準に下がり、労働市場は引き締まっている。前回5月の政策会合では、1~3月期の成長減速は「一時的」と判断しており、景気見通しは良好である。また、世界経済が回復していることも利上げに追い風といえる。FRBは現時点で年内あと2回の利上げを念頭に入れているが、インフレ率がFRBの目標とする2%に達していないことや、トランプ政権の政策が経済に及ぼす影響に不確実性があるため、利上げに関する明確な方針が示されない可能性がある。そのため、FOMC声明と同時発表される経済見通しでは、利上げペースの想定に変更があるかに注目が集まろう。また、金融危機を受けて導入された量的金融緩和で買い入れた米国債などの保有資産の圧縮に関して具体策を公表する可能性もある。これまでのFRB高官の発言から、年内の資産圧縮の可能性が高く、9月利上げが実施されたとしても、12月は利上げが見送られ、資産圧縮が開始される可能性が高いと考えられる。今現在、FRBの理事や地区連銀総裁は、前回5月のFOMC以降、利上げのペースは「年内あと2回」との見方を維持している。FRBが金融政策の正常化に向け、保有資産を徐々に減らす政策は年内開始でほぼ一致しており、具体的な手法は予見可能な形で少しずつ、「自動操縦」で取り組む認識を共有している。その具体策が示されれば、市場に安心感が広がり、ドルの上値が重くなることで金利上昇が抑制され、金市場にもポジティブに作用することになろう。

【貴金属のトレード戦略】
金、銀、プラチナ、パラジウムはロングを継続。金相場はFOMC後に新たな動きが出るだろうが、基本的に売る必要はないとの考えは変わらない。1260ドルでサポートされており、下げても1245ドル程度であろう。米国の政治不安や米利上げペースの鈍化は金相場の基本的な下支え要因である。FOMC後に再び金市場に関心が集まる可能性が高いと考えている。繰り返しだが、トランプリスクは株式市場での重要な材料ではなくなっているが、政治リスクは少なくとも金には心理的な買い材料になっている。また、イランやカタール問題、さらに世界的なテロや北朝鮮情勢の不透明感もあり、長期的に金を保有しておきたいと考えている投資家は少なくないだろう。常にロングを維持し、押し目を拾うことが肝要である。リスク資産に対するヘッジの意味合いからも、手放してはいけない。年末までに1375ドルまで上昇するとの見方は変わらない。金を含む貴金属への長期的な投資方針が変わることは当面はない。当面というのは2020年ごろまでである。よほどのことがない限り、買い方針は当面維持する方針である。常に金を保有して危機に備えておくのが、金を保有する基本的な考え方である。保有コストを下げるためには上値を買わずに、下げたところを買いながら、上昇を待つのが賢明である。これは長期的な投資を行ううえで最も重要なポイントである。ちなみに、現在の米実質金利から見た金価格の適正水準は1500ドルを超えている。現在の金価格は相当割安であることも理解しておく必要がある。貴金属は長期的に上昇するとみており、保有しながら株式の購入あるいは株価の上昇に併せて買い増すのが賢明である。原油とともに投資対象全体の中心に据え、押し目は確実に拾うようにしたい。

【金価格:2017年の想定レンジ】
強気シナリオ1117.65ドル~1373.40ドル(17年末1329.50ドル)/弱気シナリオ1036.65ドル~1187.20ドル(17年末1059.00ドル)

【金価格:6月の想定レンジ】
強気シナリオ1187ドル~1274ドル/弱気シナリオ1055ドル~1125ドル

【非鉄市場の市況解説・分析】
非鉄相場は軟調な推移。FOMCの結果発表を14日に控え、ポジション調整的な売りが入った。利上げ後にドル高が進行すればドル建てで取引される非鉄は割高感から売られる可能性があり、これを嫌気した売りと考えられる。しかし、FOMC後はドル安になる可能性が高いことから、買い戻されるだろう。一方で、中国では鉱工業生産などの重要経済指標の発表もあり、これにも注目が集まろう。アルミは1875ドルでサポートされており、崩れていない。銅も下げたが、5680ドルさサポートされており、同様に崩れてはいない。ニッケルは一時直近安値を割り込んだが、引けでは8800ドルを回復して反発している。亜鉛も2440ドルを維持しており、鉛も辛うじて2035ドルのサポートを維持した。まだ全体的に崩れておらず、ここで下げ止まって反発できれば、上昇余地が大きいだけに、戻りも大きくなろう。そのきっかけがFOMCになるかに注目しておきたい。

【非鉄のトレード戦略】
アルミ、銅、ニッケル・亜鉛、鉛はロングを継続。目先の踏ん張りどころではあるが、基本は長期的な目線であり、方針は変わらない。現在の非鉄相場が2~3年後に今より安い水準で推移していることは想定しづらい。長期的に見れば、需給は着実・確実に改善され、これが価格上昇につながるはずである。中国での過剰設備や供給増などが嫌気されるとの見方もあるが、これはいずれ解消されると考えている。いずれにしても、長期的に見てくことが肝要であり、現状はしっかりと買いたい水準である。長期トレンドも依然として崩れていない。安値を売る意味はないというのは、株式投資の考え方と同じである。繰り返すように、重要なのは長期的な視点であり、大きく下げたときに押し目買いを入れるのが鉄則である。下げたときにしっかりと買い、保有コストを下げながら保有し続けることが肝要である。非鉄銘柄は長期的には2020年までの有望銘柄と考えている。基本は押し目買いである。銅は年末にかけて7700ドルを目指す動きになると考えている。ただし、値動きが大きいため、リスク管理をしっかりと行うようにしたい。非鉄銘柄は長期的な上昇基調が続いている。需給改善を背景に、いずれ大相場が到来する。少額でもよいので銅を中心に非鉄銘柄をぜひポートフォリオの中に入れることを検討したい。非鉄相場はいずれ大相場を迎えるとの見方に変わりない。

【銅価格:2017年の想定レンジ】
強気シナリオ5266ドル~7704ドル(17年末7522ドル)/弱気シナリオ4520ドル~5812ドル(17年末4672ドル)

【銅価格:6月の想定レンジ】
強気シナリオ5950ドル~6635ドル/弱気シナリオ4975ドル~5445ドル

【エネルギー市場の市況解説・分析】
原油は3日続伸。OPECが5月の加盟国の産油量を発表し、減産合意で導入した生産上限を5カ月連続で順守したとしたが、産油量が前月比1.1%増加したことが嫌気されて、WTI原油は一時45.56ドルまで下落する場面があった。しかし、その後は買い戻され、プラス圏に浮上した。市場で最新週の米国内の原油在庫が前週比270万バレルの減少になると予想されていることが支援材料だった。また、サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコが7月のアジア向け原油供給を一部制限し、米国向け割当量もさらに減らす見通しとの報道も下支えした。ただし、引け後に米石油協会(API)が公表した9日までの週の原油在庫は前週比280万バレル増となり、時間外取引では下げている。一方、原油受け渡し拠点のオクラホマ州クッシングの在庫は83万3000バレル減少だった。またガソリン在庫は180万バレル増、ディスティレート在庫は150万バレル減だった。原油輸入量は日量78万8000バレル増の860万バレルだった。OPEC加盟国の5月の産油量は前月比33万6000バレル(1.1%)増の日量3213万9000バレルだった。減産合意で導入した生産上限の3250万バレルを5カ月連続で順守した。ただし、治安情勢などに配慮して減産免除となったリビアとナイジェリアがそれぞれ約17万バレル増産した。サウジアラビアやイラン、イラク、カタールなども増産となり、アラブ首長国連邦(UAE)、アンゴラ、ベネズエラ、ガボンは減産が拡大した。生産枠を履行したのは、アンゴラ、イラン、クウェート、カタール、サウジ、ベネズエラ。アルジェリア、エクアドル、ガボン、イラク、UAEは生産枠を超過した。OPECは「原油需給の不均衡是正はより緩慢なペースで進んでいる」との認識を示している。また、OPEC非加盟国の今年の産油量の伸びについて、従来予想の日量95万バレルから同84万バレルに下方修正した。一方、BPが発表した世界のエネルギーに関する報告書によると、16年の世界石油需要は1%増加し、3年連続してわずかな伸びにとどまった。過去10年間の年平均は1.8%増。中国の需要が約20年ぶりの低い伸びだったことや、再生可能エネルギー市場が活況となっていることが背景にあるという。16年の石油消費は原油安で1.6%増加した。ただし、生産は0.5%増の日量40万バレルで、09年以来の低い伸びとなった。エネルギー関連企業がコストを削減していることが背景にあるとみられている。BPは「石油在庫は今年後半にはかなり減り始める」と分析している。

【エネルギーのトレード戦略】
WTI原油・ブレント原油はロングを継続。45ドル台では買戻しが入っている。下値リスクは限定的であろう。現状の水準はまさにバーゲンセールである。これまでの経験則から考えても、現状はあまりに安すぎる。まして、いまは米国のガソリン需要期である。この時期に下げるようなことはまずない。ファンダメンタルズが無視される状況は続かないだろう。現状のOPEC加盟・非加盟国の減産を続けるだけでも、一定の需給バランスの改善効果がある。市場がこれを理解していないことが、50ドル以下での推移の理由である。OPEC加盟・非加盟国が減産を継続すれば、米国のシェールオイルの増産を十分に吸収できる。この程度の計算もできないのが、いまの原油市場の参加者ということになる。また米国ではガソリン需要期に入っている。原油相場の本格的な上昇はこれからである。50ドル割れではほとんどの石油生産会社は生産継続ができない。このことを考慮すれば、下値余地がないことは明白である。この押し目を利用して、再度ポジションを固めておくのが得策であろう。年間を通して原油相場が弱かった年も、5月以降は最低でも横ばいから上昇するのが通例である。したがって、秋口までの相場展開を想定する場合には、現状より少なくとも上の水準にあると考えるのが妥当である。中期的には需給面の改善が見えており、原油相場の上昇はきわめて確度が高い。現時点では現行水準以下での押し目買いが有効との考えは変わらない。需給バランスの改善を背景に年末に向けて75ドルを試すとの見方も不変である。原油も長期的な視点でポートフォリオに入れておくべき対象である。

【WTI原油価格:2017年の想定レンジ】
強気シナリオ50ドル~74ドル(17年末70ドル)/弱気シナリオ35ドル~58ドル(17年末38ドル)

【WTI原油価格:6月の想定レンジ】
強気シナリオ58.60ドル~66.95ドル/弱気シナリオ49.45ドル~56.30ドル

◇グローバルマクロ戦略について

本メルマガでご紹介する投資戦略は、ヘッジファンド業界では「グローバルマクロ戦略」のカテゴリーに属します。
これは、世界のヘッジファンドのもっとも得意とする手法で、いわゆるヘッジファンド運用の「王道」です。
この戦略では、あらゆる市場に目を配り、投資機会を探しながら収益の獲得を狙います。
市場価格の上昇・下落に関係なく、価格の変動が見込まれれば、それにベットする(賭ける)戦略です。
ボラティリティが高いほど収益が見込まれますので、投資機会があれば果敢に攻めます。

世界情勢が不透明な中、為替や株式、金利、コモディティなど主要市場の価格変動は一段と大きくなっています。
そのため、それぞれの市場の予測がきわめて困難になっています。

このような市場環境では、マクロ的な見地からより幅広い市場で運用を行う「グローバルマクロ戦略」が有利です。
もちろん、個々の市場でも十分に戦えるように、具体的な取引タイミングも示していく所存です。

「ヘッジファンド戦略の王道」である「グローバルマクロ戦略」で、共に市場で戦いましょう。

◆お知らせ
日経225オプションのトレード戦略に関するメルマガを配信しております。
「江守哲の225オプション リアルトレーディング」です。
 ご興味のある方は、ぜひご購読ください。
http://fx-on.com/email/detail/?id=8592


*セミナー予定

6月17日(土)第一商品さまセミナー(渋谷)
http://www.dai-ichi.co.jp/seminar/detail.asp?id=3486

6月24日(土)岡地さまセミナー(大阪)
http://www.okachi.jp/seminar/detail20170610n.php

7月5日(水)岡藤商事さまセミナー(大阪)
http://www.nihon-fs.co.jp/seminar/seminars/20170705_osaka

7月6日(木)ひまわり証券さまセミナー(WEB)

7月7日(金)マネックス証券さま・雇用統計セミナー(WEB)
https://info.monex.co.jp/news/2017/20170502_01.html

7月8日(土)FX攻略.com・マネックス証券さまセミナー(東京)

7月10日(月)岡三オンライン証券さまセミナー(東京)

7月22日(土)マネックス証券さまセミナー(名古屋)

(上記以外にも、個別セミナーも実施しております。ご興味がある方はお問い合わせください。)


*テレビ出演予定

6月22日(木)13:30~13:45ストックボイスTV「東京マーケットワイド」(東京MXTV)
http://www.stockvoice.jp/

*ラジオ出演予定
6月15日(木)15:10~16:00 ラジオNIKKEI「ザ・マネー~マーケットプレミア」(プレミア証券さま提供)
http://market.radionikkei.jp/premiere/

6月23日(金)16:00~16:20 ラジオNIKKEI「GO!GO! ジャングル・マーケット」(ゴゴジャンさま提供)
http://market.radionikkei.jp/gogo/

6月23日(金)21:30~22:30 ラジオNIKKEI「夜トレ!」(FXプライムbyGMOさま提供)
http://market.radionikkei.jp/yorutore/

6月29日(木)15:10~16:00 ラジオNIKKEI「ザ・マネー~マーケットプレミア」(プレミア証券さま提供)
http://market.radionikkei.jp/premiere/


*定期寄稿スケジュール

「東洋経済オンライン」(隔週木曜日)
 http://toyokeizai.net/

「マネックスメール」(第1・第3・第5金曜日)
 http://lounge.monex.co.jp/pro/special1/

「マネックス証券 為替展望レポート」(毎月)

「マネックス証券 マネックスゴールドレポート」(毎週月曜日)
サンプル4
【6月13日のトレード戦略】FOMCまでは動きづらい
配信日:2017年06月13日 08時34分
おはようございます。
本日もよろしくお願いいたします。


岡三オンライン証券さまでWEBセミナーに出演しています。
http://www.okasan-online.co.jp/seminar/webseminar

~世界経済と市場を取り巻く構図~
http://www.jikiden.co.jp/jms/01713kLYnXE4MSTQfa2/
~トランプ政権の政策と金融政策・米国株見通し~
http://www.jikiden.co.jp/jms/01712AyhfwaKWSTnCAk/
~米国株の特徴と傾向~
http://www.jikiden.co.jp/jms/0171MvA1zUybwSTarAg/

8月18日(金)まで視聴可能です。ぜひご視聴ください。


このたび、「為替市場のファンダメンタルズ分析 基礎編」を作成しました。
これまでメルマガでお話ししてきた為替相場の考え方を解説しています。

下記のURLで申し込みができます。
http://fx-on.com/douga/detail/?Id=53

ぜひご覧ください。


〔EQUITY MARKET〕
【米国株・欧米債券市場の市況解説・分析】
米国株は下落。引き続きハイテク株が下落したことが圧迫要因となり、ダウ平均が下落。ナスダック総合指数は続落した。主要経済指標の発表がない中、好決算を手掛かりに大幅上昇してきたハイテク株への売りがこの日も継続し、アップルなどのハイテク株の下落が買うか全体を圧迫する格好となった。一方で原油価格が上昇したことを好感してエネルギー株が買われたことから、下げ幅は限定的だった。また、13・14日にFOMCを控える中、様子見ムードが広がった。FOMCでの追加利上げ決定は織り込み済みだが、FOMC声明とともに発表されるFRB関係者の金利見通しが、前回3月発表から修正させるかが最大の焦点である。また、FRBが保有する資産圧縮の方針について示されるかも需要なポイントである。一方、ロシアが昨年の米大統領選に介入したとされる疑惑に絡み、セッションズ司法長官が13日に上院公聴会で証言する。セッションズ氏は、大統領選中の駐米ロシア大使との接触を、指名公聴会で明かさなかったことが問題視されている。ただし、コミー前米連邦捜査局(FBI)長官が8日に行った証言は、新たな内容がなかったことから市場の反応は薄かった。このため、セッションズ氏の証言がトランプ大統領の弾劾につながるような内容でなければ、市場への影響はないと考えられる。一方で、疑惑に関する調査が長期化し、税制改革などの政策実行に遅れが生じることが市場には懸念材料とする見方もある。しかし、実質的にはあまり影響はないはずであり、市場の懸念は過剰であろう。

ムニューシン財務長官は議会の公聴会で、連邦債務の上限について「現行の水準で少なくとも9月初めまでは政府の支出を賄うことが可能」とした上で、議会に早期に上限を引き上げるよう促した。そのうえで、「持続的な経済成長の創出が財務省の最優先課題」とし、税制改革・規制緩和・貿易政策を通じて成長を実現させるトランプ政権の方針を改めて説明した。さらに「昨今の低迷した成長とGDP成長率を3%超に回帰させることの違いは、数兆ドルの経済効果をもたらすことだ」と主張した。

5月の財政収支は884億2600万ドルの赤字だった。高齢者医療(メディケア)など社会福祉関連の歳出が増加し、赤字幅は前年同月比66.0%拡大した。歳入は6.6%増の2404億1800万ドル。歳出は18.8%増の3288億4400万ドルと、歳入の伸びを大きく上回った。17会計年度(16年10月から17年9月)のうち、5月までの8カ月の財政赤字は前年同期比6.8%増の4328億5300万ドルとなった。

米国債は下落し、利回りは小幅上昇。10年債入札が低調だったことなどが売り材料となった。10年債利回りは2BP上昇の2.22%、30年債利回りは1BP上昇の2.87%、2年債利回りは3BP上昇の1.36%だった。FOMCの行方を見極めたいとの思惑から動きづらい展開だったといえる。ユーロ圏債券市場では国債利回りが数カ月ぶりの水準に低下。フランス国民議会選の第1回投票でマクロン大統領率いる新党が圧勝する見通しであることや、イタリアの地方選で反体制派政党「五つ星運動」が大敗を喫したとみられており、これらの材料を背景に安心感が広がった。11日に実施されたフランス国民議会(下院)選の第1回投票では、マクロン大統領が率いる新党「共和国前進」(LREM)系が主要政党を抑えて過半数を制して圧勝したと報じられている。またイタリアで行われた1000以上の市町村で首長を選ぶ地方選では「五つ星運動」は、主要都市のほとんどで決選投票に進むことができず大敗を喫したとみられている。このように、ユーロ圏では政治に対する信頼感が増している。政治リスクが後退しつつある一方で経済指標は堅調さを維持している。また、ECBが緩和策を維持しており、債券市場は非常に心地よい状況にあるといえる。イタリア10年債利回りは9BP低下し、1月下旬以来、初めて2%を下回った。またフランス10年債利回りも5BP低下し、0.60%を下回り、7カ月ぶり低水準を更新した。この結果、独仏利回り差は35BPと、前週末の39BPからさらに縮小した。

【米国株のトレード戦略】
ダウ平均、S&P500、ナスダック指数はロングを継続。市場の関心はFOMCに向かっているが、結果を見るまでは動きづらいだろう。ただし、現在のイエレン体制の下では、大きな政策変更が突然決定されることはなく、市場への影響は限定的と考えている。FRBは6月で利上げをいったん打ち止め、年内の資産圧縮開始を進めるとの判断に傾くと考えている。場合によっては9月利上げの可能性もあるが、そこまでであろう。12月には資産圧縮を開始するとのメッセージが含まれれば、利上げは棚上げされる公算が大きく、これがドルの上値を抑え、結果的に米国株を押し上げる要因となろう。一方で原油価格の低迷もあり、インフレが高まらない中ではFRBは積極的な利上げはしづらい。その結果、金利も上昇しづらい状況が続くことになり、これも米国株を支えるだろう。ダウ平均は6月の強気シナリオのレンジ下限は20865ドルをサポートしていれば、上昇基調は継続と判断することになる。一方、市場ではナスダック指数が急落したことを懸念する声が上がっているが、これはこれまで堅調に推移してきた反動であり、一時的な利益確定であろう。事実、重要なテクニカルポイントを維持し、安値から引けにかけて大きく値を戻しており、上昇トレンドは維持されている。1986年以降、ナスダック100が年初から6月初めまでで20%以上、上昇したケースは9回あるが、6月初め以降年末までの上昇率は平均で13.95%となっている。ちなみに、20%上昇とならなかった年も含めた全体の平均でも7.13%の上昇であり、これから年末までは上昇しやすい傾向があることがわかる。さらに言えば、1986年以降の20%超の上昇で、年末までに下落したのは86年と87年だけであり、残りの7回はすべてプラスとなっている。つまり、年初から6月初めまでに強い上昇基調となっていた年は、年末まで堅調に推移しやすいということである。近年の傾向からすれば、今後ナスダック指数が年末までマイナスになるとすれば、これはむしろ相当の驚きの結果となる。このような過去データを知っておけば、目先の材料に振り回されることもないだろう。

重要なことは、過去のデータと現在の市場状況を見ながら、「長期的視点に基づいた再現性のある投資戦略」を構築することである。目先の材料で判断しているうちは、良い結果は得られない。ただし、6月は上昇30回、下落36回となっており、パフォーマンスもマイナス0.3%と2番目に悪い水準となっている。そのため、一定の警戒は必要だが、過度な懸念は必要ないと考えている。繰り返しだが、米国株は上昇し始めると17年間はそのトレンドが続く傾向がある。今回の上昇トレンド入りは2012年であり、ここから17年間上昇するとすれば、2029年まで続くことになる。目先の上下に振り回される必要は全くない。ダウ平均の年率騰落率は平均で8.75%であり、このペースで上昇すれば、2029年には58800ドルになる計算である。現在の2.8倍である。この考え方が米国株への投資では重要である。米国株は2029年までの超長期上昇トレンドの第2ステージに入ったとの認識であり、これが2019年半ばごろまで続くと考えている。米国株投資で10年以上保有できれば、最低でも2倍のリターンは確保できるのが、過去の実績である。株式運用では米国を中心に行うのが賢明である。米国株を長期的に見ながら押し目を拾っていくのが株式投資の王道である。

【ダウ平均株価:2017年の想定レンジ】
強気シナリオ19310ドル~23185ドル(17年末22870ドル)/弱気シナリオ16050ドル~20195ドル(17年末17850ドル)

【ダウ平均株価:6月の想定レンジ】
強気シナリオ20865ドル~22015ドル/弱気シナリオ18650ドル~19905ドル

【S&P500:2017年の想定レンジ】
強気シナリオ2182~2660(17年末2627)/弱気シナリオ1823~2302ドル(17年末1987)

【S&P500:6月の想定レンジ】
強気シナリオ2362ドル~2494ドル/弱気シナリオ2113ドル~2257ドル

【ナスダック指数:2017年の想定レンジ】
強気シナリオ5228~6858(17年末6762)/弱気シナリオ3911~5748(17年末4301)

【ナスダック指数:6月の想定レンジ】
強気シナリオ5602~6098/弱気シナリオ4876~5379

【米国債トレード戦略】
10年債はショートを継続。金利の低下余地は乏しい。いまは上昇しているが、これも米国株のヘッジである。金利の急騰は念頭にないが、それでも低下リスクはほとんどないといってよいだろう。

【日本株の市況解説・分析】
日本株は日経平均が反落した。前週末のナスダック総合が急落したことからハイテク関連株に売りが波及した。先物主導で下げ幅を拡大し、一時170円超まで売られる場面もあったが、その後は主力輸出株や内需関連株への押し目買いも入り、下げ渋った。また、日銀によるETF購入への期待感も株価を下支えした。米国株が過去最高値圏で推移しており、過熱感が強いとの見方から、米国株安に日本株が巻き込まれるとの見方もある。しかし、日本株は米国株以上に割安であり、投資家が投げ売りを行えば、それは絶好の買い場になろう。13・14日のFOMCが終わるまでは、利益確定売りが出やすいが、これも将来の上昇の材料になるだろう。騰落レシオは25日平均が96%にまで低下し、100%の大台を割り込んできた。また、短期指標の6日平均も72%と徐々に割安圏に入ってきた。日本株のテクニカル調整は順調に進んでいる。一方でファンダメンタルズ面の割安感は顕著なままであり、テクニカル調整完了後は買いやすくなる。外国人投資家は上昇基調で積極的に買う順張り投資家だが、日本の個人投資家は逆張り思考であり、いまのような相場ではついていけないだろう。

日銀は15・16日に金融政策決定会合を開催するが、短期金利をマイナス0.1%、長期金利を0%に誘導する現行の緩和策を維持する見通し。携帯電話料金の値引きの影響などで、消費者物価の上昇ペースは鈍いため、会合では2%の物価上昇目標の達成に向けた道筋を点検することになる。日銀は4月の展望リポートで、2%の物価上昇目標の達成時期を「18年度ごろ」とする従来の見方を維持した。ただし、4月の生鮮食品を除く消費者物価はプラス基調を維持したものの、前年同月比0.3%の上昇にとどまっており、インフレ上昇には程遠い状況にある。また、好調な輸出や生産を踏まえ、景気判断も議論する見通し。4月会合では、9年ぶりに「拡大局面にある」とし、判断を上方修正した。 一方、史上では、国債の大量購入に伴う日銀の財務悪化などへの懸念から、大規模緩和からの「出口戦略」の説明を求める声が上がっている。会合後の黒田総裁の記者会見では、出口に関して質問が集中することになりそうである。

4月の機械受注統計では、民間設備投資の先行指標となる「船舶・電力を除く民需」の受注額は前月比3.1%減の8359億円と、
3カ月ぶりに縮小。非製造業が不振だった。基調判断は「持ち直しの動きに足踏みが見られる」に据え置いた。民需のうち、非製造業は5.0%減と、2カ月連続のマイナス。製造業は2.5%増と、3カ月連続で拡大。スマートフォン関連の需要の強さを背景に、電気機械や汎用・生産用機械などの業種からの受注が増えた。一方、5月の企業物価指数は前年同月比2.1%上昇。プラスは5カ月連続。原油や鉄鉱石価格の上昇が寄与した。日銀は「物価上昇の裾野が広がりつつある」としているが、その後の原油・鉄鉱石価格は下落しており、再び低下するリスクがある。その結果、将来のインフレ見通しに影響が出ることになろう。

【日経平均先物のトレード戦略】
ロングを継続。ドル円が110円前後で推移しており、大崩れはないだろう。ただし、FOMCを控えていることもあり、今日・明日と上値の重い日が続くことになろう。2万円を固めるには時間が必要だが、騰落レシオの25日平均が低下しており、さらにファンダメンタルズ面の割安感もあり、下値を売るリスクも大きい。いまはテクニカル的な過熱感が株価の上値を抑えているだけであり、本来のバリューからはまだ相当安い状況は変わっていない。チャート面では19900円から19800円がサポートであり、これを維持できていれば何も問題ない。そもそも、日経平均採用銘柄のEPSからみれば、まだ相当割安である。企業業績という株価形成において最も重要なファンダメンタルズ要因を重視することが肝要である。いずれ15年6月高値の20900円水準を目指す動きになるだろう。これを上抜けると、全く違う相場になる。まずは6月の強気シナリオのレンジ下限である20085円を固めることが先決である。そのような動きになれば、年末時点での23000円到達の可能性も高まろう。個別銘柄ベースでは、年初来高値・上場来高値などを付けている銘柄が多いため、過熱感も指摘されるが、割高に上昇した場合にはいったん手仕舞いし、割安に放置されている銘柄を探すようにしたい。割高な株価を勢いだけで買うと、高値掴みになる可能性があるため注意が必要である。むしろ割安な株式を買っておけば、多少の下げにも耐えられる。地合いがよくなっているいまだからこそ、強い動きにある割高株ではなく、割安株に慎重に投資するスタンスを変えずに臨みたい。

【日経平均株価:2017年の想定レンジ】
強気シナリオ18335円~23400円(17年末23020円)/弱気シナリオ14970円~19915円(17年末15620円)

【日経平均株価:6月の想定レンジ】
強気シナリオ20085円~21750円/弱気シナリオ17690円~19245円

【TOPIX:2017年の想定レンジ】
強気シナリオ1473~1860(17年末1833)/弱気シナリオ1215~1574(17年末1270)

【TOPIX:6月の想定レンジ】
強気シナリオ1626~1750/弱気シナリオ1407~1524

〔CURRENCY MARKET〕
ドル円は下落。特段の材料がない中、米国株の下落などを背景に売りが出て、109円台後半に下げている。前週末はコミー前FBIの議会証言や英総選挙をこなした安心感から、投資家のリスク選好意欲が回復し、円売り・ドル買いが優勢となっていた。しかし、この日はその反動からポジション調整の円買い・ドル売りが先行した。また、重要な米経済指標の発表がなく、手掛かり材料に欠ける中、米国株が下落したことに着目した売りが出た。米長期金利が上昇に転じるとドルは買い戻されたが、13・14日開催のFOMCを控えて様子見姿勢も強く、値動きは限定的だった。市場における利上げ確率は96%で、利上げは確実視されている。一方で、会合終了後に発表されるFOMC声明やFRB関係者による金利見通し、さらにイエレン議長による記者会見から利上げペースなどに関する手掛かりを模索することになるだろう。ユーロドルは1.12ドルを維持。ポンドドルは続落し、1.2650ドル前後での推移となっている。先週の英総選挙で与党・保守党が過半数を割り込み、政治の先行き不透明感が広がったことがポンドの上値を抑えている。FRBの利上げが予想される一方、ECBは先週開催した理事会で緩和政策を維持した。さらに今週会合を開くイングランド銀行(英中央銀行、BOE)と日銀も政策変更を見送り、米国と主要国の金利差が拡大するとみられており、これがドルを支えているといえる。ただし、ドル円については、これまで利上げ後に下落しており、織り込みが進むと下落基調が強まる可能性は否定できない。今後の利上げペースなどに注目することになろう。

英国のメイ首相は、移民規制重視の「ハード・ブレグジット(強硬な離脱)」を掲げて英総選挙に臨んだが、敗北を喫したことから、今後は経済優先の「ソフト・ブレグジット(穏健な離脱)」に転換する可能性があると報じられている。ただし、強硬派は徹底抗戦の構えであり、「ハードか、ソフトか」をめぐる与党内の主導権争いは激しさを増しているもよう。与党・保守党は下院過半数を割り込んだが、第1党の座を維持したため、メイ首相は英領北アイルランドの保守系地域政党・民主統一党(DUP)の閣外協力を得て少数政権を樹立させる方針である。メイ首相は組閣に当たり、昨年6月の国民投票までEU残留派だったダミアン・グリーン前雇用・年金相を事実上の副首相ポストに起用し、EU残留派のハモンド財務相も留任が決まった。一方、国民投票で残留票が6割に達した北部スコットランド地方では、穏健離脱を主張する保守党議員が議席を大幅に増やし、与党の第1党維持に貢献した。またDUPも、メイ首相が選択肢として排除しないEUとの決裂に反対で、メイ首相が離脱方針の見直しを迫られる可能性があるという。ただし、メイ首相が安易に方針を転換すれば、保守党内の強硬派はメイ首相を後退させる方向に動くとみられている。メイ首相は総選挙の敗北で求心力を失っており、その場合には厳しい状況に追い込まれると考えられる。そのため、メイ首相はキャメロン政権で司法相を務めた強硬派のマイケル・ゴーブ氏を環境・食料・農村相として閣内に招請しており、ハード派とソフト派のバランスに腐心している。一方で強硬派のジョンソン外相は、首相続投への全面的な支援を表明。そのうえで、「法令や主権をめぐる主権の回復という目標からの逆戻りはあり得ない」とし、穏健路線に転換しないようメイ首相にくぎを刺している。一方で強硬派の中心的存在であるデービスEU離脱担当相は「我々はEU離脱で国境管理の権限を手にし、EU単一市場から脱退する」とし、強硬路線に変更はないと言明している。ただし、EUとの本格的な離脱交渉は、当初検討された19日ではなく、数日ずれ込むとの見通しを示している。一方、英経済団体「取締役協会(IOD)」によると、英総選挙で与党・保守党が過半数を割り込んだことを受けて、企業経営者の景況感が前月比34ポイントの大幅な悪化を記録したとしている。EU離脱など政治の先行き不透明感が増していることが背景にある。今後12カ月の英経済の見通しに関して「楽観的」との回答が34%から20%に低下し、「悲観的」が37%から57%に増えたとしている。

【通貨トレード戦略】
ドル円はロングを維持。上昇余地があるため、111円前後までの反発を見込む方針は維持する。ただし、上昇した場合でも、そのあたりで打たれる可能性が高いだろう。また、明日までFOMCがあることから、非常に動きづらい状況が続くことになろう。111円を超えても、111.70円前後にも重いレジスタンスが控えている。108.70円と113円のレンジを抜けると大相場になるが、それまではこのような狭いレンジでの取引に終始せざるを得ない。昨年は22年の値幅で動いたが、今年は10円にとどまっている。繰り返すように、今年はこのまま狭いレンジに終始するのか、それとも年後半に再び動き出すのか、上記のレンジを注視することになるだろう。
ユーロ円は見送り。基調は下落だが、下げ渋っていることから、次の動きが出るのを待つ方針を継続する。123円前後を維持できれば、反発する可能性が高まろう。一方でこれを割り込めば、121.50円までの下げになる可能性がある。いまは五分五分の可能性といえそうだが、そうであれば、無理にポジションを持つ必要もない。FOMCを待ってから動いても十分であろう。
ユーロドルはロングを継続。辛うじて1.12ドルを維持しており、反発出来れば再び上値を目指す動きになりやすい。逆に、これを明確に下放れると、かなり厳しい下げになる可能性もある。そのきっかけはFOMCになる可能性があり、不安であればいったんポジションを解消してもよいだろう。ただし、1.12ドルを割り込むと1.0950ドルまで下げるリスクがあるだけに、1.12ドルを割り込んだ場合には割り切ってショートにすべきであろう。
ポンド円は見送り。重要なサポートの139円まで下げてきた。これを割り込むと、基調は完全に変わるだろう。ここで下げ止まり、反転すれば、下値も限定的といえる。そのうえで141円を回復すると、買戻しから値を上げる可能性があり、ロングを検討しやすくなる。その場合には142.75円までの戻りになるだろう。実際には新規のロングはここまでの戻りを確認してからでも遅くないだろう。
ポンドドルは見送り。1.2620ドルのサポートを維持しており、ここを割り込まなければ反発の可能性が出てくる。一方で下げ余地があるため、反発には時間が必要であろう。最大で1.2570ドルまでの下落余地があるが、最大でここまでで下げ止まるだろう。上昇に転じるには最低でも1.2750ドルを回復する必要がある。さらに本格的な上昇には1.2975ドル超えが必要である。
豪ドル円は見送り。今度は一転して下落リスクが台頭しつつある。結果的に83.35円超えに失敗したことで下げやすくなっており、下落余地も大きくなっている。FOMC後にショートすることを検討することになろう。サポートは引き続き81.70円であり、下げた場合にはこれを維持できるかを確認することになる。
豪ドル/米ドルはショートを維持。0.7525ドルを割り込むと、下げが加速するだろう。下落余地も大きい。ただし、0.7550ドルを超えた場合には、機械的に買戻し、ロングを検討することになる。
南アランド/円は見送り。ロングを検討したい動きになりつつあるが、FOMCの結果を見てからでも遅くないだろう。上昇余地が生まれつつある。8.55円を維持したことを確認した上で、新規のロングを検討することとしたい。

【ドル円:2017年の想定レンジ】
強気シナリオ115.25円~129.85円(17年末128.35円)/弱気シナリオ103.60円~118.75円(17年末104.70円)

【ドル円:6月の想定レンジ】
強気シナリオ118.90円~124.35円/弱気シナリオ110.50円~115.45円

【ユーロ円:2017年の想定レンジ】
強気シナリオ119.80円~134.85円(17年末133.70円)/弱気シナリオ107.95円~124.75円(17年末109.65円)

【ユーロ円:6月の想定レンジ】
強気シナリオ120.95円~126.50円/弱気シナリオ114.05円~119.30円

【ユーロドル:2017年の想定レンジ】
強気シナリオ1.0270ドル~1.1700ドル(17年末1.1550ドル)/弱気シナリオ0.9480ドル~1.0695ドル(17年末0.9730ドル)

【ユーロドル:6月の想定レンジ】
強気シナリオ1.0570ドル~1.1010ドル/弱気シナリオ0.9760ドル~1.0180ドル

【ポンド円:2017年の想定レンジ】
強気シナリオ140.50円~156.25円(17年末154.20円)/弱気シナリオ125.65円~146.85円(17年末127.05円)

【ポンド円:6月の想定レンジ】
強気シナリオ141.75円~148.95円/弱気シナリオ137.25円~143.55円

【ポンドドル:2017年の想定レンジ】
強気シナリオ1.2080~1.3710ドル(17年末1.3535ドル)/弱気シナリオ1.1230ドル~1.2510ドル(17年末1.1435ドル)

【ポンドドル:6月の想定レンジ】
強気シナリオ1.2495~1.3000ドル/弱気シナリオ1.1550~1.2145ドル

【豪ドル円:2017年の想定レンジ】
強気シナリオ83.20円~96.10円(17年末94.80円)/弱気シナリオ74.45円~87.00円(17年末77.70円)

【豪ドル円:6月の想定レンジ】
強気シナリオ87.75円~93.10円/弱気シナリオ79.75円~84.85円

【豪ドル/米ドル:2017年の想定レンジ】
強気シナリオ0.7070~0.8200ドル(17年末0.8080ドル)/弱気シナリオ0.6480~0.7355ドル(17年末0.6625ドル)

【豪ドル/米ドル:6月の想定レンジ】
強気シナリオ0.7465~0.7815ドル/弱気シナリオ0.6820~0.7135ドル

〔COMMODITY MARKET〕「金は小動き、原油は反発」
【貴金属市場の市況解説・分析】
金相場は小動き。FOMCを13・14日に控える中、動きづらい展開だった。利上げはほぼ確実だが、年内の利上げ方針とFRBが保有する資産圧縮の方針に注目が集まっている。年内の資産圧縮が開始されるか、あるいは利上げが年内で打ち止めとなるかに注目することになる。その結果を受けて、方向性がかなり明確になると考えられる。ただし、基本的には大きく下落するとは考えにくい。ドルの上値は今後も限定的となる可能性が高く、これが金相場を支えるだろう。一方、ガソリン車の触媒に使われるパラジウムが一時910ドルまで上昇。01年以来、16年ぶりの高値を付けた。在庫が不足しているため、 逆ザヤが強まっている。市場では、米国と中国での自動車販売台数が減少していることから、パラジウム需要は弱まるとの見方がある。しかし、この銘柄は投機的な動きになった場合、手が付けられなくなる。今後の動きに注目したい。一方、銀は17ドルを割り込み、チャートの形状が崩れている。

【貴金属のトレード戦略】
金、銀、プラチナ、パラジウムはロングを継続。金相場はFOMC後に新たな動きが出るだろう。1265ドルを放れた方に動くことになるが、長期サポートを維持しており、トレンドは崩れていない。米国の政治不安や米利上げペースの鈍化は金相場の基本的な下支え要因である。FOMC後に再び金市場に関心が集まる可能性が高いと考えている。繰り返しだが、トランプリスクは株式市場での重要な材料ではなくなっているが、政治リスクは少なくとも金には心理的な買い材料になっている。また、イランやカタール問題、さらに世界的なテロや北朝鮮情勢の不透明感もあり、長期的に金を保有しておきたいと考えている投資家は少なくないだろう。常にロングを維持し、押し目を拾うことが肝要である。リスク資産に対するヘッジの意味合いからも、手放してはいけない。年末までに1375ドルまで上昇するとの見方は変わらない。金を含む貴金属への長期的な投資方針が変わることは当面はない。当面というのは2020年ごろまでである。よほどのことがない限り、買い方針は当面維持する方針である。常に金を保有して危機に備えておくのが、金を保有する基本的な考え方である。保有コストを下げるためには上値を買わずに、下げたところを買いながら、上昇を待つのが賢明である。これは長期的な投資を行ううえで最も重要なポイントである。ちなみに、現在の米実質金利から見た金価格の適正水準は1500ドルを超えている。現在の金価格は相当割安であることも理解しておく必要がある。貴金属は長期的に上昇するとみており、保有しながら株式の購入あるいは株価の上昇に併せて買い増すのが賢明である。原油とともに投資対象全体の中心に据え、押し目は確実に拾うようにしたい。

【金価格:2017年の想定レンジ】
強気シナリオ1117.65ドル~1373.40ドル(17年末1329.50ドル)/弱気シナリオ1036.65ドル~1187.20ドル(17年末1059.00ドル)

【金価格:6月の想定レンジ】
強気シナリオ1187ドル~1274ドル/弱気シナリオ1055ドル~1125ドル

【非鉄市場の市況解説・分析】
非鉄相場はまちまち。FOMCでの追加利上げ決定後の動きを待つ展開であろう。市場は14日に発表される中国の鉱工業生産などの指標にも注目している。アルミは重要な節目の1900ドルを割り込み、基調は崩れつつある。1875ドルでサポートされないと、基調が崩れるだけに要注意である。銅も反落し、再び5800ドルを割り込んだ。ただし、5680ドルを維持できれば、基調は維持されていると判断できる。ニッケルは9000ドルで打たれた後に大幅反落し、安値を更新。8740ドルまで下げている。流れが極めて悪い。しかし、かなり安い印象である。亜鉛は反落し、2480ドルまで下落したが、ここでサポートされれば基調維持と判断できる。鉛は大幅反落し、2050ドル台にまで落ち込んでいる。2035ドルを維持できるかを確認することになろう。いずれにしても、かなりの安値圏にあるとの印象が強い。現行水準で下げ止まれるかをまずは確認したい。

中国の5月の新車販売台数は前年同月比0.1%減の209万6000台だった。4月は2.2%減、3月は4%増だった。5月は小型乗用車の減税幅の縮小が影響し、2カ月連続で前年水準を下回った。中国は排気量1600㏄以下の乗用車を対象に、16年末まで自動車取得税の税率を本来の10%から5%に引き下げ、販売の急回復につなげた。ただし、17年は税率を7.5%に変更しており、これが影響しているといえる。5月は乗用車が2.6%減の175万1000台だった。一方で、乗用車のうち電気自動車(EV)は88.9%増の約3万台と大きく伸びた。全体に占める割合はまだ小さいものの、EVは政策支援を追い風に急増を続ける可能性がある。また、1~5月の販売台数は前年比3.7%増となり。前年同期の7.0%増から落ち込んでいる。

【非鉄のトレード戦略】
アルミ、銅、ニッケル・亜鉛、鉛はロングを継続。ここでさらに下げたのには正直驚いたが、買い材料がない中で投げが出ているのだろう。FOMCを受けて、方向感が変わらなければ、長期的な下げに転じる可能性がある。ニッケルはすでに相当の安値にあり、この水準が維持されるとは考えにくい。その他の銘柄についても、基本的に安いとの印象が強い。現在の非鉄相場が2~3年後に今より安い水準で推移していることは想定しづらい。長期的に見れば、需給は着実・確実に改善され、これが価格上昇につながるはずである。中国での過剰設備や供給増などが嫌気されるとの見方もあるが、これはいずれ解消されると考えている。いずれにしても、長期的に見てくことが肝要であり、現状はしっかりと買いたい水準である。長期トレンドも依然として崩れていない。安値を売る意味はないというのは、株式投資の考え方と同じである。繰り返すように、重要なのは長期的な視点であり、大きく下げたときに押し目買いを入れるのが鉄則である。下げたときにしっかりと買い、保有コストを下げながら保有し続けることが肝要である。非鉄銘柄は長期的には2020年までの有望銘柄と考えている。基本は押し目買いである。銅は年末にかけて7700ドルを目指す動きになると考えている。ただし、値動きが大きいため、リスク管理をしっかりと行うようにしたい。非鉄銘柄は長期的な上昇基調が続いている。需給改善を背景に、いずれ大相場が到来する。少額でもよいので銅を中心に非鉄銘柄をぜひポートフォリオの中に入れることを検討したい。非鉄相場はいずれ大相場を迎えるとの見方に変わりない。

【銅価格:2017年の想定レンジ】
強気シナリオ5266ドル~7704ドル(17年末7522ドル)/弱気シナリオ4520ドル~5812ドル(17年末4672ドル)

【銅価格:6月の想定レンジ】
強気シナリオ5950ドル~6635ドル/弱気シナリオ4975ドル~5445ドル

【エネルギー市場の市況解説・分析】
原油は小幅続伸。サウジアラビアが7月にアジア向け割当量を日量30万バレルに制限し、米国向け供給量も35%削減するとの報道が材料視されたもよう。また、ジェンスケープがWTI原油の受け渡し拠点であるオクラホマ州クッシングの在庫が先週に180万バレル超減少したと公表したことも地合いを強めた。WTI原油は45ドル近辺では買い戻しが入っているようで、この水準では下げ止まる動きになっている。また、安値付近では投機筋が原油先物のロングポジションを積み増す動きにあるとの指摘もある。しかし、現物市場では米国のシェールオイル掘削と生産の増加により、引き続き圧迫されている。減産が延長されなければ、18年上半期には産油量が回復し、米国の産油量も増加する可能性がある。17年下半期には大幅な供給不足になる可能性がある一方で、来年以降は再び供給過剰になるとの懸念も根強い。米エネルギー情報局(EIA)は掘削生産性レポートで、7月の米国内のシェールオイル生産が前月比12万7000バレル増の日量548万バレルとなるとの見通しを示している。これは7カ月連続の増加で、増加幅は2月以来の高水準となり、生産量は統計を開始した07年以来の高水準となる見通し。

【エネルギーのトレード戦略】
WTI原油・ブレント原油はロングを継続。45ドル台では買戻しも入っているようであり、下値リスクは限定的となりそうである。ただし、センチメントの改善が見られなければ、上昇に転じるのは難しい。しかし、現状の水準はまさにバーゲンセールである。同じことの繰り返しで恐縮だが、これまでの経験則から考えても、現状はあまりに安すぎる。ファンダメンタルズを理解していない市場関係者が参加していることが原油急落の背景であろう。現状が長期化するとはとても考えられない。また、ガソリン需要期に下げるようなことはまずない。これまでの枠組みが変わった可能性は否定しないが、それでも原油相場は相当割安であろう。ファンダメンタルズが無視される状況は続かない。現状のOPEC加盟・非加盟国の減産を続けるだけでも、一定の需給バランスの改善効果がある。市場がこれを理解していないことが、50ドル以下での推移の理由である。OPEC加盟・非加盟国が減産を継続すれば、米国のシェールオイルの増産を十分に吸収できる。この程度の計算もできないのが、いまの原油市場の参加者ということになる。また米国ではガソリン需要期に入っている。原油相場の本格的な上昇はこれからである。50ドル割れではほとんどの石油生産会社は生産継続ができない。このことを考慮すれば、下値余地がないことは明白である。この押し目を利用して、再度ポジションを固めておくのが得策であろう。年間を通して原油相場が弱かった年も、5月以降は最低でも横ばいから上昇するのが通例である。したがって、秋口までの相場展開を想定する場合には、現状より少なくとも上の水準にあると考えるのが妥当である。中期的には需給面の改善が見えており、原油相場の上昇はきわめて確度が高い。現時点では現行水準以下での押し目買いが有効との考えは変わらない。需給バランスの改善を背景に年末に向けて75ドルを試すとの見方も不変である。原油も長期的な視点でポートフォリオに入れておくべき対象である。

【WTI原油価格:2017年の想定レンジ】
強気シナリオ50ドル~74ドル(17年末70ドル)/弱気シナリオ35ドル~58ドル(17年末38ドル)

【WTI原油価格:6月の想定レンジ】
強気シナリオ58.60ドル~66.95ドル/弱気シナリオ49.45ドル~56.30ドル

◇グローバルマクロ戦略について

本メルマガでご紹介する投資戦略は、ヘッジファンド業界では「グローバルマクロ戦略」のカテゴリーに属します。
これは、世界のヘッジファンドのもっとも得意とする手法で、いわゆるヘッジファンド運用の「王道」です。
この戦略では、あらゆる市場に目を配り、投資機会を探しながら収益の獲得を狙います。
市場価格の上昇・下落に関係なく、価格の変動が見込まれれば、それにベットする(賭ける)戦略です。
ボラティリティが高いほど収益が見込まれますので、投資機会があれば果敢に攻めます。

世界情勢が不透明な中、為替や株式、金利、コモディティなど主要市場の価格変動は一段と大きくなっています。
そのため、それぞれの市場の予測がきわめて困難になっています。

このような市場環境では、マクロ的な見地からより幅広い市場で運用を行う「グローバルマクロ戦略」が有利です。
もちろん、個々の市場でも十分に戦えるように、具体的な取引タイミングも示していく所存です。

「ヘッジファンド戦略の王道」である「グローバルマクロ戦略」で、共に市場で戦いましょう。

◆お知らせ
日経225オプションのトレード戦略に関するメルマガを配信しております。
「江守哲の225オプション リアルトレーディング」です。
 ご興味のある方は、ぜひご購読ください。
http://fx-on.com/email/detail/?id=8592


*セミナー予定

6月17日(土)第一商品さまセミナー(渋谷)
http://www.dai-ichi.co.jp/seminar/detail.asp?id=3486

6月24日(土)岡地さまセミナー(大阪)
http://www.okachi.jp/seminar/detail20170610n.php

7月5日(水)岡藤商事さまセミナー(大阪)
http://www.nihon-fs.co.jp/seminar/seminars/20170705_osaka

7月6日(木)ひまわり証券さまセミナー(WEB)

7月7日(金)マネックス証券さま・雇用統計セミナー(WEB)
https://info.monex.co.jp/news/2017/20170502_01.html

7月8日(土)FX攻略.com・マネックス証券さまセミナー(東京)

7月10日(月)岡三オンライン証券さまセミナー(東京)

7月22日(土)マネックス証券さまセミナー(名古屋)

(上記以外にも、個別セミナーも実施しております。ご興味がある方はお問い合わせください。)


*テレビ出演予定

6月22日(木)13:30~13:45ストックボイスTV「東京マーケットワイド」(東京MXTV)
http://www.stockvoice.jp/

*ラジオ出演予定
6月15日(木)15:10~16:00 ラジオNIKKEI「ザ・マネー~マーケットプレミア」(プレミア証券さま提供)
http://market.radionikkei.jp/premiere/

6月23日(金)16:00~16:20 ラジオNIKKEI「GO!GO! ジャングル・マーケット」(ゴゴジャンさま提供)
http://market.radionikkei.jp/gogo/

6月23日(金)21:30~22:30 ラジオNIKKEI「夜トレ!」(FXプライムbyGMOさま提供)
http://market.radionikkei.jp/yorutore/

6月29日(木)15:10~16:00 ラジオNIKKEI「ザ・マネー~マーケットプレミア」(プレミア証券さま提供)
http://market.radionikkei.jp/premiere/


*定期寄稿スケジュール

「東洋経済オンライン」(隔週木曜日)
 http://toyokeizai.net/

「マネックスメール」(第1・第3・第5金曜日)
 http://lounge.monex.co.jp/pro/special1/

「マネックス証券 為替展望レポート」(毎月)

「マネックス証券 マネックスゴールドレポート」(毎週月曜日)
サンプル5
【6月12日のトレード戦略】今週はFOMC後の動きに注目
配信日:2017年06月12日 08時27分
おはようございます。
本日もよろしくお願いいたします。


岡三オンライン証券さまでWEBセミナーに出演しています。
http://www.okasan-online.co.jp/seminar/webseminar

~世界経済と市場を取り巻く構図~
http://www.jikiden.co.jp/jms/01713kLYnXE4MSTQfa2/
~トランプ政権の政策と金融政策・米国株見通し~
http://www.jikiden.co.jp/jms/01712AyhfwaKWSTnCAk/
~米国株の特徴と傾向~
http://www.jikiden.co.jp/jms/0171MvA1zUybwSTarAg/

8月18日(金)まで視聴可能です。ぜひご視聴ください。


このたび、「為替市場のファンダメンタルズ分析 基礎編」を作成しました。
これまでメルマガでお話ししてきた為替相場の考え方を解説しています。

下記のURLで申し込みができます。
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ぜひご覧ください。


〔EQUITY MARKET〕
【米国株・欧米債券市場の市況解説・分析】
米国株はダウ平均が3日続伸。コミー前米連邦捜査局 (FBI)長官の議会証言や英総選挙など重要イベントを通過した安心感から買われ、5日ぶりに終値で過去最高値を更新した。一方、ナスダッ ク総合指数は100ポイントを超える下落となり、大幅安となった。ロシア政府による米大統領選介入疑惑に関して、コミー氏が前日に行った議会証言では、トランプ大統領による「司法妨害」を裏付けるような決定的な事実は出なかったことから、大統領弾劾を求める動きが一気に広がるような政治的混乱への警戒感が和らいだ。また、8日投票の英下院選挙では、与党・保守党が過半数割れとなり、野党・労働党も 過半数を取れない「ハング・パーラメント(宙づり議会)」となったものの、米国への影響は限定的と受け止めら、米国株の下落は回避された。これらを受けて、投資家のリスク選好が強まり、ダウ平均とナスダック指数はともに取引時間中の過去最高値を更新する場面が見られた。しかし、ナスダック市場の堅調さをけん引するIT株が午後に入ると一転して急落した。米金融大手が、 アップルやフェイスブックなどを割高と指摘したレポートを公表したことが売りのきっかけになったもよう。また、アップルについて、「次期IPHONEに搭載されるモデム半導体のダウンロード速度が、競合他社の高額スマートフォンに劣る」と報じられたことも売り材料になったという。1~3月期の好決算を背景にIT株は上昇を続けてきたこともあり、市場では高値警戒感が急速に広まったようである。アップルは3.9%安、フェイスブックは3.3%安、アマゾン・ドット・コムは3.2%安、マイクロソフトは2.3%安だった。一方。金融株は堅調で、バンク・オブ・アメリカは3.1%高、ウェルズ・ファーゴは2.4%高、シティグループは2.0%高だった。またエネルギー株も堅調で、チェサピーク・エナジーが4. 9%高、エクソンモービルが1.9%高だった。

トランプ政権とロシア政府の関係の疑惑に関して、トランプ大統領はコミー前FBI長官が大統領から捜査の一部を打ち切るよう圧力をかけられたと議会公聴会で証言したことについて「真実ではない。私は言っていない」と反論した。その上で、モラー特別検察官から求められれば宣誓の上で証言する用意があるか問われ、「100%だ。今話したのと同じことを喜んで話す」と語った。偽証罪に問われる恐れがある条件下での証言にも前向きな姿勢を示すことで、自身の「潔白」を印象付ける狙いがあるとみられている。トランプ大統領はコミー氏の8日の公聴会を「ロシアとトランプ陣営の共謀はなく、捜査妨害もなく、コミー氏が情報漏えい者だ」とし、「私は偉大な国の運営に戻る。雇用、貿易赤字、北朝鮮、中東といった大きな問題に集中する」として、疑惑には一定の区切りがついたと強調した。また、トランプ大統領が存在を示唆したコミー氏との会話の録音テープの存否については、トランプ大統領は「恐らくごく近い将来に話す」「答えを聞けばがっかりする。心配しなくていい」などとした。一方、下院情報特別委員会はテープの存否を明らかにし、存在する場合は23日までに特別委に提出するようホワイトハウスに要求した。この問題の解決の長期化は必至であり、予断を許さない状況が続こう。

ムニューシン財務長官は、「税収ペースが見込みよりも幾分下回っている」とした上で、8月までに連邦政府の債務上限を引き上げるよう議会に求めた。資金が枯渇してデフォルトに陥れば、政府機関が閉鎖され、金融市場にも影響が出る可能性がある。ムニューシン財務長官は、「議会がこの問題に早急に対処すると期待しているが、いかなる場合でも懸念はしていない」と指摘。「代替策がある」としたものの、具体的な対応には言及していない。米国では財政赤字の拡大を防ぐため、新規国債などの発行額に議会が上限を設けている。今年3月に法定上限の19兆8000億ドルに達したため、財務省は一部債券の発行を停止し、現在は借り換えなどで資金繰りを確保している。 ただし、トランプ政権の税制改革に伴う還付金などを期待し、納税ペースが例年より遅れている。このため、資金繰りが行き詰まる時期が民間試算による今年10月あるいは11月から、夏に繰り上がる可能性が指摘されている。

米国債は利回りが上昇した。国債入札やFOMCを前に、持ち高を調整する動きがみられたもよう。前日の英総選挙は、メイ首相率いる与党・保守党が第1党の座を維持したが議席を失ったことで、過半数議席を握る政党がないハング・パーラメントとなる見通しとなったが、市場への影響は限定的だった。また、前日議会証言を行ったコミー前FBI長官とトランプ政権に関する動きについては事実上、影響が出尽くしたとの見方もある。英総選挙も結果を受けて、10年債は一時値上がりし、利回りは2.16%まで低下する場面もみられた。ただし、その後は国債入札を控えた売りが優勢になった。10年債利回りは2.204%に上昇。一時2.228%と1週間ぶりの高水準をつけた。30年債利回りは2.857%に上昇し、一時2.883%と1週間ぶりの高水準をつけた。2年債利回りは一時1.351%と4週間ぶりの水準に上昇した。

今週の注目は13・14日に開催されるFOMCである。失業率が低下し、景気拡大が続いているため、FRBは政策金利を0.25%引き上げるとみられている。引き上げは3月以来で、今年2回目となる見通し。5月の失業率は4.3%と16年ぶりの低水準。を付けている。ブレイナードFRB理事は「早期の利上げは適切」と、引き上げを事実上予告している。FOMCでは、量的緩和で大きく膨らんだ資産を減らす政策正常化についても検討する見通し。保有する米国債などが満期を迎えた分から徐々に減らしていく具体的な計画を示す可能性も指摘されている。FRBは今年3回の利上げを想定しているが、年後半にあと1回利上げを行うかについても見極めることになる。市場では、年内に実施する利上げの回数はあと2回との見方が多い。

ユーロ圏債券市場では、イタリア国債利回りが3カ月ぶりの水準に低下。選挙改革法案に関する主要政党の合意が崩れ、総選挙実施の可能性が遠のいたことが材料視された。ユーロ圏全体では、利回りが総じて数カ月ぶりの低水準近辺となった。英総選挙で、与党・保守党が過半数議席を失ったことで、安全資産とされる国債の投資妙味が高まったもよう。メイ首相はEU離脱交渉で優位な立場を確保しようと解散総選挙に打って出たが、裏目に出た。イタリア10年債利回りは2.085%と、3カ月ぶりの水準を付けた。イタリアでは前日に選挙改革法案について、主要4政党の合意が決裂し、議会を解散する権限を持つマッタレッラ大統領は「現行制度が両院であまりにも違いすぎる」として、新たな選挙法の立案を求めており、選挙前倒しの可能性が後退したもよう。

【米国株のトレード戦略】
ダウ平均、S&P500、ナスダック指数はロングを継続。8日のイベントを通過し、市場の関心はFOMCに移ることになる。ただし、波乱はない見通しであり、市場への影響は限定的と考えている。大きな政策変更があるわけではなく、影響は限定的とみられるが、利上げ後には短期的な株価調整が入るという過去の経験則もあり、一部に懸念する市場関係者の声もある。しかし、FRBは6月で利上げをいったん打ち止め、年内の資産圧縮開始を進めるとの判断に傾くと考えられる。原油安もあり、インフレが高まらない中で、FRBが積極的に利上げを行うことはできない。その結果、金利も上昇しづらい状況が続くことになる。資産圧縮が市場に影響がないことを確認するまでは、利上げは棚上げされ、その結果としての金利低下とドル安が米国株を支えることになるだろう。米国株の上昇再加速の可能性が高まるが、今年に入ってからも堅調に推移していることから、今後の上昇はやや緩慢になる可能性もある。それでも、上昇基調は維持されるだろう。ダウ平均は6月の強気シナリオのレンジ下限は20865ドルをサポートしていれば、上昇基調は継続と判断することになる。一方、市場ではナスダック指数が急落したことを懸念する声が上がっている。これまで堅調に推移してきたこともあり、このような考えに傾くのも仕方がないだろう。しかし、それは杞憂に終わるだろう。1986年以降、ナスダック指数が年初から6月初めまでで20%以上、上昇したケースは9回あるが、6月初め以降年末までの上昇率は平均で13.95%となっている。ちなみに、20%上昇とならなかった年も含めた全体の平均でも7.13%の上昇であり、これから年末までは上昇しやすい傾向があることがわかる。さらに言えば、1986年以降の20%超の上昇で、年末までに下落したのは86年と87年だけであり、残りの7回はすべてプラスとなっている。つまり、年初から6月初めまでに強い上昇基調となっていた年は、年末まで堅調だということである。近年の傾向からすれば、今後ナスダック指数が年末までマイナスになるとすれば、これはむしろ相当の驚きの結果となる。このような過去データを知っておけば、目先の材料に振り回されることがなくなる。むしろ、強気にならなければならないことになる。今回の押しは最高の押し目になるだろう。

重要なことは、過去のデータと現在の市場状況を見ながら、「長期的視点に基づいた再現性のある投資戦略」を構築することである。目先の材料で判断しているうちは、良い結果は得られない。ただし、6月は上昇30回、下落36回となっており、パフォーマンスもマイナス0.3%と2番目に悪い水準となっている。そのため、一定の警戒は必要だが、過度な懸念は必要ないと考えている。繰り返しだが、米国株は上昇し始めると17年間はそのトレンドが続く傾向がある。今回の上昇トレンド入りは2012年であり、ここから17年間上昇するとすれば、2029年まで続くことになる。目先の上下に振り回される必要は全くない。ダウ平均の年率騰落率は平均で8.75%であり、このペースで上昇すれば、2029年には58800ドルになる計算である。現在の2.8倍である。この考え方が米国株への投資では重要である。米国株は2029年までの超長期上昇トレンドの第2ステージに入ったとの認識であり、これが2019年半ばごろまで続くと考えている。米国株投資で10年以上保有できれば、最低でも2倍のリターンは確保できるのが、過去の実績である。株式運用では米国を中心に行うのが賢明である。米国株を長期的に見ながら押し目を拾っていくのが株式投資の王道である。

【ダウ平均株価:2017年の想定レンジ】
強気シナリオ19310ドル~23185ドル(17年末22870ドル)/弱気シナリオ16050ドル~20195ドル(17年末17850ドル)

【ダウ平均株価:6月の想定レンジ】
強気シナリオ20865ドル~22015ドル/弱気シナリオ18650ドル~19905ドル

【S&P500:2017年の想定レンジ】
強気シナリオ2182~2660(17年末2627)/弱気シナリオ1823~2302ドル(17年末1987)

【S&P500:6月の想定レンジ】
強気シナリオ2362ドル~2494ドル/弱気シナリオ2113ドル~2257ドル

【ナスダック指数:2017年の想定レンジ】
強気シナリオ5228~6858(17年末6762)/弱気シナリオ3911~5748(17年末4301)

【ナスダック指数:6月の想定レンジ】
強気シナリオ5602~6098/弱気シナリオ4876~5379

【米国債トレード戦略】
10年債はショートを継続。金利の低下余地は乏しい。いまは上昇しているが、これも米国株のヘッジである。金利の急騰は念頭にないが、それでも低下リスクはほとんどないといってよいだろう。

【日本株の市況解説・分析】
日本株は上昇し、日経平均は2万円を回復して引けた。8日のコミー前FBI長官による議会証言を無難に終えて上昇した米国株高を背景に上昇して始まった後は、英下院選挙の開票結果待ちとなり、積極的な売買が手控えられた。ただし、午後になって英与党・保守党、野党・労働党とも獲得議席が過半数に達せず「ハング・パーラメント(宙づり議会)」が確定的になるとEU離脱交渉の停滞懸念からリスク回避の売りが強まった。しかし、その後は取引終了まで週末要因によるポジション調整でもみ合う展開が続いた。とはいえ、目先の海外イベントを通過したことで、投資家のリスク回避姿勢は後退しているといえる。今週はFOMCが焦点となるが、すでに利上げは織り込み済みであり、波乱はないだろう。FOMCを無難に通過すれば、日経平均は再び上値を試す展開になるだろう。引き続き、好業績な企業を中心に買いが集まるものと考えられる。外国人投資家の買いも続いており、日本企業の収益体質の変化への注目が高まりつつある。5月第5週(5月29日~6月2日)で、海外投資家は日本の現物株と先物合計で4735億円の大幅買い越しとなった。そのうち現物は9週連続の買い越しとなっている。日経平均を2万円台まで押し上げた投資主体は海外勢であり、今後もその動向が日本株を左右することになりそうである。一方、15~16日には日銀金融政策決定会合が開催されるが、政策変更なしがコンセンサスとなっている。日銀の政策出口論に関しても、黒田総裁はこれまでの政策継続を強調する見通しであり、大きな影響はないだろう。

【日経平均先物のトレード戦略】
ロングを継続。ドル円が110円台を維持しており、今日も底堅い展開が続こう。2万円を固めるには時間が必要だが、騰落レシオの25日平均が104%にまで低下しており、徐々に割高感が解消されている点はポジティブ要因である。繰り返すように、テクニカル的な過熱感が株価の上値を抑えているだけであり、本来のバリューからはまだ相当安い。チャート面では19900円から19800円がサポートであり、これを維持できていれば何も問題ない。そもそも、日経平均採用銘柄のEPSからみれば、まだ相当割安である。この水準で戻り売りを入れている投資家が居ることに驚くしかないが、空売りの買い戻しが株価水準を押し上げることになるだろう。企業業績という株価形成において最も重要なファンダメンタルズ要因を無視すると、最大の投資機会を失うことになる。いずれ15年6月高値の20900円水準を目指す動きになるだろう。これを上抜けると、全く違う相場になるだろう。まずは6月の強気シナリオのレンジ下限である20085円を固めることである。年末時点での23000円到達の可能性は十分にあるだろう。また、徐々に円高離れが見られる。内需関連銘柄への関心が高まっていることが背景にあるのだろう。投資家はいつまでもトヨタ自動車などの主力株だけを見ていても仕方がない。投資収益を求めるのであれば、より成長性のある企業への投資を検討するようにしたい。個別銘柄ベースでは、年初来高値・上場来高値などを付けている銘柄が多い。過熱感も指摘されるが、割高に上昇した場合にはいったん手仕舞いし、割安に放置されている銘柄を探すべきであろう。割高な株価を勢いだけで買うと、高値掴みになる可能性がある。これだけは避けたい。割安な株式を買っておけば、多少の下げにも十分に耐えられる。地合いがよくなっているいまだからこそ、これまで通り、強い動きにある割高株ではなく、割安株に慎重に投資するスタンスを変えずに臨みたい。実際、利益が乗っているものは割高になる前に利益を確定させ、割安なものの移行させることで、資金移動の好循環が生まれている。

【日経平均株価:2017年の想定レンジ】
強気シナリオ18335円~23400円(17年末23020円)/弱気シナリオ14970円~19915円(17年末15620円)

【日経平均株価:6月の想定レンジ】
強気シナリオ20085円~21750円/弱気シナリオ17690円~19245円

【TOPIX:2017年の想定レンジ】
強気シナリオ1473~1860(17年末1833)/弱気シナリオ1215~1574(17年末1270)

【TOPIX:6月の想定レンジ】
強気シナリオ1626~1750/弱気シナリオ1407~1524

〔CURRENCY MARKET〕
ドル円は上昇。リスク警戒感の後退を背景に円売り・ドル買いが優勢となった。8日投票の英下院総選挙では、メイ首相率いる与党・保守党の獲得議席数が過半数を割り込み、事実上の敗北を喫した。これを受けて、東京時間帯から英ポンドに対して上昇したドルが対円でも強含み、110円台前半に上昇した。その後も円売り・ドル買いの流れが継続し、ドル円は一時110.81円まで上昇する場面があった。ただし、ナスダック総合指数が急落し、米長期金利もやや切り下げたことから、ドルを売って円を買い戻す動きが優勢となり、ドル円は110円台前半に再び低下した。コミー前FBI長官の議会証言などの重要イベントを大きな波乱なく通過したことで、投資家のリスク警戒姿勢が和らいでおり、これもドル円の上昇につながりやすい。しかし、市場の関心は13・14日開催のFOMCに向かうことになろう。FOMCでは追加利上げが確実視されているが、市場の関心はン円末までの利上げ回数に加え、FRBが保有する資産圧縮の具体的な方法が示されるかにある。基本的には、利上げは今回で休止され、年末までに資産圧縮を開始することになるだろう。これに伴い、ドル円は上昇しづらくなり、108円と112円のもみ合い相場が今後も続く可能性が高まろう。

ユーロドルも上値の重い展開。イベント通過で売りが出ており、1.12ドル前後でのもみ合いが続いている。ここを維持できるかが大きなポイントになる。一方、ドイツの4月の輸出額は前年同月比2.9%減の1010億ユーロにとどまり、輸入額は5.4%増の830億ユーロに改善した。貿易黒字は181億ユーロとなり、いずれも253億ユーロだった前年同月と前月から縮小した。1~4月累計では、輸出は前年同期比5.5%増の4204億ユーロ、輸入は8.9%増の3423億ユーロだった。貿易黒字は781億ユーロで、前年同期の841億ユーロから縮小。経常黒字は809億ユーロで、同924億ユーロから縮小した。ポンドドルは一時2.5%急落し、1.2635ドルまで下落。メイ首相が解散総選挙の実施を発表した4月18日以来の安値をつけた。その後は下げ幅を縮小した。英国の4月の貿易収支は103億8300万ポンドの赤字で、赤字額は3月の120億4800万ポンドから縮小した。

メイ首相は組閣を表明。ただし、総選挙で与党・保守党が過半数割れとなったことで、議会では北アイルランドのプロテスタント系民主統一党(DUP)の「友人」と協力する考えを示した。DUPは今回の選挙で議席数を10に増やした。北アイルランドの英国残留を強く支持し、社会問題に対しては保守的な姿勢を示している。ただし、一部では保守党とDUPの連立による少数与党が長期的に持続するか懐疑的な見方もあり、再選挙もあり得るとしている。またEU離脱交渉開始を19日に控えるなか、議会で過半数議席を失ったことで、メイ首相が進める離脱計画に対して党内外から向かい風が強まる可能性が指摘されている。EU指導部からも保守党が過半数議席を失ったことで離脱交渉が頓挫する恐れもあるとの懸念が出ている。

【通貨トレード戦略】
ドル円は新規でロング。上昇余地があるため、目先は111円前後までの上昇を見込みたい。しかし、上昇しても、そのあたりで打たれる可能性がある。非常に動きづらい状況が続くだろう。111円を超えても、111.70円前後にも重いレジスタンスが控えている。日柄をこなしながら、FOMC後の動きを確認することになろう。動きづらいことを念頭に入れた上で、狭いレンジでの取引になることを理解しておく必要がある。108.70円と113円ちょうどのレンジを抜けると大相場になるが、それまではこのような狭いレンジでの取引に終始せざるを得ない。
ユーロ円はショートを解消する。下げ渋っており、次の動きが出るのを待ちたい。123.50円を維持できれば、124.30円を目指すことになろう。その動きを今日一日で確認し、そのうえで新規のロングを検討する。
ユーロドルはロングを継続。ただし、1.12ドルを維持していることが大前提となる。下落余地があるだけに、目先は上値の重い展開が続くだろう。調整が上手く進めば、現行水準を維持し、反発に転じる可能性が高まろう。ただし、1.12ドルを割り込むと1.0950ドルまで下げるリスクがあるだけに、1.12ドルを割り込んだ場合には割り切ってショートにすべきであろう。
ポンド円は見送り。トレンドは下向きだが、一方的に下げる動きにはない。139円でサポートされており、下値も限定的といえる。逆に141円を回復すると、買戻しから値を上げる可能性があり、その場合には143円までの戻りになるだろう。新規のロングはここまでを確認してからでも遅くないだろう。ただし、143円を超えられないようだと、結局は戻り売りになる。
ポンドドルは見送り。下げ余地があるものの、1.26ドル台で下げ止まっており、売りづらい面がある。ただし、トレンドは下向きであり、まずは1.2850ドルまでの戻りを待ち、そこで新規のショートを検討したい。逆に1.29ドルを超えると基調は上向くに転じることになる。今回の英国総選挙を契機にショートした向きの買い戻しが一気に入ってくる可能性があり、その場合には地合いが大きく変わることも想定されるだろう。「ポンドは下げる」といったような固定観念を持たずに見ておきたい。
豪ドル円は見送り。新規でロングでもよさそうだが、まずは83.35円を超えるのを確認したい。買われ過ぎ感が強まっており、これを超えられないと結局は売りとなる。今日の動きを確認した上で、次の戦略を検討したい。逆に82.80円を割り込むと、下げが加速しやすい点にも注意が必要である。
豪ドル/米ドルは新規でショート。ここはあえて逆張りでショートしてみる。0.7525ドルを割り込むと、下げが加速するだろう。下落余地も大きい。ただし、0.7550ドルを超えた場合には、機械的に買戻し、ロングを検討することになる。
南アランド/円は見送り。引き続き方向感がない。下落余地もわずかに残っている。ただし、8.5円をサポートできれば、ここで新規のロングを検討することになる。逆に割り込めば、新規のショートになる。つまり、8.5円を放れた方に取引することが賢明ということである。

【ドル円:2017年の想定レンジ】
強気シナリオ115.25円~129.85円(17年末128.35円)/弱気シナリオ103.60円~118.75円(17年末104.70円)

【ドル円:6月の想定レンジ】
強気シナリオ118.90円~124.35円/弱気シナリオ110.50円~115.45円

【ユーロ円:2017年の想定レンジ】
強気シナリオ119.80円~134.85円(17年末133.70円)/弱気シナリオ107.95円~124.75円(17年末109.65円)

【ユーロ円:6月の想定レンジ】
強気シナリオ120.95円~126.50円/弱気シナリオ114.05円~119.30円

【ユーロドル:2017年の想定レンジ】
強気シナリオ1.0270ドル~1.1700ドル(17年末1.1550ドル)/弱気シナリオ0.9480ドル~1.0695ドル(17年末0.9730ドル)

【ユーロドル:6月の想定レンジ】
強気シナリオ1.0570ドル~1.1010ドル/弱気シナリオ0.9760ドル~1.0180ドル

【ポンド円:2017年の想定レンジ】
強気シナリオ140.50円~156.25円(17年末154.20円)/弱気シナリオ125.65円~146.85円(17年末127.05円)

【ポンド円:6月の想定レンジ】
強気シナリオ141.75円~148.95円/弱気シナリオ137.25円~143.55円

【ポンドドル:2017年の想定レンジ】
強気シナリオ1.2080~1.3710ドル(17年末1.3535ドル)/弱気シナリオ1.1230ドル~1.2510ドル(17年末1.1435ドル)

【ポンドドル:6月の想定レンジ】
強気シナリオ1.2495~1.3000ドル/弱気シナリオ1.1550~1.2145ドル

【豪ドル円:2017年の想定レンジ】
強気シナリオ83.20円~96.10円(17年末94.80円)/弱気シナリオ74.45円~87.00円(17年末77.70円)

【豪ドル円:6月の想定レンジ】
強気シナリオ87.75円~93.10円/弱気シナリオ79.75円~84.85円

【豪ドル/米ドル:2017年の想定レンジ】
強気シナリオ0.7070~0.8200ドル(17年末0.8080ドル)/弱気シナリオ0.6480~0.7355ドル(17年末0.6625ドル)

【豪ドル/米ドル:6月の想定レンジ】
強気シナリオ0.7465~0.7815ドル/弱気シナリオ0.6820~0.7135ドル

〔COMMODITY MARKET〕「金は続落、原油は上値の重い展開」
【貴金属市場の市況解説・分析】
金相場は下落。ドル高が売り材料となった。英総選挙で保守党が過半数を割り込んだのを嫌気してポンドが急落。これを受けて、ドル指数が5月後半以来の高値を付けるなど、ドル高基調になった。また、株式市場も混乱を回避するなど、投資家のリスク回避姿勢が後退したことも、金売りにつながったといえる。一方で、米国の政治リスクは残っており、これが心理的に金相場を支える可能性がある。世界最大の金上場投資信託(ETF)であるSPDRゴールドトラストの保有高は、2日の851トンから9日には867トンに増加している。金相場は下落したが、一方で政治不安などを背景に投資家は金投資を拡大させていることが確認できる。COMEX金先物市場での大口投機筋のポジションは、6月6日時点で20万4465枚の買い越しとなり、前週から3万7375枚増加した。買いポジションが6万1698枚の増加となった一方、売りポジションが2万4323枚の増加となり、ネットの買い越しポジションが増加した。金相場の底打ちから上昇への転換や、欧米の政治不安などを背景に、投機筋はここにきて大幅に金を買い越している。一方で、売りポジションも大きく増えており、割高と判断している向きが居ることも確認できる。ただし、6日に高値を付けた後に下落していることから、週末に掛けて買いポジションが大きく減少している可能性があり、今週末に発表されるデータで確認したいところである。金相場は1300ドルを超えることができなかったことから、ダブルトップを形成した格好となっており、目先は上値が重くなりやすい。一方、トランプ大統領はコミー氏の証言に対して反論しており、この問題は長期化する可能性が高まっている。また、英国総選挙の結果を受けて、保守党が過半数を確保できなかったことから、メイ首相の求心力が低下し、EU離脱交渉に支障が出ることで、政治不安につながる可能性もある。これらの要因は、金相場の心理的なサポート要因として機能することになろう。市場の関心は、6月13・14日のFOMCに集まろう。FRBは0.25%の利上げを行う見通しだが、それ以降の年内の利上げが実施されるかは不透明な状況にある。原油安が続いており、インフレ率が高まっておらず、積極的な利上げ継続は困難になろう。また、FRBは利上げよりも保有する資産圧縮を優先させる方針と考えられ、その場合には利上げはいったん棚上げされる可能性が高い。これがドルの上値を抑え、金相場にはポジティブな要因となろう。1260ドル、1250ドル前後には重要なサポートがあり、これらを維持できれば、FOMC後に再び上向く可能性がある。年末までに1375ドルまで上昇するとの見方は変わらない。

【貴金属のトレード戦略】
金、銀、プラチナ、パラジウムはロングを継続。金相場は下げてはいるものの、長期サポートを維持しており、トレンドは崩れていない。米国の政治不安や米利上げペースの鈍化は金相場の基本的な下支え要因である。FOMC後に再び金市場に関心が集まる可能性が高いと考えている。トランプリスクは株式市場での重要な材料ではなくなっているが、政治リスクは少なくとも金には心理的な買い材料になっている。また、イランやカタール問題、さらに世界的なテロや北朝鮮情勢の不透明感もあり、長期的に金を保有しておきたいと考えている投資家は少なくないだろう。常にロングを維持し、押し目を拾うことが肝要である。リスク資産に対するヘッジの意味合いからも、手放してはいけない。年末までに1375ドルまで上昇するとの見方は変わらない。金を含む貴金属への長期的な投資方針が変わることは当面はない。当面というのは2020年ごろまでである。よほどのことがない限り、買い方針は当面維持する方針である。常に金を保有して危機に備えておくのが、金を保有する基本的な考え方である。保有コストを下げるためには上値を買わずに、下げたところを買いながら、上昇を待つのが賢明である。これは長期的な投資を行ううえで最も重要なポイントである。ちなみに、現在の米実質金利から見た金価格の適正水準は1500ドルを超えている。現在の金価格は相当割安であることも理解しておく必要がある。貴金属は長期的に上昇するとみており、保有しながら株式の購入あるいは株価の上昇に併せて買い増すのが賢明である。原油とともに投資対象全体の中心に据え、押し目は確実に拾うようにしたい。

【金価格:2017年の想定レンジ】
強気シナリオ1117.65ドル~1373.40ドル(17年末1329.50ドル)/弱気シナリオ1036.65ドル~1187.20ドル(17年末1059.00ドル)

【金価格:6月の想定レンジ】
強気シナリオ1187ドル~1274ドル/弱気シナリオ1055ドル~1125ドル

【非鉄市場の市況解説・分析】
非鉄相場は底堅い展開。アルミは1900ドルをかろうじて維持しながら徐々に下値を切り上げており、底堅い展開といえる。銅は急伸。5800ドルを上回り、基調は明らかに上昇に転じている。チリでの減産観測が材料視されており、目先の高値を抜けたことで、6000ドルを目指す展開になっている。ニッケルも急伸し、安値から大幅に回復している。底打ちの可能性が高まっており、9075ドルを超えると基調は明らかに上向きになるだろう。亜鉛も急伸。2400ドルのサポートを維持し、急反発しており、2570ドルを超えると基調は再び上向くことになろう。鉛も同様に急伸しており、2100ドルを維持できれば、2200ドルを試す可能性が高まろう。このように、非鉄相場は目先の下値を確認した格好となっている。このまま上昇基調が続けば、大きな展開につながる可能性がある。FOMC後のそのような動きになるか、今週は重要な週になりそうである。中国の経済指標の動向にも注目しておきたい。

【非鉄のトレード戦略】
アルミ、銅、ニッケル・亜鉛、鉛はロングを継続。ようやく下げ止まり、反発基調に入った。今週の動き次第では、基調が大きく変わるだけに、注目しておきたい。繰り返すように、いまの水準は安すぎるとの考えに変わりない。現在の非鉄相場が2~3年後に今より安い水準で推移していることは想定しづらい。長期的に見れば、需給は着実・確実に改善され、これが価格上昇につながるはずである。中国での過剰設備や供給増などが嫌気されるとの見方もあるが、これはいずれ解消されると考えている。いずれにしても、長期的に見てくことが肝要であり、現状はしっかりと買いたい水準である。長期トレンドも依然として崩れていない。安値を売る意味はないというのは、株式投資の考え方と同じである。繰り返すように、重要なのは長期的な視点であり、大きく下げたときに押し目買いを入れるのが鉄則である。下げたときにしっかりと買い、保有コストを下げながら保有し続けることが肝要である。非鉄銘柄は長期的には2020年までの有望銘柄と考えている。基本は押し目買いである。銅は年末にかけて7700ドルを目指す動きになると考えている。ただし、値動きが大きいため、リスク管理をしっかりと行うようにしたい。非鉄銘柄は長期的な上昇基調が続いている。需給改善を背景に、いずれ大相場が到来する。少額でもよいので銅を中心に非鉄銘柄をぜひポートフォリオの中に入れることを検討したい。非鉄相場はいずれ大相場を迎えるとの見方に変わりない。

【銅価格:2017年の想定レンジ】
強気シナリオ5266ドル~7704ドル(17年末7522ドル)/弱気シナリオ4520ドル~5812ドル(17年末4672ドル)

【銅価格:6月の想定レンジ】
強気シナリオ5950ドル~6635ドル/弱気シナリオ4975ドル~5445ドル

【エネルギー市場の市況解説・分析】
原油は小幅上昇。ナイジェリアでのパイプラインの停止が支援材料だった。ただし、世界的な供給過剰に対する根強い懸念を背景に上値は重い。米国内の石油掘削リグ稼働数は前週比8期増の741基となり、15年4月以来の高水準に達している。米国内の原油在庫が予想外に330万バレル増加し、ガソリンも増加するなど、市場を弱気にさせる材料が依然として多い。今の原油相場は、米国のシェールオイルの生産量が今後も増加することから、需給バランスが悪化して原油価格が下がるというロジックで動いている。また先物市場では、下がるから売る、売るから下がるといった売り圧力がある。さらに、ファンダメンタルズを考慮していないかのような売りも出ている。このように、先物市場での投機筋の売りが原油相場を押し下げているといえる。しかし、このようなファンダメンタルズを無視した売りは最終的には報われないだろう。それは、08年の原油相場の動き振り返るとわかるだろう。当時はWTI原油が147ドルというとてつもない水準に上昇した。この上昇自体は、いまとなっては異常値であり、やはりその後は大きく下げた。しかし、その下げはすさまじく、32ドルまで下落した。しかし、これも下げすぎだった。また、16年初めの26ドルまでの下げも異常だったといえるだろう。このように、相場は行き過ぎるのだが、このような下げは、最終的には調整され、正しいバリューに戻っていく。いまの40ドル台後半の水準は、いまのファンダメンタルズから見ると、前述のような32ドルや26ドルの水準に相当するのではないかと考えられる。つまり、のちに振り返ると、「あのような安値があったのか」という水準ではないかと考えられる。OPEC加盟・非加盟国の減産と世界の石油需要の増加で、今年の需給バランスは前年比で日量300万バレルは改善する。一方、米国のシェールオイル生産はせいぜい60万バレル程度の増加である。それで、なぜ今の方が原油価格は安いのか。これは非常に興味深い事実であろう。まして、いまは米国のガソリン需要期である。この時期に原油相場が下落することは過去にはない。ここまで見通しておけば、いまの原油相場への対処も決まってくるだろう。一方、サウジの単年度の財政収支均衡のために必要な原油価格の水準は80ドルを超えている。ちなみに、ほとんどの中東産油国が60ドル以上である。つまり、現状の原油価格の水準が続けば、どの国も大変な事態になる。したがって、是が非でも原油価格の水準を引き上げる必要があるといえる。

【エネルギーのトレード戦略】
WTI原油・ブレント原油はロングを継続。45ドル台での推移に驚くしかないのだが、さすがにこの水準では下げ止まるだろう。現状はまさにバーゲンセールであろう。同じことの繰り返しで恐縮だが、これまでの経験則から考えても、このような考えを変えようがない。上記のように、ファンダメンタルズを理解していない市場関係者が参加していることが、原油急落の背景であり、このような状況が長期化するとはとても考えられない。また、ガソリン需要期に下げるようなことはまずない。これまでの枠組みが変わった可能性は否定しないが、それでも原油相場は相当割安であろう。ファンダメンタルズが無視される状況は続かない。現状のOPEC加盟・非加盟国の減産を続けるだけでも、一定の需給バランスの改善効果がある。市場がこれを理解していないことが、50ドル以下での推移の理由である。OPEC加盟・非加盟国が減産を継続すれば、米国のシェールオイルの増産を十分に吸収できる。この程度の計算もできないのが、いまの原油市場の参加者ということになる。また米国ではガソリン需要期に入っている。原油相場の本格的な上昇はこれからである。50ドル割れではほとんどの石油生産会社は生産継続ができない。このことを考慮すれば、下値余地がないことは明白である。この押し目を利用して、再度ポジションを固めておくのが得策であろう。年間を通して原油相場が弱かった年も、5月以降は最低でも横ばいから上昇するのが通例である。したがって、秋口までの相場展開を想定する場合には、現状より少なくとも上の水準にあると考えるのが妥当である。中期的には需給面の改善が見えており、原油相場の上昇はきわめて確度が高い。現時点では現行水準以下での押し目買いが有効との考えは変わらない。需給バランスの改善を背景に年末に向けて75ドルを試すとの見方も不変である。原油も長期的な視点でポートフォリオに入れておくべき対象である。

【WTI原油価格:2017年の想定レンジ】
強気シナリオ50ドル~74ドル(17年末70ドル)/弱気シナリオ35ドル~58ドル(17年末38ドル)

【WTI原油価格:6月の想定レンジ】
強気シナリオ58.60ドル~66.95ドル/弱気シナリオ49.45ドル~56.30ドル

◇グローバルマクロ戦略について

本メルマガでご紹介する投資戦略は、ヘッジファンド業界では「グローバルマクロ戦略」のカテゴリーに属します。
これは、世界のヘッジファンドのもっとも得意とする手法で、いわゆるヘッジファンド運用の「王道」です。
この戦略では、あらゆる市場に目を配り、投資機会を探しながら収益の獲得を狙います。
市場価格の上昇・下落に関係なく、価格の変動が見込まれれば、それにベットする(賭ける)戦略です。
ボラティリティが高いほど収益が見込まれますので、投資機会があれば果敢に攻めます。

世界情勢が不透明な中、為替や株式、金利、コモディティなど主要市場の価格変動は一段と大きくなっています。
そのため、それぞれの市場の予測がきわめて困難になっています。

このような市場環境では、マクロ的な見地からより幅広い市場で運用を行う「グローバルマクロ戦略」が有利です。
もちろん、個々の市場でも十分に戦えるように、具体的な取引タイミングも示していく所存です。

「ヘッジファンド戦略の王道」である「グローバルマクロ戦略」で、共に市場で戦いましょう。

◆お知らせ
日経225オプションのトレード戦略に関するメルマガを配信しております。
「江守哲の225オプション リアルトレーディング」です。
 ご興味のある方は、ぜひご購読ください。
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*セミナー予定

6月17日(土)第一商品さまセミナー(渋谷)
http://www.dai-ichi.co.jp/seminar/detail.asp?id=3486

6月24日(土)岡地さまセミナー(大阪)
http://www.okachi.jp/seminar/detail20170610n.php

7月5日(水)岡藤商事さまセミナー(大阪)
http://www.nihon-fs.co.jp/seminar/seminars/20170705_osaka

7月6日(木)ひまわり証券さまセミナー(WEB)

7月7日(金)マネックス証券さま・雇用統計セミナー(WEB)
https://info.monex.co.jp/news/2017/20170502_01.html

7月8日(土)FX攻略.com・マネックス証券さまセミナー(東京)

7月10日(月)岡三オンライン証券さまセミナー(東京)

7月22日(土)マネックス証券さまセミナー(名古屋)

(上記以外にも、個別セミナーも実施しております。ご興味がある方はお問い合わせください。)


*テレビ出演予定

6月22日(木)13:30~13:45ストックボイスTV「東京マーケットワイド」(東京MXTV)
http://www.stockvoice.jp/

*ラジオ出演予定
6月15日(木)15:10~16:00 ラジオNIKKEI「ザ・マネー~マーケットプレミア」(プレミア証券さま提供)
http://market.radionikkei.jp/premiere/

6月23日(金)16:00~16:20 ラジオNIKKEI「GO!GO! ジャングル・マーケット」(ゴゴジャンさま提供)
http://market.radionikkei.jp/gogo/

6月23日(金)21:30~22:30 ラジオNIKKEI「夜トレ!」(FXプライムbyGMOさま提供)
http://market.radionikkei.jp/yorutore/

6月29日(木)15:10~16:00 ラジオNIKKEI「ザ・マネー~マーケットプレミア」(プレミア証券さま提供)
http://market.radionikkei.jp/premiere/


*定期寄稿スケジュール

「東洋経済オンライン」(隔週木曜日)
 http://toyokeizai.net/

「マネックスメール」(第1・第3・第5金曜日)
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「マネックス証券 為替展望レポート」(毎月)

「マネックス証券 マネックスゴールドレポート」(毎週月曜日)
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